この項目では、都道府県としての京都府について説明しています。京都府の行政機関については「京都府庁 」をご覧ください。
京都府 (きょうとふ)は、日本 の近畿地方 に位置する府 。府庁所在地 は京都市 。
概要令制国 でいう山城国 の全域、丹波国 の東部および丹後国 の全域を府域とする。恭仁京 (木津川市 )や長岡京 (向日市 ・長岡京市 ・京都市 西京区 )、平安京 (京都市 )など、1868年まで日本の首都 が置かれていた歴史がある。
地理・地域
広袤国土地理院地理情報 によると、京都府の東西南北それぞれの端は以下の位置となっている。
日本の本州 の中央付近、近畿地方に位置し、福井県 、滋賀県 、三重県 、奈良県 、兵庫県 、大阪府 の各府県と隣接し、北部 は日本海 に面する。北西から南東方向に長さ約140kmの細長い形状をしている。
地形リアス式海岸 として知られる舞鶴湾 (舞鶴市 沖)北部の丹後半島 と舞鶴湾 、若狭湾 で日本海に面する。北部に丹後山地 、福知山盆地 、中央部に丹波高地 、亀岡盆地 、南部に京都盆地 があり、標高1,000m以下の低山地帯を形成している。府の面積の75%以上が山地・丘陵地である。
山岳主な山地
河川主な河川
海岸半島 湾岸
島嶼主な島嶼
気候府北部は日本海側気候 、府南部の宇治市 より南は瀬戸内海式気候 である。それに併せて、舞鶴・綾部及び丹後は海洋性気候 、それ以外は内陸性気候 を示す。また、府北部を中心に豪雪地帯 が広がる。北部山間部は有数の豪雪地帯であり[ 2] 、上世屋 、木子では積雪が2mを超えることは珍しい事ではない[ 3] 。
京都府内各地の平年値(出典:気象庁・気象統計情報 ) 平年値 (月単位) 丹後 舞鶴・綾部 福知山 南丹・京丹波 京都・亀岡 山城北部 京丹後市 宮津 舞鶴 綾部市 福知山市 南丹市 美山京丹波町 京都市 長岡京 京田辺 間人 峰山 岡町 故屋岡 荒河 三岳 三和 本庄 須知 西ノ京 京北 平均 気温 (°C ) 最暖月 26.3 (8月) 26.4 (8月) 26.5 (8月) 26.4 (8月) 24.9 (8月) 27.8 (8月) 26.6 (8月) 最寒月 4.8 (2月) 3.5 (2月) 3.4 (1,2月) 2.0 (1月) 1.7 (1,2月) 4.0 (1月) 3.7 (1月) 降水量 (mm )最多月 213.3 (12月) 213.5 (1月) 213.5 (9月) 229.8 (9月) 198.9 (9月) 227.9 (9月) 200.9 (9月) 196.4 (7月) 225.0 (9月) 215.4 (6月) 197.6 (7月) 198.6 (7月) 229.9 (6月) 204.0 (7月) 249.9 (6月) 221.2 (6月) 最少月 101.8 (4月) 100.7 (4月) 108.3 (4月) 115.3 (4月) 69.7 (12月) 119.9 (4月) 62.7 (12月) 98.2 (11月) 68.5 (12月) 103.6 (12月) 83.3 (12月) 55.1 (12月) 41.7 (12月) 73.9 (12月) 36.7 (12月) 40.1 (12月) 降水 日数 (日) 最多月 22.4 (1月) 22.2 (1月) 19.4 (1月) 17.9 (1月) 15.9 (1月) 20.2 (1月) 14.8 (1、2月) 18.2 (1月) 14.8 (3月) 17.9 (1月) 16.0 (1月) 13.6 (3月) 11.9 (6月) 15.3 (2月) 12.0 (6月) 12.4 (6月) 最少月 8.3 (8月) 9.0 (8月) 9.0 (8月) 8.8 (8月) 7.2 (8月) 9.4 (8月) 9.0 (8月) 9.4 (8月) 8.2 (8月) 8.9 (8月) 9.0 (8月) 7.7 (8月) 6.1 (11、12月) 8.8 (8月) 5.9 (12月) 6.0 (12月)
