ボストン大学(英語:Boston University)は、アメリカ合衆国(マサチューセッツ州)ボストンに本部を置く米国の私立大学。1839年創立、1839年大学設置。大学の略称はBU。
2025年の合格率は11%[1]。どの様な世界大学ランキングでも常に100位入りする、学術都市ボストンの代表的な名門私立大学である。
全米で4番目の規模を誇り、古くから有色人種、女性や留学生の受け入れを積極的に行っていることで有名。2025年の学生数は38,093人(学部生18,253、大学院生18,341)[2]で、世界140カ国から9,500人にも及ぶ留学生が学ぶ[2]。学期は、セメスター制を採用している。略称はBU(ビー・ユー)。
アイザック・アシモフやエリ・ヴィーゼル、下村脩等のノーベル賞受賞者を含む教授陣、充実した施設、多彩なプログラム等がその人気の要因とされる。
- 総面積:133エーカー
- 建物:320棟
- 教室:487室
- 実験室:2,022室
- 寮:10,617人収容可能
- 図書室:23個
- 本:280万冊
- 定期刊行物:56,113冊
- マイクロフィルム:470万枚
Charles River Campus (チャールズ・リバー地域キャンパス)
[編集]ボストン大学のメインキャンパスで、以下の学部・研究科が設置されている。
- 神学部(School of Theology, 1839年設立)
- 法科大学院(School of Law, 1872年設立)
- 文学部(College of Arts & Sciences, 1873年設立)
- 文学研究科(Graduate School of Arts & Sciences, 1874年設立)
- サージェント健康リハビリテーション科学部(Sargent College of Health and Rehabilitation Sciences, 1881年設立)
- クエストロム経営大学院(Questrom School of Business, 1913年設立)
- ウィーロック教育・人間発達学部(Wheelock College of Education & Human Development, 1918年設立)
- 社会福祉大学院(School of Social Work, 1940年設立)
- コミュニケーション学部(College of Communication, 1947年設立)
- 工学部(College of Engineering, 1950年設立)
- 総合教養学部(College of General Studies, 1952年設立)
- 芸術学部(College of Fine Arts, 1954年設立)
- メトロポリタンカレッジ(Metropolitan College, 1965年設立)
- ホスピタリティ経営学部(School of Hospitality Administration, 1981年設立)
- キラクハンド・オナーズカレッジ(Arvind & Chandan Nandlal Kilachand Honors College, 2010年設立)
- パーディー国際学大学院(Frederick S. Pardee School of Global Studies, 2014年設立)
Medical Campus (医学・歯学系キャンパス)
[編集]医学・歯学に特化したキャンパス
学部のバラエティー豊かさはアメリカ合衆国内の大学の中でも有数である。中でも特質なのが、University Professor's Programである。このプログラムでは自分の好きな専攻をデザインでき、その学部を卒業するためのカリキュラムもアドバイザーの教授陣と一緒に決めることができる。
11の単科大学と15の単科大学院で成り立っており、ロー・スクール、メディカル・スクール、デンタル・スクール等を始め、各分野で高く評価される。
世界的な英語教育の高まりを受けて、英語コミュニケーションにも力を入れている。特に、MBAへの編入を目的とした英語教育や短期英語コミュニケーションプログラムの設置がユニークである。
ボストンのメソジスト派の牧師、ラロイ・サンダーランドらによって1839年にバーモント州ニューベリーにNewbury Biblical Instituteとして設立された。これは北米で最初のメソジスト神学校であり[3]、当初から男女の教育と進歩的な原則に専念していた[4]。現在は非宗教系の組織となっているが、元々神学校としてスタートした。
1847年ニューハンプシャー州コンコルドに移動し、学校名をMethodist Biblical Instituteに改名、一般にはConcord Biblical Instituteとして知られた。
1867年にボストンへ移動し、学校名をBoston Theological Instituteに改名した。
1869年5月26日にマサチューセッツ州によりチャーターされ、現在のBoston Universityに改名する。School of Theologyを除いた全学部で性別・人種・宗教に関係なく教員と学生を受け入れ始める。これにより、同年にはアメリカの大学として初めて女性に博士号(PhD)を授与したほか、初期から有色人種の学生を積極的に受け入れるなど、多様性において米国で最も先進的な大学の一つとなった[5]。
また、同じ頃の1875年には、当時教授であったアレクサンダー・グラハム・ベルが、大学から研究費の援助を受け、大学の実験室で電話を発明している[6]。
