| 物質名 | |
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Erbium(III) chloride | |
別名 Erbium trichloride | |
| 識別情報 | |
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3D model (JSmol) | |
| ChemSpider | |
| ECHA InfoCard | 100.030.337 |
| EC番号 |
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| UNII | |
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| 性質 | |
| ErCl 3 (無水物) ErCl 3 · 6H2O (六水和物) | |
| モル質量 | 273.62 g/mol (無水物) 381.71 g/mol (六水和物) |
| 外観 | 紫色吸湿性単斜晶系結晶 (無水物) 桃色吸湿性結晶 (六水和物) |
| 密度 | 4.1 g/cm3 (無水物) |
| 融点 | 776 °C (1,429 °F; 1,049 K) (無水物) 分解 (六水和物) |
| 沸点 | 1,500 °C (2,730 °F; 1,770 K) |
| 水に可溶 (無水物) エタノールに若干溶ける (六水和物)[1] | |
| 構造[2] | |
| 単斜晶系 | |
| C2/m, No. 12 | |
a = 6.80 Å,b = 11.79 Å,c = 6.39 Å α = 90°, β = 110.7°, γ = 90° | |
格子体積 (V) | 479 Å3 |
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| 関連する物質 | |
| その他の 陰イオン | 酸化エルビウム(III) |
| その他の 陽イオン | 塩化ホルミウム(III),塩化ツリウム(III) |
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。 | |
塩化エルビウム(III)(Erbium(III) chloride)は、化学式ErCl3の紫色の固体である。金属エルビウムを作る際に用いられる。
無水塩化エルビウム(III)は、塩化アンモニウムを経由して合成される。第一段階では、酸化エルビウム(III)を塩化アンモニウムと一緒に加熱し、五塩化物のアンモニウム塩を作る。Er2O3 + 10 [NH4]Cl → 2 [NH4]2ErCl5 + 6 H2O + 6 NH3
第二段階では、塩化アンモニウム塩を真空中で350-400℃に加熱し、三塩化物に変換する。
塩化アルミニウム(III)型の結晶を作る。単斜晶系で、点群はC2/mである。
六水和物も単斜晶系の結晶となり、点群はP2/n (P2/c) - C42hである。この化合物では、エルビウムは八配位し、[Er(H2O)6Cl2]+イオンを形成する。
塩化エルビウム(III)溶液は、負性非線形吸収効果を示す。
アルコールやフェノールのアシル化、フルフラールへのアミン付与等に触媒作用を示すことが示されている。フリーデル・クラフツ反応を触媒し、ルーシェ還元の際には、塩化セリウム(III)の代わりに用いることができる。