オートレースは、競馬・競輪・競艇と並ぶ公営競技の1つで、プロのオートレース選手達が競走車(排気量600cc[注 1]の二輪車。以前は四輪車もあった)によって行う日本のモータースポーツ・オートバイ競技の一種である。また、その競技の勝敗を予想するギャンブルを示す用語としても使われる。
監督省庁は競輪と同じく経済産業省(製造産業局)。小型自動車競走法に基づいて公益財団法人JKAが運営し、指定自治体がパリミュチュエル方式により勝車投票券(車券)を販売する。
主催は、2025年現在、川口市・伊勢崎市・浜松市・山陽小野田市・飯塚市の5市である。
オートレース場は、2022年現在、川口オートレース場・伊勢崎オートレース場・浜松オートレース場・山陽オートレース場・飯塚オートレース場の5場が存在する。また、ナイター競走開催のための照明設備が設置されている場もある。
オートレースの舞台となる競走路は、1周500m、幅30 mの楕円形のコースで、走路は少し傾斜している。直線部は片側約87 m、コーナーは片側約163 mで走路の傾斜角は約2.25度(カント50 / 1000)の傾斜がついている。これはハイスピードでもコーナーを回りやすくするためと、選手が高度なテクニックをフルに発揮して面白いレース展開になるように工夫してある。路面は、一般道路より粗い開粒型アスファルトコンクリートで、タイヤが確実に路面をとらえ、水はけが良く、雨の日でもスリップが少ないことも特徴。
ハンデ10 m〜40 mまでの4本のハンデラインは、長さが20 mあり、競走車はそのラインの中心に配置される(同ハンデの選手がいる場合は、中心から左右に振り分けられる)。ハンデ50 m以降は、ハンデラインの長さが短くなり、競走車は外線から2 mの位置を基準に内側に向って配置される。
外部回避地帯と外柵との間に設けられているネット。猛スピードで衝突しても、ワイヤーで吊ったネットがショックアブソーバーの役割をして、衝撃を吸収するように工夫されている。
オートレースの選手は、全国で約400人。成績順で、S級、A級、B級の3つのランクのいずれかに属している。2024年3月現在、最年少は19歳、最高齢は77歳という幅広い年齢で構成されている。近年は女子選手も増加しており、2024年時点で22人が活躍中。
平均年収は、約1,350万円(2022年)[1]。
オートレースの選手になるには、原則として年1回行われる『選手養成所入所試験』に合格しなければならない[注 2]。
主な応募資格は下記の通り
試験に合格すると、茨城県下妻市の筑波サーキット内に併設されている『オートレース選手養成所』に入所し、約9か月間(各レース場での実施訓練を含む)オートレース選手として必要な知識・技能を習得して、選手資格検定試験に合格した者が公益財団法人JKAの選手として登録され、各オートレース場へ配属される。
オートレースの選手は、成績に応じて最上位のS級(第1位 - 第48位)、A級(第49位 - 第280位)、B級(第281位 - 最下位)と3つのランクのいずれかに属している。新人は、デビュー後一定期間はB級で、その後の成績でランクが決定する。ランクは、全てのレースの結果を得点化したものを計算して決定し、6ヶ月ごとに見直される。ランクによってあっせんの内容に差があり、S級の選手はグレードの高い(賞金の多い)レースにより多く出場できる。
オートレースの競走車は、600 cc(新人選手はデビュー後、一定の期間500 cc)のオートレース専用エンジン(スズキ製セア)を搭載しており、常に競走路を左回りで周回するため、乗車中のハンドルが水平に近くなる様に、左ハンドルが高く右ハンドルが低い独特のフォルムを有している。レースの殆どを傾いて走行するため、断面が三角形の形状で走路とタイヤとの接地性を高めた三角タイヤを装着し、ギヤはローとトップの2段。急激なブレーキ操作による追突事故を防ぐために、競走車にブレーキは付いていない。
出典:[3]