府内の地点の各要素の年平均日数(統計期間:1981 - 2010[ 4] ) 猛暑日 真夏日 夏日 熱帯夜 冬日 真冬日 間人 2.2 34.2 93.6 16.6 11.3 0.1 宮津 5.9 46.9 112.8 4.9 41.2 0.3 舞鶴 6.5 52.6 116.8 6.3 40.9 0.2 福知山 10.7 60.1 125.1 4.7 58.1 0.2 美山 3.5 47.4 109.9 0.6 80.9 0.6 園部 10.5 64.5 131.3 0.5 79.4 0.0 京都 15.4 71.3 136.8 20.7 22.9 0.0 京田辺 9.1 67.5 132.8 3.1 62.8 0.0
地域
都市圏都市雇用圏 (10%通勤圏)の変遷
1980年 1990年 2000年 2010年 2015年 京都 都市圏 236万 1205人 京都 都市圏 248万 5352人 京都 都市圏 258万 3304人 京都 都市圏 267万 9094人 京都 都市圏 280万 1044人 舞鶴 都市圏 10万 9383人 舞鶴 都市圏 10万 8684人 舞鶴 都市圏 10万 6154人 舞鶴 都市圏 9万 9745人 舞鶴 都市圏 9万 4586人 福知山 都市圏 9万 1433人 福知山 都市圏 9万 2775人 福知山 都市圏 13万 6096人 福知山 都市圏 11万 5488人 福知山 都市圏 11万 2756人 綾部 都市圏 4万 2544人 綾部 都市圏 4万 0582人 宮津 都市圏 2万 8881人 宮津 都市圏 3万 3400人 - - -
他の都市雇用圏に包含された都市雇用圏は灰色、都市雇用圏が成立していない場合は、灰色かつ「-」で示す。 京都都市圏は、府外の地域を含むため人口は京都府より多い。自治体の連携プラットフォームである京都都市圏自治体ネットワーク会議に参加する30市町の人口は約379万人。
地域圏京都府には、以下の15市6郡10町1村がある。町の読み方はすべて「ちょう」。村は南山城村の1村のみで「むら」と読む。
府庁 によって、丹後 地域、中丹 地域、南丹 地域、京都市域、山城 地域の5つの地域圏に分けられている。保健所と土木事務所の管轄は、丹後、中丹東、中丹西、南丹、京都市、乙訓、山城北、山城南に分けられる。観光地域としては海の京都、森の京都 、京都市、竹の里・乙訓、お茶の京都に分けられる[ 5] 。
北部 海の京都 丹後地域 80,988人 844km2 丹後 中丹地域 177,557人 1,242km2 中丹東 舞鶴市 綾部市 中丹西 福知山市 南部 森の京都 南丹地域 125,018人 1,144km2 南丹 京都市域 1,433,071人 828km2 竹の里・乙訓 山城地域 689,981人 554km2 乙訓地域 153,262人 33km2 乙訓 お茶の京都 山城中部地域 417,538人 258km2 山城北 相楽地域 119,181人 263km2 山城南
南北問題府庁所在地である京都市 への人口集中率が約56%と、東京都 (旧東京府 )以外の道府県では第1位である(※東京都を含めた場合は、東京都特別区 (旧東京市 )が第1位で、2/3に当たる)。
京都府は南北に細長く、内陸 側に位置し京都盆地 を中心とする南部(京都・山城 ・南丹 地域)と、日本海 に面している北部(中丹 地域・丹後 地域)との格差が大きい。
南部(山城国)は畿内 に当たり、滋賀県 南部や阪神 、奈良県 北部との交流が深い。一方で、北部(舞鶴市 、福知山市 、宮津市 など)は北近畿 (山陰道)とも呼ばれ、兵庫県 北部(但馬国 )や福井県 嶺南 (若狭国 )との交流が深い。
第二次世界大戦 後の経済成長 において、畿内の一角に当たる山城はいち早く発展したのに対し、北部は取り残されていった。
