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ファンク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ファンク
funk
様式的起源ゴスペル[1]ソウル[1]ファンキー・ジャズ[2]リズム・アンド・ブルース[1]
文化的起源1960年代中盤[3]
アメリカ合衆国
使用楽器ベース・ギターエレクトリック・ギタードラムスキーボードクラビネットシンセベースホーンコンガワウペダルボンゴ
派生ジャンルディスコ
ヒップホップ
ブギー
コンテンポラリー・R&B
ギャングスタ・ラップ
ブレイクビーツ
ニュージャックスウィング
Gファンク
ニューロ・ファンク英語版
リキッド・ファンク英語版
ハウス
ファンク・ステップ英語版
サブジャンル
Pファンク
ディープ・ファンク英語版
ニューファンク英語版など
他多数
融合ジャンル
アシッドジャズ
アフロビート
フリー・ファンク
ファンク・ロック英語版
ファンク・メタル英語版
ファンク・ハウス英語版
Gファンク
ゴーゴー
ジャズ・ファンク
UKファンク英語版
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ファンク(funk)は、音楽ジャンルの1つであり、アフリカ系アメリカ人黒人起源ブラック・ミュージックのジャンルである。

概要

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ファンキーとファンクの違いは、ファンキーがアメリカ南部の田舎を連想させるのに対し、ファンクは都会的な印象を与える点に特徴がある[4]。ファンキーは、1960年代にファンクが誕生する以前の1950年代に、すでにファンキー・ジャズ(ソウル・ジャズ)に対して使われていた[5]。ファンク、R&Bなどの音楽用語は、黒人生活全般を指す面があった。英和辞典的な解釈では、”ジャズをベースにしたビートの強い音楽”[6]という訳語もある。体臭セックスの匂いを、ファンキー・スメルと呼ぶ場合があり、「ファンク」という言葉は感覚的な言葉であり、明確に日本語に訳すことは難しい[7]

詳細

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ファンクは1960年代(1964年ごろ)にジェームス・ブラウン[8]の曲「アウト・オブ・サイト」が契機となり、原型が形成された[注 1][注 2]。ジェームス・ブラウンのファンクは、西アフリカのポリリズムと、戦前アメリカのアフロアメリカンによるワーク・ソングからの影響が指摘されている[9]。その後、ベーシストのブーツィー・コリンズ[10]が、ジョージ・クリントン[注 3]によりPファンクに招かれ、Pファンク黄金時代を築き上げた(Pファンクを参照)。一方、1970年代初頭サンフランシスコから、白人・黒人混成バンドスライ&ザ・ファミリー・ストーンが登場し、彼らのロック的要素を取り入れたファンクが、白人にも受け入れられるようになった[11][12]。また、ファンクはラテンとも融合し、ウォーの曲「シスコ・キッド」(1972年)のようなラテン・ファンクがうまれた。ファンクはアフリカへも紹介され、ファンクにアフリカのリズムも融合したアフロビートへ繋がり、フェラ・クティマヌ・ディバンゴらにより発展していった[13]

ファンクは1970年代前半にはポップ・チャート、ソウル・チャートともにヒットが相次いだ。だが、1970年代後半には、ディスコ・ブーム[注 4]により、ファンクは一時的に後退期を迎える。1980年代前半でもソウル・チャートでは人気だったが、1980年代後半にはニュー・ジャック・スウィングやグラウンド・ビート[注 5]、ハウスなどの台頭により、ファンクは勢いを失っていった。

歴史

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1960年代前半にジェームス・ブラウンが「アウト・オブ・サイト」を発表した後、ブルース・ミュージシャンがいち早く反応し、ローウェル・フルソンの曲「トランプ」に象徴される「ファンク・ブルース」が生まれた[14]。1960年代末から1970年代初頭にはスライ&ザ・ファミリー・ストーンが、白人向けのポップなサイケデリック・ロックとウッドストックへの出演後、1970年にファンク・ナンバーの「サンキュー」をヒットさせた。[15]さらに1970年代には、ジョージ・クリントンPファンクパーラメント -ファンカデリック)として活動し、黒人層を中心に支持された[16]。その他の1970年代ファンクの代表的アーティストとしては、ブーツィー・コリンズ(Pファンク)、クール・アンド・ザ・ギャングオハイオ・プレイヤーズ、BTエクスプレス[17]、ジミー・キャスター・バンチ[注 6]、ジョー・テックス、ブリック[注 7]グラハム・セントラル・ステーション[18]アース・ウィンド・アンド・ファイアースレイブ[注 8]、ファットバック、ヴァーノン・バーチ、コモドアーズ[注 9](デビュー時)などが挙げられる。

1980年代に入るとザップ[19]ロジャー・トラウトマン、プリンス、リック・ジェームスがファンク界を牽引する存在となった。他にもバーケイズ、カメオ、コン・ファンク・シャン、ワン・ウェイ、レイクサイド、ダズ・バンド、ギャップ・バンド、オーラ[20]らのファンク・アーティストが、ソウル・チャートを中心に人気となった。だが、1980年代後半から1990年代、2000年代とファンクは不振だった。2010年代の前半まではファンクは消滅したような状態だったが、2010年代の後半に入ってマーク・ロンソン[注 10]ブルーノ・マーズ[注 11]らが1980年代風のファンク曲をヒットさせ、話題となった。

