デネブ[ 1] Deneb [ 2] [ 3] デネブの位置
仮符号 ・別名はくちょう座α星[ 4] 星座 はくちょう座 見かけの等級 (mv ) 1.25[ 4] 1.21 - 1.29(変光)[ 5] 変光星型 はくちょう座α型 (ACYG)[ 5] 位置元期 :J2000.0 [ 4] 赤経 (RA, α) 20h 41m 25.91514s [ 4] 赤緯 (Dec, δ) +45° 16′ 49.2197″[ 4] 赤方偏移 -0.000016[ 4] 視線速度 (Rv) -4.90km/s[ 4] 固有運動 (μ) 赤経 : 2.01ミリ秒 /年[ 4] 赤緯 : 1.85ミリ秒 /年[ 4] 年周視差 (π) 2.31 ± 0.32ミリ秒[ 4] (誤差13.9%) 距離 約 1400光年 [ 注 1] (約 430パーセク [ 注 1] ) 絶対等級 (MV) -6.9[ 注 2] 物理的性質 半径 108R ☉ [ 6] 質量 15~16M ☉ [ 6] スペクトル分類 A2Ia[ 4] 光度 54,400L ☉ [ 6] 表面温度 8,500K [ 6] 色指数 (B-V)+0.09[ 7] 色指数 (U-B)-0.24[ 7] 色指数 (R-I)+0.10[ 7] 年齢 >1.0× 10 7 年[ 6] 他のカタログ での名称 Arided, Aridif, Gallina, Arrioph はくちょう座50番星[ 4] BD +44 3541[ 4] ,FK5 777[ 4] HD 197345[ 4] ,HIP 102098[ 4] HR 7924[ 4] ,SAO 49941[ 4] ■ Template (■ ノート■ 解説)■Project
デネブ [ 1] [ 8] (Deneb[ 1] ) は、はくちょう座α星 、はくちょう座 で最も明るい恒星 で全天21の1等星 の1つ。こと座 のベガ 、わし座 のアルタイル とともに、夏の大三角 を形成している。夏を代表する恒星の1つ。
西暦10000年 の前後数世紀には、北極星 になると予測されている。
デネブは、はくちょう座 (Cygnus)で最も明るい恒星 である。 バイエル符号 ではα Cygni (略称はα Cyg) 。固有名のデネブ [ 1] (Deneb [ 2] [ 3] )はアラビア語 で「めんどりの尾」を意味する「ذنب الدجاجة , dhanab al-dajājahないしはdhanab al-dajāja, ザナブ・アッ=ダジャージャ、実際の発音:dhanabu-d-dajāja(ザナブッダジャージャ)」という言葉の中の、「尾」を意味する語「ذنب dhanab 」に由来している[ 2] 。
「デネブ」という言葉は はくちょう座α星の他にも、くじら座η星 、いるか座ε星 およびわし座ε星 など動物の星座の尾の部分の星にも使われることもあったが、2016年6月30日、国際天文学連合 の恒星の固有名に関するワーキンググループは、Deneb を、はくちょう座α星の固有名として正式に承認した[ 3] 。
他の星座の同名の星と区別するためにデネブ・キュグニ (Deneb Cygni) と呼ばれることもあった[ 1] 。
また、アリデッド (Arided)[ 2] という名前で呼ばれることもあった。これはアラビア語で「乗り手の後ろに座っている者」あるいは単に「続く者」を意味するal-ridf に由来している[ 2] 。中国では女宿 の天津 部分の四番目の星ゆえ天津四 と呼ばれる。
天の川の中に見える星であることから、岐阜県 揖斐郡 揖斐川町 谷汲 や京都府 宮津市 の天橋立 などであまのがわぼし という和名が伝わっている[ 9] 。また、七夕 に遅れて上ってくることから、京都府 京丹後市 の一部では「ふるたなばた」「へたのたなばた」、舞鶴市 では「たなばたのあとぼし」、福井県 敦賀市 では「あとたなばた」などとも呼ばれていた[ 9] 。
夏の大三角 。夏の大三角 と天の川 の広角画像。デネブは写真の左端中央、天の川の中の暗い帯の端にある。1.21等-1.29等の範囲を変光するはくちょう座α型変光星 のプロトタイプ。眼視観測では明るさの変化は分からない。
質量で太陽の15倍、半径は108倍、光度も太陽の54,400倍以上と、恒星 としては非常に大きくて明るい白色超巨星 である。同じく夏の大三角を形成するベガやアルタイルは、質量や半径が太陽の2~3倍程度、光度も太陽のせいぜい数十倍程度であり、夏の大三角の中ではデネブだけが突出している。3つの星が肉眼でほぼ同じ明るさに見えるのは、デネブだけが太陽系 から極端に離れているからである。仮にベガ の位置にデネブがあったとすると、金星 の最大光度よりも15倍も明るく、三日月 とほぼ同じ明るさの点光源で見えることになる[ 6] 。
年周視差 が非常に小さく観測が困難なため、距離は1400光年 と推定されてきた。1989年から93年にかけて欧州宇宙機関 が実施したヒッパルコス衛星 による精度の高い観測により、約1,400光年の距離にあると考えられている[ 6] 。この距離の値は全天に21ある一等星としては最も大きい。つまり、デネブは太陽系から最も遠くに位置する一等星であるといえる。
LBV のような例外的に明るいものを除けば、恒星として最大級の明るさ を持っており、銀河系 のかなり広範囲 (半径3万光年程度) にわたって肉眼視が可能な星である。デネブが一日で放射するエネルギーは太陽 が140年かけて放射する量に等しい。デネブは1年間に太陽質量 の1000万分の8を失っており、約100万年で太陽質量を失うことになる。恒星進化論 に従えば、数千万年後には赤色超巨星 を経て超新星爆発 を起こすと考えられる。
^a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算 ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記 ウィキメディア・コモンズには、
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