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ドゥーワップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドゥーワップ
Doo-wop
様式的起源R&B[1]
文化的起源1950年代
アメリカ合衆国の旗アメリカ合衆国
使用楽器ヴォーカル、コーラス、ピアノ、オルガン、ギター、ウッド・ベース、ベースドラムなど
融合ジャンル
ソウル・ミュージック
関連項目
本文参照
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ドゥーワップ (Doo-wop) はポピュラー音楽における合唱のスタイルの一種。ドゥワップドゥー・ワップドゥ・ワップほかの表記もある。1950年代アメリカ合衆国で、リズム・アンド・ブルースを基に、黒人の音楽グループの中から生まれ、人気を博した[1]

概要

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ドゥーワップの特徴は、メロディー(主旋律)以外は「ドゥー・ドゥー・ワッ」といった歌唱(スキャット)にあり、それらが「ドゥーワップ」の名の由来となった。黒人のハーモニー形式は、ティン・パン・アレーのAABA形式と融合して表現豊かな音楽を形成した。[2]床屋を拠点に発展した「バーバーショップ・カルテット」がよく知られている。

グループの構成は4人もしくは5人の場合が多い。ア・カペラとは異なり、ステージやレコードでは通常、「簡素な楽器の伴奏」がつく。メンバーそれぞれの担当パートはほぼ決まっており、主旋律を歌うリード・ボーカル、ハーモニーの中高音部を担当するテナー、中低音部を担当するバリトン、低音部を担当するベースに大きく分けられる。人数が少ないグループでは、ベースがいないこともある。テナーとバリトンは和音だけでなく対旋律(カウンター)や主旋律に対する掛け声(コール・アンド・レスポンス)で曲を盛り上げる役割を担う。バリトンが男性役、テナーが「女性役を演じる場合もある。ベースは「楽器のベースの音」とフレーズを模した歌い方をすることもある。また、ドゥーワップはロックンロールのルーツの一つにもなった[3]

ポピュラー音楽のコーラス・グループの一部も、ドゥーワップの歌唱スタイルを取ることもあるが、ドゥーワップという言葉は「1950年代の黒人音楽の一ジャンル」という限定的意味合いが強いため、通常はドゥ-ワップ以外のコーラス・グループには使用しない。なおア・カペラは「楽器の伴奏がない合唱」を意味する言葉であり、無伴奏のドゥーワップの形態をとる場合もある。

歴史

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ドゥーワップのルーツはアメリカの黒人アフリカ系アメリカ人奴隷労働歌に遡り、黒人教会で聖歌隊が歌うゴスペル[注 1]によって基本的な形式が作られた。やがてゴスペルを基礎にジャズのメロディー、和声、歌詞、伴奏が取り入れられたものが商業音楽として1930年代に出現する。これが初期のドゥーワップで、ミルス・ブラザーズ、インク・スポッツなどが代表的グループとされる。当時はメロディーを聴かせるための甘くゆったりとした曲が主流だった。

戦後になるとドゥーワップのコーラスは、経済的にハードルの高い楽器の購入や習得を必要としないことから、都市の黒人の少年たちの間で広がり始め(いわゆるストリート文化)、1950年代半ばからは一大ブームを迎える。職業作家の手によらないシンプルなラブソングが増え、新たにテンポの速いリズムを強調したドゥーワップ・アップテンポ[注 2]の曲や、コミカルでユーモラスな曲も出てくるようになり、ロックンロールとともに若者文化の先端を担った。

アーティストの多くは黒人のグループで、一部に白人のグループや白人・黒人混合のグループもいた。商業音楽としての可能性が見出されると、音楽性をより大衆向けに変えて成功したグループも現れた。「オンリー・ユー」で知られるプラターズや、「ラストダンスは私に」などがヒットしたドリフターズは、ポップなグループである。これらのグループよりも、ファイブ・サテンズ、ザ・ムーングロウズやオリオールズ[4]などの方が、正統的なドゥーワップ・グループである。代表曲としては、ムーングロウズの「シンシアリー」、ペンギンズの「アース・エンジェル」、キャデラックスの「グロリア」、ハートビートの「ア・サウザンド・マイルズ・アウェイ」、シェップ&ザ・ライムライツの「ダディーズ・ホーム」、フラミンゴズの「アイ・オンリー・ハブ・アイズ・フォー・ユー」、ジャイブ・ファイブの「マイ・トゥルー・ストーリー」などがある。ブームによって楽曲が大量消費されたことや、のちのブリティッシュ・インヴェイジョンの影響などにより、他の多くのアメリカのポップ・ミュージックと同様にブームは1960年代初頭に終わりを迎えた。しかしドゥーワップは、1960年代モータウンに代表されるソウルミュージック隆盛のルーツとなった。