近年では丹波にも工業団地が造成され、畿内(大阪市 )から丹後(舞鶴市)を経て北陸(敦賀市 )を結ぶ舞鶴若狭自動車道 や京都縦貫自動車道 の建設や山陰本線 複線電化工事が施工されるなど、南北格差の是正が図られている。また、丹波国域も1965年 ごろから亀岡市 及び旧園部町 、旧八木町 など南丹 地区は京都市 や大阪府 との結びつきが強くなり、行政では京都府を南北のみで区分する場合は、船井郡 以南を南部とする(ただし、行政では亀岡市及び南丹市 、船井郡京丹波町 を中部と区分する場合が多い)。
人口2005年の265万人をピークに微減傾向にある。現在の人口は250万6615人(2025年10月1日時点)だが、そのうちの140万人以上は京都市に集中しており、他地域の人口は少ない。都道府県内最大人口の自治体が総人口の50%以上を占めている都道府県は他に存在しない(東京23区 を1つの自治体として仮定した場合を除く)。
京都府市町村人口増減率分布図(2015年度と2020年度国勢調査から算出)増加 5.0 - 7.4 %
2.5 - 4.9 %
0.0 - 2.4 %
減少 0.0 - 2.4 %
2.5 - 4.9 %
5.0 - 7.4 %
7.5 - 9.9 %
10.0 % 以上
京都府と全国の年齢別人口分布(2005年) 京都府の年齢・男女別人口分布(2005年) ■ 紫色 ― 京都府■ 緑色 ― 日本全国
■ 青色 ― 男性■ 赤色 ― 女性
京都府(に相当する地域)の人口の推移1970年 (昭和45年)2,250,087人
1975年 (昭和50年)2,424,856人
1980年 (昭和55年)2,527,330人
1985年 (昭和60年)2,586,574人
1990年 (平成2年)2,602,460人
1995年 (平成7年)2,629,592人
2000年 (平成12年)2,644,391人
2005年 (平成17年)2,647,660人
2010年 (平成22年)2,636,092人
2015年 (平成27年)2,610,353人
2020年 (令和2年)2,578,087人
総務省 統計局 国勢調査 より
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人口推移2024年現在の人口は252万人となっており1980年とほぼ同じ人口水準である。京都府の人口は1960年国勢調査(昭和35年)では199万人であったが、1979年には250万人を上回るなど急速に人口が増加した。増加率では明治末期から戦前にかけてが大きい。80年代以降は首都圏や近隣の滋賀県への人口流出が慢性化して人口は頭打ちとなっている。1990年には260万人を上回り、2005年の265万人をピークに減少傾向である。
国勢調査結果などに基づく京都府の人口推移[ 6] 人口(人) 増減人口(人) 人口増減率(%) 国内増減率(%) 増加率全国順位 1885年 846,761 - - - - 1890年 894,928 48,167 5.69 4.15- 1895年 951,825 56,897 6.36 4.15- 1900年 1,022,695 70,870 7.45 5.50- 1905年 1,057,044 34,349 3.36 6.32- 1910年 1,197,473 140,429 13.29 5.50- 1915年 1,325,711 128,238 10.71 7.25- 1920年 1,287,147 38,564 2.91 6.09- 1925年 1,406,382 119,235 9.26 6.74- 1930年 1,552,832 146,450 10.41 7.89- 1935年 1,702,508 149,676 9.64 7.45- 1940年 1,729,993 27,485 1.61 3.87- 1945年 1,603,796 126,197 7.29 0.30- 1950年 1,832,934 229,138 14.29 15.32- 1955年 1,935,161 102,227 5.58 7.30- 1960年 1,993,403 58,242 3.01 4.64- 1965年 2,102,808 109,405 5.49 5.2011位 1970年 2,250,087 