この項目では、日本の都市について説明しています。中国の北京市のかつての名称の京都市については「北平市 」をご覧ください。
京都市 (きょうとし 地元発音 )は、京都府 南部 にある市 。京都府の府庁所在地 および人口が最多の市で、政令指定都市 である。市域は11の行政区 から成り、人口約143万人で、近畿地方 (関西 )では大阪市 ・神戸市 に次ぐ。
京都 (平安京 )は794年 (延暦 13年)の平安 遷都から明治初期の東京奠都 (1869 - 1872)までの約1080年にわたって日本の首都 であった。平安遷都以来、平安時代 の国風文化 を始めとした日本文化 の中心地であり続け、東京奠都後 は戦災 を逃れた往時の文化財 や伝統文化 が継承されてきた。現在でも宮内庁 所管の京都御所 および京都仙洞御所 等 が所在する位置付けから2023年 には文化庁 が移転された経緯を含め、日本を名実共に代表する悠久の古都として「千年の都」「古都 」とも評される[ 1] 。
市域は令制国 で言えば山城国 葛野郡 ・愛宕郡 ・紀伊郡 の全域、山城国宇治郡 ・乙訓郡 ・久世郡 ・綴喜郡 と丹波国 桑田郡 の一部に及んでいる[ * 1] 。
京都府で最も人口が多い都市であり、府の人口の57.2%を占める(2026年1月1日)。都市圏 としては、京都府・滋賀県 などに広がる京都都市圏 [ 2] および京滋 の中核であるとともに、大阪市 を中心とした京阪神大都市圏 (近畿大都市圏)の一角を担う。都市雇用圏 の基準では、京都都市圏 の人口は280万人で京都府より多く、東京都市圏 、大阪都市圏 、名古屋都市圏 に次ぐ日本第4位の規模である[ * 2] 。内陸の市町村としては数少ない政令指定都市 であり、北海道 札幌市 (人口195万人)に次いで人口が多い。
794年 (延暦 13年)に日本の首都 になった平安京 を基礎とする都市で、1869年 (明治 2年)に明治天皇 が東京行幸 (東京奠都 )するまでの約1080年にわたって皇室 および公家 が集住したため「千年の都 」との雅称で呼ばれる。現代でも京都市 では双京構想 を掲げている(首都 に関する議論は「日本の首都 」を参照)。平安時代 、室町時代 の室町幕府 期には日本の政治が執り行われた中心地であり、鎌倉時代 、戦国時代 、安土桃山時代 、江戸時代 の幕末 期などにおいても、日本の政治の中心の一つとして大きな役割を果たした。
平安時代から江戸時代前期までは日本最大の都市であり、その市街地は「京中」、鎌倉時代 以降は「洛中 」と呼ばれ、都市としては「京」「京の都」「京都 」と呼ばれた。江戸時代には三都 (江戸 ・大坂 ・京)、明治 期には三市 (東京市 ・大阪市 ・京都市)、大正 期以降は六大都市 (東京市・横浜市 ・名古屋市 ・京都市・大阪市・神戸市 )の各々の一角を占め、第二次世界大戦 後には政令指定都市になった。このような中で都市生活者向けの商工業が発達し、特に国内流通 が活発化した江戸時代には、全国に製品を出荷する工業都市 となる一方、数々の技術者を各地の藩 の要請に従って派遣した。その伝統は現在も伝統工芸 として残っているのみならず、京セラ や島津製作所 、オムロン 、ニデック (旧 日本電産)など先端技術を持つ企業をはじめ、任天堂 やワコール など業界トップクラスの本社が集まるなど、現代産業を支えている地域の一つである。日本初の水力発電所 である蹴上発電所 を備えた琵琶湖疏水 や、日本初の電車営業を行なった京都電気鉄道 (後の京都市電 、現在は廃止)を開業させるなど、明治以降の近代化にも積極的であった。
第二次世界大戦の戦災 被害を免れた神社仏閣 、古い史跡、町並みが数多く存在し、宗教 ・貴族 ・武家 ・庶民などの様々な歴史的文化 や祭りが残る。その特徴により地方創生 の観点から2023年 に文化庁 が東京から移転され[ 3] 、文化首都を標榜する[ 4] 。国内外の観光客が訪れる観光都市 として国際観光文化都市 に指定されている。旧市街地を中心に建物の高さ規制や広告表示の制限がなされ、一部の地域では古い街並みが保全されている。さらに、旧帝国大学 の京都大学 をはじめとする多数の大学 が集積し、国内外から学生や研究者が集まる日本有数の学生街 ・学園都市 ともなっている[ * 3] 。
「京都」は普通名詞であり、「首府」あるいは「帝都」といった意味しか持たない。藤原京や平城京といったそれ以前の宮都についても同様に「京都」と呼ぶことができる[ 5] 。たとえば、『類聚三代格 』においては、「京都」は同様の意味を持つ普通名詞である「京師」と互換可能な語として用いられている。しかし、京都は平安京遷都以来長年にわたり日本の首府として機能したため、特定の地域を指す固有名詞となった。『京都の歴史』によれば、当初平安京は「京」と呼ばれており、院政期に平安京の郊外である鳥羽・白河のような地域が都市化したために広域名称として「京都」の名前が生まれた。明らかに地名として用いられている「京都」の例は、たとえば『中右記 』の承徳2年(1098年)の記述などが早い[ 6] 。公称としての「京都」は、鎌倉幕府による京都守護の設置などがその初期の例として見える[ 7] 。
京都の雅称として「洛」というものがあるが、定説的には、これはもともと平安京の右京と左京を、唐の東都・西都にあたる長安・洛陽になぞらえて呼んだこと、平安京の都市機能が左京に集中し、右京(東都)が形骸化したことに由来するとされている[ 5] [ 6] [ 7] 。これは『壒嚢鈔 』に見える記述であるが、一方で五島邦治 によれば平安京の右京・左京を指す呼称として長安・洛陽が区別して用いられた例は確認できず、両者は平安京を指す呼称として互換的に用いられていた[ 8] 。
京都府 南部、京都盆地 の北東部および[ 9] 、周辺の山地を市域とする[ 10] 。京都市は淀川 河口までおよそ50 km の準内陸的な都市であり、これは日本の大都市のなかでは珍しい[ 11] 。面積は827.83 km2 [ 12] 、東端は伏見区醍醐三ノ切(北緯34度56分51秒 東経135度52分43秒 / 北緯34.94750度 東経135.87861度 /34.94750; 135.87861 )、西端は右京区京北下宇津町大山(北緯35度08分13秒 東経135度33分33秒 / 北緯35.13694度 東経135.55917度 /35.13694; 135.55917 )、南端は伏見区淀生津町(北緯34度52分30秒 東経135度43分57秒 / 北緯34.87500度 東経135.73250度 /34.87500; 135.73250 )、北端は左京区久多上の町(北緯35度19分16秒 東経135度47分43秒 / 北緯35.32111度 東経135.79528度 /35.32111; 135.79528 )[ 13] 。隣接市町村は、京都府亀岡市 ・向日市 ・長岡京市 ・八幡市 ・南丹市 ・久御山町 ・大山崎町 、滋賀県 大津市 ・高島市 、大阪府 高槻市 ・島本町 である[ 14] 。
