| 「1セグメント放送」は日本の地上デジタルテレビ放送(ISDB-T)について説明しているこの項目へ転送されています。音声を主とした放送については「デジタルラジオ」をご覧ください。 |
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ワンセグ(欧文表記では1segもしくはOne seg)は、日本の地上デジタル放送の携帯端末(携帯機器、モバイル端末)向けサービスの愛称[1]。正式名称は「携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス」である。
ワンセグは、携帯端末向けの地上デジタル放送から派生したサービスである。2006年4月1日に放送開始となった[2]。ポータブルテレビ・フィーチャーフォン・スマホ・携帯音楽プレーヤー・防災用携帯ラジオ受信機・カーナビゲーション・ディスプレイ付きカーオーディオなどの装置に受信回路が搭載された。
技術的な内容を解説すると、日本の地上デジタルテレビ放送 (ISDB-T) ではUHF帯の470MHz - 710MHzを13 - 52チャンネルと呼ぶ40のチャンネル(物理チャンネル)に分け、そのチャンネル1つの周波数帯域幅6MHz(実効帯域幅5.57MHzとチャンネル間約430kHzのガードバンド)が13のセグメントに分かれた構造となっている。13セグメント中ハイビジョン放送(HDTV)には12セグメント(すなわち、後述の「フルセグ」)、標準画質放送には4セグメントが割り当てられている。この内、モバイル端末(携帯電話など)用として1セグメントを割り当てて、解像度は小さく画質は低いものの携帯性や弱電界での安定性を重視し、解像度がQuarter Video Graphics Array (QVGA、320×240/320×180) の放送を行うこととなった。この「1(ワン)セグメント」を略して「ワンセグ」と呼ばれている。音声は2chステレオであり、二重音声放送実施時はアナログ放送と同じモノラル信号である(詳細はISDB#ISDB-Tを参照)。
ワンセグは既存の地上デジタルテレビ放送と同じアンテナから送出される。そのため、地上デジタルテレビ放送が受信できる地域ではワンセグも受信できることになる。当初は県庁所在地から地理的に遠く離れた山村・離島などの市町村は地上デジタルテレビジョン放送そのものが開始されておらず、受信できない地域もあったが、2007年以降、中継局の開局・増加に伴い、それらの一部地域でも受信できるようになった。
日本においては地域によって放送されているチャンネル数が異なる。移動体に搭載されるワンセグでは、放送地域間を移動した場合は受信設定を変更する必要がある[注 1]。
なおワンセグはあくまでテレビ放送であり、ワンセグ受信にインターネット通信は不要である。ワンセグ視聴や電子番組表の表示には基本的にはパケット通信量を消費することはない。ただし放送内容と連動する情報を受信する場合にはデータ通信で別に受信(および送信)しており、その場合、(携帯電話の設定を特に変更していない限り)画面にサーバーからの受信可否を問う画面が表示され、選択できた。単なるワンセグ受信機器だけで視聴する場合にはこのような画面は表示されない。
本放送開始前の2006年2月に都営地下鉄で地下鉄構内での再送信による受信の実験が行われた。2006年4月1日に、同日までに地上デジタル放送が始まっている地域の放送区域で本放送が開始された[2]。2006年4月1日の11時(日本時間)から東京都など、29都府県で開始し、同年12月1日にはハイビジョン放送と同時に全43県の県庁所在地および近接する一部の市・町・村でも受信できるようになった。
もともとアナログ方式であったテレビ放送をデジタル方式に切り替える過程でデジタル放送を、当時需要の高かったモバイル端末やカーナビゲーションシステムでも受信できるようにすることを主な目的に開発されたシステムであり、受信機器が小さく設計できる利点があった。
サービス開始当初、受信可能な機器はP901iTV、W33SA、W41Hの携帯電話3機種のみだったが徐々に増加。2007年頃からは売れ筋となる携帯電話のほぼ全てにワンセグが搭載されるようになり、次第に録画やフルセグなどの付加機能が発展してきた。ワンセグ普及当時はまだインターネットでの動画コンテンツ配信がそれほど普及しておらず、仮にあっても携帯端末での視聴は回線速度的にも端末性能的にも厳しいものだったため、スポーツ観戦や、通勤中のテレビ視聴、各家庭での若年層への動画視聴環境に大きな影響を与えていた。
