成増店(創業店) | |
| 種類 | 株式会社 |
|---|---|
| 機関設計 | 監査役会設置会社[広報 1] |
| 市場情報 | |
| 略称 | モス、モスフード |
| 本社所在地 | 〒141-6004 東京都品川区大崎二丁目1番1号 ThinkPark Tower 4階[広報 1] 北緯35度37分6.2秒東経130度43分39.3秒 / 北緯35.618389度 東経130.727583度 /35.618389; 130.727583座標:北緯35度37分6.2秒東経130度43分39.3秒 / 北緯35.618389度 東経130.727583度 /35.618389; 130.727583 |
| 設立 | 1972年(昭和47年)7月21日[広報 1] (株式会社モス・フード・サービス)[1] |
| 業種 | 卸売業 |
| 法人番号 | 5010701019713 |
| 事業内容 | フランチャイズチェーンによるハンバーガー専門店「モスバーガー」の日本国内および国外での展開、その他飲食事業など[広報 1] |
| 代表者 | |
| 資本金 | 114億1,284万円(2024年3月末現在)[広報 1] |
| 売上高 |
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| 営業利益 |
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| 純利益 |
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| 純資産 |
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| 総資産 |
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| 従業員数 | 1,410人(2024年3月末現在)[広報 1] |
| 決算期 | 3月31日[広報 1] |
| 主要子会社 | |
| 関係する人物 | 櫻田慧(創業者) |
| 外部リンク | www |
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モスバーガー(英:MOS BURGER)は、株式会社モスフードサービス(英:MOS FOOD SERVICES, INC.)[広報 1][1]が展開する、日本発祥のハンバーガーチェーンの店舗ブランド。また同店で販売されるハンバーガーの商品名でもある。
日本人の好みに合ったハンバーガーを提供することを掲げ、素材を厳選し、注文を受けてから作る「アフターオーダー方式」など、スローフードの要素を取り入れた「ファストカジュアル」スタイルを特徴とする。
また、1990年代後半のマクドナルドに端を発するファストフードチェーンの値下げ戦争の中で、多くのハンバーガーチェーンが競争に敗れ撤退していったが、モスバーガーではハンバーガーを10円程度しか値下げせず、大幅値下げを行うことはほとんどなかった。
モスバーガーのMOSは、MはMountain(山のように気高く堂々と)OはOcean(海のように深く広い心で)SはSun(太陽のように燃え尽きることのない情熱を持って)という意味とされている[広報 5]。ただし、創業者・櫻田慧がモス・フード・サービスの前に起こした株式会社モスの社名には、これに加えて、MerchandisingOrganizingSystemの意味もある[2]。
初期には「MOST delicious hamburger」のポップを店頭に貼っていたため、一部の客からはこの略だとも思われたこともあったようだが、MOSの意味に変化はないという。略称・愛称は「モス」で、それを使った「今日モス気分」などのキャッチフレーズがある。
ロゴマークは、1990年代初期までは、マクドナルドに似た赤地に黄色いMマークを使用していたが、白いMマークに改めている。
日興証券(現・SMBC日興証券)を脱サラした櫻田慧と吉野祥が、1972年3月12日、東武東上線成増駅前にわずか2.8坪の実験店をオープン。当初は丸井成増店などが入居し、後にダイエー成増店として建て替えられたショッピングセンター「成増名店街」地下で実験店を営業。同年6月には成増駅南口にモスバーガー1号店を正式にオープンした。成増駅近辺から店舗がら増えていった経緯があり、東武東上線沿線に老舗店が多い。この際に、アメリカ合衆国のハンバーガーショップ「Tommy's(英語版)」を経営の参考とした。
マクドナルドとの差別化を考えていたモスバーガーは、高品質・高価格の高級路線を押し出し、高コストをかけてでも商品の味の向上を徹底させるという経営戦略は「日本人は味にうるさいので、食べ物は美味くなければいけない」という創業者らの理念に基づくものであった。また創業当時は資金不足のために他のファストフード店より宣伝力が弱く、一等地への進出も難しかったため、顧客に口コミで評判を広めてもらうことで事業拡大を狙ったことも高級化を行った理由の一つである[3]。
商品開発の際、櫻田は試作品の新開発メニューを必ず満腹の状態で試食するというポリシーがあった。「満腹の状態で食べても美味しいと感じられる商品こそが、本当に美味しい食べ物である」というこだわりからであったという。[要出典]