京都市中心部の地形図 京都市周辺の山地は、主に丹波帯 に属する古生層 (非変成岩)からなり、背斜・向斜構造に伴う断層によって地質構造が複雑化している[ 15] 。京都盆地は新第三紀 末から断層の運動に伴って周辺の山地が隆起し、盆地内部が沈降したことによって成立した地形であり[ 16] [ 17] 、第四紀 に湖沼や海水の侵入が起こった。このため、京都盆地には大阪層群 と同時代の堆積層が分布する[ 15] 。京都盆地の盆地床は河川の堆積によって成立した沖積地 であり、北部の北白川 ・鷹峯 には扇状地が発達している。また、盆地全体でも北から南へとゆるやかな傾斜がある[ 10] 。
京都盆地は三方で山に囲まれるが、南・西南では比較的平坦な土地が開ける[ 18] 。京都盆地の北には丹波山地 の一帯である北山 がある。また、北東には花折断層線 に沿った比叡山地 がそびえ、そこから南に下ると如意ヶ岳 ・東山 に接続する[ 10] 。東山を越えたところには山科盆地 が立地し、これも京都市に属す[ 9] 。西には愛宕山 ・皆子山 がある。南東の醍醐山地 によって、山科盆地と大津市との境界をなす[ 10] [ 19] 。京都盆地内部にも北東に吉田山 、北に船岡山 、北西に双ヶ丘 といった残丘が残っている[ 15] 。
京都市を流れる水系は、基本的に全て琵琶湖 ・淀川 水系に包摂される[ 5] 。主要な河川としては、まず丹波山地を源流とし、亀岡盆地 から保津峡 を通って流出する桂川 がある。次に、北山山地を源流とする高野川 ・賀茂川があり、出町橋 (鴨川デルタ )付近で鴨川 として合流する。鴨川は下鳥羽 付近で桂川と合流し、淀川となって大阪湾 に流れる[ 10] [ 18] 。また、南部・伏見区の、桂川に加え、その南を流れる木津川 ・宇治川が合流する地点には巨椋池 があったが[ 20] 、干拓により乾陸化した[ 5] 。
京都市の面積のうち60,953 haが森林であり、これは京都市の面積の73.6%を占める。うち、59,336 haが民有林であり、35717.53 haがスギ ・ヒノキ ・マツ 林である。人工林は、民有林全体の4割を占める[ 21] 。京都市および乙訓地域・山城地域の森林植生は歴史的に強い人手が加えられている一方、社寺林などの保全も行われた。常緑広葉樹 ではウラジロガシ ・アカガシ ・アラカシ ・シリブカガシ ・ツクバネガシ といった多くの樹種が優占する群落が見られる。また、1960年代以降、アカマツ ・コナラ などからなる二次林 が枯死したことにより、下層植生であったシイ 林が分布を拡大させた。落葉樹 としては、ミズナラ ・コナラ・クリ ・イヌブナ ・アカシデ ・イヌシデ ・リョウブ ・カエデ などが見られる[ 22] 。針葉樹 としては、片波(右京区京北町)に天然スギ林[ 23] 、北山(左京区)にアスナロ 群落が見られるほか、ヒメコマツ ・ヒノキ も優占する。特異な植物群落として、八丁平湿原 や深泥池 の水生植物群落がある[ 22] 。
山林部にはツキノワグマ ・ニホンジカ ・イノシシ ・ニホンザル などが生息するほか、市街地においても社寺林や庭園などが生物の生息地として機能している[ 24] 。市内の国指定天然記念物として、深泥池生物群集 ・大田ノ沢のカキツバタ群落 (北区)、東山洪積世植物遺体包含層 ・清滝川のゲンジボタル及びその生息地 (右京区)、遊龍松 (西京区)がある[ 25] 。
四条烏丸。京都市の中心業務地区。 京都市中心部においては、大まかには平安京の区画に由来する街路(京都市内の通り )が縦横に走る[ 26] 。京都の通りは平安時代末期には平安京を越えて左京北部にまで伸長し[ 27] 、豊臣政権時代に天正の地割 が成立するなど、その後も変化し続けた[ 28] 。さらに、近代には京都市旧市街の郊外にも北大路通 ・西大路通 といった街路が新設され、この周辺地域においても区画整理が行われた[ 29] 。京都市中心部における主要道路は特に明治末期から昭和初期にかけて形成されたものであり、これが中心となって碁盤目状の街区を構成している[ 30] 。
京都市の都心は上京区・中京区・下京区・東山区であり[ 31] 、四条烏丸交差点 を中心とし、東西を河原町通 と堀川通 、南北を五条通 と御池通 で囲んだ「田の字地区 」がその中心となる[ 32] 。中心業務地区は四条烏丸周辺、中心商業地区は四条河原町 周辺である[ 31] 。丸太町通 ・西大路通 ・東大路通 ・九条通 に囲まれた区域およびその南郊に位置する油小路通 ・国道1号線 沿道地域が立地適正化計画上の都市機能誘導区域に指定されている[ 33] 。また、マスタープラン上は都市機能誘導区域を越えて千本通・堀川通・河原町通の延伸上、今出川通沿道まで断続的に「広範的な商業・業務が中心となる地域」が続くほか、および伏見・山科の中心地域も同様に指定されている[ 34] 。京都市街においては全国的に見ても厳しい景観政策・高度規制が敷かれ(京都市の景観政策 )[ 35] 、特に市街地郊外の寺社地や市街西部の嵯峨嵐山において指定されている風致地区 は観光資源として良好な景観を保ち続けている。一方で京都駅の南郊には企業の本社ビルが密集する。市街東部から南部の伏見・山科には古い住宅地がある一方、市街南郊の幹線道路沿いにはロードサイド店舗 とショッピングモール が散財する郊外商業地が形成されている[ 36] 。
京都市は京阪神大都市圏 の一部であるとともに、京都府南部や滋賀県西部におよぶ京都都市圏 を形成する[ 37] 。とはいえ、京都市における郊外住宅地の形成は、その他の大都市と比べると比較的小規模なものにとどまる[ 38] 。周辺の長岡京市・八幡市・向日市・城陽市といった衛星都市 は純粋なベッドタウン ではなく、その発展は点在する製造業集積を核としたものとなっている。また、1980年代以降、湖西線 から東海道線 に入る快速電車 が運行されるようになってからは滋賀県・琵琶湖 西岸部においても住宅開発が進められたが、同地域から阪神方面に通勤する人口も多く、これらの地域も純粋な京都の郊外都市とは言い切れない[ 39] 。
京都 雨温図 (説明 )1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 気温(°C ) 総降水量(mm) 出典:気象庁
インペリアル 換算1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 気温(°F ) 総降水量(in)
京都市をふくむ京都府の気候は丹波山地を境にして南北に大別されるが、南部については太平洋型・瀬戸内気候に属する[ 40] 。京都地方気象台 の観測によれば、1991年から2020年までの年平均気温は16.2度[ 41] 、最高気温は39.8度(2018年7月19日)、最低気温は-11.9度(1891年1月16日)[ 42] 。京都盆地においては寒暖の差が激しく、夏は蒸し暑い一方で冬は底冷えする。とはいえ、京都盆地の気温は上昇の傾向にあり、京都地方気象台において、2010年時点で体感温度 が氷点下を下回る日は存在しなかった[ 43] 。また、1991年から2020年までの年平均合計降水量は1522.9 mmである[ 41] 。7月の梅雨 および9月の秋霖 ・台風 の時期に降水量のピークが達する[ 44] 。