147,279 7.00 5.548位 1975年 2,424,856 174,769 7.77 7.9211位 1980年 2,527,330 102,474 4.23 4.5718位 1985年 2,586,574 59,244 2.34 3.4024位 1990年 2,602,460 15,886 0.61 2.1224位 1995年 2,629,592 27,132 1.04 1.5823位 2000年 2,644,391 14,799 0.56 1.0819位 2005年 2,647,660 3,269 0.12 0.6615位 2010年 2,636,092 11,568 0.44 0.2313位 2015年 2,610,353 25,739 0.98 0.7513位 2020年 2,578,087 32,266 1.24 0.7510位
京都府・茨城県の人口推移比較茨城県・京都府は人口規模、北部は過疎地域、南部は東京大阪へのベッドタウンや大規模研究学園都市 があるなど類似点が多い。ただし京都府全体では昼夜間人口比率 が大阪府に次いで大きく、他府県からの通勤通学者が府外への通勤通学者より多い。
茨城県と人口推移比較をして京都府の現況を考察する。2024年現在の人口は京都府が約252万人、茨城県が281万人で30万人程度茨城県が京都府の人口を上回っている状況だが、かつては京都府と茨城県は両府県共に1960年から1980年までの20年間で50万人の増加を記録するなど、ほぼ同水準で推移していた。1980年以降は茨城県が約40万人の大幅な人口増加が続いたのに対して、京都府はわずか10万人程度しか増えなかった。これは先述の通り首都圏や近隣の滋賀県への人口流出が慢性化したためである。ただ近年は都心回帰の流れもあり、滋賀県では社会動態が悪化している一方で京都府の社会動態は改善傾向にある。
京都府・茨城県の人口推移[ 7] 京都府人口(人) 茨城県人口(人) 京都府人口増加数(人) 茨城県人口増加数(人) 京都府増加率(%) 茨城県増加率(%) 1885年 846,761 937,721 - - - - 1900年 1,022,695 1,177,080 175,934 239,359 20.8 25.51920年 1,287,147 1,350,400 264,452 173,320 25.9 14.71940年 1,729,993 1,620,000 442,846 269,600 34.4 20.01960年 1,993,403 2,047,024 263,410 427,024 15.2 26.41980年 2,527,330 2,558,007 533,927 510,983 26.8 25.02000年 2,644,391 2,985,676 117,061 427,669 4.6 16.72020年 2,578,087 2,867,009 66,304 118,667 2.5 4.0
市町村京都府内 市町村別人口ランキング 人口は2025年10月1日時点の推計人口。 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26
市町村名 地域区分 推計人口 (人) 人口密度 (人/km2 ) 可住地面積人口密度 (人/km2 ) 京都市 京都市域 1,433,071 1,731 6,585 宇治市 山城 172,931 2,560 5,103 亀岡市 南丹 83,957 373 1,170 長岡京市 山城 81,638 4,259 7,257 木津川市 山城 78,259 919 1,493 舞鶴市 中丹 73,693 215 1,016 京田辺市 山城 75,010 1,748 2,515 福知山市 中丹 74,112 134 551 城陽市 山城 71,514 2,186 3,174 八幡市 山城 68,163 2,799 3,003 向日市 山城 55,403 7,177 8,148 京丹後市 丹後 46,335 92 379 精華町 