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堀江正夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
曖昧さ回避堀江政生」とは別人です。
堀江 正夫
ほりえ まさお
生年月日 (1915-06-16)1915年6月16日
出生地大日本帝国の旗日本新潟県
没年月日 (2022-03-20)2022年3月20日(106歳没)
出身校陸軍士官学校
陸軍大学校
前職陸上自衛隊隊員
所属政党自由民主党
称号正四位
勲二等旭日重光章
配偶者堀江泰子
選挙区全国区→)
比例区
当選回数2回
在任期間1977年7月10日 -1989年7月9日
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堀江 正夫
東部方面総監部幕僚副長(陸将補)当時
生誕 (1915-06-16)1915年6月16日
日本の旗日本新潟県
死没 (2022-03-20)2022年3月20日(106歳没)
所属組織大日本帝国陸軍
警察予備隊
保安隊
陸上自衛隊
軍歴1937 - 1945(日本陸軍)
1952 - 1952(予備隊)
1952 - 1954(保安隊)
1954 - 1973(陸自)
最終階級陸軍少佐(日本陸軍)
陸将(陸自)
指揮歩兵第11聯隊中隊長
第3師団長
除隊後自由民主党参議院議員
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堀江 正夫(ほりえ まさお、1915年大正4年〉6月16日 -2022年令和4年〉3月20日[1])は、日本の陸軍軍人、陸上自衛官政治家自由民主党所属の参議院議員(2期)。位階勲等正四位勲二等。日本会議代表委員。アジアと日本の平和と安全を守る全国フォーラム初代会長。

来歴・人物

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新潟県出身[2]水産学校校長堀江英一の次男として生まれた。糸魚川中学東京陸軍幼年学校(34期)、陸士予科を経て、陸軍士官学校を卒業(第50期、35番/426名)。旧軍時代は歩兵科士官で、太平洋戦争中に陸軍大学校を卒業し(57期)、第18軍参謀としてパプアニューギニアで終戦を迎えた[3]

終戦後、1946年(昭和21年)3月に復員し、妻の郷里宮崎県日南市で林業に従事した[2]後、警察予備隊及び保安隊を経て陸上自衛隊で勤務。西部方面総監(陸将)を最後に退官した[4]

1977年(昭和52年)7月の第11回参議院議員通常選挙全国区から自民党公認で立候補。出身母体の郷友連・自衛隊関係に加えて統一教会の関連団体「国際勝共連合」の支援を全面的に受け初当選した[5][6]。当選にあたり、妻が料理研究家の堀江泰子で知名度があったことも影響したと指摘がある[4][7]。党内では田中角栄派(木曜クラブ)に所属した。

1983年(昭和58年)、再選。

1984年(昭和59年)4月18日、自民党・民社党の議員と保守系財界人らが「スパイ防止法のための法律制定促進議員・有識者懇談会」を設立。岸信介が会長に就任し、堀江は事務局長に就任した[8][9][10][5]。翌1985年(昭和60年)6月6日、伊藤宗一郎ら10人の国会議員によって、スパイ防止法案が衆議院に提出されるが、同年12月20日、同法案は審議未了のまま廃案となった[9]

1985年(昭和60年)1月27日、竹下登は田中に「若手といっしょに勉強会をやりたい」と告げた。田中は「いいだろう」と答え[11]、竹下らは翌日から入会勧誘を開始した。1月29日、田中は勉強会は見せかけで公然たるクーデターであることに気付き、1月31日に二階堂進に切り崩しを命じた[12][13]。83人いた参加希望者は次々と脱落した。2月7日、40人の議員により、創政会が結成される。その中に堀江もいた[14]

1987年(昭和62年)7月4日、経世会が結成。会長には竹下が就任し、竹下派と呼ばれた[15]、田中派は「竹下派」「木曜クラブ(二階堂グループ)」「中立系」に3分裂した[16]。堀江は経世会に参加した。

1989年(平成元年)7月の参院選は出馬せず、政界を引退。議員在任中、参議院安全保障特別委員長、同沖縄及び北方問題に関する特別委員長、同外務委員長、参議院自由民衆党政審安全保障特別委員長、自民党国防部会副部会長等国防三部会副会長などを務めた[6]。同年秋の叙勲で勲二等旭日重光章を受章[17]

2019年には、100歳を超えてなお健康な正夫の食事や体操を紹介した本が出版された[18]

2022年(令和4年)3月20日、老衰のため死去した。106歳没[19]。死没日付で、正四位に叙された(従六位から進階)[20]