市域北部の丹波山地は盆地とは異なる気候的特色を持ち、梅雨期には日300mmの降水量の記録もみられるほどの強雨地帯となっている[ 5] 。
京都市 (京都地方気象台 、標高41m)の気候月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年 最高気温記録°C (°F ) 19.9 (67.8) 22.9 (73.2) 25.7 (78.3) 30.7 (87.3) 34.9 (94.8) 37.2 (99) 39.8 (103.6) 39.8 (103.6) 38.1 (100.6) 33.6 (92.5) 26.9 (80.4) 22.8 (73) 39.8 (103.6) 平均最高気温°C (°F ) 9.1 (48.4) 10.0 (50) 14.1 (57.4) 20.1 (68.2) 25.1 (77.2) 28.1 (82.6) 32.0 (89.6) 33.7 (92.7) 29.2 (84.6) 23.4 (74.1) 17.3 (63.1) 11.6 (52.9) 21.1 (70) 日平均気温°C (°F ) 4.8 (40.6) 5.4 (41.7) 8.8 (47.8) 14.4 (57.9) 19.5 (67.1) 23.3 (73.9) 27.3 (81.1) 28.5 (83.3) 24.4 (75.9) 18.4 (65.1) 12.5 (54.5) 7.2 (45) 16.2 (61.2) 平均最低気温°C (°F ) 1.5 (34.7) 1.6 (34.9) 4.3 (39.7) 9.2 (48.6) 14.5 (58.1) 19.2 (66.6) 23.6 (74.5) 24.7 (76.5) 20.7 (69.3) 14.4 (57.9) 8.4 (47.1) 3.5 (38.3) 12.1 (53.8) 最低気温記録°C (°F ) −11.9 (10.6) −11.6 (11.1) −8.2 (17.2) −4.4 (24.1) −0.3 (31.5) 4.9 (40.8) 10.6 (51.1) 11.8 (53.2) 7.8 (46) 0.2 (32.4) −4.4 (24.1) −9.4 (15.1) −11.9 (10.6) 降水量 mm (inch)53.3 (2.098) 65.1 (2.563) 106.2 (4.181) 117.0 (4.606) 151.4 (5.961) 199.7 (7.862) 223.6 (8.803) 153.8 (6.055) 178.5 (7.028) 143.2 (5.638) 73.9 (2.909) 57.3 (2.256) 1,522.9 (59.957) 降雪量 cm (inch)5 (2) 7 (2.8) 1 (0.4) 0 (0) 0 (0) 0 (0) 0 (0) 0 (0) 0 (0) 0 (0) 0 (0) 2 (0.8) 15 (5.9) 平均降水日数(≥1.0mm) 6.4 7.3 9.5 9.4 9.7 11.5 11.6 8.3 9.8 8.2 6.3 6.6 104.6 平均降雪日数(≥0cm) 16.3 14.2 6.8 0.4 0 0 0 0 0 0 0 6.9 44.5 % 湿度 67 65 61 59 60 66 69 66 67 68 68 68 65 平均月間日照時間 123.5 122.2 155.4 177.3 182.4 133.1 142.7 182.7 142.7 156.0 140.7 134.4 1,794.1 出典:気象庁 (平均値:1991年 - 2020年[ 45] 、極値:1880年 - 現在[ 46] )
京北の気候 月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年 降水量 mm (inch)102.3 (4.028) 98.8 (3.89) 117.5 (4.626) 107.6 (4.236) 140.8 (5.543) 176.1 (6.933) 218.8 (8.614) 162.6 (6.402) 197.1 (7.76) 147.6 (5.811) 86.1 (3.39) 93.1 (3.665) 1,648.2 (64.89) 平均降水日数(≥1.0 mm) 15.3 14.7 13.7 11.5 10.9 12.1 12.6 9.2 11.1 10.2 10.2 13.4 144.9 出典:気象庁 (平均値:1991年 - 2020年)[ 47]
京都市は11の行政区から構成される[ 48] 。1929年(昭和4年)にはそれまで上京区 ・下京区 から構成されていた京都市より左京区 ・中京区 ・東山区 が分区され、1931年(昭和6年)には、周辺1市26町村の合併により、京都市の行政区域は従来の4.1倍に拡大された。これにより、新たに右京区 ・伏見区 が新設された[ 49] 。1955年(昭和30年)には北区 ・南区 、1976年(昭和51年)には山科区 ・西京区 が分立している[ 50] 。
京都市の行政区(自治体コード順) コード 地図 区名 読み 人口(人)
面積(km2 )
人口密度(人/km2 )
26102-5 上京区 かみぎょうく 83,167 7.03 11,830.3 26106-8 下京区 しもぎょうく 83,847 6.78 12,366.81 26103-3 左京区 さきょうく 162,311 246.77 657.74 26104-1 中京区 なかぎょうく 111,251 7.41 15,013.63 26105-0 東山区 ひがしやまく 34,817 7.48 4,654.68 26108-4 右京区 うきょうく 198,090 292.07 678.23 26109-2 伏見区 ふしみく 268,863 61.68 4,359 26101-7 北区 きたく 113,861 94.88 1,200.05 26107-6 南区 みなみく 102,478 15.78 6,494.17 26110-6 山科区 やましなく 130,268 28.70 4,538.95 26111-4 西京区 にしきょうく 142,466 59.24 2,404.9
京都市、特に近世の上京・下京にあたる上京区・中京区・下京区は膨大な町数を擁する[ 48] 。これらの地域においては中世末期以来、通りを挟んで成立した町である両側町が温存されており[ 51] 、地域的活動の面的枠組みとしては番組小学校の学区にもとづく元学区 が用いられることも多い[ 52] 。また、街路の交差点を起点として、「上る(北上する)」「下る(南下する)」「西入」「東入」と4方向を案内標示した表記が住所を示すために慣例的に用いられており、これは住民票といった公的な文書にも反映されている[ 53] 。一方で、かつて京都市街であった地域の町名は、合併前の町村名を頭に配し、旧町名をつなげるような形式となっている[ 54] 。
