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原中最秘抄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

原中最秘抄』(げんちゅうさいひしょう)は、南北朝時代に成立した河内方による『源氏物語』の注釈書である。

概要

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上下2巻。源親行によって著された『水原抄』をもとに、親行の子源義行(聖覚)や義行の子行阿という河内方によって代々、加筆・増補され、1364年に、行阿によってまとめられた。書名は、「『水原抄』中の最も秘たる部分を抄録して諸家の説を加えた」という意味で、「原中」(『水抄』ので)、「最秘抄」(とする)。秘伝書の形態をとった『源氏物語』の注釈書は、『河海抄』に対する秘伝書とされる『珊瑚秘抄』など、この後数多く作られることになったが、本書はその中では最も古い時期に成立したものである。本書の奥書において、『源氏物語』についての河内方の教えは「『源氏物語』54帖(河内本『源氏物語』)、『水原抄』54巻、『原中最秘抄』上下2巻と文書化されない口伝から構成される」としている。

源光行が『源氏物語』についての疑問点を解決するために、息子の源親行を藤原定家の下に遣わし教えを請うたことなど、河内方の学説形成の一端を明らかにするような記述も存在する。ただし、もとは自家の説でないものを、河内学派伝来の説であるかのように改竄する姿勢も見られ、注意を要する。多くの逸書や多数の有職者が掲載されており、文化史の資料としても注目されている。

本文は、2種類あり、耕雲明魏の手によって抄出された略本系統と、広本(完本とも言う)系統がある。略本系統は『群書類従』におさめられ、日本古典文学影印叢刊(貴重書刊行会)などにも収載されている。広本系統は『源氏物語大成』に収載のもののほかに、国立歴史民俗博物館蔵貴重典籍叢書(臨川書店)が出版されている。

関連項目

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参考文献

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  • 「原中最秘抄」伊井春樹編『源氏物語 注釈書・享受史事典』東京堂出版、2001年(平成13年)9月15日、pp. 340-344。ISBN 4-490-10591-6
  • 曾沢太吉「原中最秘鈔聖覚の奥書について」「国語と国文学」第45巻第3号 1968年(昭和43年)3月、pp.. 13-23。
  • 田坂憲二「『原中最秘抄』の基礎的考察」「中古文学」第37号 中古文学会、1986年(昭和61年)6月、pp.. 57-67 のち『源氏物語享受史論考』風間書房、2009年(平成21年)10月、pp.. 318-336。ISBN 978-4-7599-1754-3
  • 田坂憲二「『原中最秘抄』の完本と略本」「文芸と思想」第51号 福岡女子大学文学部。1987年(昭和62年)2月、pp.. 1-16。 のち『源氏物語享受史論考』風間書房、2009年(平成21年)10月、pp.. 337-358。ISBN 978-4-7599-1754-3

翻刻本

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人物
光源氏と親兄弟
女君
子女
左大臣家
その他
宇治十帖
巻(帖)
総論
第一部
第二部
第三部
異名・外伝
その他
源氏物語の写本、注釈書、関連書
写本
一覧
記号
青表紙本
定家本
河内本
別本
その他
版本
古活字版
整版本
校本
古注釈
一覧)
古注
旧注
新注
聞書
梗概書
年立
旧年立
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