統一教会との関係

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  • 1987年12月に統一教会の関連団体「国際勝共連合」が出版した本「私のみた勝共運動:各界有識者70人の証言」に、堀江は「勝共運動に期待する」という記事を寄稿した[22]
  • 2014年6月15日、堀江の「白寿の祝」のイベントが開催された[23]。そのイベントで堀江は、1977年の第11回参議院議員通常選挙に全国区から自民党公認で立候補した際に、国際勝共連合、神道政治連盟世界救世教などから支援されたことについて感謝の言葉を述べた[23]
  • 国際勝共連合の機関紙「思想新聞」2018年4月15日号に、堀江のインタビュー記事が掲載された[24]。同年4月20日、国際勝共連合の公式サイトにも同じインタビュー記事が掲載された[24]
    • インタビューによると、堀江が勝共連合と関わり出したのは、1973年のことだったという[24]。堀江は久保木修己(統一教会の日本の初代会長)に頼まれ、国際勝共連合の渋谷の事務所で安全保障の問題をレクチャーするようになり、多くの勝共連合の青年達と話をするようになった[24]。その後、1977年に堀江が参議院議員選挙に全国区で出馬した時に、勝共連合は組織をあげて堀江を支援し、公選車の車の運転とアナウンスはすべて勝共メンバーがやり、メンバーが泊まりこんで電話作戦などをやった[24]。統一教会信者の女性は、堀江の車に選挙の始めから終わりまで乗り込みウグイス嬢で一緒にやり、それ以降何十年も付き合いが続いた[24][25]
    • 堀江が議員になった後は、堀江の方では議員の中に同志を作ったり、勝共サイドでも積極的に議員の同志を作ってスパイ防止法の国民運動になっていったという[24]

家族

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妻で料理研究家の堀江泰子は日南市飫肥の多額納税者で貴族院議員高橋源次郎(資産家の娘婿で宮崎農工銀行頭取[26])の孫で、料理研究家の草分け河野貞子の助手としてNHKの「きょうの料理」に出演、その後同番組の講師となり活躍、2017年に94歳で亡くなった[27][28]。その生家「高橋家住宅」は国の登録有形文化財として保存公開されている[29]

兄の堀江文彦海軍機関学校卒の元海将(第13代舞鶴地方総監)。娘に料理研究家の堀江ひろ子、孫に同じく料理研究家のほりえさわこがいる[7][30]

主要軍歴

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政歴

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その他役職

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著作

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  • 『堀江正夫闘魂の詩 - 元自衛官の手記』朝雲新聞社、1977年。
  • 『日本の防衛私はこう考える』並木書房、1981年。
  • 『留魂の詩 - 東部ニューギニア戦記』朝雲新聞社、1982年。

脚注

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  1. ^Masao Horie” (英語). Gerontology Wiki. 2022年3月29日閲覧。
  2. ^abcd"百歳を生きて" 堀江正夫先生 講演会”. 在京日南の会 (2015年11月11日). 2016年6月4日閲覧。
  3. ^ずっとおいしく食べたい 104歳堀江さんの長寿豆毎日新聞、2020年4月26日
  4. ^ab『東京陸軍幼年学校史 わが武寮』東幼会、1982年、 p.612
  5. ^ab勝共運動50周年記念インタビュー 元参議院議員 堀江正夫氏に聞く”. 国際勝共連合 (2018年4月20日). 2022年10月17日閲覧。
  6. ^ab『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』404頁。
  7. ^ab料理研究家の堀江泰子さん死去、94歳”. SANSPO.COM (2017年3月4日). 2020年8月18日閲覧。
  8. ^木原育子、中沢佳子 (2022年8月17日). “旧統一教会系と歩んだ安倍氏「3代」…スパイ防止法を巡る歴史から闇を読み解く”. 東京新聞. 2023年2月17日閲覧。
  9. ^ab赤尾光史 (2014年3月). “特定秘密保護法と新聞メディアの記憶 ─刑法改正およびスパイ防止法論議との比較を中心に─”. Journalism & Media No.7. https://www.publication.law.nihon-u.ac.jp/pdf/journalism/journalism_7/each/20.pdf. 
  10. ^当団体について”. 「スパイ防止法」制定促進サイト. スパイ防止法制定促進国民会議. 2023年2月17日閲覧。
  11. ^早坂茂三『駕籠に乗る人・担ぐ人―自民党裏面史に学ぶ』祥伝社、1988年11月20日、11頁。ISBN 978-4396610159 
  12. ^マスコミ研究会 編『暗闘 田中角栄VS竹下登』国会通信社、1985年2月、170-171頁。 
  13. ^朝日新聞政治部 編『田中支配とその崩壊』朝日新聞社〈朝日文庫〉、1987年9月20日、279-280頁。ISBN 978-4022604729 
  14. ^中野士朗「『創政会』誕生の舞台裏を探る」 『月刊官界』1985年4月号、行政問題研究所、66-79頁。
  15. ^安藤俊裕 (2011年8月28日). “田中角栄に反旗、竹下派旗揚げ 「政界のドン」金丸信(5)”. 日本経済新聞. https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1902K_V20C11A8000000/ 2020年8月2日閲覧。 {{cite news}}: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ)
  16. ^『国会便覧 昭和62年8月新版』(第76版)日本政経新聞社、1987年9月1日、333-336頁。 
  17. ^『官報』号外第155号1頁 平成元年11月4日
  18. ^104歳スーパー「ひいじい」が毎日食べている秘伝の長寿食とは?主婦の友社プレスリリース、2019年12月25日
  19. ^堀江正夫氏死去 元自民党参院議員 - 時事ドットコム 2022年3月25日
  20. ^『官報』第719号11頁 令和4年4月20日
  21. ^アジアと日本の平和と安全を守る全国フォーラム | アジアと日本の平和と安全を守る全国フォーラム”. web.archive.org (2022年9月3日). 2025年2月18日閲覧。
  22. ^『私のみた勝共運動:各界有識者70人の証言』国際勝共連合、1987年12月。 
  23. ^ab英霊にこたえる会たより第55号” (2014年12月10日). 2025年2月19日閲覧。
  24. ^abcdefg【魚拓】勝共運動50周年記念インタビュー 元参議院議員 堀江正夫氏に聞く”. ウェブ魚拓. 2025年2月18日閲覧。
  25. ^【文鮮明総裁聖和節記念】 日本を愛した文先生の足跡 2 本郷之都地上天國”. www.kogensha.jp. 2025年2月18日閲覧。
  26. ^高橋源次郎『人事興信録』第8版 [昭和3(1928)年7月]
  27. ^堀江泰子名誉顧問・元会長告別式在京日南の会
  28. ^『きょうの料理』料理研究家:堀江泰子さん、堀江ひろ子さん、ほりえさわこさんNHK
  29. ^高橋家住宅(旧高橋源次郎家)日南市観光協会
  30. ^堀江正夫氏死去 元自民党参院議員 2022年3月5日
  31. ^『官報』(昭和27年9月26日・本紙第7717号)
  32. ^アジアと日本の平和と安全を守る全国フォーラム”. 2022年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月10日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 官報
  • 『陸上自衛隊20年年表』朝雲新聞社、1971年。
  • 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
  • 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
  • NHK BS1スペシャル 「遺された“戦争”~残留日本兵 横井庄一~」2022年4月3日放送。