1988年8月には、株式会社なか卯と資本提携した(のち解消)。[要出典]
1995年11月から、特別栽培農産物「モスの生野菜」を導入開始[広報 6]、減農薬や有機栽培の野菜を使用していた[広報 7]。2000年代に入ると、鳥インフルエンザの発生や外国産野菜の残留農薬の問題等が頻発し、安さだけではなく、安心して食べられる安全な食品を求める消費者の意識の高まりを受け、2004年にモスバーガーが取り組んできた食の安全をより広くアピールするため、従来は赤色であった看板を「安心・安全・環境」を象徴する緑色へ転換し始め、看板の色から従来の店舗は「赤モス」、新型店舗は「緑モス」と呼ばれた。
2004年2月16日、「緑モス」1号店となる新橋二丁目店(東京都中央区)をオープン。同時に「ただのファストフード」からの脱却とファストカジュアルへの業態転換を目的に、一般的なファストフード店の内装から、レストラン的な木目基調のゆったりした内装への改装も進めた。
また、高級ハンバーガー「匠味」を始めとする「緑モス」限定の高級メニューの提供を開始。2005年3月発売の「日本のバーガー匠味十段」は、ハンバーガー単品価格が1,000円と、大手チェーンでは初の高価格帯で話題になる。2006年9月、「日本のバーガー匠味」旧シリーズ(匠味、匠味チーズ、匠味アボカド山葵、匠味十段)の販売を終了。
また2006年2月には「復刻版モスバーガー店舗」を東京・汐留にオープン。メニューも当時の8品目を再現し、ダブルバーガーなど当時現存しなかったメニューも復刻したが、2009年2月末に閉店した。
こうした「緑モス」の高級化・高価格路線は、消費者に「モスは高い」とのイメージを与えることとなった。
当初の計画では、2008年度中に「緑モス」化を完了する予定であったが、原料価格高騰もあり不可能となった。さらに、ファストフードの領域を逸脱した高級メニューの提供による店舗側の混乱や、一部店舗の禁煙化によって客足が遠のいた店もあり、「緑モス」への改装費用負担も相まって、本社の方針に反発するフランチャイズオーナーもいた。そうしたことから業績が低下したこともあり、櫻田は「緑モスの路線は間違っていない」としながらも、今後は「ルールを見直しながら緑モスへの転換を進める」[4]とした。この軌道修正を受け「赤モス」「緑モス」の呼称は公式には使用されなくなり、「緑モス」限定メニュー「モスのごはん」は公式サイトでは「一部店舗限定」と表記されるようになった。また「緑モス」の代表メニューであった高級ハンバーガー「匠味」匠味も、2008年に販売終了。その後に看板は緑色に統一され、「赤モス」「緑モス」の区別も廃止されメニューの違いもなくなった。
2002年9月、時間別メニューやバーガー以外のメニューを提供し、高級感を狙った実験店「キッチンモス」をオープン[5]。
2003年4月には、宅配ピザチェーンのストロベリーコーンズと提携し、モスバーガーの宅配サービスを本格化した(のち解消)。
2009年4月には、ドリンクメニューの一部をコカ・コーラからペプシコーラ(ペプシ・ネックス)(サントリーフーズ)に変更。同年4月30日より、日本テレビ『スッキリ!!』との共同企画「テリーヤキバーガー」を期間限定で発売した。
2018年3月には、改正健康増進法施行(2020年4月)を受け、2020年3月までに日本国内の全店で全席禁煙化することを発表[6]。
また2018年には、後述の食中毒事件の影響により、11年ぶりの最終赤字へ転落した[7]。
モスバーガーは、日本国外での店舗展開も行っている。
もっとも早い国外進出は、1989年12月にオープンしたアメリカ1号店「カラカウア店」(ハワイ)であったが、2005年4月に閉店し、アメリカからは撤退した。[要出典]
1991年2月には台湾1号店「新生南路店」、1993年5月にはシンガポール1号店「イセタンスコッツ店」がオープンした。
1994年から1997年にかけて、中国・上海市に出店していたが撤退[広報 8]、2012年12月に再出店した[広報 8]。
2006年10月には、香港1号店「モスバーガー観塘ミレニアムシティ5(創紀之城5期)-apm店」が、2007年1月には、タイ・バンコク1号店「モスバーガーセントラルワールドプラザ店」が、それぞれオープンした。
2020年現在は、アジアを中心に8か国・地域に展開している。台湾・タイ・香港・中国・シンガポール・オーストラリア・インドネシア・大韓民国・フィリピンに展開している[広報 9]。
中でも台湾での拡大はめざましく、同国の首都である台北ほか各地に、2022年現在で303店舗あり[広報 10]、ケンタッキーフライドチキンの128店舗[広報 11]に大きく差をつけている。

日本人の味覚に合わせたソースや合挽き肉を使用したパティ(一時期牛肉100%のパティを使用)は、他の米国系フランチャイズ・チェーンとは一線を画した独特のものである。
1973年には世界で初めてテリヤキバーガーを発表。このテリヤキバーガーを売るために、常連客の女子高校生からの提案で、彼女の高校の文化祭で50個のテリヤキバーガーを無料で配るなど認知度を上げる工夫を凝らした[15][16]。
1987年には、当時日本国内で問題視されていた米余りを解決するため、パンの代わりに米をベースにしたライスバーガーが発売され、現在のモスバーガー主力メニューのひとつになった[広報 43][17]。農林水産省から表彰される。
