Movatterモバイル変換


[0]ホーム

URL:


コンテンツにスキップ
Wikipedia
検索

アントラセン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アントラセン
Skeletal formula and numbering system of anthracene
Skeletal formula and numbering system of anthracene
Ball-and-stick model of the anthracene molecule
Anthracene
Anthracene
物質名

Anthracene

識別情報
3D model (JSmol)
バイルシュタイン1905429
ChEBI
ChEMBL
ChemSpider
DrugBank
ECHA InfoCard100.003.974ウィキデータを編集
EC番号
  • 217-004-5
Gmelin参照67837
KEGG
RTECS number
  • CA9350000
UNII
  • InChI=1S/C14H10/c1-2-6-12-10-14-8-4-3-7-13(14)9-11(12)5-1/h1-10H 
    Key: MWPLVEDNUUSJAV-UHFFFAOYSA-N 
  • InChI=1/C14H10/c1-2-6-12-10-14-8-4-3-7-13(14)9-11(12)5-1/h1-10H
    Key: MWPLVEDNUUSJAV-UHFFFAOYAK
  • c1ccc2cc3ccccc3cc2c1
性質
C14H10
モル質量178.234 g·mol−1
外観無色針状結晶
匂いやや芳香
密度1.28 g/cm3 (25 °C)[1]
0.969 g/cm3 (220 °C)
融点216 °C (421 °F; 489 K)[1] at 760 mmHg
沸点341.3 °C (646.3 °F; 614.5 K)[1] at 760 mmHg
0.022 mg/L (0 °C)
0.044 mg/L (25 °C)
0.29 mg/L (50 °C)
0.00045% w/w (100 °C, 3.9 MPa)[2]
溶解度エタノール、ジエチルエーテル、アセトン、ベンゼン、クロロホルム[1]、二硫化炭素[3]に溶ける。
エタノールへの溶解度0.76 g/kg (16 °C)
19 g/kg (19.5 °C)
3.28 g/kg (25 °C)[3]
メタノールへの溶解度18 g/kg (19.5 °C)[3]
ヘキサンへの溶解度3.7 g/kg[3]
トルエンへの溶解度9.2 g/kg (16.5 °C)
129.4 g/kg (100 °C)[3]
四塩化炭素への溶解度7.32 g/kg[3]
log POW4.56
蒸気圧0.01 kPa (125.9 °C)
0.1 kPa (151.5 °C)[4]
13.4 kPa (250 °C)[5]
0.0396 L·atm/mol[6]
λmax345.6 nm, 363.2 nm[5]
磁化率−129.8×10−6 cm3/mol[7]
熱伝導率0.1416 W/(m·K) (240 °C)
0.1334 W/(m·K) (270 °C)
0.1259 W/(m·K) (300 °C)[8]
粘度0.602 cP (240 °C)
0.498 cP (270 °C)
0.429 cP (300 °C)[8]
構造
単斜晶系 (290 K)[9]
P21/b[9]
D5
2h
[9]
a = 8.562 Å,b = 6.038 Å,c = 11.184 Å[9]
α = 90°, β = 124.7°, γ = 90°
熱化学[10]
標準定圧モル比熱,Cp210.5 J/(mol·K)
標準モルエントロピーS207.5 J/(mol·K)
標準生成熱fH298)
129.2 kJ/mol
標準燃焼熱 ΔcHo7061 kJ/mol[5]
危険性
GHS表示:
急性毒性(低毒性)水生環境への有害性[11]
Warning
H302,H305,H315,H319,H335,H410[11]
P261,P273,P305+P351+P338,P501[11]
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
引火点121 °C (250 °F; 394 K)[11]
540 °C (1,004 °F; 813 K)[11]
致死量または濃度 (LD, LC)
100-149 mg/kg (ラット, 経口)
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
 verify (what is ☒N ?)

アントラセン(anthracene)は、分子式 C14H10分子量 178.23 の有機化合物の一種で、ベンゼン環が3個縮合したアセン系多環芳香族炭化水素融点は 218 ℃、沸点は 342 ℃ で、昇華性がある。CAS登録番号は [120-12-7]。1832年、ジャン=バティスト・デュマによって発見された[13]

工業的にはコールタールから分離精製することで生産されており、アントラキノン還元テトラブロモベンゼンベンゼンの縮合反応によって合成することもできる[13]木材保存剤に用いられるアントラセン油やクレオソート油に含まれており[14][15]殺虫剤ガソリンの安定剤などに用いられる[13]。三重項の増感剤または消光剤として用いられることがある。また赤い色素であるアリザリンの原料ともなっている[13]。無色の固体であるが、紫外線を照射すると青い蛍光を発する。また、シンチレーション材料(シンチレータ)として用いられることがある。

