| 国鉄419系・715系電車 | |
|---|---|
| 基本情報 | |
| 運用者 | 日本国有鉄道 東日本旅客鉄道(715系) 西日本旅客鉄道(419系) 九州旅客鉄道(715系) |
| 種車 | 581系・583系 |
| 改造所 | 国鉄小倉・松任・郡山・土崎・盛岡工場 |
| 改造年 | 1984年 - 1985年 |
| 改造数 | 419系: 45両 715系: 108両 |
| 運用終了 | 715系0番台: 1998年3月26日 715系1000番台: 1998年4月22日 419系: 2011年3月12日 |
| 主要諸元 | |
| 編成 | 419系: 3両 (2M1T) 715系: 4両 (2M2T) |
| 軌間 | 1,067 mm(狭軌) |
| 電気方式 | 419系:直流1,500V・交流20,000V (50/60Hz) 715系0番台:交流20,000V (60Hz) 715系1000番台:交流20,000V (50/60Hz) |
| 最高運転速度 | 100 km/h |
| 減速度(常用) | 3.5 km/h/s |
| 減速度(非常) | 5.0 km/h/s |
| 車両定員 | クハ715形・クハ715形1000番台・クハ419形 70人(座席44人) クハ714形・クハ418形 84人(座席54人) クハ715形100番台・クハ715形1100番台・クモハ419形 110人(座席66人) モハ715形 128人(座席76人) モハ714形・モハ418形 118人(座席66人) |
| 自重 | 715系0番台 34.9 -44.9 t 715系1000番台 34.7 - 45.7 t 419系 41.3 - 45.5 t |
| 全長 | 21,000 mm (クハネ581形改造車) 20,500 mm |
| 全幅 | 2,950 mm |
| 全高 | 4,245 mm (クハネ581形改造車) 4,235 mm |
| 車体 | 普通鋼 |
| 台車 | 軸箱守(ウイングばね)方式空気バネ台車 DT32K形・TR69D形 |
| 主電動機 | 直流直巻電動機 MT54形 |
| 主電動機出力 | 120 kW |
| 駆動方式 | 中空軸平行カルダン撓み板継手方式 |
| 歯車比 | 84:15 = 1:5.60 |
| 編成出力 | 120kW×8基 = 960kW |
| 制御方式 | 抵抗制御・直並列組合せ・弱め界磁制御 |
| 制御装置 | CS15形 |
| 制動装置 | 発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ・勾配抑速ブレーキ |
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419系・715系電車(419けい・715けいでんしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)が設計・改造した近郊形電車である。
種車は交流直流両用電車であったが、改造後に投入される線区に応じて電源切替機能を残置した419系電車と交流側に固定し交流専用とした715系電車の2系列がある。
地方都市圏の普通列車電車化を目的として、当時余剰となっていた特急形電車の581系・583系を種車に改造した車両である[1]。
1984年(昭和59年)に交流専用の715系0番台が長崎本線・佐世保線用に、続いて1985年(昭和60年)に寒冷地対応形の715系1000番台が東北本線(仙台地区)に、交流直流両用の419系が北陸本線に投入された。
改造は経費の節減と当時の車両の余命も考慮して種車となる581・583系の基本構造を活かし、内容は近郊形電車として使用するための最小限度での工程とした[1]。そのため、近郊形電車としては極めて特異な外観を有する車両となった。
1982年(昭和57年)11月15日国鉄ダイヤ改正では、従来の長大編成・不等時隔のいわゆる「汽車型ダイヤ」から、短編成・等時隔頻繁運転のいわゆる「電車型ダイヤ(シティ電車)」への列車運行形態の転換を、山陽本線で実施した。これは利用者から好評をもって迎えられ、国鉄はこれを全国の地方都市圏に拡大していくことになった。