外部リンク

[編集]
議会
先代
森山眞弓
日本の旗 参議院外務委員長
1988年 - 1989年
次代
山東昭子
先代
板垣正
日本の旗参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員長次代
夏目忠雄
その他の役職
先代
上妻正康
西部方面総監
第9代:1972年 - 1973年
次代
中島直臣
日本の旗 参議院外務委員長 (1988年-1989年)
第1回
(定数100)
3年議員
偶数回
第2回
(定数50)
3年議員
第4回
(定数50)
3年議員
第6回
(定数50)
3年議員
第8回
(定数50)
3年議員
第10回
(定数50)
3年議員
第12回
(定数50)
奇数回
第3回
(定数50)
3年議員
第5回
(定数50)
3年議員
第7回
(定数50)
3年議員
第9回
(定数50)
第11回
(定数50)
†:当選無効・失格など、↓:途中辞職・死去など、↑:繰上げ当選または補欠選挙で当選(合併選挙で当選した3年議員を除く)。
日本の旗比例区選出参議院議員(1983年以降)国会議事堂
奇数回
第13回
(定数50)
自民
社会
公明
共産
民社
サラ新
福祉
新自
二院ク
第15回
(定数50)
社会
自民
公明
共産
民社
二院ク
税金
スポ平
第17回
(定数50)
新進
自民
社会
共産
さきがけ
二院ク
第19回
(定数48)
自民
民主
公明
共産
自由
社民
保守
第21回
(定数48)
民主
自民
公明
共産
社民
日本
国民
第23回
(定数48)
自民
公明
民主
維新
共産
みんな
社民
第25回
(定数50)
自民
立民
公明
維新
共産
国民
れいわ
社民
N国
第27回
(定数50)
自民
国民
参政
立民
公明
維新
れいわ
保守
共産
みらい
社民
偶数回
第14回
(定数50)
自民
社会
公明
共産
民社
税金
サラ新
二院ク
新自ク
第16回
(定数50)
自民
社会
公明
日新
共産
民社
スポ平
二院ク
第18回
(定数50)
自民
民主
共産
公明
自由
社民
第20回
(定数48)
民主
自民
公明
共産
社民
第22回
(定数48)
民主
自民
みんな
公明
共産
社民
たち日
改革
第24回
(定数48)
自民
民進
公明
共産
維新
社民
生活
第26回
(定数50)
自民
維新
立民
公明
共産
国民
れいわ
参政
社民
N党
↓:途中辞職・在職中死去など、▼:除名、↑:繰上げ当選、x:繰上げなし
全般
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