| モララ川 | |
|---|---|
モララ川 | |
| 名前の由来 | モララ族(英語版)の名称から |
| 所在 | |
| Country | アメリカ合衆国 |
| State | オレゴン州 |
| County | クラカマス郡 |
| 特性 | |
| 水源 | テーブル・ロック原生地域(英語版) |
| • 所在地 | カスケード山脈 |
| • 座標 | 北緯44度54分12秒西経122度16分01秒 / 北緯44.90333度 西経122.26694度 /44.90333; -122.26694[1] |
| • 標高 | 1,007 m (3,304 ft)[注釈 1] |
| 河口・合流先 | ウィラメット川 |
• 所在地 | モララ川州立公園(英語版) |
• 座標 | 北緯45度17分23秒西経122度43分18秒 / 北緯45.28972度 西経122.72167度 /45.28972; -122.72167座標:北緯45度17分23秒西経122度43分18秒 / 北緯45.28972度 西経122.72167度 /45.28972; -122.72167[1] |
• 標高 | 21 m (69 ft) |
| 延長 | 82 km (51 mi)[2] |
| 流域面積 | 2,260 km2 (874 sq mi)[2] |
| 流量 | |
| • 観測地点 | ウィラメット川への合流点[2] |
| • 平均 | 67.3 m3/s (2,377 cu ft/s)[2] |
| 流量 | |
| • 観測地点 | プディング川(英語版)上流 |
| • 平均 | 32.3 m3/s (1,142 cu ft/s) |
| 流域 | |
モララ川(モララがわ、英語: Molalla River)はアメリカ合衆国オレゴン州の北西部を流れるウィラメット川の支流である。カスケード山脈からテーブル・ロック原生地域(英語版)を北西に流れ、モララ(英語版)市街を抜けてキャンビー近郊でウィラメット川本川へ合流する。
モララ川の源頭はクラカマス郡内にあり、カスケード山脈のテーブル・ロック原生地域(英語版)に隣接する[3]。北北西に流れながら山岳地を抜けてウィラメット・バレーに入ると、モララ(英語版)の市街を抜けていく[3]。キャンビー近郊でプディング川(英語版)が流入すると、さほど間を置くことなくウィラメット川に合流する[3]。この合流点はウィラメット川がコロンビア川に流入する場所から約58キロメートル (36 mi) 上流に当たる[3]。モララ川はウィラメット川流域において、ダムの存在しない最長の支流である[2]。
名称のある支流は源頭から合流点へ向けて以下の通り:ヘンリー川、オーグル川(英語版)、マイニング・アイアン川、レイク川、スコーピオン川、ヘイ・バーン川、ミネット川、ダンジョン川、アヴァランチ川、ブル川、テーブル・ロック川、ホース川、ガーリー川、カウ川、ベア川、ショットガン川、パイン川、トラウト川、ノース・フォーク・モララ川、ラッセル川、シーダー川、ディッキー川、ウッドコック川、ミルク川、グリッブル川、プディング川[3]。
合流点における平均流量は67.3立方メートル毎秒 (2,377 cu ft/s) である[2]。プディング川との合流点の上流にある流量計における平均流量は32.3立方メートル毎秒 (1,142 cu ft/s) で、合流点の半分でしかない[2]。
19世紀初頭に川沿いの地域へ居住していたのはモララ族(英語版)であった[4]。当時、川沿いには広範に及ぶトレイル網が整備されており、ウィラメット・バレーとオレゴン東部の間で交易がおこなわれていた[4]。1920年代後半まで、ウォーム・スプリングス・インディアン居留地(英語版)に移住させられたネイティブ・アメリカンは、このトレイルを通ってテーブル・ロック周辺でベリー摘みにいそしんでいた[4]。
モララ川下流域の低地帯では、1840年ごろからヨーロッパらからの入植者が納涼を営み始めた[5]。供与地請求法(英語版)の施行とともに移住者は増え続け、1860年までにモララ川流域では75世帯が入植していた[5]。初期の入植者が一般的に栽培していたのは小麦だったが、ジャガイモやカブなどの根菜やキャベツの植え付けが行われ、リンゴの植樹も行われた。狩猟や釣魚、ベリーなどの採集に加え、ヒツジやウシ、豚や家禽の牧畜も行われた[5]。