ファンクはジャズ・シーンにも大きな影響を与え、マイルス・デイヴィスハービー・ハンコックジミー・スミスオーネット・コールマン(フリー・ファンク)[注 12]、ヘッドハンターズなどがファンクを取り入れ、彼らのサウンドはジャズ・ファンクと呼ばれた[21]。80年代後半には、レア・グルーヴ[注 13]のブームも発生した。

ファンク・ロック

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ファンクとロックを融合した音楽を、ファンク・ロックにジャンル分けする場合がある。黒人が演奏した場合は、ブラック・ロックとも呼ばれる。フリーの「ザ・スティーラー」、デヴィッド・ボウイの「フェイム[22](1975年)、ローリング・ストーンズの「ホット・スタッフ」(1975年)、エアロスミスの「ラスト・チャイルド」(1976年)、INXSの「ニード・ユー・トゥナイト」(1988年)[注 14]などは、ファンクのリズムを持ったロック曲である。主なアーティストとしては、1970年代にはリック・デリンジャー[注 15]、レッドボーン[注 16]ファンカデリック、マザーズ・ファイネスト、初期のバーケイズ、ワイルド・チェリーらがいた。1980年代はINXS、ファイン・ヤング・カニバルズ[注 17]レッド・ホット・チリ・ペッパーズフィッシュ・ボーン、後期のカメオらが、1990年代にはキザイア・ジョーンズスティーヴィー・サラスシールらが活動した。

主なファンク・アーティスト

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世界(アルファベット順)

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日本(五十音順)

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脚注

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[脚注の使い方]

注釈

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  1. ^レコードコレクターズ増刊。p.171
  2. ^1965年以降に登場したブラック・ロックや1970年代半ばから後半に流行となったフュージョンは、ファンクのルーツではない
  3. ^パーラメント/ファンカデリックなどPファンクの総帥
  4. ^ドナ・サマー、ビージーズ、ヴィレッジ・ピープルらがブームの中心だった。
  5. ^UKのソウルIIソウルによるサウンド。音楽用語としては日本独自の表現。
  6. ^代表曲は「イッツ・ジャスト・ビガン」「バーサ・バット・ブギー」「キング・コング」など。
  7. ^「ダズ」「デュージック」などがアメリカでヒットした。
  8. ^「「スライド」「ジャスト・ア・タッチ・オブ・ラブ」などで知られる。
  9. ^1974年のデビュー時、「マシン・ガン」「ザ・バンプ」がファンキーだった。
  10. ^プリンスたザ・タイムのサウンドを彷彿とさせる「アップタウン・ファンク」が全米1位となり、なおかつロング・ヒットとなった。
  11. ^80sファンクを再現した「24Kマジック」がヒットした。
  12. ^アルバム「ボディ・メタ」「ダンシング・イン・ユア・ヘッド」などはファンクの影響を受けている。
  13. ^1960年代後半~1970年代ごろの有名ではないファンキーな曲など。
  14. ^他に「ワット・ユー・ニード」などもヒットした。
  15. ^代表曲は「ロックンロール・フーチークー」
  16. ^ヒットした「カム・アンド・ゲット・ユア・ラブ」はブルーアイドソウルだが、他の曲はファンキーなロックが多い。
  17. ^UKのザ・ビートの一部のメンバーが結成。1989年には全米1位の大ヒットを飛ばした。
  18. ^「ピック・アップ・ザ・ピーセズ」「カット・ザ・ケイク」などのヒット曲は、白人バンドと思えないほどファンキーな楽曲だった。
  19. ^スレイブのアルバムにも参加した、スタリーナ・ヤングとカート・ジョーンズの男女デュオ
  20. ^「ヒット・アンド・ラン」「ムーブ・ユア・ブギー・ボディ」など、ソウルチャートでのヒット曲多数。
  21. ^カーティス・ブロウによるヒップホップの歴史に関する編集盤にファンク曲「ラブ・ザ・ライフ・ユー・リブ」が収録された。
  22. ^1976年にはファンク曲「ストレッチン・アウト・イン」がソウルチャートでヒット。
  23. ^ディスコ+ジャズ=「ダズ」や、「デュージック」などのファンク曲がヒット。
  24. ^Pファンク一派の女性グループ。
  25. ^ファンク曲「24カラット・マジック」が全米チャートで大ヒットした。
  26. ^「ドゥ・イット」「エクスプレス」がヒットした。
  27. ^ソウルチャートで「シーズ・ストレンジ」、ポップチャートで「ワード・アップ」などがヒットした。
  28. ^イアン・デューリーのファンク曲「ヒット・ミー・ウィズ・ユア・リズムスティック」などの作曲者。「愛のコリーダ」の作曲者でもある。
  29. ^ファーストアルバムの「マシンガン」「ザ・バンプ」などがファンクサウンドだった。セカンド・アルバム以降、ファンク度は後退した。
  30. ^スーパーフライがファンクの名盤とされている。
  31. ^ファンク・ナンバー「スコーピオ」が1971年にポップチャートでもヒット。
  32. ^1982年のファンク・ヒット「レット・イット・ウィップ」はポップ・チャートでもヒットした。
  33. ^オハイオ出身のファンク・バンド。サンを継承したグループ。
  34. ^ワシントン・ゴーゴーの代表的なバンドである。
  35. ^アメリカ。1986年に「ハイ・ファッション」がソウルチャートでヒットした。
  36. ^1981年の「バーン・ラバー」はポップ、ソウル両チャートでヒット。
  37. ^1975年に「ハイジャック」がヒット。
  38. ^元ザ・タイム。1985年に「ビー・ユア・マン」「アイ・ウォント・マイ・ガール」がソウル・チャートでヒット。タマラ&ザ・シーンの「エブリバディ・ダンス」の作曲者で、同曲はポップでもヒットした。
  39. ^1977年にファンク曲「リアル・マザー・フォー・ヤ」がヒットした。
  40. ^「バーサ・バット・ブギー」「キングコング」などのファンク曲で知られる。日本ではディスコと紹介されたが、実際はファンクの音楽家である。1972年の「イッツ・ジャスト・ビガン」は有名なレア・グルーブ曲。
  41. ^1972年に大ヒットした「アイ・ガッチャ」など、ファンク曲も多い。
  42. ^JBファミリーの女性シンガー。「シンク」などがラップのバックトラックとしてさかんに使用された。
  43. ^1997年の「リターン・オブ・ザ・マック」がヒット。
  44. ^「キューティー・パイ」がソウルチャートでヒット。
  45. ^「パーティー・ナウ」がファンクの曲として位置づけられている。
  46. ^オハイオ出身のファンク・バンド。
  47. ^ワシントンDCのファンキーなGOGOバンド。
  48. ^曲はフォークではなくファンキー。
  49. ^作品にザップのグレッグ・ジャクソン、Pファンクのブーツィー・コリンズザップのボビー・グローヴァーが参加。

