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クラシック音楽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
著名なクラシック音楽の作曲家達の一部の肖像を集めたもの(クラシック音楽の作曲家一覧)。 左から右へ:
最上段 –アントニオ・ヴィヴァルディ,ヨハン・ゼバスティアン・バッハ,ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル,ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト,ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン;
2段目 –ジョアキーノ・ロッシーニ,フェリックス・メンデルスゾーン,フレデリック・ショパン,リヒャルト・ワーグナー,ジュゼッペ・ヴェルディ;
3段目 –ヨハン・シュトラウス2世,ヨハネス・ブラームス,ジョルジュ・ビゼー,ピョートル・チャイコフスキー,アントニン・ドヴォルザーク;
最下段 –エドヴァルド・グリーグ,エドワード・エルガー,セルゲイ・ラフマニノフ,ジョージ・ガーシュウィン,アラム・ハチャトゥリアン
ウィキポータル クラシック音楽

クラシック音楽クラシックおんがく:classical music:Klassische Musik:musique classique:musica classica)は、一般に[1]西洋の伝統的な作曲技法や演奏法による芸術音楽を指す[2]宗教音楽、世俗音楽のどちらにも用いられる。

概説

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今日一般的に「クラシック音楽」と称されるものはバロック音楽古典派音楽ロマン派音楽に当たる1550年頃から1900年頃の音楽であるが、それ以前のものも、それ以後のものも、同じ流れに属する音楽は今日あわせてクラシック音楽と呼ばれることが多い。また、古典派時代の宴席用音楽、ロマン派時代のウインナワルツなど、純粋に観賞用としてつくられたわけではない実用音楽も、今日ではクラシック音楽と呼ばれている。主な時代区分を以下に示す。

「クラシック音楽classical music」という用語は早くとも19世紀まで使われていなかった。その頃、ヨハン・ゼバスティアン・バッハからルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンまでの時代の音楽を復活させる試みがなされたことにより、クラシック音楽が他と区別されるようになった[3]。初めてオックスフォード英語辞典でクラシック音楽が言及されたのは1836年のことである[4]

現代においてクラシック音楽というジャンルが提示しているのは、主に音楽理論や作曲法の拡大発展ではなく、楽譜の微妙な解釈という細分化に重点を置き、ミクロな音楽的表現の差異に重要性を見出しているのが特徴である[5]

歴史

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→詳細は「音楽史 § 西洋音楽史」を参照

8世紀頃、キリスト教の聖歌であるグレゴリオ聖歌が誕生し、9世紀頃にはグレゴリオ聖歌がネウマ譜で記譜されるようになった[6]。これが中世西洋音楽の始まりである。11世紀頃にはオルガヌムと呼ばれる多声音楽が生まれ、12世紀後半頃からはサン・マルシャル楽派ノートルダム楽派によってさらに発展した[7]15世紀にはブルゴーニュ公国ブルゴーニュ楽派、ついでフランドル楽派が成立し、ルネサンス音楽が確立された[8]16世紀には本格的な器楽音楽の発達[9]オペラの誕生が起こり[10]宮廷の音楽が栄えた(バロック音楽)。バロック音楽の代表的な作曲家としては、ヨハン・ゼバスティアン・バッハゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルが挙げられる[11]。これ以前の音楽を初期音楽とよぶことが多い。

その後1720年頃になると民衆にも現在「クラシック音楽」と呼ばれているような芸術音楽が広まり、古典派音楽とよばれる「形式」や「和声」に重点をおいた音楽に発展した。1720年代から1780年代までは前古典派と呼ばれる作曲家群の活動が続き[12]、1780年代から1820年ごろにかけてフランツ・ヨーゼフ・ハイドンヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの3人によるウィーン古典派の活動によって古典派音楽は最盛期を迎えた[13]。またこの頃から一般的に音楽が芸術として見られるようになる。

19世紀に入ると「表現」に重点を置いたロマン派音楽に移行し[14]、まずフランツ・シューベルト、次いでロベルト・シューマンフェリックス・メンデルスゾーンフレデリック・ショパンといった作曲家が盛んに作曲を行った[15]。19世紀半ばにはフランツ・リストリヒャルト・ワーグナーヨハネス・ブラームスアントン・ブルックナーらが現れ[16]、各国の民謡民族音楽の要素を取り入れた国民楽派も生まれる[17]20世紀頃には「気分」や「雰囲気」で表現する印象主義音楽や、和声及び調の規制をなくした音楽などの近代音楽が生まれ、さらに第二次世界大戦後は現代音楽とよばれるジャンルが生まれた[注 1]

