イタリア共和国の国章(伊:Stemma della Repubblica Italiana)は、1948年1月31日にイタリア共和国の制憲議会で議決され、初代共和国大統領エンリコ・デ・ニコラにより1948年5月5日に公布された[1](法令535号、decreto legislativo n. 535)。ヨーロッパの伝統的な紋章学の体系に沿って作られていないため、紋章 (伊:Stemma,英:Coat of arms) というよりエンブレム(Emblema della Repubblica Italiana)というほうが正確である。
エンブレムの最も重要な部分である白い五芒星は、イタリアの世俗の象徴で「Stellone d'Italia(イタリアの星(イタリア語版))」と呼ばれる。国家の守りとしての意味をもち、1870年から1890年までのイタリア王国国章のクレスト(兜飾り)部分にあしらわれていた[2]。イタリア王国成立以前のイタリア統一運動に使われた図像では、イタリア・トゥリッタ(Italia Turrita、イタリアを擬人化した女性像で「塔のイタリア」を意味する)の頭上にこの白い星が輝いていた。白い星は、第二次大戦後のイタリア復興に寄与した者に贈られた「イタリア連帯の星騎士団勲章」(Ordine della Stella della Solidarietà Italiana)にもあしらわれ、またイタリア軍人であることを示すためにも使われる。