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塩化銀(I)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
塩化銀から転送)
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塩化銀(I)
silver chloride
silver chloride
Silver-chloride-3D
Silver-chloride-3D
物質名

silver(I) chloride

別名

塩化銀

識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChemSpider
ECHA InfoCard100.029.121ウィキデータを編集
RTECS number
  • VW3563000
UNII
  • InChI=1S/Ag.ClH/h;1H/q+1;/p-1 
    Key: HKZLPVFGJNLROG-UHFFFAOYSA-M 
  • InChI=1S/Ag.ClH/h;1H/q+1;/p-1
  • Key: HKZLPVFGJNLROG-UHFFFAOYSA-M
  • Cl[Ag]
性質
AgCl
モル質量143.321 g mol−1
外観無色結晶
密度5.56 g cm−3, 固体
融点455 °C (851 °F; 728 K)
沸点1,550 °C (2,820 °F; 1,820 K) 分解
  • 0.00008 g/100 cm3 (10°C)
  • 520 μg/100 g at 50 °C
溶解度平衡Ksp1.77×10−10[1]
溶解度アンモニア、濃塩酸、濃硫酸、アルカリシアン化物炭酸アンモニウム臭化カリウムチオ硫酸ナトリウムに溶ける。エタノール、希酸に溶けない。
磁化率−49.0·10−6 cm3/mol
屈折率 (nD)2.071
構造[2]
立方晶系
Fm3m (No. 225)
a = 555pm
八面体
熱化学
標準モルエントロピーS96 J·mol−1·K−1[3]
標準生成熱fH298)
−127 kJ·mol−1[3]
危険性
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
安全データシート (SDS)Fischer Scientific,Salt Lake Metals
関連する物質
関連物質フッ化銀(I)
臭化銀(I)
ヨウ化銀(I)
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
 verify (what is ☒N ?)

塩化銀(I)(えんかぎん いち、:silver(I) chloride)は、化学式が AgCl と表される塩化物である。通常、単に「塩化銀」と言った場合はこの塩化銀(I)を指す。天然には角銀鉱という鉱物として産する。

製法

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塩素の直接反応のほか、銀イオンと塩化物イオンの反応によって生成する。この沈殿反応は塩化物イオンあるいは銀イオンの定性分析、あるいは定量分析に利用される。

2Ag +Cl22AgCl{\displaystyle {\ce {2Ag\ + Cl2 -> 2AgCl}}}
Ag+(aq) +Cl(aq)AgCl{\displaystyle {\ce {Ag^+(aq)\ + Cl^-(aq) -> AgCl}}}

性質

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水溶液中ではほとんど電離せず弱電解質[4]・難溶性であるため、沈殿する。塩化物イオンの銀(I)イオンに対する錯生成定数は 103.04 である[5]溶解度積は以下の通りである[6]

AgCl  Ag+(aq) +Cl(aq) ,{\displaystyle {\ce {AgCl\ \rightleftarrows \ Ag^{+}(aq)\ +Cl^{-}(aq)\ ,}}}Ksp=1.6×1010{\displaystyle K{\rm {{sp}=1.6\times 10^{-10}}}}

配位子となるイオンや分子が存在すれば溶解する。チオ硫酸イオン、シアン化物イオン、アンモニアによってそれぞれ

AgCl+2S2O32  [Ag(S2O3)2]3 +Cl{\displaystyle {\ce {{AgCl}+2S2O3^{2-}\ \rightleftarrows \ [Ag(S2O3)2]^{3-}\ +Cl^{-}}}}
AgCl+2CN  [Ag(CN)2] +Cl{\displaystyle {\ce {{AgCl}+2CN^{-}\ \rightleftarrows \ [Ag(CN)2]^{-}\ +Cl^{-}}}}
AgCl+2NH3  [Ag(NH3)2]+ +Cl{\displaystyle {\ce {{AgCl}+2NH3\ \rightleftarrows \ [Ag(NH3)2]^{+}\ +Cl^{-}}}}

となって溶解することは広く知られているが、濃食塩水や塩酸にも錯イオンを作って溶解する。

AgCl+Cl  [AgCl2]{\displaystyle {\ce {{AgCl}+Cl^{-}\ \rightleftarrows \ [AgCl2]^{-}}}}

また、濃厚な硝酸銀(I)あるいは過塩素酸銀(I)などの銀塩水溶液に対しても幾分溶解度が増大し、以下のような錯イオンを生成することが知られている[4]

AgCl+Ag+  [Ag2Cl]+{\displaystyle {\ce {{AgCl}+Ag^{+}\ \rightleftarrows \ [Ag2Cl]^{+}}}}
[Ag2Cl]++Ag+  [Ag3Cl]2+{\displaystyle {\ce {{[Ag2Cl]^{+}}+Ag^{+}\ \rightleftarrows \ [Ag3Cl]^{2+}}}}

感光性があり光によって容易に分解し、紫色を経て黒変する。

塩化銀(I)の白色沈殿をるつぼに入れて加熱すると455°Cで融解する。その融解液を冷却すると固体になるが、イオン結晶でありながら塑性変形する。また、電気伝導性があることが知られている。Ag-Cl 結合はある程度の共有結合性を帯びる。

結晶構造

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結晶は塩化ナトリウム型構造であり、その格子定数はa = 5.54Å、Ag-Cl 結合距離は2.77 Åである[7]

脚注

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[脚注の使い方]
  1. ^John Rumble (June 18, 2018) (English). CRC Handbook of Chemistry and Physics (99 ed.). CRC Press. pp. 5–189. ISBN 978-1138561632 
  2. ^S. Hull; D. A. Keen (1999). “Pressure-induced phase transitions in AgCl, AgBr, and AgI” (英語). Physical Review B (APS) 59 (2): 750–761. Bibcode1999PhRvB..59..750H. doi:10.1103/PhysRevB.59.750. 
  3. ^abZumdahl, Steven S. (2009). Chemical Principles 6th Ed.. Houghton Mifflin Company. p. A23. ISBN 978-0-618-94690-7 
  4. ^ab F.A. コットン, G. ウィルキンソン著, 中原 勝儼訳 『コットン・ウィルキンソン無機化学』 培風館、1987年
  5. ^日本化学会編 『化学便覧 基礎編 改訂4版』 丸善、1993年
  6. ^新良宏一、庄野利之 益田勲 共訳 『基礎分析化学』 三共出版、1982年
  7. ^『化学大辞典』 共立出版、1993年

関連項目

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二元化合物
多元化合物
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