平安京の復元模型(京都市平安京創生館 ) 京都市域を含む京都盆地 一帯では、旧石器 ・縄文 ・弥生 各期の遺物・遺構が確認されている[ 55] [ 56] 。弥生時代には稲作がもたらされ、桂川・鴨川など中小河川に面した湿地周辺を中心に遺跡が分布する[ 56] 。古墳時代には盆地西部の桂川流域と、盆地東部の高野川流域などに古墳が分布した[ 57] [ 58] 。4 - 5世紀にはヤマト王権 の影響下で県主 が置かれ[ 59] 、屯倉など朝廷直轄地の設営も行われた。古代の京都では秦氏 をはじめとする渡来系氏族が勢力を広げ、寺院の建立などにも関与した[ 5] 。
桓武天皇 はこうした渡来系氏族との関係も背景として、延暦3年(784年)に、当時の宮都であった平城京から京都盆地の長岡京 への遷都を進めたが[ 60] 、政情不安や災害などを背景に[ 61] 、延暦13年(794年)には平安京 へ再び遷都した[ 62] 。平安京は条坊制 にもとづく都城として設計されたが[ 63] 、造営が途中で中止されたこと[ 64] 、右京が低湿地であったことなどから[ 65] 、市街の発展は左京中心の不均衡なものとなった[ 66] 。10世紀にはすでに中心道路の朱雀大路 すら形骸化しており[ 67] 、院政期 には天皇が里内裏 にて過ごすことが常態化した[ 68] 。左京においては塀で囲まれていた条坊もほとんど無視されるようになった。人口密集地では条坊を突き抜けた非公式の道路である辻子 、官道を耕地や宅地とした巷所 などもあらわれた[ 69] 。また、平安時代の中・後期以降は、白河 ・鳥羽 など、平安京の郊外にも都市区画が設営された[ 70] 。
『洛中洛外図屏風 』上杉本より花の御所とその周辺。永禄4年(1561年)ごろ。 鎌倉時代 には政治の中心が鎌倉 へ移るが、京都は朝廷・寺社の所在地として依然として大都市であり続けた[ 70] 。鎌倉幕府 は京都守護 を置いて京都を管理していたが、承久の乱 を経た承久3年(1221年)にこれを廃し、六波羅探題 を設置した[ 71] 。鎌倉幕府滅亡後、後醍醐天皇 による建武の新政 は京都を中枢として執り行われ[ 72] 、続く室町幕府 もこれに倣った[ 73] 。将軍御所が室町に設置されて以降、左京北端周辺に広がる上京が政治的都市として、その南にある下京が商業地区として発展した[ 5] [ 70] 。室町後期の応仁の乱 は市街地、とくに上京に大きな被害を与えた。このころより都市構造は大きく変化し[ 70] 、両地区は惣構をめぐらせて都市を防衛するようになった[ 5] 。また、同時期には住民自治の枠組みとして町組の形成も進んだ[ 74] 。
戦国期の永禄11年(1568年)には、織田信長 が足利義昭 を奉じて上洛した。信長の統治は朝廷・公家など既存勢力に配慮した比較的保守的な面をもったが[ 75] 、信長没後に京都を支配した豊臣秀吉 は関所 ・座 の撤廃や寺院の集約、町割りの再編など都市改造を進め、自らの居館である聚楽第 を中心とする開発を推進した[ 5] [ 76] 。また、天正19年(1591年)には京都全体を囲む土塁である御土居 が築かれた[ 77] 。
江戸時代 には政治の中枢機能は江戸 に移るも、京都は江戸・大坂 と並ぶ三都 のひとつとして、幕藩体制の政治経済において重要な地位を占め続けた[ 78] 。とはいえ京都には江戸・大坂と比較すると水運上の不利があり、17世紀後半以降は大坂への京都商人の進出も進んだ[ 79] 。江戸幕府は京都所司代 と京都町奉行 を通して都市行政を管理したが[ 80] 、一方で幕政の中心地であるところの二条城 だけではなく、朝廷の中心地であるところの御所 も近世京都の中核として機能した[ 81] 。
慶応3年(1867年)、徳川慶喜 は二条城にて大政奉還 を宣言し[ 82] 、翌年の鳥羽・伏見の戦い を経て新政府の権力が確立していく[ 83] 。明治新政府は一時京都で政務を行ったが[ 84] 、明治2年(1869年)には東京奠都 が行われ、京都は人口流出など経済的打撃を受けた[ 5] [ 85] 。「京都市」が成立するのは、1888年(明治21年)の市制 公布によってである[ 5] 。京都においては殖産興業が模索され、たとえば1904年(明治37年)に2代京都市長となった西郷菊次郎 は、第二琵琶湖疎水 の開削と発電事業、上水道 の設置、道路の拡張と市営電鉄 の敷設からなる京都市三大事業 を推進した[ 86] 。これらの事業は1910年(明治43年)までに起工され、大正期に完成した[ 87] 。
太平洋戦争 期には建物疎開が実施されたものの[ 88] 、京都は原子爆弾投下の候補地となっていたこともあって、大規模空襲の被害が比較的少なかった[ 89] [ 90] 。戦後の1956年(昭和31年)、京都市は政令指定都市 となった[ 91] 。昭和30年代後半ごろよりスプロール化 が激しくなり、住宅街整備のために区画整理 が進められたほか[ 92] 、団地の建設も行われた[ 93] 。1994年(平成6年)には、京都市および宇治市、大津市 の寺社および二条城が「古都京都の文化財 」として世界遺産 に登録された[ 94] 。2023年(令和5年)には、文化庁が京都市内に移転した[ 95] 。
京都市庁舎 京都市は、京都市長 と京都市会 の二元代表制 によって運営される。市長・市会議員はいずれも市民による選挙によって選ばれ[ 96] 、その任期は4年である(地方自治法 第163条・93条)[ 97] 。京都市会の議員定数は67人である[ 98] 。京都市長の下には京都市副市長 が置かれる[ 99] 。副市長は普通市長が議会の同意を得てこれを選任し(地方自治法第162条)[ 97] 、その定数は3人以内である[ 99] 。
京都市長はその権限に属する事務を分掌させるため(地方自治法第158条)[ 97] 、総合企画局・行財政局・文化市民局・産業観光局・環境政策局・保健福祉局・子ども若者はぐくみ局・都市計画局・建設局を置く[ 100] 。市長の下にあるその他の部局として、会計室・消防局・交通局・上下水道局がある。市長および市会から独立した組織として、教育委員会・市選挙管理委員会・人事委員会・監査委員・農業委員会・固定資産評価審査委員会がある[ 101] 。また、京都市は政令指定都市であり[ 102] 、市内の11区それぞれに区役所 が置かれる[ 103] 。区役所は市長の権限に属する事務のうち、区に関するまちづくりの推進、社会福祉、社会保険及び保健衛生に関することおよび行政サービスの提供などを分掌される[ 104] 。
京都市の政治的特色として、革新勢力 の影響力の強さがある。1970年代には保革対立のなかで富井清 ・舩橋求己 らによって革新市政を名乗る市政が展開されるが、舩橋は革新勢力から距離を取り、「五色豆」と呼ばれる総与党体制が確立した。その後、今川正彦 市政下で日本共産党 が総与党体制から外れ、それ以降の京都市政はおおむね共産党を野党・それ以外を与党とする体制で推移している。1980年代以来共産党を中心とする革新勢力が市政を執ったことはないものの、その存在は市長選挙における非共産党系勢力の候補者選定に大きな影響を与えている[ 105] 。しかし、2023年には日本維新の会 ・国民民主党 ・京都党 が市長与党の立場から外れ、維新・京都・国民市会議員団を結成した[ 106] 。