「セア」(Super-Engine of Auto Race)は、オートレース専用に開発されたスズキ製600 ccのエンジンで、1993年10月に一斉に乗り替わった[注 3]。苛酷な条件に耐えながら、選手一人一人の操縦技術を存分に引き出すことができる。エンジンの調整・整備は、個々の選手に委ねられており、その調整次第で性能も勝敗の行方も大きく変化する(新人選手は排気量の小さい500 ccのエンジンを一定の期間使用)。
競走車の最大の特徴。レースが接近戦で行われるため、勝手なブレーキ操作は追突事故のもとになる。なお、キャブレターにはアイドリング機能がなく、シャッターが完全に閉じるため、エンジンブレーキの効きは強力になっている。
競走路を左回り(反時計回り)で、終始傾斜して走行する競走車は、傾斜時の安定性を向上させるために、左ハンドルが高くなっている。
各種メーター、ランプ類など、競走に必要のないものは一切取り除かれている(緊急停止ボタンは装備されている)。セルモーターや始動キックペダルもないので、エンジンの始動は押しがけによって行う。前述の通り競走車にはアイドリング機能がないので、アクセルを離すとエンジンが停止する。
激しく繰り返される加減速に耐え、ねらったラインを正確にたどるには強固なフレームが不可欠となるため、フレームは、JAPエキセルシャー型から発展したダイヤモンド型フレームを採用している。この形式は、三角フレーム、エンジン、エンジンプレート、上下バックフレームを全てボルト&ナットで連結。エンジンの振動と落車時の変形を最小限にとどめる機能的なもの。なお、付属品として、前後フェンダー、フェンダーステイ、サドル、ひざ当て、ステップ、チェーンケースなどを備えている。
フロントは、コイルスプリングのみのテレスコピック形式のフォークとオイルフォークの2種類。そしてリヤはまったくのリジッド。これはタイヤが限界を超えて横滑りしたときにもマシンのコントロールを容易にするため。
競走車を抑えるために必要なオートレース独自なもの。
ローギヤでスタートして、トップギヤに入れ替えたら、後はアクセルワークによる加減速のみ。トップギヤのパワーバンドは時速50km〜150 kmと非常に広いため、コントロールには細心のテクニックが要求される。
前後輪とも、ダンロップKR-73S,3.00-20-4PRタイヤを使用。カーブでの接地性をよくするために、タイヤの断面は三角形をしているが、それでも新品のままでは接地性が十分ではないため、使用する前に接地する側のトレッド部の表面をサンダーで削り、さらにコースを数周する「当たりつけ」を行う。雨天用の特別なタイヤはなく、トレッド部の高いものを「雨天用」、トレッド部の低いものを「晴天用」として使用している。寒冷期には、ブロックパターンはそのままでゴムの発熱性を高めたもの(KR-73W)を前輪に使用することがある。なお、タイヤの寿命は普通3〜4レース。
オートレースの競走(レース)は通常1日12レース行われる。1競走の出走数は通常8車で、1周500 mの競走路を規定の周回数走行することで行われる。スタートラインはゴールラインの100 m後方に存在し、走行距離が100 mプラスされる。一般レースは6周回(3100 m)、GI・GIIは優勝戦が8周回(4100 m)。SGは準決勝戦が8周回、優勝戦が10周回(5100 m)で行われる。
選手間に技量差があるためレースの大半がハンデレースで行われる。近況の着順やタイムを参考に番組編成委員によって距離によるハンデが選手へ与えられる。スタートラインを0線(通称ゼロせんまたはゼロハン)と呼び、以下10 m毎に最大110 mまでのハンデが選手へ課せられる。このため、ハンデレースは有力選手による後方からの追い上げ、比較的軽いハンデ位置からの逃げ切り、2つのレース展開が同時進行する。
選手の技量差が僅差のレース(主にグレードレース)は、0 mまたは10 m線から8車横一列でスタートするオープンレースで行われる。オープンレースは主にスタート力に優れた選手が逃げ切る展開が多い。SG「日本選手権オートレース」は、全レースがオープンレースで行われる。