2008年3月末まで一つの放送局から同一番組を流すサイマル放送が義務付けられており、ワンセグで見られる番組は12のセグメントを使用する地上デジタル放送の主番組と同じだったが、2008年4月1日改正放送法の施行によってサイマル放送の義務化が解かれ部分的なワンセグ放送独自の番組の放送が始まった[3][4]。
2008年12月1日には各都道府県のNHK・民放全局で地上デジタルテレビジョン放送が開始されたことに伴い、ワンセグ放送を行う放送局も全国に拡大した。ただし、放送大学は2018年10月30日の地上波廃局[5]までワンセグ放送を実施しなかった。
東日本大震災が発生した2011年はワンセグ搭載端末が最も普及していた時期であったため、機能停止した携帯電話の基地局に頼らないワンセグ放送によって災害情報を得ることができていた。
遊園地・博物館・大学などで狭小な地域を対象とするエリア放送も行われた。羽田空港などで実験が数例行われた後、2011年4月に総務省が「ホワイトスペース特区」を認定[6]して一部地域にてエリア限定型ワンセグ放送の研究開発や実証実験を行った。
これらの結果を受け2012年4月には、エリア放送が制度化[7]され、地上一般放送局として免許されることとなった。
なお、エリア放送は12セグメント放送でも免許され、六本木ヒルズや南相馬チャンネルではサイマル放送を行っている。
スマートフォン時代になると状況は大きく変わり、ISDBは日本と南米地方以外にはほとんど普及していない規格であるため、国内スマホメーカーの衰退とともに搭載機種は減少する。さらに、LTE(4G)や、光回線(FTTH)による高速通信回線の全国的な整備とスマートフォンの4G高速通信回線への対応でインターネット上の動画視聴が容易になり、YouTubeなどの動画配信サービスも充実したのに加え、TVer・NHKプラスなどを通したテレビ番組自体の見逃し・リアルタイムネット配信も登場したこともあり、人々はネット動画のほうを視聴すればよいと判断するようになった[8]。アナログ放送末期にあたる2010年代初頭頃からminiB-CASカードの普及によってフルセグ端末そのものも小型化した。
2018年秋ごろから対応する携帯電話が大幅に減少[9]、2019年3月にワンセグだけでもNHK受信料が必要という判決が最高裁で確定[10]、そして2020年夏モデルの楽天モバイル向けシャープ製『AQUOS R5G』、ソニーモバイルコミュニケーションズ製『Xperia 1 II』を最後に、2021年12月現在ワンセグ・フルセグ対応のスマホ機種はリリースされていない[11]。
生産中の商品としては、ポータブルテレビやテレビ付きポータブルDVDプレーヤー、ワンセグ音声専用ラジオなどがある。また、ポータブルテレビやカーナビゲーション、ディスプレイオーディオにおけるフルセグの電界強度補完視聴(フルセグの電界強度が一定の弱さに達するとワンセグに自動的に切り替わる機能を搭載していることが多い。)の手段として残されている。
ワンセグ放送は12セグメント放送とのサイマル放送が義務付けられているが、実験として12セグメント放送とは別編成を組んでの放送も行われており、その場合、12セグメント放送で放送されている通常番組は視聴できない(マルチチャンネル参照)。たとえば日本テレビでは、関東ローカルでナイター期間中にプロ野球中継の放送を21時からハイライト形式で放送を行っている。
また、大規模な独立編成では2008年12月21日に『M-1グランプリ』の敗者復活戦をテレビ朝日・朝日放送テレビ・北海道テレビ放送・名古屋テレビ放送・九州朝日放送の5局で放送し、ワンセグ独自番組としては初の同時ネットを行った。
札幌テレビ放送では土曜日10:25 - 10:29および11:54 - 11:59に12セグメント放送では各地域ごとの番組を放送する。ワンセグでは道内一律で札幌局発の番組で札幌放送局管内の12セグメント放送と同一内容の『小樽フラッシュニュース』および『札幌ふるさと再発見』を放送しているため、差し替え放送を行っている地域では実質ワンセグ独自番組となっている。また、CMも12セグメント放送では一部時間帯で各地域ごとの内容に差し替えられるが、ワンセグでは道内一律ですべて札幌局発のCMを放送しているため、これも差し替え放送を行っている地域では実質ワンセグ独立編成の扱いとなっている。また、過去には、東北地方のNHK総合テレビでは、2006年4月1日から2007年3月4日までの期間、ローカル番組において、12セグメント放送では各局ローカル番組、ワンセグ放送では仙台発の宮城ローカル番組を放送[注 2]していた。その為、宮城県以外では、実質ワンセグ独立編成の扱いとなっていた。
