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大森町 (東京府)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
おおもりまち
大森町
廃止日1932年10月1日
廃止理由編入合併
大森町、入新井町、池上町、馬込町、東調布町 →東京市
現在の自治体大田区
廃止時点のデータ
国日本の旗日本
地方関東地方
都道府県東京府
郡荏原郡
市町村コードなし（導入前に廃止）
面積3.81km2
総人口46,055人
（1930年10月1日）
隣接自治体入新井町、池上町、蒲田町、羽田町
大森町役場
所在地東京府荏原郡大森町字千代田2750番地[1]
座標北緯35度34分01秒東経139度44分45秒 / 北緯35.56689度 東経139.74597度 /35.56689; 139.74597 (大森町)座標:北緯35度34分01秒東経139度44分45秒 / 北緯35.56689度 東経139.74597度 /35.56689; 139.74597 (大森町)
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大森町（おおもりまち）は、東京府荏原郡にかつて存在した町である。東京都大田区の京急本線大森町駅周辺に位置する。

沿革

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行政

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町村長

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歴代町村長[13]
代氏名就任年月日退任年月日備考
1平林正之助1889年（明治22年）3月9日1913年（大正2年）3月8日在任中に町政施行
2村上謙1913年（大正2年）5月5日1913年（大正2年）12月15日
3須山藤右衛門1914年（大正3年）4月11日1916年（大正5年）2月25日
4平林作次郎1917年（大正6年）2月19日1921年（大正10年）2月27日
5須山藤右衛門1921年（大正10年）3月15日1922年（大正11年）6月27日
6松尾源次郎1922年（大正11年）12月16日1923年（大正12年）7月25日
7島田由兵衛1923年（大正12年）12月17日1925年（大正14年）10月12日
8平林眞之助1926年（大正15年）2月12日
9山本半蔵1927年（昭和2年）12月21日[14]

行政施設

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交通

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鉄道

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京浜東北線大森駅・京急本線海岸駅は入新井町に所在した[17][18]。

バス

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道路

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産業

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水産業が中心である[21]。名産品にアサクサノリがある[22]。

農業

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当町の廃止時は農業が衰退しており、1931年の田畑面積は、1913年に比べて8割以上減少した[23]。農業戸数は1926年末時点で70戸あり、全て兼業農家であった[24]。1929年6月時点の鶏の飼育戸数は260戸、飼育羽数は約2万800羽であった[25]。

漁業

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1929年（昭和4年）の生産高は下記の通りであった[21]。

下記に漁業従事者推移を示す。海苔業者には問屋を含まない。

漁業従事者推移
年海苔業者漁業者出典
1881年（明治14年）2,310人[26]
1890年（明治23年）3,239人771人[27]
1891年（明治24年）2,256人772人[28]
1892年（明治25年）2,240人814人[29]
1929年（昭和04年）海苔・漁業合わせ11,085戸[30]

教育

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  • 大森第一高等尋常小学校 - 字田中
  • 大森第二尋常小学校 - 字松戸
  • 大森第三尋常小学校 - 字靏渡
  • 大森実業公民学校
  • 大森青年訓練所
  • 帝国女子医学専門学校
    • 帝国女子医学専門学校附属看護婦養成所 - 字宝田
  • 大森高等女学校 - 字靏渡
  • 城南女学校
  • 城南幼稚園
  • 東京高等工学校附属普通部

社寺宗教

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  • 寄来神社
  • 貴船神社 - 字貴船3056番地
  • 八幡神社
  • 諏訪神社
  • 三輪神社
  • 稲荷神社
  • 三輪厳島神社
  • 浅間神社
  • 厳正寺 - 字貴船2941-2942,2946-2948番地
  • 徳浄寺
  • 大林寺 - 字田中
  • 密乗院

名所・観光スポット

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人口

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関東大震災による東京市からの移住や、交通機関の発達により、大正から昭和にかけて人口が増加している[32]。人口増加のため、鶴渡・田中・亀島に町営住宅が作られた[33]。

人口推移
年人口戸数出典
元禄年間約700戸『新編武蔵風土記稿』[2]
1830年代（天保年間）5,003人904戸[34]
1900年（明治33年）11,510人[35]
1905年（明治38年）12,170人
1910年（明治43年）15,298人
1915年（大正04年）17,305人
1920年（大正09年）19,501人3,763戸国勢調査[36]
1925年（大正14年）32,014人6,828戸人口：国勢調査[37]、戸数：[38]
1930年（昭和05年）46,055人9,597戸[39]

地域

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  • 字美原、浅間、谷中、谷島、諏訪、松戸、富士見、亀島、宝田、靏渡、三輪、末広、千代田、貴船、田中、前方、堀内、相生、瀬島、前ノ浦、袖ヶ浦、中富、東浜、中島、森ヶ崎、森ヶ崎新田、原島

現在の地名

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大森中、大森本町、大森東、大森西（一丁目、四丁目、七丁目は一部のみ）、大森南（一丁目を除く）（いずれも大体の範囲）

