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バットマン (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
曖昧さ回避この項目では、1989年公開の映画について説明しています。1966年公開の映画については「バットマン (1966年の映画)」を、2022年公開の映画については「THE BATMAN-ザ・バットマン-」をご覧ください。
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(2014年2月)
バットマン
Batman
監督ティム・バートン
脚本サム・ハム
ウォーレン・スカーレン
原案サム・ハム
原作ボブ・ケイン
製作ピーター・グーバー
ジョン・ピーターズ
製作総指揮ベンジャミン・メルニカー
マイケル・E・ウスラン
出演者マイケル・キートン
ジャック・ニコルソン
キム・ベイシンガー
ロバート・ウール
マイケル・ガフ
パット・ヒングル
ビリー・ディー・ウィリアムズ
ジャック・パランス
音楽ダニー・エルフマン
プリンス
撮影ロジャー・プラット
編集レイ・ラヴジョイ
製作会社ワーナー・ブラザース
ザ・グーバー・ピーターズ・カンパニー
配給ワーナー・ブラザース
公開アメリカ合衆国の旗1989年6月23日
日本の旗1989年12月2日
上映時間127分
製作国アメリカ合衆国の旗アメリカ合衆国
言語英語
製作費$35,000,000[1]
興行収入世界の旗 $411,348,924[1]
アメリカ合衆国の旗カナダの旗 $250,713,403[1]
日本の旗 34.7億円
配給収入日本の旗 19億800万円[2]
次作バットマン リターンズ
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バットマン』(Batman)は、1989年に公開されたDCコミックスバットマンに基づくアメリカ合衆国スーパーヒーロー映画。80年代後半から90年代後半にかけて製作されたバットマンの実写映画シリーズの第1作。ティム・バートンが監督、ジョン・ピーターズピーター・グーバーが製作を務め、ブルース・ウェイン/バットマン役でマイケル・キートンジョーカー役でジャック・ニコルソンが出演した。

スティーヴン・ジェイ・シュナイダーの『死ぬまでに観たい映画1001本』に掲載されている。

ストーリー

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犯罪と暴力がはびこる都市ゴッサム・シティ。この街の犯罪者の間で巨大な蝙蝠に襲われるという噂が広まっていた。ある晩、強盗犯の前に異形のボディスーツを纏った黒い怪人が現れる。彼は強盗犯に制裁を加えると「バットマン」を名乗り、「仲間に自分のことを話せ」と言い残して闇へと消えていった。

同僚たちから笑われながらもこの噂を信じて調べている新聞記者のノックスと聡明な女性カメラマンのヴィッキー・ベールは、取材の過程でゴッサム一の大富豪である青年 ブルース・ウェインと知り合う。ヴィッキーはブルースの謎めいた魅力に興味を持ち、次第に二人は惹かれ合っていく。ヴィッキーは一見楽天家にも見えるブルースの孤独な一面を察し、またブルースも彼女にだけは長い間閉ざしていた心を開いていった。

一方、ゴッサムの裏社会を牛耳るマフィア、グリソムの右腕であるジャック・ネーピアは、グリソムの愛人に手を出したことで怒りを買う。グリソムの罠により化学工場で警官隊と応戦していたジャックと部下たちは、現れたバットマンにより次々と倒されてゆく。ジャックはバットマンを銃で撃つが、スーツの効果により跳ね返された弾丸が近くの機械に当たり、破片を顔面に浴びたジャックは化学薬品の液槽に転落する。

ジャックは一命を取り留めて警察からも逃げたが、化学薬品の作用で肌は真っ白に漂白され、顔面は神経が麻痺したことから極端に引きつった笑い顔に表情が固定されてしまう。その姿はまさしくトランプジョーカーそのものであり、これに大きなショックを受けたジャックは精神に異常をきたす。しかしその狂気は彼が持ち合わせていた明晰な頭脳と残虐性を更に研ぎ澄ます。ジャックは「ジョーカー」を名乗ると、自分を罠にはめたグリソムを手始めに次々と裏社会の大物たちを“笑いながら”殺害してゆく。

程なくしてゴッサム・シティは“笑う殺人鬼”ジョーカーが支配する街へと変貌していった。ジョーカーは市政200年記念祭を乗っ取った上でバットマンに対決を申し込む。ブルースはジョーカーとの因縁に気付き、決着を着けるべくバットマンとなり立ち向かう。