文化庁京都庁舎 京都市は京都府の府庁所在地 である[ 107] 。京都府議会 の定数60人のうち、34人が京都市内の選挙区から選ばれる[ 108] 。また、衆議院の小選挙区のうち、京都府第1区 と京都府第2区 は京都市内の自治体からのみ構成されている[ 109] 。
また、国の中央官庁では、2023年より文化庁 が京都市内に移転している[ 110] 。中央官庁の東京からの移転は、明治期以来これがはじめてのことであった[ 95] 。また、京都迎賓館 が立地する[ 111] 。そのほか、地方支分部局 として宮内庁京都事務所 [ 112] 、京都地方法務局 [ 113] 、京都保護観察所 [ 114] 、京都労働局 [ 115] 、近畿農政局 [ 116] が京都市内に設置されている。その他、自衛隊京都地方協力本部 なども京都市内にある[ 117] 。
京都市内には京都地方裁判所 ・京都簡易裁判所 ・京都家庭裁判所 が設置されている[ 118] 。また、京都地方検察庁 も置かれる[ 119] 。京都府警察 本部以下、以下の警察署 が設置されている[ 120] 。
京都市消防局 以下、以下の消防署が設置されている[ 121] 。
北消防署 上京消防署 左京消防署 中京消防署 東山消防署 山科消防署 下京消防署 南消防署 右京消防署 西京消防署 伏見消防署 関西広域連合 [ 122] 、全国京都会議 [ 123] 、イクレイ [ 124] 、世界歴史都市連盟 [ 125] といった自治体連携機関に参加している(cf.京都市役所#自治体間連携 )。また、京都市内には在京都フランス総領事館 が設置される[ 126] 。以下の自治体と交流宣言を結んでいる。このほか、複数の自治体の間で交流を謳った共同宣言に、龍馬 の絆で結ぶ都市間交流宣言(2014年)と西郷菊次郎 翁を縁とした交流宣言(2018年)がある[ 127] [ 128] 。
経済活動別市内総生産(名目値・2022年)[ 139] 産業分類 市内総生産(百万円) 第一次 農林水産業 5,341 第二次 鉱業 25 製造業 1,570,686 第三次 電気・ガス・水道・廃棄物処理業 138,197 建設業 333,841 卸売・小売業 734,576 運輸・郵便業 226,069 宿泊・飲食サービス業 175,137 情報通信業 243,032 金融・保険業 339,760 不動産業 781,331 専門・科学技術、業務支援サービス業 561,678 公務 253,083 教育 418,364 保健衛生・社会事業 636,687 その他のサービス 285,637
2022年時点で、京都市の市内総生産は6兆7692億円(名目)、6兆5530億円(実質)である[ 139] 。2016年の経済センサスによれば、京都市の従業者数は73万9542人であり、通勤流出入者は80,109人の流入超過である。これは、大阪市 ・名古屋市 ・福岡市 に次ぐ4位である。これらの市が経済ブロック圏の中枢を担うのに対して、京都市はそのような性質を持たない[ 140] 。また、京都市には中小企業が多く、従業員数9人以下の事業所が全体の78.2%、4人以下の事業所が58.9%を占める。これは、政令指定都市のなかでは最多である[ 141] 。
京都市は、20世紀末から財政 状態の不健全性が指摘されている[ 142] 。固定資産税 を徴収できるマンションが少ない、固定資産税がかからない寺社仏閣が多い、納税義務のない学生が多いなどの理由で1人当たりの税収が少ないほか、巨額赤字を抱える京都市営地下鉄東西線 などの大規模投資や社会福祉・減災などの市独自施策のため[ 143] [ 144] [ 145] 、将来の借金返済に充てるための公債償還基金を計画外に取り崩して財政運営を行っていたことがその要因となっている[ 146] [ 147] 。
2008年 (平成20年)7月23日には門川大作 市長が同市の都市経営戦略会議で2011年度の実質赤字比率が推計で27%に達する見通しを発表し、財政再建団体 への転落を示唆した[ 148] 。また、コロナ禍 下の2020年、基金が2026年度に払底し2028年度に財政再生団体 に指定される財政破綻の恐れがあることを公表した[ 149] 。しかし2022年、税収や国からの地方交付税が大幅に伸びたことから、一般財源の収支均衡を22年ぶりに達成し、市長は財政破綻はしないと言明した[ 150] 。他の自治体との比較では、1人当たりの債務に着目して作成されたランキングで全国の自治体のうち2021年度末にワースト7位とする例などがあり[ 151] 、2024年度でほかの政令市並みに近づいたとの見方もある[ 152] 。
北山杉営林地(北区・2019年) 京都市は市域面積の7割以上を農地ないし森林が占める一方、市内総生産に占める農林業 の割合は1%にも満たない[ 153] 。2023年時点で京都市の耕地面積は2,951.5 ha であり、うち2,223.4 haを田地が占める[ 154] 。また、民有人工林は24,060 ha である[ 21] 。京都市内の農業は小規模な耕地面積で営まれていることがもっぱらであり、多様な品種を少量ずつ生産する農家が多い[ 155] 。
市街地近くにおいては農地を集約的に利用して伝統野菜 をはじめとする野菜が育てられるほか、郊外においては水稲 ・シソ ・ゆず ・柿 ・たけのこ などが主要な農産物となっている[ 156] 。市域北部においては旧京北町を中心として比較的大規模な農地が営まれているほか[ 156] 、北山杉 の磨丸太生産をはじめとする林業 でも著名である[ 157] 。
任天堂は、京都市内の上場企業の中でもっとも高い株式総額を有する企業である[ 158] 。 製造業 は、2022年時点で京都市の市内総生産の23%を占め[ 139] 、観光産業とともに京都市の基幹産業となっている[ 159] 。京都市の製造業は軽工業 を中心とするものであり[ 160] 、2024年時点で、京都市の製造品出荷額のうち24%を飲料・たばこ・飼料、13%を電子部品・デバイス・電子回路、業務用機械器具、生産用機械器具、電気機械器具がそれぞれ10%を占める[ 161] 。飲料・たばこ・飼料製造業が出荷額の首位を占めるのは、市内に日本たばこ産業 の西日本最大の製造拠点が立地しているからである[ 162] 。京都市においては伝統的には繊維工業 が重要な地位にあったが、これは伝統産業の衰退とともに出荷額を大きく減らしている[ 163] 。
2021年時点で京都市内および京都府南部の周辺都市に本社を持つ上場企業 は57社あるが、そのうちのおよそ6割にあたる32社が製造業である[ 158] 。高度経済成長期以降、京都市は任天堂 ・京セラ ・村田製作所 ・ニデック といった多くのハイテク産業企業を輩出した[ 164] 。とはいえ、これらの主要製造企業は多くの場合市内に生産設備を持たず、本社機能と研究開発拠点のみを残置させている[ 165] 。