山城 34,879 1,358 1,818 南丹市 南丹 29,667 48 399 綾部市 中丹 29,752 86 368 与謝野町 丹後 17,989 166 704 大山崎町 山城 16,221 2,717 3,966 宮津市 丹後 14,955 87 440 久御山町 山城 14,589 1,053 1,070 京丹波町 南丹 11,394 38 218 宇治田原町 山城 8,347 144 580 井手町 山城 6,984 387 1,014 和束町 山城 3,003 46 177 南山城村 山城 2,120 33 118 伊根町 丹後 1,709 28 158 笠置町 山城 920 39 195
市町村合併合併協議を行っていた市町村 宇治市・城陽市・京田辺市・八幡市・久御山町・井手町・宇治田原町 - 合併協議会は2003年1月に解散。 山城町・木津町・加茂町・笠置町・和束町・精華町・南山城村 - 合併協議会は2003年2月に解散。 宮津市・加悦町・岩滝町・伊根町・野田川町 → 意見の合意を見ず、2006年2月、合併協議会は解散。 宮津市・伊根町 → 伊根町における住民投票で反対多数、2006年3月、合併協議会は解散。 宇治市・城陽市・宇治田原町・井手町 → 意見の合意を見ず、2007年8月、合併協議会は解散。 向日市・長岡京市・大山崎町 - 京都南部地域行政改革推進会議乙訓地域分科会は2019年9月に解散。
歴史
江戸時代に置かれた藩山城国 に幕府直轄地の拠点として置かれた二条城 の他に淀藩 、丹波国 には亀山藩 (亀岡藩)、福知山藩 、園部藩 、綾部藩 、山家藩 、丹後国 には田辺藩 、峰山藩 、宮津藩 があった。
首都に関する議論首都 は一国の中心となる都市のことを指し、行政府の所在する都市と認識されている。行政府が東京へ移転した明治 2年(1869年 )をもって首都は移転したと認識されている。しかし、当時の行幸時に複都制 と勅令が出ていること、2021年(令和3年)現在において天皇の玉座である「高御座 」は京都御所 に常設されていること、日本の首都を直接定めた法令 が存在しないことなどから、現在も京都府が日本の首都であるという主張がある。府の公式では双京構想 を掲げ、文化庁 設置をきっかけに文化の都を標ぼうしている[ 8] 。
古代弥生時代 京都府長岡町雲ノ宮遺跡が1960年 に、同町鶏冠井(かいで)遺跡が1962年 に発掘調査されている。京都府西南部の山城地方は弥生文化が前期に伝播していたことが分かる[ 9] 。 古墳時代 飛鳥時代 奈良時代 平安時代
中世平安時代 鎌倉時代 南北朝時代 室町時代 戦国時代
近世安土桃山時代 江戸時代
近代明治時代 大正 昭和
現代昭和 平成
政治
府政
歴代知事(公選)初代木村惇 (1947年4月12日 - 1950年4月2日、1期) 2代蜷川虎三 (1950年4月20日 - 1978年4月15日、7期) 3代林田悠紀夫 (1978年4月16日 - 1986年4月15日、2期) 4代荒巻禎一 (1986年4月16日 - 2002年4月15日、4期) 5代山田啓二 (2002年4月16日 - 2018年4月15日、4期) 6代西脇隆俊 (2018年4月16日 - 在任中、1期目)
広域振興局南北に長い京都府では従来、京都市を除く12の地域に地方振興局を設置し、地域にあった振興策を策定していたが、社会情勢の大きな変化により、2004年(平成 16年)5月に地域の中核都市(宇治・亀岡・舞鶴・京丹後)に地方振興局を集約、4の広域振興局体制に再編した。また今までの権限を強化するとともに、特定非営利活動法人 (NPO法人)の認証や大規模小売店舗の届出確認など府から新たな権限を委譲するなど機能強化が図られている。
財政歳入は約6割が府税、地方交付税などの一般財源となっている。歳出は人件費と公債費などの義務的経費が約3割を占め、社会保障に由来する補助費が増加傾向にある[ 14] 。2025年度予算では歳入1兆円、府債残高2.3兆円、基金残高4千億円と見込まれている[ 15] 。