直流電化区間では、従来からの車両に対し中間車への運転台設置改造や先頭車の新製を行って短編成化し、車両数を極力増やさずに編成本数増を行って対応したが、地方交流電化区間の普通列車は郵便荷物輸送の問題から電気機関車牽引に代わっただけの客車[注 1]や電化前から使用されていた気動車がそのまま投入されていた。しかし、多くの電気機関車は貨物列車牽引に必要な高牽引力重視のため高速性能が劣る上に[注 2]、客車列車では起終点駅での機回しが必要で電車型ダイヤに対応できないことから、新たな交流用および交直流両用の近郊形電車が大量に必要となった。このころには急行列車の廃止により余剰車が多数発生したことから、455系・457系・475系などの交直流急行形電車に近郊用転用改造が施工されていた[注 3]。
一方で、同ダイヤ改正では、利用低迷に伴い、中京 - 関西圏と九州を結ぶ寝台特急「金星」「明星」が廃止・削減され、向日町運転所所属の581・583系電車に大量の余剰が発生した[2]。
581・583系電車は、昼夜兼行で運転するため座席をボックスシートとしたことにより、昼行特急車両として設備面で見劣りし、個人志向の強まりによるボックスシート敬遠傾向の強まりもあって、昼行特急への転用が難しい状況にあった。
交流区間における「電車型ダイヤ」に適した近郊形電車としては、既に1978年(昭和53年)に片側2扉クロスシートの417系が開発され、仙台地区に15両が投入されていた。しかし同系列の落成時期は、1970年代末期から1980年代の国鉄の累積債務問題が議論され、国鉄改革が急務とされた時期と重なり主にコスト面での問題[注 4]から、これ以上の量産投入はなされなかった。
また、前述の1982年(昭和57年)11月改正に先立つ同年9月頃に国鉄部内で「昭和57年度第二次債務車両」の新製計画がなされていたが、この中には九州地区の電化区間の気動車列車・客車列車を電車化して要員合理化を行うことを目的に、713系電車の80両新製[注 5]が計画・提案されていた[2]。しかし、この計画は局長会議にて前述の余剰581・583系を引き合いに、「なんで新製する必要があるのか」「他に余剰電車はないのか」と新製に疑問が呈され、「(引用注:九州地区は)本来巨額の投資を行わないで合理化を行う地区」という理由によって承認されず、差し戻しとなってしまった[2]。このため、713系は試作車という位置づけに目的を変更し、4編成8両のみの投入となった[2]。
前述の局長会議で、当時の車両局長は「あれ(引用注:581・583系)は寝台専用の電車であって、普通列車には不適当である」旨を述べたものの、会議参加者からは「使用できないと誰が判断したのか」「同じ電車であり、改造して使用すれば良い」といった意見が出されていた[2]。
差し戻しを受けて国鉄車両局では善後策として余剰581・583系の具体的使用法の検討を始め、経費的にも最小限度の改造を施工し、地方都市の電車化に使用することとなった[2]。そもそも581・583系は、交直流電車であり、線区によって必要な抑速ブレーキがあることや、座席配置がボックスシートであること、後述の投入先では特急電車として走行実績があること、さらに冷房装置を備えており、かつ空気ばね台車で乗客へのサービス向上が図られるといった、一応の利点もあった[1]。
投入先については、713系が投入予定だった九州地区の長崎本線・佐世保線、また、以前から電車化の要望があり、ある程度頻度の列車設定ができ、気動車・客車列車が多い地区である、東北本線(仙台地区)、北陸本線が選定された[2]。
種車となる581・583系の車齢は13 - 16年であるが、車両の運用密度から計算した車齢は17 - 21年となり[3]、残存寿命は特急または急行に転用した場合で4 - 5年、近郊形に転用した場合で7 - 8年と見込まれた[3]。このため、1編成当たりの改造費用(715系0番台の場合)は約1億円[4]であり、投資を回収するには7年 - 8年を要した[4]。別な文献においては、当初計画では2全検相当・8年程度の使用期間(つまり、1991年から1993年頃に本形式を淘汰する予定)を見込んでいた[5][注 6]。
改造費用は極力抑えられ、1両あたり約1,000万円で施工することが求められていた[5]。しかし、国鉄および民営化した旅客鉄道会社の運用事情を考慮すると、実際には8年程度での廃車は困難であった[注 7]ことから[5]、旅客鉄道会社に引き継がれた715系1000番台や419系では、それ以上の期間を考慮した改造工事(特別保全工事等)を施工している[5]。
主な改造内容を以下に示す。
この形式は、運行当初は気動車から電車化による列車の高頻度化に貢献したが、国鉄末期の財政状況に起因する極度な改造経費の節減を図ったため不十分・不合理な点が残り結果的には以下の問題点を抱えた。