錦市場 卸売・小売業は、2022年時点で京都市の市内総生産の11%を占める[ 139] 。京都市においては伝統的には繊維卸売業が重要な産業であったが、これはバブル崩壊 を期に大きく縮小した[ 166] 。小売業 について、京都市では公設市場 を核にした商店街が多く、大型店参入を阻む力が強かったため、近隣商店街で日常の買い物をする生活スタイルが長く残ったが、これについても21世紀以降次第に衰退していった。また、市内中心部には総合スーパー もほとんど進出できないままとなっており、こうした地域ではコンビニエンスストア や小規模スーパー が日常の買い物の場として機能している[ 167] 。
京都市における観光消費額の年次総計は2024年現在、1兆9075億円である[ 168] 。京都における観光産業は、市内総生産のうち製造業の次に重要な位置を占める[ 169] 。2019年の統計に基づく京都市観光協会 の推計によれば、京都市内の観光関連産業従事者は153,000人であり、京都市の人口の5分の1にあたる。また、京都市の経済活動に占める観光関連産業の割合は、12.4%である[ 170] 。また、京都市におけるレストラン の人口あたり集積件数は、国内の他地域と比較して際立って突出しており、経済学者の有賀健はこれについて観光キャンペーンの成功や、外国人観光客の増加にともなう現象であろうと論じている[ 171] 。
京都医療センター 主な病院 京都中央郵便局 主な郵便局 京都府立図書館 京都国立博物館 図書館 博物館・美術館・資料館 「#観光スポット 」を参照。 劇場・ホール 蹴上発電所(東山区) 2024年度の京都市における需要電力は、81億957万4000kWh である[ 172] 。関西電力 の営業区域となっており[ 173] 、送配電 については関西電力送配電 が担う[ 174] 。逆潮流量は2億8090万7000 kWh であり、うち1億4396万6000 kWh が太陽光発電 、8391万9000 kWh がバイオマス発電 、3331万4000 kWh が水力発電 によるものである[ 172] 。
蹴上発電所 は琵琶湖疏水とともに建設された日本最初の事業用水力発電所であり、1891年に運行を開始した[ 175] 。琵琶湖疏水とともに作られた発電所としてはほかに夷川発電所 ・墨染発電所 がある[ 176] 。その他、市内の水力発電所としては洛北発電所 ・栂ノ尾発電所 ・墨染発電所 ・清滝発電所 がある[ 177] 。これらはいずれも関西電力の所有となっている[ 178] 。
また、京都市は延べ床面積 300m2 以上の建築物を新増築する場合に再生可能エネルギー 利用設備の設置を義務付けているほか[ 179] 、太陽光発電設備設置について支援を行っている[ 180] 。京都市内の大規模な太陽光発電所としては、2015年に伏見区のゴルフ場跡地にて発電出力 23,000kW の京都・伏見メガソーラー発電所が建設され[ 181] [ 182] 、2017年より稼働している[ 183] 。さらに、京都市内のクリーンセンター では廃棄物発電 が行われており、2023年度には 85.2GWh の余剰電力を売却している[ 184] 。ガスについて、京都市は大阪ガス の供給エリアとなっており、都市ガス 網が整備されている[ 185] 。
蹴上浄水場(東山区) 京都市の上下水道事業は、京都市上下水道局 の管轄となっている。同局は、2004年に京都市水道局と下水道局の合併によって成立した[ 186] 。
京都市の上水道普及率は、2019年度末現在で99.8%である[ 187] 。2016年度時点で、管輅は4,201km、年間給水量は184,666,000 m2 [ 188] 。浄水場 については、1912年に琵琶湖疏水に付随して蹴上浄水場 が設立されたのち、人口と供給面積増加に伴い、山科・九条山・伏見・松ヶ崎・新山科・山ノ内にも各浄水場が設置された。しかしその後、蹴上浄水場・松ヶ崎浄水場 ・新山科浄水場 の3ヶ所に集約された[ 189] 。その他、山間地域に18ヶ所の浄水場が設立されている[ 190] 。京都市は琵琶湖疏水を通して年間2億トンの琵琶湖の湖水を得ており、京都市は1947年に「疏水感謝金」の契約を滋賀県と結んだ。感謝金額の査定は10年ごとに物価変動を考慮して滋賀県と京都市が相談して決定する。2012年当時の契約は消費税が8%になる予定の2013年 度末までの『疏水感謝金』は年間2億2千万円が滋賀県へ支払われていた[ 191] 。2015年度から10年間は年間2億3千万円となった[ 192] 。
下水道普及率は、2023年度末現在99.5%である[ 193] 。年間流入下水量は359,913,000m3 、うち有収汚水量は182,283,000m3 [ 194] 。京都市内には下水処理場として鳥羽水環境保全センター (本部および吉祥院支部)・伏見水環境保全センター ・石田水環境保全センター ・京北浄化センター が設置されている[ 195] 。京都市内の下水道 網は、ほぼ全域をカバーしているが、初期に造られた下水道を中心に市内40%で雨水と汚水を一緒に流す合流式となっており、大雨になると下水道から河川に雨水を放流する放流口が83ヶ所ある。これを理由とする悪臭や環境汚染が堀川 や西高瀬川 などで問題になり、1980年代 より大雨時に水を溜めて下水処理場 へ送る貯水幹線が堀川通や五条通の地下に整備された[ 196] 。
家庭ごみは定期収集される[ 197] 。有料指定袋制を導入しており、ごみの排出には原則として有料の家庭ごみ収集用指定袋を利用する必要がある[ 198] 。また、京都市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例にもとづき、資源ごみ・大型ごみの分別義務がある[ 197] 。京都市の年間受け入れごみ発生量は、2024年度時点で366,400 t である[ 197] 。
南部クリーンセンター ・東北部クリーンセンター ・北部クリーンセンター の、3ヶ所のごみ処理施設 がある。また、最終処分場 としてエコランド音羽の杜 が設置されている。さらに、4ヶ所に資源ごみの直営リサイクル施設が設置されている[ 199] 。
市外局番 は、大部分の地域は「075」(京都MA )。ただし、右京区嵯峨樒原、嵯峨越畑では「0771」(亀岡MA)。京北室谷町では「0771」(園部MA)。伏見区醍醐一ノ切町、二ノ切町および三ノ切町では「077」(大津MA)[ 200] [ 201] 。
人口の推移[ 202] [ * 4] 年 人口(人) 増減率 1889年 279,165 1890年 288,867 +3.5% 1900年 371,600 +28.6% 1910年 470,033 +26.5% 1920年 591,323 +25.8% 1930年 765,142 +29.4% 1940年 1,089,726 +42.4% 1950年 1,101,854 +1.1% 1960年 1,284,818 +16.6% 1970年 1,419,165 +10.5% 1980年 1,473,065 +3.8% 1990年 1,461,103 -0.8% 2000年 1,467,785 +0.5% 2010年 1,474,015 +0.4% 2020年 1,463,723 -0.7% 2021年 1,453,956 -0.7% 2022年 1,448,964 -0.3% 2023年 1,443,486 -0.4% 2024年 1,437,377 -0.4%