国政衆議院 の小選挙区 が6。参議院 では、全府で1区を構成している。
国会 の「代理戦争」が、京都府 議会 に持ち込まれることが度々ある。このため、地方政治の分野で「京都」と呼んだ場合、京都市 ではなく、京都府 を指すことも多い。蜷川虎三のいわゆる「革新自治体 」も、京都市ではなく、京都府であった。
平成 時代の京都府出身の有力国会議員 では、野中広務 (旧園部町 出身)や前原誠司 (京都市出身)、谷垣禎一 (福知山市出身)などがいる。党派では、野中・谷垣は利益分配路線で「旧来の地域ボス型」、前原は新自由主義 路線で「新来の若手ネオコン 型」に当たると言われている。しかし、野中広務は中央政界を引退しその影響力は低下、逆に谷垣禎一が「麻垣康三 」の一人になるなど総理大臣を狙う存在に浮上していた。
経済・産業1人当たり総生産[ 16] 年度 万円 1975 126.2 1980 205.7 1985 264.9 1990 342.9 1995 369.7 2000 382.6 2005 379.0 2010 369.0 2015 396.3
国際重要港湾・舞鶴港 2018年度の府内総生産(名目)は10兆6655億円である。構成比は製造業 が最も大きく、不動産業 、卸売 ・小売業 、保健衛生・社会事業が続く。本社を置く企業については「Category:京都府の企業 」を参照。大阪府・奈良県と接する南部では関西文化学術研究都市 の整備が進められている。
第一次産業
農業中部地域で黒豆 や小豆 の栽培や加工が盛ん。特産として京野菜 や南部を中心に宇治茶 などが生産されている。
林業林業は松茸 、北山杉 など。
水産業
第二次産業
工業
第三次産業
観光業
貿易業
金融機関京都府の指定金融機関 は京都銀行 である。府下の大半の市町村も京都銀行を指定金融機関としているが、歴史的な経緯などから、京都市 は三菱UFJ銀行 (指定金融機関#三菱UFJ銀行の選別と撤退 を参照)を、木津川市 は南都銀行 を指定金融機関としている。
信用金庫サービス業と中小・零細企業が多く、銀行が手を出しづらい顧客層を信用金庫が育ててきた「信金王国」となっている[ 20] 。
情報・生活
警察刑法 犯の認知件数 は人口1万人あたり46件(2020年度)で、全国平均より少ない。
本部
消防単独設置による11消防本部と一部事務組合 による3消防本部、合計15の消防本部がある。2023年の人口1万人あたりの年間出火件数は2.1件であり、全国平均より少ない[ 21] 。
消防学校 は2017年に施設が京都市 と共同化された。出動指令や通報受付を行う消防指令センターの共同化は南北の2ブロックに分かれる。亀岡市以北の6消防本部は京都府中・北部地域消防指令センターを2024年に開設した[ 22] 。京都市以南の9消防本部による京都府南部消防指令センターは2027年に運用を始め、段階的に共同化する計画がある[ 23] 。
医療・福祉災害拠点病院 保育所
マスメディア
新聞社地方紙 全国紙
テレビ局民放テレビ局のうち、4大キー局 系列の放送区域は近畿広域圏 に属する。以下の府域放送 2局は、比叡山 の中腹に隣接して親局が置かれている。
備考 テレビ東京系列 のテレビ大阪(リモコンキーID:7)は、京都盆地 など府南部地域を中心に生駒山 もしくは枚方局 (所在は島本町 )を直接区域外受信か、ケーブルテレビ で視聴する世帯がある(府北部のケーブルテレビ局では地形的な問題などから区域外再放送対象外)。福知山市 [ 24] ・京丹後市 ・宇治市 ・城陽市 ・八幡市 などでは兵庫県 を放送対象地域とするサンテレビジョン (リモコンキーID:3)[要出典 ] 、京都市山科区 [ 25] 、宇治田原町 の一部などでは滋賀県域のびわ湖放送 (リモコンキーID:3)[要出典 ] 、城陽市 ・井手町 ・精華町 ・木津川市 などでは奈良県域の奈良テレビ放送 (リモコンキーID:9)[ 26] 、舞鶴市 ・宮津市 ・伊根町 などでは福井県 の民放全2局(福井放送 ・福井テレビジョン放送 、リモコンキーIDはそれぞれ7と8)がそれぞれ受信可能[要出典 ] である。