開催は3日間、4日間[注 4]、5日間、6日間[注 5]の連続開催。勝ち上がり方式で行われレースは予選[注 6]、一般戦[注 7]、準々決勝戦[注 8]、準決勝戦[注 9]、優勝戦で構成される。
2023年12月、新たな開催形態として、川口オートレース場にて同一日に普通開催(日中・12レース制)とナイトレース(8レース制・無観客開催)を組み合わせた合計20レースの「1日2開催」を2024年2月5日から7日と同3月17から19日に実施することを発表[5]。開催名称は「川口ダブルヘッダー」[6]。
「1日2開催」が可能になった背景には、小型自動車競走法施行規則の一部改正の規制緩和で1日の競走回数が20回以内となったことで可能となった[7]。
主な実施概要は以下の通り[5]。
同一日に昼普通開催12レース、ナイトレース(無観客開催)8レース、計20レースを実施。選手賞金及び勝ち上がりは普通開催8車立て3日制、ナイトレース7車立て3日制を適用。
96名(ナイトレース出場選手56名を含む)。
1日2回まで。
昼普通開催、ナイトレースそれぞれ通常どおり取り扱う。1日2開催において即適用罰則に該当した場合は、先送り罰則(2日)で処理し、次のレース出場を可能とする。ただし、周回誤認等の重大罰則は即適用罰則を適用。成績表示は勝ち上がりに合わせ昼普通開催、ナイトレースに分けて表示。
普通開催の場合、レースの着順及び上がり100 mのタイムによるタイム順位を合計した得点により順位を決定し[注 11]、準決勝戦を除き1着の選手及び順位上位の選手が勝ち上がる(準決勝戦のみ着順だけで勝ち上がりを決める)[9]。グレードレースの勝ち上がりは、グレードレース個々に勝ち上がりが設定されている。また、ミッドナイトオートレースでも普通開催とは異なる勝ち上がりが採用されている[10][11][12]。
他の公営競技同様グレード制の競走体系をとっており、年5回行われるスーパーグレード (SG) はその頂点にある。その他、GI・GIIと呼ばれるグレードレースが存在する。
選手が枠番順に隊列を組んでコースを3周する。最後の1周は係員の青旗の合図で全力走行が義務付けられている。これにより競走車の調子等を観客へ見せるのが試走の目的である。主催者が全力で走行していないと判断した場合は、当該選手のみ再試走を指示される。試走後は主催者より試走タイムが提示されるが、再試走を行った選手の試走タイムには「再試走」と表示される。理由の如何に関わらず、再試走した場合は1回目より速いタイムを出さないと欠車となる。
各選手が所定のスタートライン後方に引かれた発走補助ラインに前輪を接地させる。ゲートなど車体を固定する機器は使われず、係員が前輪位置を確認する。スタート位置はハンデ40 m線までは外線から10 mの点を中心に2 m間隔で各競走車を車番昇順に内側から配置し、ハンデ50 m線以上は車番最老番車を外線から2 mの位置に置き、以降2 m間隔で車番降順に内側へ配置する。発走10秒前より、走路外右側に設置された発走合図機(大時計)の緑色合図灯が1つずつ消灯、5秒前から針が回転。針が0秒を指した時点でスタートとなり、全選手が正立位置から一斉にスタートする[注 12]。万一、大時計やフライング監視のためのセンサーなどスタート制御のシステムに不具合が発生した場合、係員による黄色と白色の手旗発走で代替される。
スタート後は規定周回数走行し、ゴールとなる(周回数は上記参照)。
2022年4月27日、山陽オートレース場のミッドナイト開催より「1日2回出走」を実施。実施方法や運用方法については下記の通り[14][15]。
普通開催及びミッドナイトオートレース、川口ナイトレース、伊勢崎アフター5ナイター、浜松アーリーレースの開催。なお、原則としてグレードレースでは実施しない[注 13]。
個人所有車を使用し、1回目及び2回目どちらも同一競走車となる。ただし、エンジン大破等の場合があった場合は現行の取扱いの準用となる