京都市の人口は、国勢調査 では1920年の第1回調査で神戸市 に次ぐ全国4位になり、三都 の一角、東京市・大阪市に次ぐ全国3位という状況は終焉を迎えた。神戸市とは同程度で推移するものの、名古屋市 が台頭したため、戦前を通じて全国4位・5位という状況が続いた。1930年の第3回調査の後、1931年に大規模な市域拡張を実施して名古屋市を抜き返し、1932年に3番目の百万都市となったものの、1934年に4番目の百万都市となった名古屋市に1935年の第4回調査で再び抜き返されるという一幕もあった。
戦災被害が六大都市の中で最少だったことから、1945年11月の人口調査および1947年の第6回調査と1950年の第7回調査で全国3位になったが、それは一時的なものに過ぎず、1955年の第8回調査では名古屋市に次ぐ全国4位、1960年の第9回調査では横浜市 に次ぐ全国5位になった。
他の大都市や一部の中小都市にみられるような、戦中・戦後における人口の急減・急増がなかったのが京都市の特徴であった。その後も1970年代 から2010年代 に至るまで、都市部にもかかわらず人口が147万人程度を推移し続け、人口の大きな増減がなかった。この間、1983年に札幌市 、2011年に福岡市 、2015年に川崎市 に抜かれた。また、戦前は同程度で推移し、戦後は甚大な戦災被害による激減から回復してきた神戸市に1990年の第15回調査で抜かれ(翌1995年の第16回調査では、阪神・淡路大震災 の影響もあり一時的に再逆転)、2000年代 以降は抜き返せない状況にある。結果、全国9位にまで落ちたが、昼間人口 では川崎市・神戸市を上回っている。
2015年の第20回調査から2020年の第21回調査の人口増減を見ると、0.8%減の1,463,723人であり、増減率は府下26市町村中7位。区別では最高が2.0%増の南区、最低が6.3%減の東山区。将来推計人口によれば、減少が続き2045年に130万人を割り込むと予測されている[ 203] 。2026年1月1日現在の人口は1,431,419人[ 204] 。コロナ禍 の2020年と2021年は2年連続で1年間に最も人口が減少した市となった[ 205] [ 206] 。
京都市と全国の年齢別人口分布(2005年) 京都市の年齢・男女別人口分布(2005年) ■ 紫色 ― 京都市■ 緑色 ― 日本全国
■ 青色 ― 男性■ 赤色 ― 女性
京都市(に相当する地域)の人口の推移1970年 (昭和45年)1,427,376人
1975年 (昭和50年)1,468,833人
1980年 (昭和55年)1,480,377人
1985年 (昭和60年)1,486,402人
1990年 (平成2年)1,468,190人
1995年 (平成7年)1,470,902人
2000年 (平成12年)1,474,471人
2005年 (平成17年)1,474,811人
2010年 (平成22年)1,474,015人
2015年 (平成27年)1,475,183人
2020年 (令和2年)1,463,723人
総務省 統計局 国勢調査 より
健康 京都市内のキャンパスの分布
京都大学 同志社大学 立命館大学 京都市には40校を超える大学 ・短期大学 のキャンパスがあり、多様な高等教育機関が集積する学生のまちとしても知られている[ 208] 。大学相互の結びつきを深め、また、経済界との連携を強めるため設立された日本最大の大学間連携組織、大学コンソーシアム京都 があるのも特徴的である。2003年 (平成15年)以降、毎年10月上旬に京都学生祭典 が開催されている。
(※小学校 、中学校 、高等学校 、特別支援学校 、専修学校 、各種学校 などは、各区のページを参照) 国立 公立 私立 外国大学の日本校 私立 日本内分泌 学会 - 中京区に事務局を置いている。 日本生態 学会 - 北区に事務局を置いている。 日本臨床 分子 形態学会 - 左京区に事務局を置いている。 日本ビタミン 学会 - 左京区に事務局を置いている。 日本血液 学会 - 左京区に事務局を置いている。 人文地理学会 - 左京区に事務局を置いている。日本鼻科学会 - 上京区に事務局を置いている。日本史研究会 - 上京区に事務局を置いている。日本植物生理学会 - 上京区に事務局を置いている。 日本細胞 生物学会 - 上京区に事務局を置いている。 園芸学会 - 上京区に事務局を置いている。日本人類学会 - 上京区に事務局を置いている。日本先天異常学会 - 伏見区に事務局を置いている。日本衛生学会- 左京区に事務局を置いている。 日本妊娠高血圧学会 - 左京区に事務局を置いている。 史学研究会 - 左京区に事務局を置いている。日本放射線 技術学会 - 下京区に事務局を置いている。 日本呼吸器 外科学会 - 中京区に事務局を置いている。 耳鼻咽喉科 臨床 学会 - 左京区に事務局を置いている。システム制御情報学会 - 左京区に事務局を置いている。 日本材料学会 - 左京区に事務局を置いている。 エントロピー 学会 - 下京区に事務局を置いている。古代学協会 - 中京区に事務局を置いている。この他、アメリカの大学も積極的に京都で活動を行っている。1989年 (平成元年)9月に設立された京都アメリカ大学コンソーシアム (Kyoto Consortium for Japanese Studies、略称:KCJS)は、アメリカの13大学[ * 5] からなる組織であり、日本研究を志すアメリカの大学生が毎年約40~50名来日している[ 209] 。また、スタンフォード大学 は、KCJSに参加すると共にスタンフォード日本センターを同志社大学 今出川キャンパスに設置している[ 210] 。大学共同利用機関法人 として国際日本文化研究センター と総合地球環境学研究所 がある。また、2015年9月に京都市と公益財団法人大学コンソーシアム京都 の協働により京都学生広報部 が創設され、京都での学生生活の魅力をPRしている[ 211] 。
京都駅 烏丸口 近畿圏各地からは出発地によってJR ・私鉄 各線を使い分けるが、京都駅 周辺はJR・近鉄、四条河原町 周辺は阪急・京阪のターミナルと、主に二箇所に分散している。また京都市内を発着地とする中長距離バス 路線は、多くが京都駅をターミナルとしている。
東海道新幹線 ・山陽新幹線 沿線からは、大阪市 内や神戸市 内と比べて近畿三空港 との距離が離れている(最も近い伊丹空港 から京都駅までリムジンバスで約50分)。その一方、東海道新幹線で名古屋以西を走る全ての列車(「のぞみ 」を含む)が京都駅に停車することから、新幹線 が航空機 に対して圧倒的に優位に立っている。