ラジオ局AMラジオ局京都放送(KBS京都) -NRN 系列。滋賀県 も対象地域となっている。 AMラジオも近畿広域圏に属する。在阪民放3局は府南部では京都市東山区 に中継局 が存在しているが、出力が300W と弱く、京都市内でも受信状態が芳しくない地域が少なくない。府北部では中継局(福知山・舞鶴・宮津)が NHK とKBS京都(宮津はNHK第1放送のみ)のみで、これらの地域で在阪民放3局は受信困難な地域が多いが、この場合でもradiko で聴取が可能。かつてはNHK京都放送局も第1放送 の県域放送を行っていたが、大阪局の大電力化で放送対象地域が重複する事もあり、2015年2月の局舎移転を前に、2月2日午前1時をもって放送を終了、廃止された[ 27] 。
FMラジオ局NHK京都放送局 エフエム京都 (α-STATION) (独立系) 県域FM局の親局送信所は西京区 の小塩山 に置かれている。KBS京都のFM補完中継局は、同局の放送対象地域に滋賀県も含まれているため府県境の比叡山(KBSの地上デジタルテレビ送信所と同一施設)に設置されている。FM COCOLO も、京都市内のみ放送対象地域に含み放送を行っている。
ライフライン
上下水道水道普及率は2020年時点で99.7%。用水供給事業は府営水道 が府内の給水量の1割強を担い、宇治市・城陽市・向日市・長岡京市・八幡市・京田辺市・木津川市・久御山町・大山崎町・精華町の7市3町を給水地域としている。上水道事業は22の市町、簡易水道事業は5町村が行なっている。京都府を北部・中部・南部の圏域に分けて広域連携を進める構想がある。
教育大学 高等専門学校 専修学校 特別支援学校 高等学校 中学校 小学校 幼稚園
私立高校授業料無償化府内の私立高校に通学する府民に対して「授業料無償化制度」があり、2011年度より対象世帯が年収350万円未満から500万円未満の世帯にまで拡大した。2020年時点で、年収910万円以下の世帯に国の支援金に上乗せする制度がある。
交通
空路
空港京都府内に空港はない。近隣の空港は以下の通り。
鉄道
府内連絡
隣接府県連絡大阪府方面へ東海旅客鉄道 西日本旅客鉄道東海道本線(山崎駅まで) 片町線 (木津駅 - 松井山手駅まで) 阪急電鉄 京阪電気鉄道 兵庫県方面へ西日本旅客鉄道山陰本線(京都駅 - 上夜久野駅まで) 福知山線(福知山駅) WILLER TRAINS宮津線(西舞鶴駅 - 久美浜駅まで)※北近畿タンゴ鉄道所有 奈良県方面へ 三重県方面へ 滋賀県方面へ 福井県方面へ
広範囲連絡
バス
路線バス京都市域および同市域へ乗り入れる路線は比較的発達しており、市内の基幹的な交通を担っている。※詳細は、京都市#路線バス を参照。 なお、府内各地のコミュニティバス については日本のコミュニティバス一覧#京都府 を参照。
京都市交通局 (京都市営バス ): 京都市域の大部分を担う、公共交通として基幹的な交通の一つである。京都バス : 京都市域の洛西・洛北にそれぞれ路線網を有するほか、後者は滋賀県内にも路線を延ばしている。京阪バス : 主に京都市域南部から府南部にかけての地域を、グループ会社の京都京阪バス とともに担っている。京阪京都交通 : 京都市域および亀岡市域、南丹市域の路線を担っている。西日本ジェイアールバス (高雄・京北線 ・園福線): 前者は京都駅から周山方面へ、後者は園部駅から福知山駅への路線を運行している。阪急バス : 京都市域の洛西ニュータウンおよび向日市・長岡京市・大山崎町と周辺地域を担う。ヤサカバス : 京都市域の洛西ニュータウンと向日市域を担う。近鉄バス : 向島ニュータウンを発着する路線などを運行している。奈良交通 : かつては京都駅へ乗り入れる路線などを運行していたが、近年は向島駅を発着するわずかな本数を運行するのみである。また、南部の木津川市、京田辺市、精華町、和束町にも路線がある。京都急行バス (プリンセスライン) : 京都駅と周辺を結ぶ限定的な路線を運行している。京都らくなんエクスプレス : 京都駅と「らくなん進都 」を結ぶ限定的な路線を運行している。元は京都大学 などによる社会実験 として運行を開始したものである。きょうと京北ふるさと公社 (京北ふるさとバス) : 旧京北町 域を運行する廃止代替80条バス 。京都交通 : 舞鶴市や福知山市などに路線網を有している。丹後海陸交通 : 宮津市・京丹後市・与謝郡・福知山市などに路線網を有している。