登場人物

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ブルース・ウェイン / バットマン
ゴッサムシティで犯罪者を退治するヒーロー。正体はゴッサム一の大富豪である青年、ブルース・ウェイン。少年時代に両親を強盗に殺害された経験がバットマンとしての原動力となっている。
ジャック・ネイピア / ジョーカー
ゴッサムシティを牛耳る犯罪組織の幹部。ボスのグリソムの愛人を寝取り、それが原因でグリソムに罠にかけられる。薬品工場でバットマンと戦った際、自分が撃った銃弾をバットマンに弾かれて顎に受け、化学薬品のタンクに転落した。一命を取り留めるが、跳弾による顎の傷が原因で顔面の神経が麻痺し、手術を担当した闇医者の技術不足もあって、表情が極端に引きつった笑顔に固定されてしまう。さらに、皮膚が化学薬品の作用で真っ白に漂白されてしまい、そのショックで精神に異常をきたし、ジョーカーを名乗るようになる。本作ではブルースの両親を強盗殺人した人物はジャックということになっている。
ヴィッキー・ベール
女性カメラマン。報道も担当している。複数の男から好意を寄せられる美貌の持ち主。ノックスと手を組んでバットマンの取材をし、ピューリッツァー賞を狙う。ブルースと出会い、お互いに惹かれていく。
アレクサンダー・ノックス
ヴィッキーの同僚の新聞記者。彼の書く記事には市民から定評があり、ブルースも彼の記事のファンだという。
アルフレッド・ペニーワース
ウェイン家の執事。
ジェームズ・ゴードン
ゴッサム市警の本部長。マフィア撲滅のために精力的に活動する。
ハービー・デント検事
ゴッサムシティの新たな地方検事。後のヴィラン「トゥーフェイス」であるが、本作では検事としての出番だけで、トゥーフェイスにならない。
ボルグ
ゴッサムシティの市長。
カール・グリソム
ゴッサムシティを牛耳るマフィアのボス。愛人のアリシアを寝取られた恨みからジャックを謀殺しようとするが、一命を取り留めジョーカーとなったジャックに銃殺される。
アリシア
グリソムの愛人。ジャックとも関係を持っており、それがカールがジャックを殺害しようとする切っ掛けになった。グリソムの死後はジョーカーと化したジャックの傍におり、白い仮面を付けている。
エクハート
ゴッサム市警の警部補で、裏でマフィアと繋がっている汚職警官。ジャックとは反りがあわず、彼への反発心から、グリソムにジャックとアリシアの関係を密告した。後に化学工場で、裏切りを知ったジャックに射殺される。
ボブ
ジャックの右腕。

キャスト

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役名俳優日本語吹替
ソフト版[注釈 1]TBS[注釈 2]テレビ朝日[注釈 3]
(吹替補完版[注釈 4][3]
ブルース・ウェイン / バットマンマイケル・キートン渡辺裕之堀勝之祐山寺宏一
(山寺宏一)
ジャック・ネーピア / ジョーカージャック・ニコルソンデーモン小暮大平透内海賢二
玄田哲章
ヴィッキー・ベールキム・ベイシンガー宮崎ますみ土井美加小山茉美
(小山茉美)
アレクサンダー・ノックスロバート・ウール大塚芳忠村山明江原正士
(江原正士)
アルフレッド・ペニーワースマイケル・ガフ松岡文雄上田敏也内田稔
御友公喜
ジェームズ・ゴードン総監パット・ヒングル大木民夫亀井三郎藤本譲
ハービー・デント検事ビリー・ディー・ウィリアムズ筈見純原田一夫田中信夫
田中耕二
ボルグ市長リー・ウォレス小島敏彦徳丸完大木民夫
(大木民夫)
ボブトレイシー・ウォルター村田則男田原アルノ広瀬正志
アリシアジェリー・ホール一柳みる勝生真沙子藤木聖子
エクハート警部補ウィリアム・フットキンス小山武宏茶風林飯塚昭三
カール・グリソムジャック・パランス阪脩納谷悟朗大塚周夫
若き日のジャック・ネーピアヒューゴ・ブリックデーモン小暮大平透内海賢二
その他声の出演山野史人
鹿島信哉
幹本雄之
伊藤和晃
伊井篤史
中野聖子
磯辺万沙子
麻生かほ里
仲木隆司
目黒光祐
稲葉実
津田英三
秋元羊介
小島敏彦
真殿光昭
島香裕
辻親八
沢海陽子
水野龍司
堀越真己
伊藤和晃
大川透
中澤やよい
津村まこと
小野英昭
寺内よりえ
大塚さと