ドゥーワップの歌唱スタイルはその後のソウル/R&Bだけでなくロックポップスにも大きな影響を与えた。フランク・ザッパルー・リードジョージ・クリントンらは、熱心なドゥーワップ・ファンとして知られている。[5]日本のデュークエイセスのベース・ヴォーカリストはナチュラル・ベースであり、またキングトーンズ[注 3]やシャネルズ、ラッツ&スターはドーワップ・リバイバルに大きく貢献した。日本のムード歌謡のコーラスの一部にも、ドゥーワップの影響が見られることもある。

主なグループ

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  • ザ・ムーングロウズ[6]
  • ファイブ・サテンズ[注 4]
  • スパニエルズ
  • ペンギンズ
  • ハープ・トーンズ
  • ジャイブ・ファイブ
  • ハート・ビーツ
  • シェップ&ライムライツ

ホワイト・ドゥーワップ

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  • クレスツ
  • スカイ・ライナーズ
  • デュプリーズ
  • ダイヤモンズ[注 5]

日本のドゥーワップ

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  • ザ・キング・トーンズ (和製ドゥーワップのオリジナルとも呼ばれ、日本にドゥーワップを広めたグループ)
  • シャネルズ /ラッツ&スター(キングトーンズの後継者的グループ)

関連項目

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脚注

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[脚注の使い方]

注釈

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  1. ^代表的なグループには、センセーショナル・ナイチンゲイルズ(ジュリアス・チークスが在籍した)、ソウル・スターラーズらがいた
  2. ^マーセルズの「ブルームーン」などが代表的な曲である。
  3. ^「グッドナイト・ベイビー」が1960年代後半にヒットしている
  4. ^代表曲は「イン・ザ・スティル・オブ・ザ・ナイト」
  5. ^アメリカのグループと錯覚されやすいが、カナダのグループである。

出典

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  1. ^abDoo wop music - Encyclopedia.com
  2. ^Ralf von Appen, Markus Frei-Hauenschild (2015)."AABA, Refrain, Chorus, Bridge, Prechorus — Song Forms and their Historical Development". In:Samples. Online Publikationen der Gesellschaft für Popularmusikforschung/German Society for Popular Music Studies e.V., Ed. by Ralf von Appen, André Doehring and Thomas Phleps. Vol. 13, p. 6.
  3. ^“[Roots of Rock: Doo-Wop. InSurvey of American Popular Music, modified for the web by Robert Birkline.]”. 6 August 2020.閲覧。 エラー: 閲覧日が正しく記入されていません。(説明
  4. ^The Orioles Allmusic.com 2025年5月12日閲覧
  5. ^George Clinton Ncpedia.org 2025年5月12日閲覧
  6. ^ムーングロウズ 2021年1月7日閲覧

Books

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  • 『リズム&ブルースの死』:著者:ネルソン・ジョージ(早川書房)
  • The Top 1000 Doo-Wop Songs:著者:Anthony Gribin
  • Appen, Ralf von / Frei-Hauenschild, Markus (2015)."AABA, Refrain, Chorus, Bridge, Prechorus — Song Forms and their Historical Development". In:Samples. Online Publikationen der Gesellschaft für Popularmusikforschung/German Society for Popular Music Studies e.V. Ed. by Ralf von Appen, André Doehring and Thomas Phleps. Vol. 13, p. 43-48, 61-63.
  • Baptista, Todd R (1996).Group Harmony: Behind the Rhythm and Blues. New Bedford, Massachusetts: TRB Enterprises.ISBN 0-9631722-5-5.
  • Baptista, Todd R (2000).Group Harmony: Echoes of the Rhythm and Blues Era. New Bedford, Massachusetts: TRB Enterprises.ISBN 0-9706852-0-3.
  • Cummings, Tony (1975).The Sound of Philadelphia. London: Eyre Methuen.
  • Engel, Ed (1977).White and Still All Right. Scarsdale, New York: Crackerjack Press.

外部リンク

[編集]
リズム・アンド・ブルース
コンテンポラリー・R&B
関連項目
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地域別
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