演奏形式による分類

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ベルリン・フィルハーモニー
ゼンパー・オーパー
スカラ座内部
東京のサントリーホール内部
バイロイト祝祭劇場

セールス・鑑賞上の分類

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CD店、図書館、音楽関連書籍ではしばしば以下のように分類される。[20][21]

社会的受容

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クラシック音楽は、文化社会学上においてはハイカルチャーとして定義される。すなわち、高い芸術性を有する高尚な文化として社会的に位置付けられ、政治的・宗教権威王侯貴族に庇護(パトロネージュ)されながら発展してきた経緯を持つ。そのため、クラシック音楽の享受層は長らく上流階級上位中産階級などの富裕層と高い文化資本を持つ知識階級が中心となり、現代でも相対的には高い社会階層に属する人々の趣味と見做される傾向にある[22]。一方では、音楽鑑賞教育が義務教育として一般化したのに加え、映画・放送などで背景音楽として使用されたり、公共施設や商業施設で雰囲気づくりのために流されるようになったりと、大衆社会でもクラシック音楽は少なからず身近な存在となっている。ただしそれは一部の有名な楽曲のみに当てはまり、かつ受動的に聴かれる表層的なもので、クラシック音楽の大半は一般大衆に聴かれる機会があまりなく、能動的に鑑賞されることが少ないのもまた事実である。

クラシック音楽ファンを増やす試み

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音楽チャートにクラシック音楽のアイテムがめったに登場しないことからもわかるとおり、クラシックファンの数はポピュラー音楽ファンに比べて圧倒的に少ない。しかし、いくつかの成功例がある。

ラ・フォル・ジュルネ
1995年にフランスのナントで始まったイヴェント。短時間・低価格のコンサートを多数開催し、初心者でも聴きやすくした。この試みは他国にも拡大し、日本でも「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 「熱狂の日」音楽祭」の名で2005年の東京を皮切りに行われている。
アダージョ・カラヤン
1995年発売。ヘルベルト・フォン・カラヤンの演奏の中からゆったりかつ叙情的な作品または楽章を集めたコンピレーションアルバム。全世界500万枚のセールスを上げた[23]
小澤征爾&ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート2002
小澤征爾指揮のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ニューイヤーコンサートのCDが100万枚を超えるヒットとなった[24]
ベスト・クラシック100
2005年発売。有名曲の聴きどころだけを集めたコンピレーションアルバム。70万枚を超えるセールスを上げた[25]
「のだめオーケストラ」LIVE!
2006年発売。音楽大学を舞台とした漫画(のちにアニメ及びドラマ化)「のだめカンタービレ」に登場するクラシック曲を収録。オリコン週間チャートで最高6位、2006年年間チャートで74位を記録した。
Classic fm
イギリスのクラシック音楽専門の民間FM放送局[26]1992年に放送を開始した。現在では、FM放送以外にデジタル衛星テレビ、ケーブルテレビデジタルラジオ放送を行うほか、ストリーミング放送やポッドキャスト配信も行っている。よく知られた小品を数多く取り上げる。
大作は編集して短くする。交響曲等は一番ポピュラーな楽章だけを選んで放送する。リクエストで人気投票を行い、ヒットチャートのように紹介するなどの、ポピュラー音楽の商業放送では常套手段となっている手法を導入している。
Classic Manager-クラシックマネージャー[27]
著作権保護期間が経過したクラシック音楽を無料鑑賞できるアプリケーションサービス。ジャンル別で自動再生される機能や自分だけのオリジナルアルバムを作成できたり、作成したアルバムを共有して楽しめるなどクラシック音楽愛好家の中で密かに話題となっているサービスである。無料鑑賞可能な音源は7万7801個にもおよび、初心者でも利用できるように自動再生機能に力を入れている。