このように本系列はラッシュ対策を中心とした問題点が多数発生し、民営化後は新車の導入により715系は改造から13年前後で廃車となったが、419系は整備新幹線開業における並行在来線の問題から代替車両の導入が進まず、改造後22-27年も使用されることとなった[注 8]。

1984年2月ダイヤ改正に合せて長崎本線・佐世保線用に48両が改造された交流専用車。改造は小倉工場(現・小倉総合車両センター)・松任工場(現・金沢総合車両所)。
4両編成12本(NM101 - 112編成)が組成され、全車南福岡電車区(現・南福岡車両区)に配置された。なおNM111・112編成がクハ714形を連結する編成とした。塗装は713系とともにクリーム1号地に緑14号帯が新規に設定された。
| モハネ581 モハネ580 | 11 | 3 | 12 | 7 | 8 | 4 | 5 | 2 | 9 | 10 | 1 | 6 |
| モハ715 モハ714 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
| 改造施工 | 小倉 | 松任 | 小倉 | 松任 | ||||||||
| サハネ 581 | 38 | 32 | 6 | 47 | 11 | 27 | 2 | 8 | 4 | 1 | 23 | 13 |
| クハ715 100番台 | 101 | 102 | 103 | 104 | 105 | 106 | 107 | 108 | 109 | 110 | 111 | 112 |
| 改造施工 | 小倉 | 松任 | 小倉 | 松任 | 小倉 | 松任 | 小倉 | 松任 | ||||
| クハネ 581 | 8 | 1 | 7 | 2 | 4 | 5 | 6 | 32 | 3 | 17 | ||
| クハ715 0番台 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | ||
| 改造施工 | 小倉 | 松任 | 小倉 | 松任 | 小倉 | 松任 | ||||||
| サハネ 581 | 54 | 31 | ||||||||||
| クハ714 0番台 | 1 | 2 | ||||||||||
| 改造施工 | 小倉 | |||||||||||
1985年3月のダイヤ改正に合せて仙台地区用に改造されたグループ[14]。改造施工は、0番台を担当した小倉工場の他に郡山工場(現・郡山総合車両センター)・土崎工場(現・秋田総合車両センター)が担当した[14]。なお番台区分に関しては仙台地区からの要望により、「センダイ(1000(番)台=仙台)」の語呂合わせ[5]となった。
50Hz電化区間で使用されることから、電動車の種車は50Hz・60Hz両用のモハネ583形・モハネ582形とした。419系同様に寒冷地で運用されることから、客用扉の半自動化や車内暖房器の増設、車内ロングシートの扉隣接部に防風板を設置、先頭台車へのスノープラウ取り付け、耐雪ブレーキの取り付け[14]などの防寒・防雪対策を施工したため1000番台に区分された[14]。また増設運転台の空気笛(タイフォン)が0番台の床下から前照灯横へ搭載位置変更[14]、中・上段寝台用小窓が当初から埋め込みなどの設計変更が行われた。
0番台と異なりクハ714形は存在しない。4両編成x15本計60両が改造され仙台運転所(現・仙台車両センター)に配置された。塗装は0番台同様クリーム1号地に緑14号帯としたが、前面塗分けが異なる。後に仙台配置の455・457系がこの塗色を採用した際、地色はより白みがかったクリーム10号に変更。その後は本系列の地色もクリーム10号に変更された。
分割民営化時には日本国有鉄道が保有していた60両全車がそのまま東日本旅客鉄道(JR東日本)に承継された。
| モハネ583 モハネ582 | 17 | 20 | 21 | 33 | 34 | 35 | 37 | 39 | 43 | 48 | 52 | 67 | 77 | 86 | 90 |
| モハ715 モハ714 | 1001 | 1002 | 1003 | 1004 | 1005 | 1006 | 1007 | 1008 | 1009 | 1010 | 1011 | 1012 | 1013 | 1014 | 1015 |
| 改造施工 | 小倉 | 土崎 | 小倉 | 土崎 | 郡山 | 小倉 | 土崎 | 郡山 | 土崎 | 小倉 | 土崎 | 郡山 | 土崎 | ||
| クハネ 581 | 31 | 40 | 39 | 9 | 34 | 41 | 16 | 19 | 38 | 20 | 14 | 10 | 23 | 18 | 26 |