出典

[編集]
  1. ^abcTammy Kernodle, Horace Maxille, Emmett G. Price III "Encyclopedia of African American Music" Greenwood, 2010, p337
  2. ^Roots of funk fremeaux.com 2023年4月1日閲覧
  3. ^Presence and pleasure: the funk grooves of James Brown and Parliament, p.3
  4. ^魂のゆくえ、p.51、ピーター・バラカン、新潮社
  5. ^ソウルジャズ 2021年12月15日閲覧
  6. ^研究社ニュースクール英和辞典p.529
  7. ^ピーター・バラカン 「魂(ソウル)のゆくえ」p.50 新潮文庫版 1989年
  8. ^ジェームス・ブラウン All music 2021年11月12日閲覧
  9. ^Collins, W. (January 29, 2002).James Brown.St. James Encyclopedia of Popular Culture. Retrieved December 10, 2019.
  10. ^https://www.allmusic.com/artist/bootsy-collins-mn0000107139
  11. ^Sly and the Family Stone”. The Rock and Roll Hall of Fame and Museum, Inc. 2019年12月12日閲覧。
  12. ^http://www.allmusic.com/album/anthology-mw0000199351
  13. ^Ogunnaike, Lola. “Celebrating the Life and Impact of the Nigerian Music Legend Fela”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2003/07/17/arts/celebrating-the-life-and-impact-of-the-nigerian-music-legend-fela.html?pagewanted=1 2022年1月20日閲覧。 
  14. ^ローウェル・フルソン AllMusic 2022年1月24日閲覧
  15. ^]https://www.allmusic.com/artist/sly-the-family-stone-mn0000033161 Sly & the Familystone] Allmusic 2025年5月12日閲覧
  16. ^Hua Hsu. “How George Clinton Jr Made Funk a World View”. The New Yorker. 2021年11月10日閲覧。
  17. ^http://www.allmusic.com/album/1980-mw0000379110
  18. ^[1] AllMusic 2022年1月24日閲覧
  19. ^http://www.thezappband.com/roger
  20. ^http://www.allmusic.com/album/aurra-mw0000248963
  21. ^ジャズ・ファンク AllMusic 2022年1月24日閲覧
  22. ^http://www.discogs.com/David-Bowie-Fame/master/50555
  23. ^Atlantic Starr”. 2020年8月24日閲覧。
  24. ^Bass Player - William "Bootsy" Collins
  25. ^Bohannon dies 2023年3月7日閲覧
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  28. ^Con Funk Shun”. 2020年8月24日閲覧。
  29. ^Hit me with your rhythm shtick: Ian Dury 2022年1月24日閲覧
  30. ^https://www.allmusic.com/artist/kay-gees-mn0000369516
  31. ^https://www.allmusic.com/artist/skyy-mn0000018896

関連項目

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