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十六元数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

抽象代数学における十六元数(じゅうろくげんすう、:sedenion)は、全体として実数R16次元の(双線型な乗法を持つベクトル空間という意味での)非結合的分配多元環を成す代数的な対象で、その全体はしばしばS で表される。八元数ケーリー=ディクソンの構成法を使って得られる対合的二次代数である。

「十六元数」という用語は、他の十六次元代数構造、例えば四元数の複製二つのテンソル積や実数体上の四次正方行列環などに対しても用いられ、Smith (1995) で調べられている。

算術

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ケーリーの八元数と同様に十六元数の乗法は可換でも結合的でもない。そして、ケーリーの八元数環O と明確に違うことに、十六元数の全体S交代代数にもならない。十六元数についていえることは冪結合性英語版を持っているということである。これはS の元x に対して、冪xn矛盾なく定義可能で、それらが柔軟英語版であることを意味する。

任意の十六元数は、R-ベクトル空間としてのS基底を成す16個の単位十六元数e0 = 1,e1,e2,e3, …,e15 の実係数線型結合になっている。

十六元数は乗法に関する単位元を持ち、多くの元がその逆元を持つが、多元体とはならない。これは零因子の存在による。つまり、それ自体は零ではないが掛けると零になるような十六元数の組があるのだが、簡単な例としては(e3 +e10) × (e6e15) などを挙げることができる。十六元数からケーリー=ディクソンの構成法を元にして作られるどの超複素数系も零因子を含む。

単位十六元数の乗積表は次のようなものである。

基底の乗積表
×1e1e2e3e4e5e6e7e8e9e10e11e12e13e14e15
11e1e2e3e4e5e6e7e8e9e10e11e12e13e14e15
e1e1−1e3e2e5e4e7e6e9e8e11e10e13e12e15e14
e2e2e3−1e1e6e7e4e5e10e11e8e9e14e15e12e13
e3e3e2e1−1e7e6e5e4e11e10e9e8e15e14e13e12
e4e4e5e6e7−1e1e2e3e12e13e14e15e8e9e10e11
e5e5e4e7e6e1−1e3e2e13e12e15e14e9e8e11e10
e6e6e7e4e5e2e3−1e1e14e15e12e13e10e11e8e9
e7e7e6e5e4e3e2e1−1e15e14e13e12e11e10e9e8
e8e8e9e10e11e12e13e14e15−1e1e2e3e4e5e6e7
e9e9e8e11e10e13e12e15e14e1−1e3e2e5e4e7e6
e10e10e11e8e9e14e15e12e13e2e3−1e1e6e7e4e5
e11e11e10e9e8e15e14e13e12e3e2e1−1e7e6e5e4
e12e12e13e14e15e8e9e10e11e4e5e6e7−1e1e2e3
e13e13e12e15e14e9e8e11e10e5e4e7e6e1−1e3e2
e14e14e15e12e13e10e11e8e9e6e7e4e5e2e3−1e1
e15e15e14e13e12e11e10e9e8e7e6e5e4e3e2e1−1

一般の十六元数の積は基底における乗法を(分配法則が成り立つように)線型に拡張することで得られる。

十六元数の全体S は共軛元をとる主対合

x=i=015xieix:=x01i=115xiei{\displaystyle x=\sum _{i=0}^{15}x_{i}e_{i}\mapsto x^{*}:=x_{0}1-\sum _{i=1}^{15}x_{i}e_{i}}

によってノルム

N(x):=xx=i=015xi2(or x:=xx){\displaystyle N(x):=xx^{*}=\sum _{i=0}^{15}x_{i}^{2}\quad ({\text{or }}\|x\|:={\sqrt {xx^{*}}})}

の定まる二次代数(S,N) であるが、これはノルムが乗法的でない。

応用

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Moreno (1998) はノルム 1 の十六元数からなる掛けて0 となる対の全体が、例外型リー群G2 のコンパクト型に同型であることを示した。

関連項目

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参考文献

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  • Imaeda, K.; Imaeda, M. (2000), “Sedenions: algebra and analysis”, Applied mathematics and computation 115 (2): 77–88, doi:10.1016/S0096-3003(99)00140-X, MR1786945 
  • Kinyon, M.K., Phillips, J.D., Vojtěchovský, P.:C-loops: Extensions and constructions, Journal of Algebra and its Applications 6 (2007), no. 1, 1–20.[1]
  • Kivunge, Benard M. and Smith, Jonathan D. H: "Subloops of sedenions", Comment.Math.Univ.Carolinae 45,2 (2004)295–302.
  • Moreno, Guillermo (1998), “The zero divisors of the Cayley-Dickson algebras over the real numbers”, Sociedad Matemática Mexicana. Boletí n. Tercera Serie 4 (1): 13–28, arXiv:q-alg/9710013, MR1625585 
  • Smith, Jonathan D. H. (1995), “A left loop on the 15-sphere”, Journal of Algebra 176 (1): 128–138, doi:10.1006/jabr.1995.1237, MR1345298 


可算な体系
合成代数
通常型
分解型
/R{\displaystyle \mathbb {R} }
/C{\displaystyle \mathbb {C} }
その他の多元数
その他
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