1860年に砂金が発見されると、モララ川流域で瞬く間に金鉱業(英語版)が勃興し、続く40年の間に至る所で工区の申請が行われた[5]。20世紀初頭までに4つの鉱山会社が操業しており、その最大手がオーグル・マウンテン鉱業会社であった[5]。同社は1903年から1915年にかけて、モララ川の支流のオーグル川流域で操業を続けた[5]。
20世紀の間、流域は乱伐の嵐に見舞われた[5]。木材会社は林道と森林鉄道を建設し、幾多の伐採キャンプを築き上げると、モララ川とミルク川を利用して切り出した材木の輸送を開始した[5]。第二次世界大戦中の1941年から1945年にかけて、モララ川沿いを材木を積んだ何百台ものトラックが毎日行きかっていた[5]。

モララ川州立公園(英語版)は、キャンビーの北およそ3キロメートル (2 mi) のモララ川とプディング川、そしてウィラメット川が合流する最下流部に位置し、ウィラメット・グリーンウェイの一部を成す面積229-ヘクタール (567-エーカー) の日帰り利用が可能な園地である[6]。来園者の大半は地元住人であり、釣りやボート乗り、水上スキー、ピクニックや野生動物の観察が楽しめる[6]。全長1.21キロメートル (0.75 mi) におよぶ自然歩道やトイレ、ボート乗り場にRC機専用のプレイエリアも整備されている[6]。また、園内にはウィラメット・バレーでも最大級のオオアオサギの営巣地が存在する[6][7]。
モララの南東に広がるディッキー・プレーリーを流れ下るモララ川の沿川に、クラカマス郡立のフェイラー公園が設けられている[8]。園内には通常のキャップ場やオートキャンプ場が20ヵ所あり、すべてにおいて水道と電気が完備されている。その他にピクニック・テーブルや蹄鉄投げ用ピット、釣り場が整備されている[8]。
テーブル・ロック原生地域はモララの南東31キロメートル (19 mi)のモララ川源頭部周辺に広がる、面積2,439ヘクタール (6,028エーカー) におよぶ原生林地帯で、1984年に国立原生自然保全制度(英語版)による指定を受けた。土地管理局(英語版)の管轄下にあり、テーブル・ロックやオールド・ブリッジ、ルースター・ロック、ブル・クリークの4ヵ所に入山口をかまえ、26キロメートル (16 mi) におよぶハイキングや乗馬用トレイル網を整備している[9]。
ホワイトウォーター(激流下り)の愛好者は、往々にしてモララ川の下流部だけでなく上流部に足を向ける[10]。特定の状況下において、コパー川からテーブル・ロック・フォーク川までの8.2キロメートル (5.1 mi) の区間は、急流の難易度の国際基準(英語版)におけるグレードIIIからグレードIVに相当し、その下流の8キロメートル (5 mi) におよぶ区間はグレードIIIからグレードIII+である[10]。この区間に待ち受ける障害としては狭隘なシュートや突然のドロップ、水中に潜む丸太などが挙げられる[10]。続くターナー橋からグレン・エイヴォン橋までの13キロメートル (8 mi) の区間は、グレードIIIからグレードIVで、上流域と同様の障害に加えゴルディロックスと呼ばれる急流では見分けが困難で危険なアンダーカット(浸食により岩の下が抉れ、流れが吸い込まれている場所)が存在する[10]。
上流と比べると下流はかなり緩やかである[10]。グレン・エイヴォン橋からフレイヤ―公園までの10-キロメートル (6 mi) の区間はグレードIIであり、その中で最も難易度の高い急流はコースの前半に登場する[10]。その下流のフレイヤ―公園からオレゴン州道213号線橋までの10キロメートル (6 mi) はグレードIである[10]。
ウィラメット川との合流点付近にはコクチバスが、上流域や支流にはノドキリマス(英語版)が生息している[11]。マス釣りはキャッチ・アンド・リリースが義務付けられており、モララ川へ頻繁に遡上してくるニジマスやキングサーモンについても同様である[11]。