整備範囲に規制を設けず、2回目の出走に支障を来さない範囲で可能となる
1日2回出走した場合の競走成績の取扱いについては、どちらの出走も通常通りの対象となる
普通開催の勝ち上がりの「一般戦 A・B」2つのブロックを「一般戦」として1つのブロックとする→一般戦の区分けの撤廃
準決勝戦出場選手は1日2回出走の対象、優勝戦出場選手は対象外。最終日の特別選抜戦・選抜戦の出場選手を対象とする。
罰則の取り扱いについては通常開催同様に適用となる。なお、1回目の出場において即適用罰則(翌日休)の該当行為があった場合でも、車立て確保のため周回誤認・タイムアップ等の節単位罰則を除き、原則、当日の2回目の出場が認められる
公正で安全なレースを実施する上で、以下の主なルールが定められている。
落車転倒などで競走車・部品がコースに残留した場合や、競走車のギアボックス等の破損でコース上にオイル類が散ってしまった場合は、安全性や公平性の観点から即座にレースが中止(赤旗)となり競走不成立となる。不成立となった競走の車券は、全額返還される。最終周回でこのような事態が起き、残った選手がゴール線を通過しても赤旗が振られることがあり、その場合も返還となる。
スムーズで安全なレース運営のために、以下の色々な旗が審判員によって振られる。
主な罰則の適用内容は以下の通り[17]。
| 項目 | 規制日数 |
|---|---|
| 試走中他の選手を落車させた場合 | 1日 |
| フライング(SG、GI及びGII優勝戦を除く) | |
| 出残り | |
| その他異常発走 | |
| 妨害行為(妨害の際に他の選手を落車させなかった場合) | |
| 競走戒告を6回出場中2回した場合 | |
| 試走戒告を6回出場中2回した場合 | |
| 故障に起因する妨害 | |
| 故障完走(着順が変化した場合) | |
| オイル漏れ(他の選手を落車させたり、次のレースの発走を遅らせた場合) | |
| ゴール後妨害 | |
| オイル漏れ(その競走が不成立になった場合) | 2日 |
| 項目 | 規制日数 |
|---|---|
| 後方スタート(優勝戦を除く) ※発走補助ラインに接地せず、かつ、発走合図が完了する前にスタートした場合 | 1日 |
| 妨害行為(妨害の際に他の選手を落車させた場合) | |
| 故障(2日間連続の故障) |
| 項目 | 規制日数 |
|---|---|
| フライングを9回出場中2回した場合 | 翌日及び後日1日 |
| 妨害行為を6回出場中2回した場合 | |
| 危険な走法(著しく危険な行為、同一レースにおける複数の妨害行為) | 翌日及び後日2日 |
| 項目 | 規制日数 |
|---|---|
| SG、GI及びGII優勝戦においてフライングした場合 | 次節 ※グレードレース等を除く |
| 普通開催優勝戦において後方スタートした場合 | |
| SG、GI及びGII優勝戦において後方スタートした場合 | 次節及び次々節 ※グレードレース等を除く |
| タイムアップ(3着以内の場合) | その節及び次節 |
| 周回誤認 | その節、次節及び次々節 |
※SG優勝戦フライングの場合、次回同一レース出場資格喪失
| 項目 | 規制日数 |
|---|---|
| 過去6ヵ月間に、妨害行為を6回行った者 | 選手あっせん規制委員会において審議決定する |
| 過去6ヵ月間に、フライングを5回行った者 | |
| 過去6ヵ月間に、後方スタートを3回行った者 |
オートレースの車券の賭式は以下の7種類と重勝式である
オートレースの控除率は競輪、競艇と同率の25 %だったが、第180回通常国会において、小型自動車競走法が改正され、2012年4月1日から施行されたことに伴い、以下のオートレース場では控除率が25 %から5 %引き上げられ30 %となる=払戻率は75 %から5 %引き下げられ70 %になった。