NHKについては、放送法の他条項等の規定により当初独自放送は認められていなかったが2009年度より解禁され、2010年度より教育テレビで独立編成を行うこととなった[12]。名称はNHKワンセグ2で、放送局が名付けた呼称である。情報番組「ワンセグランチボックス」、バラエティ番組「青山ワンセグ開発」、ニュース番組「モバイル週間ニュース」、NHK他チャンネルと連携しつつ、ワンセグ独自コーナーを設ける番組「麻里子さまのおりこうさま!」などが制作された。総合テレビについても実施に向けた準備作業を続ける方針とされたが、独自放送の視聴状況および携帯電話機器の技術革新などにより2012年度より編成が順次縮小され、2015年3月末限りでワンセグ独自番組は全て終了した。
2015年度以降はNHKはワンセグとフルセグで同じ映像を放送しているが、フルセグで行われる時刻表示や天気ループはワンセグでは表示されない。また、災害時などのL字型画面は東京送出の場合、ワンセグでは非表示となっている(地域局送出の場合はワンセグでも表示)。また、2020年からの新型コロナウイルス問題で総合テレビの画面左に表示されるQRコードは、東京送出の場合ワンセグでは非表示となっている(ニュースウオッチ9など一部番組ではワンセグでも表示。地域局送出の場合はワンセグでも表示)。
TBSテレビでは、2022年から、JNNニュースなどで、TBS NEWS DIG Powered by JNNへのQRコードがフルセグと同様にワンセグでも表示される。
独自編成の一種である。別名に「ワンセグローカルサービス」などの言い方もある。これは受信エリアを通常の県域放送とは別に特定の地域に限定して配信するもので、これまでにJリーグの試合会場や渋谷駅付近等で実用試験が実施されている。またテレビ大分も2010年4月に県域民放で初めて、同局主催の開局記念イベント「TOSまつり」の会場(TOS本社社屋周辺)限定のワンセグを放送したことがある。
通常のテレビ放送と同様に、ワンセグによるマルチ編成も、ストリームレベルの多重化により可能である。2007年11月16日、東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)はワンセグによるマルチ編成の実験に成功したと発表し[13][14]翌2008年6月23日にワンセグによるマルチ編成「ワンセグ2サービス」を開始した[15][16][17]。なお「ワンセグ2サービス」も「NHKワンセグ2」と同様に放送局が名付けた呼称である。
通常のテレビ放送ではマルチ編成が3分割できるのに対し、ワンセグでは2分割しかできない。なお、TOKYO MXでは通常のデジタル放送でも(2014年4月以降は終日)2分割放送までしか行っていないため、通常のテレビ放送と同内容でのマルチ編成が可能である。
また、民放で最後発のワンセグ開始となる奈良テレビ放送は開始当初から2016年3月31日まで、全時間帯でのマルチ編成を実施していた。片方のチャンネルで地デジとアナログ放送のサイマル放送、もう片方では地デジ・アナログ向け番組を放送時間をずらして放送するほかワンセグ独自の番組を放送し全く別編成のチャンネルとなっている。固定テレビとワンセグを全時間帯でマルチ編成を行なう局は奈良テレビが初めてとなる[18]。
2019年10月22日には南海放送も民放5系列で初のワンセグ2サービスを開始したが、同局では「ワンセグ2サービス」ではなく「第2ワンセグ放送サービス」を名乗る。
ワンセグでは一般のテレビと同じ番組に加え、各テレビ局が番組を楽しむためにワンセグ専用に制作したデータ放送コンテンツも利用できるため、放送局がそれぞれの特色を活かした展開が図られた。
ワンセグ用データ放送には、BML Cプロファイルが用いられている。このプロファイルはBSデジタル放送や地上デジタル放送のAプロファイルとは異なる機能が追加されており、上記の「放送と通信の連携機能」が実現されている。
各局でニュースや天気予報などが提供されたが、2025年2月21日にTBS系列、同年3月30日にNHK[19]、同年3月31日にフジテレビ系列[20]、同年4月20日にテレビ東京系列[21]でワンセグ用データ放送での情報提供を終了した。
日本以外の地域でも移動体向けの地上デジタルテレビ放送(マルチメディア放送)が始まりつつあり、大きく分けて日本方式(ワンセグ:ISDB-Tの部分受信)、欧州方式(DVB-H)、韓国方式(T-DMB)の3方式がある。このうち、セグメントの部分受信という方式を採っているのは日本方式だけである。2021年12月現在、ISDB方式を採用しているのは日本を含む20ヶ国である[22]。これらISDB方式を採用した国ではワンセグ放送が方式上可能である。
なお、ワンセグはテレビ放送の部分受信というその方式上、欧州方式や韓国方式に比べて、少ない送信所で圧倒的に広い地域に放送することができる。ただし、比較的低い周波数帯域で、かつ狭い帯域を利用しなければならないため、他方式に比べて画質が劣る。