1920年から1967年にかけて、Charles River Campusが建設される。大学面積は3倍になり、新たに68の建物を建設した。
1947年には、後にノーベル平和賞を受賞するマーティン・ルーサー・キング・ジュニアが神学部に入学し、1955年に博士号を取得している[7]。
神学部は1920年代にはアジア大陸からの留学生が急増するなど国際性が高く、卒業生は世界各地で教会や大学、神学校を設立するなど、グローバルな宣教・教育活動に深く関わってきた[8]。
2012年には、北米の主要な研究大学からなるアメリカ大学協会(AAU)に招待され、加盟した[9]。
- 基金:35億ドル(2024)[10]
- 学費:69,870ドル(2025-2026)[11]
ボストン大学は多くのスポーツ活動において全米大学体育協会(NCAA)の最高レベルであるディビジョンIに属しており、男女のアイスホッケー、バスケットボール、クロスカントリーなどがある。中でも最も有名なのは男子アイスホッケーであり、USCHO.comが公表する2017年のシーズン前の全米ランキングは2位であった。
ボストン大学のスポーツチームは「テリアーズ」(Terriers)と呼ばれている。これはボストン大学のマスコットであるボストンテリアのレット(Rhett)にちなんでいる。レットの誕生日は1922年12月15日。名前はスクールカラーがスカーレットなのにちなんで、マーガレット・ミッチェル著風と共に去りぬの主人公スカーレット・オハラに恋した登場人物レット・バトラーから来ている。2002年に全米マスコット選手権で4位にランクインした。好きな食べ物はアメリカンドッグとホットドッグ、チリドッグ、BCイーグルスである[24]。
ボストン大学は男子アイスホッケーの名門であり、全米選手権の優勝は5回、フローズン・フォー(ベスト4)進出は歴代3位の22回、全米選手権進出は歴代3位の36回果たしている。
所属カンファレンスはアイスホッケー激戦区のひとつであるホッケー・イースト協会(Hockey East Association)であり、カンファレンス大会は9回の優勝、レギュラーシーズンの首位には10回輝いている。ホッケー・イースト協会ではフローズン・フォー進出歴代最多のボストンカレッジやメイン大学などと熾烈なライバル関係を築いている。同カンファレンスにはそのほかにもプロビデンスカレッジやニューハンプシャー大学などの実力校が揃っており、勝ち抜くのは困難である。
ボストン周辺にある4大学(ボストン大学、ボストンカレッジ、ハーバード大学、ノースイースタン大学)が毎年2月の第1、2月曜日に行うビーンポット大会については、1952-1953から2017-2018シーズンまでに計66回開催されており、その中でボストン大学は53回もの決勝進出を果たし、最多の30回もの優勝を果たしている。
同じボストンにあるボストンカレッジとは1918年に初めて対戦したときからの長年のライバル関係にあり、このライバル関係はGreen Line RivalryまたはBattle of Commonwealth Avenueと呼ばれている。これは、両校ともマサチューセッツ湾交通局(MBTA)が運営する地下鉄のグリーンライン沿いにあり、また、同時に両校ともボストン市内を東西に走るコモンウェルスアベニュー沿いにあるためである。これまでに279回の試合を行い、ボストン大学が135勝125敗19分けでリードしている。
同校は毎年多くのNHL選手を輩出しており、近年最も成功した選手は、2015年にボストン大学の全米大学選手権決勝進出に大きく貢献し、1年生にして同年のNCAA年間最優秀選手賞(ホービー・ベイカー賞)を受賞し、さらに同年にNHLドラフトの全体2位でバッファロー・セイバーズに指名されたジャック・アイクル(Jack Eichel)である。アイクルはNHLのスーパースターであり[25][26]、2018-2019シーズンからは同チームのキャプテンを務めている。また、現在ミネソタ・ワイルドに所属するジョーダン・グリーンウェイ(Jordan Greenway)は黒人初の冬季オリンピック男子アイスホッケー米国代表[27]であり、同校在学中に2018年平昌オリンピックに出場している。さらに、グリーンウェイは同一シーズンに全米大学選手権、冬季オリンピック、スタンレー・カップ・プレーオフ(NHLプレーオフ)に出場した史上初の選手にもなった[28]。
2015年の全米選手権決勝戦では、同じホッケー・イースト協会所属のプロビデンスカレッジと地元ボストンのTDガーデンにて対戦した。第3ピリオド終了まで約8分半という勝利目前で、プロビデンスカレッジの選手が放ったシュートをゴーリー(ゴールキーパー)が掴んだものの、パックをつかみ損ねたと勘違いしそれを落として失点し、これで同点とされ、その後さらに失点して逆転負けするというショッキングな負け方をした。その3年後のカンファレンス大会(ホッケー・イースト選手権)決勝戦では再度プロビデンスカレッジとTDガーデンにて相まみえ、ここで見事リベンジを果たした。
男子アイスホッケーのホームアリーナは6,150人を収容するアガニスアリーナである。同アリーナは2005年にオープンしており、ホッケー・イースト協会所属の大学のホームアリーナの中で最も新しい。
詳細は「ボストン大学の教員」を参照
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