この控除率の5 %引き上げ(払戻率の5 %引き下げ)は、払戻金が5 %下がるのではなく、100票中10票的中の場合、払戻金は750円から700円に下がることを意味する(この場合、払戻金は6.66 %下がる)。
控除率引き上げ(払戻率引き下げ)後、売り上げは落ち込み(詳細はこちらを参照)、2015年度からSG開催(5開催)と特別GI(2開催)の2連勝単式の払戻率が80 %になる「BigRace80」を実施[24]。2016年度は、SG開催(5開催)及び各レース場で設定したレースにおいて、2連勝単式の払戻率が80 %になる「BigRace80+」を実施[25][26]。2017年度からは、全てのグレードレース(SG・特別GI・GI・GII)の第7レースの2連勝単式の払戻率が80 %になる「グレードレース セブン」を継続的に実施している[27]。
オートレースは1999年に初めて場外施設が開設されたものの2003年に廃止となる。その後統括団体がJKAとして統合されると、2012年から競輪の場外車券売場にオートレースの場外施設を併設するようになり、2021年10月現在は全て競輪場外車券売場と併設されている。
オートレースはこれまで日本小型自動車振興会が運営してきたが、2005年(平成17年)の閣議決定「行政改革の重要方針[28]」、及び、2007年(平成19年)6月13日に公布された「自転車競技法及び小型自動車競走法の一部を改正する法律」に基づき、2008年(平成20年)4月1日を以って解散し、同日を以ってオートレースに関する業務は財団法人JKAへと承継された[29]。
この財団法人JKAは、日本自転車振興会が日本小型自動車振興会を統合し、新たにオートレース事業を開始するにあたって名称を変更したもので、競輪とオートレースは同一の法人によって運営されることとなった。また、これに併せて各地の「自転車競技会」及び「小型自動車競走会」も、それぞれ2008年4月30日までに公益法人に移行した。
出典:[30]
オートレースの新型コロナウイルス感染拡大防止に関わる取り組みはこちらを参照
25期には元SMAPの森且行、29期にはMotoGP125 ccクラスの元世界チャンピオン青木治親らが活躍している。2011年には全日本ロードレース選手権GP250元チャンピオンの青山周平に加え、44年ぶりに女子選手2名が誕生した[注 27]。
2011年4月からハンデ戦の枠順方式を軽ハンデの選手から順に内枠に入り重ハンデの選手が外枠に入るように改められた[136]。
しかし、レジャーの多様化等公営競技全体の売り上げが低迷する中、オートレースも例外ではなく開催日削減、選手の賞金削減、競走会統合による組織のスリム化、一部業務の外部委託等ここ数年間で合理化が進められた。[要出典]
過去年間最高賞金記録は、2004年の高橋貢(伊勢崎オートレース場所属)による148,124,255円で、同じ公営競技ながら既に2億円プレイヤーが誕生している中央競馬、競輪、競艇と比べると低い。その理由は、オートレース場自体の数が少なく開催日も少ないことが要因の一つとされる。[要出典]だが、年間平均獲得賞金額で見ると、女子選手に限れば872万円(2018年)で、638万円(2018年)であったガールズケイリン選手よりは高い[137]。
また、2020年度オートレース総売り上げ額は946億4554万800円で、前年度比128.1 %と高い伸びを示した[138]。
2021年11月30日、JKAは2022年4月1日からのオートレースの基幹システム更改に伴う変更を発表。同じ選手が1日2レースに出場する「2回乗り」を実施するシステムを構築した。また、ナイターとミッドナイトの同一日開催が可能となった[139]。
2021年12月24日、2022年度のSG・特別G1の開催日程を発表。「オールスターオートレース」と「オートレースグランプリ」では、業界初の「6日制」で開催。また、「日本選手権オートレース」では、同競走初となるナイター競走で開催された[140][141]。