スタッフ

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日本語吹替製作

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役職ソフト版[注釈 1]TBS[注釈 2]テレビ朝日[注釈 3]吹替補完版[注釈 4][3]
演出松川陸春日正伸佐藤敏夫
翻訳トランスグローバル飯嶋永昭平田勝茂
効果リレーション
調整阿部佳代子
録音トランスグローバルスタジオ
東京テレビセンター
プロデューサー小川政弘
(ワーナー・ホーム・ビデオ)
上田正人
(TBS)
福吉健
(テレビ朝日)
制作ワーナー・ホーム・ビデオ
トランスグローバル
ムービーテレビジョン
TBS
東北新社ブロードメディア

作品解説

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作風

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当時のアメコミ界は「リアルな世界観」に移行する時期にあたっており、本作もその影響下にある。ゴシック様式と工業都市が交じり合ったゴッサム・シティの造形やダウンタウンの描写、そこを疾走するバットモービルなど、現実とフィクションの間を狙ったような画面作りが特徴(『フルメタル・ジャケット』などの美術監督アントン・ファーストはこの作品でアカデミー美術賞を得ている)。本作の作風は「市民ケーン」に強く影響を受けているという指摘がある[5]

加えて、監督であるティム・バートン独自の作風『異形への愛』が、バットマンやジョーカーといったキャラクター達に注がれている。

製作費

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ジョーカー役であるジャック・ニコルソンの、一説には「総制作費の50%」とも言われる高額なギャランティーも話題であったが、そもそも本作は比較的低予算で制作されたこともあり(いわゆるB級映画)、彼クラスの俳優としてはそれほど法外な額とは言えない。

結果的に、興行収入から一定の額を受け取ることのできる契約によって、最終的な報酬は6000万ドルに達した。

ジョーカー役のオファーはロビン・ウィリアムズアラン・リックマンにもあったが、両者は断っている。

音楽

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音楽はバートン作品の常連であるダニー・エルフマン他、アーティストのプリンスが担当ということになっているが、サウンドトラック『バットマン』はプリンス名義のアルバムとして販売された上に劇中では使用されていない曲も複数含んでいるため、むしろバットマンというテーマで作られた彼自身のオリジナルアルバムから曲が提供されたと言ったほうが意味合いは近い。このアルバムにはヴィッキー・ベール役を演じたキム・ベイシンガーが一部参加しているほか、本編内の台詞をリミックスして作られた「バットダンス」も収録され、「Batdance」はミュージックビデオも公開されている[6]。なお、ダニー・エルフマンの作曲したBGMのみを収録した『Batman: Original Motion Picture Score』も発売された。

評価

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製作当時、コミックの姿とは似ても似つかないマイケル・キートンの起用に対し、ファンからの批判が起こったが、映画の方向性が“狂気を内包したバットマンと狂気を体現するジョーカーとの対比”に置かれていたことから、公開後そうした声は収まっていったという経緯がある。

ただし、1960年代のテレビドラマ版『バットマン』でバットマンの相棒ロビンを演じたバート・ウォードは、本作に対して「暴力的過ぎる」と批判的なコメントをしている。実際、原作コミックにおけるバットマンは極力殺人は犯さないのが信条であるが、本作及び続編『バットマン リターンズ』では犯罪者を容赦なく殺害している場面がある。ジャック・ニコルソンのジョーカーは滑稽なシーザー・ロメロ版とは対照的に当時のコミックに合わせた暗いものだが、ロメロを意識したスタイルにもなっている。

続編・クロスオーバー

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バットマン リターンズ

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1992年、本作の続編である実写映画『バットマン リターンズ』が公開された。

→詳細は「バットマン リターンズ」を参照

クライシス・オン・インフィニット・アース(アローバース)

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2019年、アローバースのクロスオーバー・イベント『クライシス・オン・インフィニット・アース』の第1回に当たる『SUPERGIRL/スーパーガール』シーズン5 第9話で、本作の世界が「アース89」と紹介され、本作と同じくロバート・ウール演じるアレクサンダー・ノックスが登場した。

→詳細は「アローバース」を参照

BATMAN '89(コミック)