出身・ゆかりのある人物

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脚注

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注釈

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  1. ^『新編武蔵風土記稿』による[2]。『荏原郡大森町現状調査』5頁によると、慶安年間に成立している。
  2. ^東大森村・西大森村は明治4年12月5日（1872年1月14日）に東京府に編入されたと記載がある[6]。一方で、北大森村については、東京府編入時期の記載がない。
  3. ^『荏原郡大森町現状調査』5頁による。『角川日本地名大辞典』[7]によると、1872年（明治5年）に発足している。

出典

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  1. ^東京市役所 編『市域拡張記念 大東京概観』1932年10月1日、500頁。NDLJP:1210866。
  2. ^abc『大森区史』121頁。
  3. ^大森漁業史刊行会 編『大森漁業史』大森漁業協同組合、1973年11月25日、229頁。NDLJP:12004486。 
  4. ^『品川区史 通史編 上巻』東京都品川区、1973年3月20日、1106-1108頁。NDLJP:9641093。 
  5. ^『品川県史料』東京都品川区〈品川区史〉、1970年3月31日、8,300頁。NDLJP:9641087。 
  6. ^『品川区史 通史編 下巻』東京都品川区、1974年8月25日、25-26頁。NDLJP:9641094。 
  7. ^“「大森村(近代)」『角川日本地名大辞典(旧地名編)』”. JLogos. 2025年5月17日閲覧。
  8. ^『大森区史』127,129頁。
  9. ^東京都大田区史編さん委員会 編『大田区史年表』東京都大田区、1979年3月10日、423頁。NDLJP:12195114。 
  10. ^『荏原郡大森町現状調査』5-6頁。
  11. ^“「町村廃止市区域変更」「市ノ区設置」『官報』1932年05月28日”. 国立国会図書館デジタルコレクション. 2025年2月18日閲覧。
  12. ^東京都大田区役所 編『大田区史』1951年3月31日、191頁。NDLJP:3021827。
  13. ^『大森町政提要』41-42頁。
  14. ^『荏原郡大森町現状調査』19頁。
  15. ^『荏原郡大森町現状調査』33頁。
  16. ^『荏原郡大森町現状調査』26頁。
  17. ^社会教育部社会教育課文化財係 編『地図でみる大田区(1)』大田区教育委員会〈大田区の文化財〉、1988年3月31日、85頁。NDLJP:9644260。 
  18. ^鉄道省 編『（昭和二年版）鉄道停車場一覧』鉄道教育会、1927年11月1日、1,446頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/1025500/1/286。 
  19. ^『東京市郊外に於ける交通機関の発達と人口の増加』東京市役所、1928年3月10日、155,157頁。
  20. ^『荏原郡入新井町現状調査』東京市臨時市域拡張部、1931年11月、27頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/1900813/1/17。 
  21. ^ab『荏原郡大森町現状調査』28-29頁。
  22. ^『荏原郡大森町現状調査』6頁。
  23. ^『大田区史 下巻』458頁。
  24. ^『大森町政提要』127頁。
  25. ^『荏原郡大森町現状調査』27頁。
  26. ^大森漁業史刊行会 編『大森漁業史』大森漁業協同組合、1973年11月25日、295頁。NDLJP:12004486。 
  27. ^『東京府統計書 明治23年』東京府庁、1892年4月30日、109-111頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/806570/1/69。 
  28. ^『東京府統計書 明治廿四年』東京府庁、1892年12月26日、113,115頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/806571/1/70。 
  29. ^『東京府統計書 明治二十五年』東京府庁、1893年12月27日、119,121頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/806572/1/74。 
  30. ^『荏原郡大森町現状調査』28頁。
  31. ^『大田区史 下巻』506-508頁。
  32. ^『荏原郡大森町現状調査』7-8頁。
  33. ^『荏原郡大森町現状調査』24-25頁。
  34. ^『品川町史 中巻』品川町役場、1932年6月10日、367頁。NDLJP:3436366。 
  35. ^『東京府史 行政篇 第一巻』東京府、1935年1月27日、102頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/1686820/1/86。 
  36. ^“世帯数及人員－市町村 01北海道〜19山梨県” (PDF). e-Stat. 大正9年国勢調査. p. 186. 2025年6月6日閲覧。
  37. ^『東京市郊外に於ける交通機関の発達と人口の増加』東京市役所、1928年3月10日、158頁。
  38. ^『昭和二年 東京府統計書』東京府、1929年5月13日、68頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/1448164/1/81。 
  39. ^『昭和六年 東京府統計書』東京府、1933年2月25日、60頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/1448278/1/85。 
  40. ^『人事興信録 第7版』こ35頁（国立国会図書館デジタルコレクション）。2022年11月5日閲覧。

参考文献

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関連項目

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入新井町
池上町北（東京湾）
西  大森町   東
南
蒲田町羽田町
東京市
荏原郡
東多摩郡
南豊島郡
北豊島郡
南足立郡
南葛飾郡
北多摩郡
南多摩郡
西多摩郡
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