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レピュニット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

レピュニット (レピュニット数レプユニット数単位反復数:repunit) とは 1, 11, 111, 1111, … のように全ての桁の数字が 1である自然数のことである。この名前はrepeatedunitを省略した単語であり、アルバート・ベイラーが1964年の論文で命名した[注釈 1]

10進法におけるn 桁のレピュニットはRn=10n19{\displaystyle R_{n}={\frac {10^{n}-1}{9}}} の形に表される。n =2,19,23,317, 1031, ... (オンライン整数列大辞典の数列A004023) のときに、Rn素数となる。2進法におけるn 桁のレピュニットはメルセンヌ数(Mn=2n1){\displaystyle (M_{n}=2^{n}-1)} である。レピュニットが素数であるとき、レピュニット素数(またはレプユニット素数:Repunit prime)という。レピュニット素数は無限にあると予想されているが、証明されていない。

レピュニットの性質

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mn を割り切るならば、RmRn を割り切る。よって、n合成数ならば、Rn は合成数となる。

100 を法として 11 と合同な平方数は存在しないから、レピュニットで平方数となるものは 1 だけである。一般に、レピュニットで累乗数となるものは 1 だけであることが知られている (Bugeaud, Mignotte 1999a[2])。

レピュニットは各桁の総乗が 1 となるので、すべてズッカーマン数である。

Rn は、n が3の累乗数のとき(n が 1 = 30 のときも含む)は全てハーシャッド数である。

nの値と必ず含まれる約数
  • 偶数 -11
    • 4の倍数 - 11・101
    • 6の倍数 - 3・7・11・13・37
  • 3の倍数 -337
  • 5の倍数 -41271
  • 7の倍数 -2394649
  • 17の倍数 - 2071723・5363222357
など

901型の例

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前述のとおり、R2n は11つまりR2 で割り切れる。同様に、2×n桁のR2n は、n桁のRn で割り切れる。さらに、nが奇数のとき、Rn は11で割り切れないから、R2Rn は互いに素となる。よって、R2nは、R2 ×Rn で割り切れて、その商は、n桁の数 100…1 ÷ 11 の計算値となるから、n−1 桁の数 9090…91 である。

これらの関係を表にまとめると、次のようになる。

n(奇数)2 ×nR2nR2nの値(2×n桁)R2 ×RnR2 ×Rnの値(n+1桁)R2n ÷R2 ÷Rnの値(n−1桁)R2n ÷R2 ÷Rnの素因数分解
36R06111111R2 ×R31221×917・13
510R101111111111R2 ×R51222219091素数
714R1411111111111111R2 ×R712222221909091素数
918R18111111111111111111R2 ×R91222222221909090917・13・19・52579
1122R221111111111111111111111R2 ×R11122222222221909090909111・23・4093・8779

n が偶数のときのR2n、その他 についての例は次のとおり。

  • R12 = 11222211 × 9901
  • R20 = 1222210000122221 × 9091
  • R24 = 112233332211 × 990000999901 = 1111222222221111 × 99990001
  • R28 = 1222222100000012222221 × 909091
  • R36 = 111111222222222222111111× 999999000001
  • R39 = 123333333333321 × 900900900900990990990991
など
  • R06 = 11 × (9091 + 1010)
  • R08 = 11 × (909091 + 101010)
  • R10 = 11 × (90909091 + 10101010)

[3][4][5][6]

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1と0だけで表す例

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n(10n/2 − 1) / 9[7]10n/2 + 1
R0211 × 1111
R041111 × 101101
R063・37111 × 10017・11・13
R0811・1011111 × 1000173・137
R1041・27111111 × 10000111・9091
n
R020001 × 111 × 11
R03#0001 × 111
R04$0001 × 111111 × 101
R05%0001 × 11111
R06&0001 × 111111111 × 1001
#0011 × 10101
R07*0001 × 1111111
R08$0011 × 10101011111 × 10001
R09#0111 × 1001001
R10%0011 × 10101010111111 × 100001
R12&0011 × 10101010101111111 × 1000001
$0111 × 1001001001
#1111 × 100010001
R14*0011 × 10101010101011111111 × 10000001
n
R061 × 111 × 100191・11
R1211 × 10101 × 10000019901・101
R18111 × 1001001 × 1000000001999001・1001
R241111 × 100010001 × 100000000000199990001・10001
n
R0411 × 101
R08101 × 110011
R121001 × 1110001111221001221 ×91
R1610001 × 111100001111
R20100001 × 1111100000111111222210000122221 ×9091
R241000001 × 1111110000001111111221001221001221001221 ×91

累乗数 − 累乗数

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[8]

nRn×(10n+1)
[9][10][11]
R02625262526252
R03562 − 552562552
R04562 − 4525562 − 5552
R0555562 − 55552
R065562 − 4452555562 − 55555250562504526562 − 5652
R075555562 − 5555552
R0855562 − 444520G(省略)
R090F(省略)50055625004452
R100E(省略)0E(省略)656562 − 565652
R110D(省略)
R120C(省略)0C(省略)500055562500044452
R130B(省略)
R140C(省略)0A(省略)65656562 − 56565652