| クハ715 1000番台 | 1001 | 1002 | 1003 | 1004 | 1005 | 1006 | 1007 | 1008 | 1009 | 1010 | 1011 | 1012 | 1013 | 1014 | 1015 |
| 改造施工 | 小倉 | 土崎 | 郡山 | 土崎 | 郡山 | 土崎 | 小倉 | 土崎 | |||||||
| サハネ 581 | 39 | 42 | 41 | 30 | 21 | 26 | 24 | 3 | 29 | 40 | 33 | 44 | 43 | 5 | 7 |
| クハ715 1100番台 | 1101 | 1102 | 1103 | 1104 | 1105 | 1106 | 1107 | 1108 | 1109 | 1110 | 1111 | 1112 | 1113 | 1114 | 1115 |
| 改造施工 | 小倉 | 郡山 | 小倉 | 土崎 | 郡山 | 小倉 | 土崎 | 郡山 | 土崎 | 小倉 | 土崎 | 小倉 | |||

715系1000番台の登場と同じ1985年3月ダイヤ改正で、北陸本線金沢・富山都市圏へ電車型ダイヤを導入することとなり、小倉・松任・盛岡の各工場で15本計45両が改造により落成した。
基本仕様は715系を踏襲する一方で、後述する715系1000番台同様に寒冷地で運用されることから、耐寒耐雪改造を実施している[15]。また運用形態に合わせて3両編成となり、下り方(直江津方)先頭車は制御電動車(クモハ419形)とした点が715系との相違点である。
北陸本線は交流区間のほか滋賀[注 10]・新潟県内で直流電化区間を有していたことから、種車と同じく交流直流両用とされた[15]。
車内保温のため、客用扉の半自動扱い機能を追加した[15]。冬季の雪の侵入対策として、MGおよび主電動機冷却風取入口を夏季(車外から取り入れ)・冬季(車内から取り入れ)切り換え機能を備えている[15]。先頭台車へのスノープラウ取り付け、耐雪ブレーキの取り付け、車内暖房器の増設、床下機器の雪害対策などが実施されている[15]。
改造当初の塗色は、赤2号にクリーム10号の帯を入れた「旧北陸色」とされた[15]。本塗装は、北陸本線のローカル列車に用いられる475系や413系にも採用された。
| モハネ583 モハネ582 | 9 | 36 | 41 | 42 | 54 | 55 | 69 | 72 | 76 | 22 | 32 | 40 | 44 | 49 | 51 |
| クモハ419 モハ418 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 改造施工 | 小倉 | 盛岡 | 小倉 | 松任 | 小倉 | 松任 | 小倉 | 松任 | 小倉 | ||||||
| サハネ 581 | 51 | 28 | 34 | 18 | 35 | 9 | 45 | 12 | 22 | ||||||
| クハ 418 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | ||||||
| 改造施工 | 盛岡 | 小倉 | 松任 | 小倉 | 松任 | 小倉 | 盛岡 | 松任 | |||||||
| クハネ 581 | 13 | 12 | 27 | 15 | 21 | 11 | |||||||||
| クハ 419 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |||||||||
| 改造施工 | 松任 | 小倉 | |||||||||||||
419系・715系として運用を開始してからの改造工事を記載する。
1986年(昭和61年)から1990年(平成2年)にかけて、車体側面上部に残されていた583系時代の寝台使用時明り取り用小窓が、水の浸入を防ぐなどの理由で埋込工事が施工された。さらに同時期に塗装もクリーム10号に青23号帯の「九州色」に変更された。
また車体の腐食防止という観点から以下の工事が一部車両に施工された。
715系1000番台はJR東日本への承継後に一部車両へ特別保全工事を施工。屋根の補修・寝台舟完全撤去・横引カーテンへ変更など改造された。このため末期には工事施工車と未施工車が混在する編成も存在した。


419系は全車に延命N工事を施工。座席モケットや化粧板・ガラス支持用Hゴムの交換・ブラインドの横引カーテンへの変更・吊手の増設などが行われ、一部車両では洗面台が完全撤去された。2005年(平成17年)からはクハ419形の前面貫通扉・種別幕を閉鎖する工事も開始された。
