| スペシャル18 | |||||
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| 種類 | 試作タンク | ||||
| 原開発国 |
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| 運用史 | |||||
| 配備期間 | 1918年 | ||||
| 配備先 | |||||
| 関連戦争・紛争 | 第一次世界大戦 | ||||
| 開発史 | |||||
| 開発者 | Holt社 | ||||
| 製造業者 | Holt社 | ||||
| 製造数 | 数台(モックアップ) | ||||
| 諸元 | |||||
| 重量 | 10トン前後(推定) | ||||
| 装甲 | 不明 | ||||
| 主兵装 | 機銃または小口径砲(予定) | ||||
| エンジン | Holtトラクターエンジン(推定) | ||||
| 懸架・駆動 | 履帯式 | ||||
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スペシャル18(Special 18、別名「Scat the Kaiser」)は、第一次世界大戦(1917-1918年)中のアメリカ軍によって開発された実験的な装甲車両(試作タンク)である。Holt社(後のCaterpillar社の前身)が主導し、農業用トラクターをベースにしたモックアップ(試作ハル)として設計された。これは、塹壕戦での機動支援を目的とした初期の試作機で、アメリカの戦車開発史における数多くの失敗例の一つとして位置づけられる。Holtトラクターは英国やフランスの戦車設計に影響を与えた背景があり、アメリカ独自の装甲車両開発ブームの一環であった。
1917年アメリカ参戦後から1918年にかけて開発された。戦時中の工業動員が混乱を極め、パリ駐在のアメリカ軍武装委員会が軽量タンクと重量タンクの採用を推奨したが、決定が1917年9月まで遅れ、1918年10月までさらなる混乱が続いた。Holt社はストックトン、カリフォルニアの工場で、商業用トラクターの軍事転用を活かし、数多くのプロトタイプを提案した。スペシャル18はこれらのうちの一つで、「Scat the Kaiser」(カイザーを追い払え、という意味のスラング由来のニックネーム)として知られ、他のHoltプロトタイプ(例: HA15、G-9、Gas-Electric Tank)とともに、戦車開発の多様な実験を象徴する。このプロジェクトは、フランスのルノーFTをベースにしたSix Ton Special Tractorや英国Mark VIIIの採用決定まで先行するものであった。
1918年に試験的に構築されたが、戦場投入はなく、Armistice(停戦)直前の混乱で中断した。テストはSandy Hook(ニュージャージー州)の射撃場で行われた関連プロトタイプ(G-9)と同様の場で実施された可能性があるが、スペシャル18自体の詳細なテスト記録は残っていない。アメリカ軍の戦車はSix Ton Tankがわずかにフランスに到着したのみで、Mark VIIIは戦後100輌完成という状況であった。
アメリカ戦車開発史では「忘れられたプロトタイプ」として扱われ、本格的な戦車(Six TonやMark VIII)の前段階として位置づけられる。Holt社のトラクター技術が戦車設計に寄与した点は重要だが、工業的混乱と外国設計の優先採用により、影響は限定的であった。類似の試作機として、C.L. Best Tractor社のものやOakland Motor Car社のプロトタイプも同時期に開発されたが、いずれも実戦投入には至らなかった。
この兵器は、英語圏の軍事史フォーラムや書籍で主に言及され、写真や図面は稀少である。