道路京都府南部付近の主な道路(2021年、点線部は未完成)
高速道路府内区間の最高速度はすべて80km/h以下となっており、政令指定都市を抱える都道府県では唯一の形態である。府内の休憩施設はパーキングエリアのみで、サービスエリアは存在しない。
国道国道8号は府内全区間国道1号と重複のため、事実上存在しない。
府道主要府道 ・一般府道
幹線道路京都市幹線市道
航路
港湾
文化・名物
方言京都の方言というと京言葉 (京都弁)が知られているが、京言葉と呼ばれる方言が話されるのは京都市とその周辺であり、それ以外の地域では京言葉とは異なる方言が話されている。また、京言葉と言っても、地域や社会階層・年齢層によって違いがある。
旧山城国の方言は京都市内の方言とあまり違いがないが、南端部の木津川市や相楽郡などでは奈良弁 の影響がみられ、旧京街道 沿いの八幡市などでは大阪弁 の影響がみられる。京都府南部は大阪への通勤圏であるため、八幡市や木津川市などは関西共通語 化が著しい。
旧丹波国のうち亀岡市などの南丹(口丹波)地方も京都市内の方言と大きく変わらない。しかし、福知山市・綾部市から舞鶴市にかけての中丹地方では、京阪式アクセント ではなく垂井式アクセント であり、「はる」敬語よりも「てや」敬語を用いるなど、京都市内と異なる点が多くなる(丹波方言 参照)。
舞鶴市・宮津市南東部以外の旧丹後国の方言(丹後弁 )は、東京式アクセント であり、断定の助動詞に「や」ではなく「だ」を使用するなど、舞鶴市以南と大きな違いがある。舞鶴市以南の諸方言は近畿方言 (いわゆる関西弁)に分類されるのに対し、丹後弁は兵庫県但馬地方や鳥取県などと同じ中国方言 東山陰方言 に分類される。
食文化
郷土料理
名産・特産
特産品
伝統工芸経済産業大臣指定伝統的工芸品 伝統工芸品
スポーツ
プロスポーツサッカー 女子サッカー プロ野球 女子プロ野球 京都フローラ (2010年から2021年まで活動)レイア (2017年から2021年まで活動)バスケットボール
実業団・社会人ラグビー 陸上競技 野球
公営競技競馬 競輪 競艇
観光
世界的遺産
国宝国宝美術工芸品 都道府県としては東京に続く第2位。
有形文化財建造物
国宝建造物都道府県としては棟数は日本最多(件数は奈良に続く第2位)、52件73棟。
重要伝統的建造物群保存地区都道府県としては石川県に続く第2位、7件。
特別史跡3件。
特別名勝都道府県としては日本最多、11件。
対外関係
姉妹自治体・提携自治体京都府は、異文化理解や国際交流を目的として、以下の州または省と友好提携を結んでいる[ 29] 。いずれの都市も、歴史的古都や学術の中心地など何らかの点で京都府と共通しており、こうした点に着目して提携が結ばれている。
友好自治体
分野別交流地域
その他の対外提携自治体による国際組織のイクレイ に2014年から加盟している。
人物
出身関連著名人
京都府を舞台とした作品近畿地方のご当地ソング一覧#京都府 も参照のこと。
脚注
注釈^ 山城広域振興局 の管轄区域は、宇治市、城陽市、向日市、長岡京市、八幡市、京田辺市、木津川市、大山崎町、久御山町、井手町、宇治田原町、笠置町、和束町、精華町、南山城村。^ 南丹広域振興局 の管轄区域は、亀岡市、南丹市、京丹波町。^ 中丹広域振興局 の管轄区域は、福知山市、舞鶴市、綾部市。^ 丹後広域振興局 の管轄区域は、宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町。
出典
関連項目
外部リンク