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2021年、『バットマン リターンズ』の続編としてコミック『BATMAN '89』が刊行された。脚本は本作と同じくサム・ハム。

90年代に『バットマン リターンズ』の続編として製作された映画『バットマン フォーエヴァー』と映画『バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲』の物語は、サム・ハムに本作とは別の世界「アース97」の物語と見なされており、『BATMAN '89』には反映されていない[7][8]

→詳細は「en:Batman '89 (comic book)」を参照

ザ・フラッシュ(映画)

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マイケル・キートンがブルース・ウェイン/バットマンを再演する[9][10][11]

以後、マイケル・キートン演じるブルース・ウェインは、マーベル・シネマティック・ユニバースにおけるニック・フューリーのように複数の作品に登場する可能性があるという[12]

→詳細は「ザ・フラッシュ (映画)」を参照

バットガール(映画)

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マイケル・キートンがブルース・ウェイン/バットマンを再演する[13]

→詳細は「バットガール (映画)」を参照

脚注

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注釈

[編集]
  1. ^abVHSDVDBD収録
  2. ^ab1992年10月14日に『水曜ロードショー』で放送。
  3. ^ab1995年6月18日に『日曜洋画劇場』で放送。放映時間は正味92分。
  4. ^ab2014年11月15日にWOWOWで放送。テレビ朝日版のカット部分(約30分)を追加録音したもので、既に故人となった声優の追加部分については別の声優が代役を務めた。

出典 

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  1. ^abcBatman (1989)”.Box Office Mojo.Amazon.com. 2009年9月17日閲覧。
  2. ^『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)494頁
  3. ^abバットマン バットマン[吹替補完版](映画) | WEBザテレビジョン(0000984654-1)”.WEBザテレビジョン. 2022年3月1日閲覧。
  4. ^【ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信)|バットマン
  5. ^Citizen Kane reference from the Burton films. : r/batman
  6. ^Prince - Batdance (Official Music Video) - YouTube
  7. ^https://twitter.com/samuelhamm/status/1422769754486415362”.Twitter. 2022年2月14日閲覧。
  8. ^Batman '89 Rejects the Dark Knight's '90s Movies With a New Twist on Batgirl” (英語).CBR (2021年8月11日). 2022年2月14日閲覧。
  9. ^Kit, Borys (2020年6月22日). “Michael Keaton in Talks to Return as Batman for ‘Flash’ Movie” (英語).The Hollywood Reporter. 2022年3月1日閲覧。
  10. ^Yes, Michael Keaton Really Is Playing Batman in 'The Flash'” (英語) (2021年4月19日). 2022年3月1日閲覧。
  11. ^Batman Returns! Michael Keaton in Talks to Play Bruce Wayne in 'The Flash' Movie (Exclusive)” (英語) (2020年6月22日). 2022年3月1日閲覧。
  12. ^D'Alessandro, Anthony (2020年6月22日). “Michael Keaton In Early Talks To Reprise ‘Batman’ Role For DC Universe, Starting With ‘The Flash’” (英語).Deadline. 2022年3月1日閲覧。
  13. ^Kit, Borys (2021年12月22日). “Michael Keaton Joining 'Batgirl'”.The Hollywood Reporter. 2021年12月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月30日閲覧。

外部リンク

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コミック
クロスオーバー
スピンオフ
ニンジャバットマンシリーズ
映画
バートン/シュマッカー作品
ダークナイト・トリロジー
DCEU
マッド・リーヴス作品
関連作品
ドラマ
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DCAU
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長編アニメ
ゲーム
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レゴシリーズ
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キャラクター
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関連項目
1941年 - 1950年

Adventures of Captain Marvel(1941) -Spy Smasher(1942) -Hop Harrigan(1946) -The Vigilante(1947) -Congo Bill(1948)

バットマン

Batman(1943) -Batman and Robin(1949)

スーパーマン

Superman(1948) -Atom Man vs. Superman(1950)

1951年 - 1970年

Blackhawk(1952)

バットマン

バットマン(1966)

スーパーマン
1971年 - 2004年
バットマン
スーパーマン
スワンプシング
2005年 - 2013年
(DCEU開始以前)
バットマン
スーパーマン
RED/レッド
2013年 -
(DCEU開始以降)
DCEU
関連項目
年代別
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
製作のみ
シリーズ別
(リメイク含む)
フランケンウィニー
バットマン
ふしぎの国のアリス
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