| 「大文字」のその他の用法については「大文字 (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
大文字(おおもじ、英:capital letter, majuscule, upper case)は、ギリシア文字やそれから派生した文字体系で、文頭や固有名詞の最初などに使う大きな字形の文字である。もともとこれらの文字では文章を大文字のみで記述していたが、筆記を簡単にするために角を丸めたりした文字から小文字が現れると、大文字と小文字がひとつの文・単語の中で混在して用いられるようになった。
大文字と小文字の区別がある文字体系は、ギリシア文字・ラテン文字・キリル文字・アルメニア文字・デザレット文字などである。グルジア文字のフツリ(Khutsuri)には大文字のみがある。
capitalは「最初の」「第一の」といった意味を持つ形容詞であるが[1]、例えば「capital A」は「大文字のA」を意味する。upper caseは主にコンピュータ分野でよく使われる表現であり[2]、活版印刷に由来する。
単語の特定の文字(ほとんどは語頭の1文字だが例外もある)で大文字が使われるのは、次のような場合である。
このような場合に大文字になるのは、通常、語頭の1文字である。なお、ベトナム語で固有名詞を表記する場合、語頭の1文字だけでなく、区切り(音節)ごとの初めの1文字を大文字で書くことが、現在[いつ?]では主流である[3]。また、前置詞や冠詞に由来する部分がハイフンやアポストロフィで結ばれている語は語頭が大文字では書かれず、ハイフンやアポストロフィの次の1文字目が大文字で書かれる。ハイフンやアポストロフィが取れて完全に1語になったときは、それに語頭を加えた2文字が大文字で書かれることがある(例:DeForest、McCartneyなど。後述のキャメルケースも参照)。
大文字化のスタイルは言語に依存する。トルコ語では、i の大文字はİ であり、I はı の大文字である。オランダ語のIJ は文頭に来る場合、両方を大文字で書く(例:IJzer is een metaal. 「鉄は金属である」)。一方、ウェールズ語・チェコ語のCh、ハンガリー語(ハンガリー語アルファベット)、南スラヴ語群のラテン文字表記(ガイ式ラテン・アルファベット)、以前のスペイン語の Ch,Ll[注釈 1]などは1文字として扱う合字でも最初の文字だけを大文字にする。
商品名などでは、単純なルールにのっとっていないことがある。また、近年[いつ?]の英語圏では、小文字が柔らかい印象を与えることから、若者を中心にメールやSNSなどで自分の名前をすべて小文字で書くことを好む者も多い[4]。しかし、すべて小文字で表記してしまうと意味が変わってしまう単語もあり、固有名詞なのか、それとも一般名詞なのかを文脈によらず区別できるようにするためには、大文字・小文字を正しく使い分けるべきである[5]。ビジネスシーンなど、フォーマルな場面において名前をすべて小文字で表記すると、失礼にあたるときもある[6]。
そのほか、特別な場合には、単語の文字すべてを大文字で書くことも行われる。
大文字と小文字は文字の属性だが、アッパーケースとローワーケースという用語は単語に対しても使える。この場合、単語の全ての文字を大文字にすることがアッパーケースであり、単語の先頭のみを大文字化することをタイトルケース(英:title case)と呼ぶ。
通常、文字には大文字と小文字だけがありタイトルケースはないが、頭文字が大文字になる場合で挙げたチェコ語 ・ハンガリー語・南スラヴ語群のラテン文字表記などの合字にはタイトルケースがある。
Apple Musicのガイドラインでは、タイトルのすべてを大文字にすることや、すべてを小文字にすることを両方とも禁止している[15]。

複合語やフレーズ、文をひと綴りとして、各構成語(要素語)の最初の文字を大文字で書き表すことを「キャメルケース」または「パスカルケース」などという[16]。これらの用語が定義される以前から、mixed caseなどの名前でも呼ばれていた。
もとは、McDonald(マクドナルド)などの人名(姓)にみられるものだったが、固有名詞としての検索性の高さなどから、商号・商標・サービス名等に広く用いられるようになっている(例:PlayStation、iPhone、BlackBerry、Microsoft OneDrive、YouTube)。
また、コンピュータープログラミングにおいて、識別子の命名規則として用いられることがある(例:LocalDateTime、getMonthValue)。