開発に至るまでは、MPEG-4のライセンス問題や従来のMPEG-4に替わってMPEG-4AVC/H.264を採用すると復調回路の演算性能を高くしなければならないなどの問題も生じた。さらに移動体の中でハイビジョン放送(12セグメント、ワンセグに対して「12セグ」・「フルセグ」とも呼ばれる)の受信実験をしたところ、専用アンテナを付ければ十分に受信できるという結果が出たため、必要性を疑われることもあった。実際に、カーナビのハイエンドモデル・一部のスマートフォンに関しては12セグのハイビジョン放送とワンセグの両方に対応した機器も登場した。2021年現在、放送受信機能を持ったカーナビについてはフルセグが一般的で、ワンセグは通信状況が悪い状態での補完視聴用程度の位置づけとなり、携帯電話についてはワンセグ・フルセグともに新規採用機種がなくなった。
移動体での受信では、固定で受信する通常の放送やハイビジョンに比べて受信環境が厳しくなる。そのため、変調にはノイズに強いものが採用された。なお日本の地上デジタル放送(ISDB-T)では13セグメントを最大3つの階層に分割し階層ごとに使用セグメント数、変調方式、畳み込み符号の符号化率などを変えることができる。
映像圧縮技術にはMPEG-2に対しては2倍以上という圧縮品質を実現したH.264が採用された。さらに音声にはAACが採用されている。なお、低ビットレートで音質を改善する追加技術SBRの適用に関しては放送局による。
通常の地上デジタル放送と同様MPEG-2システムに準拠したストリームとして伝送される。帯域削減のため、あるストリームに含まれる多重化された番組をPMTのパケット番号で列挙するテーブルであるPATの送出を行わず、ある番組に含まれるストリームがどのパケット番号を使っているかを指定するPMTのパケット番号は固定の値0x1fc8を使用する。もし多重化された番組があるなら副番組は0x1fc9、帯域が許せば0x1fcfまで8番組を識別可能。
ワンセグ受信回路はアンテナ、フィルタを含むチューナー回路、OFDM復調回路、MPEG-4 AVC/H.264, MPEG-2 AAC復号回路から構成されている。
2008年のワンセグサービス開始当初にはワンセグ受信用にチューナ用LSI、OFDM復調用LSI、フィルタ、水晶発振子、受動部品が1つのモジュール組み込まれたワンセグ・チューナ・モジュールが使用されることが多かったが、現在はチューナ回路とOFDM復調回路を1つに統合したLSIを周辺部品とともに直接、メイン基板に実装するものが一般的となった。
2013年には12セグメント放送(フルセグ)対応のスマートフォンが初めて発売された。その後はしばらくフルセグ対応のスマートフォンが発売されたが、2020年5月に発売されたXperia 1 II を最後として、以降フルセグ機能を持ったスマートフォンは発売されていない。
JEITAの統計によれば2011年1月でワンセグ機能付き携帯電話の日本国内出荷実績が2007年7月からの累積出荷台数で1億台を突破した。また2008年には、全携帯電話の出荷の80%以上がワンセグ機能付きであり、高いワンセグ搭載率が数年続いた。しかし2010年にはワンセグ搭載率は6割にまで低下、その後も低下を続け、2014年以降には低下が顕著となり、4割を切るようになった。2020年にはワンセグ搭載機種はわずか2機種となり、2021年にはワンセグ対応機は発売されなかった。
3桁で指定されているチャンネル番号については、上2桁「リモコンキーID+60」+下1桁「*」として指定され、以下のように12セグ(上2桁「リモコンキーIDそのもの」+下1桁「*」)とは別の放送として扱うことが明示されている。
ワンセグ受信に対応していない地デジ受信器でワンセグのチャンネル番号を入力すると、「サービス対象外」または「サービス非対応」である旨の警告メッセージや、一部機種では『このチャンネルは受像機にデータを送る為の放送です。』、『映像のないチャンネルです。』等が表示されるか、何も映らない。逆に3桁入力に対応しているが12セグに対応していないワンセグ受信機も同様の結果となる。
なお、上2桁「リモコンキーID+20」+下1桁「8」はGガイド用に割り当てられており、基本的にJNN系列局の番号と連動する(例えば関東地方では268)。
現在、ワンセグの放送自体にはデジタル著作権管理(DRM)は適用されていない。録画されたデータには、その受信機のメーカーによって独自のデジタル著作権管理(DRM)を付け加えて著作権保護を施し、他の媒体へのコピーができなくなっている。ただし、ダビング10に対応した機器もある。
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