レピュニット素数

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現在、Rnn = 2, 19, 23, 317, 1031, 49081, 86453, 109297 の場合に素数となることが証明されている。しかし桁数が大きい確率的素数 (PRP, probable prime) は素数判定が困難であり、例えば2022年3月に素数であることが証明されたR49081 は、1999年9月にハーヴェイ・ダブナーが確率的素数として発見してからポール・アンダーウッドによって素数判定されるまで22年6月を要した[12]。2023年5月に素数であることが証明されたR86453 は、2000年10月にリュー・バクスターが確率的素数として発見してからアンドレアス・エンゲによって素数判定されるまで22年7月を要した[13]

2007年3月26日、ハーヴェイ・ダブナーはn=109297の場合が確率的素数であると発表し[14]、その後n≦200000にはそれ以外の PRP は見つかっていないと報告している[15][リンク切れ]。同年7月15日、マクシム・ヴォズニーはn=270343の場合が確率的素数であると発表した[16]

2021年4月19日、セルゲイ・バタロフとライアン・プロッパーはn=5794777を[17]、同年5月8日にn=8177207を確率的素数であると発表した[18]。発表時点ではそれぞれが知られている最大の確率的素数であった。

2025年5月29日、楕円曲線素数判定法によりn=109297の場合が素数であることが証明された。

Rn = (10n − 1) / 9
No.n[要出典]発見者素数判定
12BC 478-素数
2191908-06-27-素数
3231933-01-23-素数
43171978-05-16ヒュー・ウィリアムズ素数
510311986-10-05ヒュー・ウィリアムズ、ハーヴェイ・ダブナー素数
6490811999-09-09ハーヴェイ・ダブナー素数
7864532000-10-26リュー・バクスター素数
81092972007-03-26ハーヴェイ・ダブナー素数
92703432007-07-11マクシム・ヴォズニー確率的素数
1057947772021-04-19セルゲイ・バタロフ、ライアン・プロッパー確率的素数
1181772072021-05-08セルゲイ・バタロフ、ライアン・プロッパー確率的素数

(オンライン整数列大辞典の数列A004023)

レピュニットの素因数分解

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レピュニットは、25を除く素数の積で構成されている[19]

基数 10 のレピュニットのR1 からR122 までの素因数分解の一覧を示す[20]

n素数の場合は背景のセルを水色にして示す。

素因数の数(含重複)

2022年末現在、素因数分解が完全には計算されていない最小のレピュニットは、n=353に当たる数である。

一般化

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10以外の基数に対してもレピュニットを定義することができる。基数a に対してn 桁のレピュニットはRn(a)=an1a1{\displaystyle R_{n}(a)={\frac {a^{n}-1}{a-1}}} と定義される。

前述のとおり、a = 2 のときのレピュニットはメルセンヌ数である。また、a が素数ならば、これはan−1約数の和に一致する。

基数a ≤ 100 のレピュニットが累乗数となるのはR5(3) = 112,R4(7) = 202,R3(18) = 73 の場合しかない(Bugeaud 1999b[21])。

Fd(x) をd 次の円分多項式とすると、

Rn(a)=dn,d>1Fd(a){\displaystyle R_{n}(a)=\prod _{d\mid n,\,d>1}F_{d}(a)}

と表すことができる。

脚注

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[脚注の使い方]

注釈

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  1. ^アルバート・ベイラーは、次のとおりに記している:
    A number which consists of a repeated of a single digit is sometimes called a monodigit number, and for convenience the author has used the term “repunit number”(repeated unit) to represent monodigit numbers consisting solely of the digit 1.
    A. H. Beiler、1964[1]

出典

[編集]
  1. ^Beiler 1964, p. 83.
  2. ^Yann Bugeaud; M. Mignotte (1999). “On integers with identical digits”.Mathematika46: 411–417. 
  3. ^电算游戏(六)“901”型的等式队列_屏山老马_新浪博客
  4. ^电算游戏(六)之二“9090…91”型数等式队列_屏山老马_新浪博客
  5. ^1111…1という数(レピュニット)の素因数分解を納得する - アジマティクス
  6. ^Aufgaben und Lösungen 1. Runde 2016
  7. ^Factors of 10n − 1,10 n + 1,2n − 1 and 2 n + 1.
  8. ^World!Of Numbers
  9. ^Number Theory の話題(Repunit Number と Zsigmondy's Theorem)
  10. ^nombre - onze en maths
  11. ^persistance et repdigits
  12. ^Paul Underwood (2022年3月21日). “R49081 is prime!”. MersenneForum. 2022年3月29日閲覧。
  13. ^Prime pages: R(86453)
  14. ^Harvey Dubner,R109297 に関するアナウンス、Number Theory List
  15. ^Yahoo! Groups” (英語).groups.yahoo.com. 2018年4月6日閲覧。
  16. ^Maksym Voznyy,R270343 に関するアナウンス、Number Theory List
  17. ^New repunit (PRP) primes found”. MersenneForum (2021年4月19日). 2022年3月29日閲覧。
  18. ^It is R8177207”. MersenneForum (2021年5月8日). 2022年3月29日閲覧。
  19. ^レプユニット数』 -高校数学の美しい物語
  20. ^鎌田誠. “11...11 (レピュニット) の素因数分解”. STUDIO KAMADA. 2022年3月29日閲覧。
  21. ^Yann Bugeaud, On the Diophantine equationaxn1x1=yq{\displaystyle a{\frac {x^{n}-1}{x-1}}=y^{q}},Number Theory (Turku, 1999), de Gruyter, 2001, pp. 19–24.

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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