脚注

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注釈

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  1. ^作曲家の三宅榛名は1994年に出版された書物の中で「今もクラシックの作曲家はいますか?」という質問に対し、「『クラシックの作曲家』とよばれる作曲家は、正確にいうと今現在は、いません。21世紀のクラシックの作曲家は、ふつう、『現代音楽の作曲家』とよばれています」として「現代音楽」を「クラシック音楽を後継する音楽」とする見解を示していた[18]。30年後の2024年、実験音楽研究者の柿沼敏江は「一般的には『現代音楽』という名称は、20世紀から21世紀にかけて生み出されたクラシック(シリアス)系の音楽をざっくり指して使われています」としつつも、「現代音楽」という名称は、現代ポピュラー音楽の存在を無視しているためにあまり評判が良くなく、また現代音楽といえば耳障りな無調音楽というイメージが強すぎるという。西洋中心史観からグローバル・ヒストリーへの変化とともに「『現代音楽』という言葉の意味も変わっていくのではないか」としている[19]

出典

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  1. ^直訳は「古典音楽(こてんおんがく)」である
  2. ^クラシック音楽 大辞林 第三版 -コトバンク
  3. ^Rushton, Julian,Classical Music, (London, 1994), 10
  4. ^"Classical",The Oxford Concise Dictionary of Music, ed. Michael Kennedy, (Oxford, 2007),Oxford Reference Online. Retrieved July 23, 2007.
  5. ^小笠原泰, 日本的改革の探究: グローバル化への処方箋, 64頁, 2003, 日本経済新聞出版社.
  6. ^『増補改訂版 はじめての音楽史 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』 p23-26 音楽之友社 2009年4月10日第1刷
  7. ^『増補改訂版 はじめての音楽史 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』 p27-28 音楽之友社 2009年4月10日第1刷
  8. ^『増補改訂版 はじめての音楽史 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』 p36-41 音楽之友社 2009年4月10日第1刷
  9. ^『増補改訂版 はじめての音楽史 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』 p49-52 音楽之友社 2009年4月10日第1刷
  10. ^『増補改訂版 はじめての音楽史 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』 p53-59 音楽之友社 2009年4月10日第1刷
  11. ^『増補改訂版 はじめての音楽史 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』 p65-68 音楽之友社 2009年4月10日第1刷
  12. ^『増補改訂版 はじめての音楽史 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』 p69 音楽之友社 2009年4月10日第1刷
  13. ^『増補改訂版 はじめての音楽史 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』 p77 音楽之友社 2009年4月10日第1刷
  14. ^『増補改訂版 はじめての音楽史 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』 p87 音楽之友社 2009年4月10日第1刷
  15. ^『増補改訂版 はじめての音楽史 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』 p93-95 音楽之友社 2009年4月10日第1刷
  16. ^『増補改訂版 はじめての音楽史 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』 p97-100 音楽之友社 2009年4月10日第1刷
  17. ^『増補改訂版 はじめての音楽史 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』 p103-104 音楽之友社 2009年4月10日第1刷
  18. ^三宅榛名『音楽が好きだ! (4) クラシックってなんだろう?』ポプラ社、1994年 p.31。)
  19. ^現代音楽は時間が経ったら 将来呼び方が変わるの?|音楽っていいなぁ、を毎日に。| Webマガジン「ONTOMO」
  20. ^クラシック検索 総合 HMV ONLINE”. HMV. 2013年1月26日閲覧。
  21. ^レコード・アカデミー賞 受賞ディスク一覧 2010年度 - 音楽之友社”. 音楽之友社. 2010年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月26日閲覧。
  22. ^米澤彰純 2000, 「市場に立脚する正統文化-クラシック・コンサートに集う人々-」今田高俊編「日本の階層システム5社会階層のポストモダン」東京大学出版会.
  23. ^ヘルベルト・フォン・カラヤン Herbert von Karajan - アダージョ、カラヤンGOLD”. ユニバーサルミュージック. 2013年1月26日閲覧。
  24. ^小澤 征爾 / ニューイヤー・コンサート 2002【国内盤】【CD”. ユニバーサルミュージック. 2013年1月26日閲覧。
  25. ^東芝EMIの「ベスト・クラシック100」(1)〜クラシック初心者の入門CDとして提供”. nikkei BPnet. 日経BP (2006年3月29日). 2006年4月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月26日閲覧。
  26. ^Classic FM - Discover Classical Music”. Classic FM. 2013年6月10日閲覧。
  27. ^https://web.archive.org/web/20220314144553/https://classicmanager.com/

関連項目

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音楽史
作曲
音楽理論
演奏
楽器
主なジャンル
民族音楽
録音
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音楽学
関連項目
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歴史
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