京都府 内に空港は存在しないが、かつてはIATA 都市コードUKY が設定されていたほか、空港外のチェックイン施設(シティエアターミナル、CAT)が設置されていたこともある[ 212] 。
最寄りの空港 京都市付近の鉄道路線 京都駅 が事実上の中央駅として機能している。なお、京阪および阪急の路線は京都駅を通らず、市内に独自のターミナル駅 を設けている。
市域には、事実上の同一駅や近隣に接する駅の場合でも運営社局によって駅名が相違している事例がいくつかある。
ICカード 乗車券はJR西日本ではICOCA および相互利用カード(ICOCAの項を参照。電子マネー 機能はPiTaPaは利用不可)、嵯峨野観光鉄道を除く私鉄・地下鉄各線ではPiTaPa ・ICOCAおよび相互利用カードが利用可能(嵐電は専用の「らんでんカード」がある)。また、JR西日本各線および近鉄線ではJスルーカード (現在は自動券売機 でのみ対応)、叡電・嵯峨野観光鉄道を除く私鉄・地下鉄各線ではスルッとKANSAI カードに対応している。
市内を行き交う京都市バス 市内の移動は路線バスがメインとなる。観光シーズンになると積み残しが続出する状況のルートもあり、渋滞 が悪化して所要時間が読めなくなることから、鉄道各社線との乗り継ぎ利用でそれらのリスクを最小限に抑える利用方法が推奨されている[ 213] 。
京都市交通局(市バス)・京阪グループ・阪急バス・西日本ジェイアールバスなどとの間では、従来より回数券の共通化を行っており、地下鉄割引券込みの物も販売されていた。現在では、ICカードなどで市バス・京都バス・地下鉄の乗継割引が行われる。市バス・京都バス(それぞれ一部路線除く)および地下鉄全線が乗り放題の「地下鉄・バス一日(二日)券 」が発売されている(他にも市バス・京都バスの均一区間専用の「バス一日券」、市外発の市内各線フリーきっぷ込みの割引きっぷ類などもあり)。
運行地域は、市バスが旧市街地中心で、京阪京都交通は西京区、および西京区・亀岡 方面から旧市街地への乗り入れ、京都バスが右京区嵯峨 地区と左京区岩倉 ・鞍馬 ・大原 地区および両方面から旧市街地への乗り入れ、京阪バスが山科区と伏見区醍醐および両方面から旧市街地への乗り入れと比叡山 方面、阪急バスが西京区(洛西ニュータウン )、西日本JRバスが旧京北町および北区小野郷・中川地区、右京区梅ケ畑地区から旧市街地への乗り入れとなっているが、一部競合区間が存在する。
この他に、伏見区向島 地区を運行する近鉄バス、西京区(桂坂ニュータウン ・洛西ニュータウン )を運行するヤサカバス、京都女子大学 と京都駅八条口・四条河原町 を結ぶプリンセスラインバス、旧京北町を中心に運行する京北ふるさとバス、京都駅とらくなん進都 内を巡回する京都らくなんエクスプレス、旧京北町と南丹市を結ぶ南丹市営バス、北大路駅と北区雲ケ畑 地区を結ぶ雲ケ畑バスなどがある。
乗車方法は主に後乗り前降り後払いで、運賃は旧市街地周辺は均一制(主に230円)。均一区間外は整理券による区間制となっている。
#は京都市域バス共通回数券が使用可能なバス ●は交通系ICカード全国相互利用サービス が使用可能なバス ※はトラフィカ京カードが使用可能なバス 高速バス 京都駅と名古屋駅 を結ぶ名神ハイウェイバス や、首都圏 などと京都を含む京阪神地区を結ぶ多くの高速路線バス、ツアー 形式の貸切バス (ツアーバス )が運行されている。京都市内を発着地とする高速バス路線の多くは京都駅をターミナルとしている。詳しくは京都駅の高速バス欄 を参照。
また大阪市内 を発着地として名神高速道路 を経由するバス路線のうち、京都駅に発着しない路線では、伏見区の深草バスストップ (京都深草 )を京都の玄関口と位置づけているものがある。詳しくは当該項目を参照。
第二京阪道路 (旧京都高速道路 ・阪神高速京都線 )先斗町通 御池通 駐輪スペースを確保できれば、自転車 や原付 含む自動二輪 の方が柔軟な移動ができる。
近年、地球温暖化防止の観点から見直されたこともあってレンタサイクル が急増しており、宿泊客に対してこれらの便宜をはかる宿泊施設も増加している。また、ベロタクシー の日本発祥の地でもある。
その他の有料道路 かつて有料だった道路 主要地方道 の越境路線のみ記載。
地方港湾
主な祭事 74品目を京都市は伝統産業 として指定し[ 216] 、そのうち経済産業大臣指定伝統的工芸品 と17品目が重複、その他から京の手しごと工芸品 を選んでいる。
古くは京都が日本の政治・文化の中心となっていて、第二次世界大戦の戦災から免れたことから、国宝 の約20%、重要文化財 の約14%が京都市内に存在する。
1994年 (平成6年)に、近隣の宇治市 内と滋賀県大津市 内に所在するものを含め、17件の文化財が世界遺産 に登録された。
「古都京都の文化財」 例年行われるイベントには、皇后盃全国都道府県対抗女子駅伝競走大会 や全国高等学校駅伝競走大会 、京都マラソン などがあり、ロードレースの陸上競技の人気が比較的高い[ 217] 。日本初の駅伝 の記念碑がある。
また、トップアスリートや優秀な指導者などのスポーツ関係者に対して、京都市スポーツ賞や京都スポーツの殿堂 による表彰が行われている。殿堂入りの人数では野球やラグビー関係者が多い[ 218] 。
スポーツに関する神社もあり、白峯神宮 や下鴨神社 の雑太社などが挙げられる。
サンガスタジアム by KYOCERA (スタジアムは亀岡市 に所在)わかさスタジアム京都 京都市体育館
鉄道唱歌 第一集東海道 編(作詞:大和田建樹 、作曲:多梅稚 ・上眞行 )-1900年 (明治33年)5月発表のこの曲では、全66番のうち京都には1/8弱に当たる8番(山科を含めれば9番)を割り当てており、鎌倉 の4番、近江八景 の6番よりも長い。作詞者である建樹が相当の興味を抱いていたからとされ、名所は多く詠われている。45. 大石良雄が山科の その隠家はあともなし 赤き鳥居の神さびて 立つは伏見の稲荷山 (大石良雄 と伏見稲荷 ) 46. 東寺の塔を左にて とまれば七條ステーション 京都京都と呼びたつる 駅夫の声も勇ましや (京都駅 ) 47. ここは桓武のみかどより 千有余年の都の地 今も雲井の空たかく あおぐ清涼紫宸殿 (京都御所 ) 48. 東に立てる東山 西に聳ゆる嵐山 かれとこれとの麓ゆく 水は加茂川桂川 (山川の地理) 49. 祇園清水知恩院 吉田黒谷真如堂 ながれも清き水上に 君がよまもる加茂の宮 (京都東部の名所) 50. 夏は納涼(すずみ)の四條橋 冬は雪見の銀閣寺 桜は春の嵯峨御室 紅葉は秋の高雄山 (四季の名所) 51. 琵琶湖を引きて通したる 疏水の工事は南禅寺 岩切り抜きて舟をやる 知識の進歩もみられたり (琵琶湖疏水 ) 52. 神社仏閣山水の ほかに京都の物産は 西陣織の綾錦 友禅染の花もみじ (京都の名産品) 53. 扇おしろい京都紅 また加茂川の鷺しらず 土産を提げていざ立たん あとに名残は残れども (西への出発)
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注: 順位は令和2年国勢調査時の市域人口による。 ウィキポータル :アジア