2022年3月14日終了時点で、2021年度のオートレース車券売上額が1000億6226万5600円となり、年度の車券売り上げ額が1000億円を突破したのは2008年度以来13年ぶりとなった[142]。最終的に、2021年度総売上額は1032億9495万2700円(前年度比109.1 %)となり、前年度からプラス86億4941万1900円で5年連続の増収となった。また、開催日数が前年度から65日増えたことに加えナイター開催が増収の大きな要因で、ミッドナイトオートレースが183億3731万6000円(前年度比134.7 %)、伊勢崎アフター5ナイターが29億1543万8100円(前年度比183.1 %)、川口ナイトレースが28億3334万8400円(前年度比183.1 %)の売り上げを記録した[143]。なお、これまでの総売上額の最高は1991年度の3497億7667万7200円[142]。
2022年8月8日、JKAより2022年10月から2023年3月までの開催日程が決定し、「GII オートレースメモリアル」の新設(浜松、2022年11月26日〜30日開催予定)、オートレース史上初の代替開催の実施(山陽オートレース場を借り上げて浜松市営ミッドナイトオートレース開催(2023年2月9日〜12日及び3月25日〜28日予定)を実施)を発表した[128]。
2022年12月9日、2023年度のSG・特別G1の開催日程が発表され、『スーパースターフェスタ(スーパースター王座決定戦)』を除く4つのSG[注 28]全てが「6日制」での開催となった[144]。
2023年度の総車券売上高は1091億3117万円となり、3年連続で1000億円を突破している[145]。
主なオートレースの記録は、オートレースの記録 を参照
選手で元SMAPメンバーの森且行[注 33](25期、川口オートレース場所属)がテレビCMやポスターに登場している。過去のイメージキャラクターは吉田真里子・小倉優子・菊川怜・藤岡弘・赤井英和・吉田拓郎・岡本夏生である。
また、下記の各オートレース場では、独自のイメージキャラクター(ガール)やマスコットキャラクター等が存在している。
公式イメージキャラクターの経験こそないが、歌手で作曲家だった平尾昌晃は、オートレース界に多大なる貢献を果たした[186]。
1961年(昭和36年)、平尾は、俳優で歌手だった山田真二から、「平尾ちゃんこれから空いてる。面白い所行かない」と誘われ、当時存在した大井オートレース場に連れていかれた。すると「エレキギターの音やスピード感のあるロックのリズムに似ている。若い頃からスピード好きだったが、一瞬でとりこになってしまった」と述べた。
これをきっかけに、平尾はオートレースに嵌るようになり、その後、平尾はオートレースファンの有識者代表として、日本小型自動車振興会の幹部とも度々会い、そこで、「選手が入場しているのに、音楽がないと寂しくないですか。競馬でも入場してくる時のテーマ曲やファンファーレがあるじゃないですか」と進言し、後に、自らオートレースのファンファーレの作曲を手掛けるようになった。加えて平尾は、川口オートレース場のイメージソングである「ぶっちぎりの青春」の作曲も手掛けた。
一方、日本小型自動車振興会(現:JKA)は、平尾に表彰選手の選考委員やオートレース活性化の提言専門委員会の委員を歴任してもらうなど、長年に亘って平尾との関係を築いた[187]。
2018年12月、2017年7月21日に逝去した平尾昌晃の長年に渡るオートレース界への貢献を讃え、「スーパースターフェスタ2018」(12月27日〜12月31日)内で開催される「スーパースターシリーズ戦」を「スーパースターシリーズ戦 平尾昌晃杯」と改称して実施された[188][189]。
| オートレース場 |
| ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| レース |
| ||||||