中小企業(ちゅうしょうきぎょう)は、経営規模が規定以内の中小規模の企業。
英語ではSmall and Medium Enterprises(SME)と表現される。また、SMEは中小企業基本法における中小企業よりも範囲は狭く、中堅中小企業を指し示す際に用いられる。英語圏だけではなく、日本語圏でも中堅中小企業を指し示してSMEと称することがしばしばある。
この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。 |
中小企業基本法では、第二条で「中小企業者の範囲」を次のように定義している。資本要件、人的要件いずれかに該当すれば、中小企業者として扱われる。
ただし、具体的な中小企業政策を定めた個別の法令では、以下の特例を追加していることが多い。
この特例が設けられていない個別法令としては、中小企業退職金共済法などが挙げられる。
独立行政法人中小企業基盤整備機構法においては中小企業基本法での範囲のほか、企業組合、協業組合、事業協同組合、事業協同小組合、商工組合、協同組合連合会等も中小企業者として定義している。
また法人税法では業種に関係なく、資本金の額が1億円以下の企業が「中小企業者」と定義されている。後述の税制上の優遇措置を受けられるか否かは、主にこちらの定義が適用される。また、税務関係上の所管についても異なってくる(資本金1億円以下の中小企業は本社所在地管内の税務署が、同1億円超の大企業は国税局が所管することとなる)。
著名なアイリスオーヤマは上記の規定により大企業(大規模法人、大会社等)には分類されず、2020年現在においても中小企業(中小企業者)として扱われる[1]。
中小企業基本法第二条五項で、おおむね常時使用する従業員の数が20人(商業又はサービス業に属する事業を主たる事業として営む者については、5人)以下の事業者を、「小規模企業者」と定義している。
法的に明確な定義はされていないが、慣例的には、資本金1,000万円以下で従業員数が5人以下など、中小企業のなかでも小規模なものを零細企業という[2]。
中小企業憲章は中小企業政策の基本的考え方と方針を定めたものである。中小企業庁は「中小企業憲章に関する研究会」を設置した。平成22年6月18日、中小企業憲章は閣議決定なされた。
| 氏名 | 所属機関 | 備考(主な経歴等) |
|---|---|---|
| 村本孜座長 | 成城大学大学院社会イノベーション研究科教授 | 金融庁参与、神戸大学経済経営研究所リサーチフェロー、一橋大学大学院修了 |
| 榊原清則 | 慶應義塾大学総合政策学部教授 | 一橋大学教授、一橋大学大学院修了 |
| 松島茂 | 東京理科大学専門職大学院教授 | 中小企業庁計画課長、中部通商産業局長等、東京大学法学部卒業 |
| 三井逸友 | 横浜国立大学大学院環境情報研究院教授 | 日本学術振興会産業構造・中小企業第118委員会副委員長、日本中小企業学会第10代会長、慶應義塾大学大学院修了 |
| 安田武彦 | 東洋大学経済学部教授 | 中小企業庁調査室長、日本中小企業学会理事、日本学術振興会産業構造・中小企業第118委員会委員等、東京大学経済学部卒業 |
| 山口義行 | 立教大学経済学部教授 | 外務省参与等、立教大学大学院修了 |
日本学術振興会は産学協力研究委員会として産業構造・中小企業第118委員会を擁している。日本学術振興会産業構造・中小企業第118委員会は日本における中小企業研究の中核的な組織である。戦前から活動してきた日本学術振興会第23(中小工業)小委員会に端を発している。昭和23年4月に現在の第118委員会として発足した。
| 期間 | 委員長 | 備考(主な経歴等) |
|---|---|---|
| 平成29年4月1日~令和4年3月31日(5年間) | 堀潔 | 日本中小企業学会副会長、桜美林大学教授、慶應義塾大学大学院修了 |
委員の構成(平成31年4月現在)
| 出身母体 | 人数 |
|---|---|
| 学界 | 32名 |
| 産業界 | 4名 |
| 委員総数 | 36名 |
日本学術会議協力学術研究団体である日本中小企業学会は山中篤太郎(産業構造・中小企業第118委員会初代委員長、元一橋大学学長)を初代会長として設立された学術研究団体である。
中小企業は税制度などの面で優遇されるため、あえて減資を行い中小企業になる、もしくは留まる企業も多い。このことから、経営危機に陥ったシャープの再建策の一つとして、この制度を利用して、税負担の軽減優遇を受けられる1億円への減資が検討されたことがあった[3]。代表的なメリットを以下に記述する。なお、税務面での優遇措置についてはここに記述した以外にも適用要件がある場合もあり注意が必要。下記の「日本における法人税課税の概要」も参照されたい。
日本において法人は法人税法、所得税法、消費税法、租税特別措置法等の法令に基づき課税を受けるが、ここでは法人税法に基づく課税につき概説する。なお以下においては記述の簡略化のため詳細な要件や数多の例外規定等については大部分の記載を省略している。実際の課税の局面においてはここに記述した以外にも様々な要件等があるため注意が必要。
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米国の中小企業法第3条(a)では「独立所有・独立運営で、自分の業種において独占的な地位を占めていない事業者」と定義されている[7]。
ドイツではミッテルシュタントと呼ばれる中小企業群が多数存在する。もともとマイスターという職人志向やギルドといった中小企業を形成、発展させやすい素地があったこと、また、1989年の東西ドイツ統一により、生産性の低い元東ドイツの中小の製造業にテコ入れを図ったこと、それでも競争力のない企業については淘汰が進んだことから、2000年代以降、ミッテルシュタントは付加価値を高め輸出力を強い製品を多く生み出すようになり、ドイツ経済の原動力として躍進を遂げた[8]。
一方、保護的な政策は十分ではないとされる。2022年ロシアによるウクライナ侵攻の際の例では、短期間のうちにエネルギー価格が高騰した局面で、各ミッテルシュタントが独自に対応できず、倒産の危機に直面する会社が増加した[9]。
会社の経営戦略と、社員の採用・教育といった人事は、密接な関係があるという。
今後の会社の方向性に対して、長期的な経営戦略を持っている企業では、新卒を採用し、丁寧に育て今後に対応しようとしている。一方、持っていない企業はその場その場で必要な人材を中途採用やアウトソーシングによって賄おうとする傾向があるという[10]。
また、経営戦略として、自社の競争力としてどのようなものを重視するかという観点からは以下のように分かれる[10]。
ただし、サービスの提供であっても、ブランド力を重視するホテル業界などは、内部での人材育成を重視する傾向がある[10]。
中小企業の人事は、以下のような特徴がある[11]。
中小企業は、人材難な状況となっている。原因は、就職希望者・新規入社社員及び、会社側双方にある[11]。近年[いつ?]、中小企業はいくら求人を出そうとも新卒が集まってこない厳しい状況に直面している。2005年放送のNHK「日本の、これから」中のスタジオ生討論においても、中小企業経営者らの代表グループが「町工場は人手がまったく足りない」「求人を出している」と語っていた。100年に一度の就職難とされている2010年現在においても、中小企業は新卒学生に向けて大量の求人を出しているが、受験する学生は少なく、中途採用を中心とせざるを得なくなっている。以下に主たる原因を挙げる。
OECDの調査では国内の中小企業(従業員数250人未満)に雇用されている労働者の割合はアメリカは41.33%、日本は52.8%、イギリスは53.08%、フランスは63.3%である。主要国に比べて大幅に高い韓国では1311万人で国内の労働者の87%も占めているため、最低賃金の変動に最も脆弱な経済構造である[12]。