生野菜の全てが日本国内の提携農家が生産したもの[広報 44] となっており、これらの野菜の一部は、モスバーガー公式オンラインショップ[広報 45] にて購入することが可能である。菜摘(なつみ)と名付けられた「パンを使わない」でレタス等の野菜だけで包むバーガーもある[18]。
2003年から一部店舗において「日本のバーガー匠味」シリーズを発売。当初価格設定が580円(チーズ入り640円)というそれまでにない高価格設定で、高級志向を打ち出す。匠シリーズは2008年に販売終了したが、味と価格のバランスを考慮し単品価格400円前後の商品として開発された「とびきりハンバーグサンド」シリーズがそのコンセプトを受け継いでおり、当商品はハンバーガーチェーンではめずらしく「国産牛肉」を売りにしている。
2015年5月19日からモスバーガーの定番商品で、肉のパティの代わりに大豆由来の植物性たんぱくを使ったプラントベースドミートである「ソイパティ」が選択可能なった[広報 46]。
2020年3月26日より、動物由来の原材料(肉、魚、卵、乳製品など)と、仏教の禁葷食である五葷を使わない「MOS PLANT-BASED GREEN BURGER(グリーンバーガー)」を東京や神奈川の9店舗で先行発売した[19]。
内装や食器にディック・ブルーナのイラストを使用した店舗。関東に4店舗存在。
ThinkParkの大崎カフェ店舗では立地条件からサラリーマンやOL層をねらった独自メニューとして、ケーキやビールジョッキをメニューに置いている。
注文から受け取りまで時間がかかることもあり、モスバーガーでは電話による注文を受け付けている。多くは持ち帰りで利用されるが、店内での飲食の場合も利用可能である。また、オフィス街にある一部の店舗では、配達も行なっている(要追加料金)。
電話で注文した利用客に対しては、受取り時に10円玉が入ったぽち袋(お年玉袋)を渡している。これは注文時の電話代であり、「利用客の電話代費用を負担する」という意味である。
モスバーガーはオリジナルキャラクターとして「モッさん」がおり、グッズやイベント等で使用している。モッさんは2009年に37歳で“アラフォーの星”としてデビューし、2012年で40歳を迎えた立派な中年である。1972年に東京都板橋区で生まれ、趣味は旅行とコスプレ(この趣味が全国モッさん図鑑に反映されている)である[20]。身体はバンズ、肉、トマト、ソースなどで構成されており、それぞれを組み替えることが可能[広報 47]。好物はモスバーガーの「モスバーガー」で、いわば同族であるハンバーガーをいくつも食べることができる[広報 48]。
2022年4月1日からはモッさんの後任として、「リルモス」をオリジナルキャラクターに起用すると同年2月15日に発表した。後述の「モス坊や」を彷彿とさせるイメージを受け継いでいる[21]。
なお、モスバーガーは1974年にも「モス坊や」というキャラクターを起用しており、1987年まで使用された[21]。
「モスワイワイこどもラボ」では、各所とコラボして 「モスワイワイセット」の子供向け玩具を開発しているほか、静岡県限定オリジナルマグカップ(美濃焼・日本製)[22] など、地域に密着したグッズ開発も行われている。その他、バンダイガシャポン経由でのストラップ[23] や、モスワイワイ福袋[24] なども企画している。
一部の店舗にNTTコミュニケーションズの公衆無線LANサービス「ホットスポット」やNTTドコモの公衆無線LAN「docomo Wi-Fi」、NTT東日本・NTT西日本の公衆無線LAN「フレッツ・スポット」のアクセスポイントを設置している。また2012年にはモスカードというプリペイドカードを設定し、個人での利用やギフトカードとしての利用を推進している[広報 49]。
店舗によっては、席にスマートフォンやノートパソコンの充電用コンセントが用意されている。
モスバーガーの特徴として、他のファストフード店に比べると環境への配慮がなされているという点がある。具体的には店内の食事にはガラス製のグラス、陶製のマグカップ、金属製の食器を使用、持ち帰りには紙袋のみでビニール袋は出さないなど[広報 50](一部店舗では、お店から本部等会社への要望もあり、雨の日用としてビニール袋を使用している店舗もある)。
主にアジア地域に事業を展開。
2014年11月11日、「飯田橋東店」(東京都千代田区)[広報 54]の店頭に、中国人の女性店員を差別やいじめの対象とした黒板が立てられていたことが、Twitterに写真付きの投稿があり発覚した。黒板に書かれていた内容は「遅刻を何度もする中国人の女の娘に『今度遅刻したらお前の背脂でラーメン作るぞ!!』遅刻しなくなりました」というもので[26]、翌11月12日、モスバーガー公式サイトでは「内容は人や国を中傷する表現」と認め、同店店長が謝罪した。
2014年9月13日、台湾のモスバーガーを運営する現地法人(東元電機グループ[27])は、台湾で廃油を原料とした油脂が食用に流通していた問題で、同社でも主力のモスバーガーなど5つの商品に使用されていたと発表した[28]。問題となった油を製造したのは、日本の月島食品工業や三井物産グループなどが出資する、高雄市の強冠という食用加工油脂メーカーで、同社は台湾の零細業者から廃油を、香港の業者から飼料用油を仕入れていた[29]。