1988年(昭和63年)から1991年(平成3年)にかけオイスターホワイトにライトコバルトブルーの帯を入れた「新北陸色」に変更された。同様の塗装変更は北陸ローカル用の475系列、413系でも行われている。
1995年(平成7年)には七尾線の架線積雪対策として、モハ418-15に第2パンタグラフを搭載し早朝の上り1本で運用に投入されたが、1996年(平成8年)の転属に伴い撤去。ただし台座はそのまま残存する[16]。
715系1000番台が東北本線黒磯 - 一ノ関間のほか、1991年(平成3年)までは仙山線仙台 -愛子間・奥羽本線福島 -庭坂間でも運用された。
1995年(平成7年)から701系への置換えが開始され、1998年(平成10年)3月のダイヤ改正をもって定期運用を離脱した[17]。同年3月22日にはさよなら運転を実施し[17]、その後4月22日に団体輸送に使用された[17]のを最後に旅客運用を終了した。その後、1998年8月11日に最後の編成が廃車となり完全消滅した[18]。
419系は当初は全車金沢運転所(現・金沢総合車両所)に配置。分割民営化時には西日本旅客鉄道(JR西日本)に承継された。北陸本線全域[注 12]のほか1991年(平成3年)から2006年(平成18年)までは湖西線近江今津以北の区間でも運用されたが、幅が狭い客用扉などの問題から次第に福井以西もしくは富山以東の閑散区間運用が主になった。1996年(平成8年)3月には新設の福井地域鉄道部(現・敦賀地域鉄道部敦賀運転センター車両管理室)に転出。
登場時、クモハ419形・クハ418形の前面に長方形の「TOWNとれいん」マークを掲出していた(クハ419形はクハネ581形時代の列車愛称表示器を活かして「普通」と表示していた)。JR西日本発足後の1987年(昭和62年)秋頃、五角形のマークに交換された(表記も「TOWNトレイン」となる)。クハ419形は遅れて1990年(平成2年)頃、元の表示を覆う感じで五角形のマークが付けられたが、2001年(平成13年)7月頃掲出が中止された。なお、マーク自体は2003年(平成15年)3月の小浜線電化記念など、各種イベントの告知に使用された。
老朽化が顕著になったことから、2006年(平成18年)の富山港線経営分離・敦賀以南の直流化および521系の投入によって、前述工事未施工車を含む編成から廃車が開始された。
2010年(平成22年) 時点では北陸本線敦賀 -直江津間の普通列車で運用されていたが、2011年(平成23年)3月12日ダイヤ改正により定期運用を終了した[注 13]。この前日は東北地方太平洋沖地震の本震が発生した日であり、北陸本線でも列車の運行を一時中断したものの、その日に運用されていた419系は最終的には運転を再開して終着駅にたどり着いた[注 14]。
なお、本系列の廃車発生部品は京都総合運転所(現・吹田総合車両所京都支所)所属の583系に使用されたほか、一部は富山地方鉄道が購入、同社の10030形電車に使用されている。
2012年(平成24年)4月時点ではD01編成(クモハ419-1,モハ418-1,クハ418-1)が保留車として車籍を有していたが、同年9月29日付で廃車[19]・廃系列となった。解体は同日から30日にかけて富山県高岡市伏木の日本総合リサイクルで実施されることからトレーラーで陸路搬送され[20]、搬入直後にクモハ419-1,モハ418-1の解体が行われた。クハ418-1のみが構内屋外に9年あまり置かれていたが、2021年11月中旬頃に解体された。

715系0番台は1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化時には48両全車が九州旅客鉄道(JR九州)に承継された。基本的に配置や運用の変化はなかったが、繁忙期には臨時急行「ホリデー佐世保」(博多駅 - 佐世保駅間)などに投入されたこともあった。
当初予定されていた長崎本線・佐世保線の他に鹿児島本線福間 -八代間でも運用されたが、各車2扉の狭幅折戸でラッシュ時に対応できないこともあり徐々に運行数を減らし、営業運転からの離脱直前は回送で南福岡区に出入庫するのみとなった。荒木 -鳥栖 -長崎間の直通普通列車も運転されていたが、1996年(平成8年)から813系電車に置換えられ、1998年(平成10年)3月26日の長崎本線885Mに充当された第9編成を最後に定期運用を離脱し[21]、1998年8月7日付で最後の7編成が廃車となり[22]、後述のクハ715-1を除き全車解体された。

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