ベンゼン環が折れ曲がって縮合した異性体であるフェナントレンの方が生成熱が大きく、いわゆる安定な化合物である。

反応

[編集]

アントラセンは光反応性を持ち、紫外線により光二量化反応を起こす。

アントラセン二量体

この二量体は [4+4] 環化反応の結果、2つの共有結合により繋がっている。この二量体を加熱するか、300nm以下の波長の紫外線を照射すれば、単量体へと戻すことができる。この可逆的な結合とフォトクロミックの性質が、様々なアントラセン誘導体の応用の基礎となっている。この反応は酸素に敏感である。

中央の環の反応性が高く、芳香族求電子置換反応は主に9,10位で起こる。また、容易に酸化されてアントラキノン (C14H8O2) を生成する。

安全性

[編集]

皮膚に対する刺激性がある[16]IARCの発がん性評価ではグループ3の発がん性の評価ができない物質に分類されており、染色体異常試験やDNA損傷試験などでは陰性の報告が多くなされているが、チャイニーズハムスターの肺細胞やシリアンゴールデンハムスターの腎細胞など限られた条件での陽性の報告もわずかながら存在している[17]。しかしその有毒性、難分解性、生体蓄積性への懸念から、2008年10月9日に欧州化学物質庁(ECHA)が最初に発表した高懸念物質SVHC(Substances of very high concern)候補リスト15種の1つとされた[18]

出典

[編集]
  1. ^abcdHaynes, p. 3.28
  2. ^Haynes, p. 5.157
  3. ^abcdefSeidell, Atherton; Linke, William F. (1919). Solubilities of Inorganic and Organic Compounds (2nd ed.). New York: D. Van Nostrand Company. pp. 81. https://archive.org/details/solubilitiesino01seidgoog 
  4. ^Haynes, p. 6.116
  5. ^abcAnthracene in Linstrom, P.J.; Mallard, W.G. (eds.)NIST Chemistry WebBook, NIST Standard Reference Database Number 69. National Institute of Standards and Technology, Gaithersburg MD.http://webbook.nist.gov
  6. ^Haynes, p. 5.157
  7. ^Haynes, p. 3.579
  8. ^abProperties of Anthracene”. www.infotherm.com. Wiley Information Services GmbH. 2014年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年6月22日閲覧。
  9. ^abcdDouglas, Bodie E.; Ho, Shih-Ming (2007). Structure and Chemistry of Crystalline Solids. New York: Springer Science+Business Media, Inc.. p. 289. ISBN 978-0-387-26147-8. https://books.google.com/books?id=hYRCAAAAQBAJ&pg=PA289 
  10. ^Haynes, p. 5.41
  11. ^abcdeSigma-Aldrich Co.,Anthracene.
  12. ^MSDS of Anthracene”. www.fishersci.ca. Fisher Scientific. 2014年6月22日閲覧。
  13. ^abcd八田力二郎 著、化学大辞典編集委員会(編) 編『化学大辞典』 1巻(縮刷版第26版)、共立、1981年10月、506頁頁。 
  14. ^八田力二郎 著、化学大辞典編集委員会(編) 編『化学大辞典』 1巻(縮刷版第26版)、共立、1981年10月、507頁頁。 
  15. ^クレオソート油とは”. 東京都福祉保健局. 2012年3月17日閲覧。
  16. ^ 国際化学物質安全性カード アントラセン ICSC番号:0825 (日本語版), 国立医薬品食品衛生研究所, https://chemicalsafety.ilo.org/dyn/icsc/showcard.display?p_card_id=0825&p_version=2&p_lang=ja 2012年3月16日閲覧。 
  17. ^化学物質の環境リスク評価 第5巻” (pdf). (II)化学物質の環境リスク初期評価(23物質)の結果[2]アントラセン. 環境省. pp. 9-10. 2012年3月17日閲覧。
  18. ^AGREEMENT OF THE MEMBER STATE COMMITTEE ON IDENTIFICATION OF ANTHRACENE AS A SUBSTANCE OF VERY HIGH CONCERN” (pdf). 欧州化学物質庁 (2008年10月8日). 2012年3月17日閲覧。

参考文献

[編集]

関連項目

[編集]
ウィキメディア・コモンズには、アントラセンに関連するメディアがあります。
単環
三員環
五員環
六員環
七員環
九員環
十八員環
二環
五員環+五員環
五員環+六員環
六員環+六員環
五員環+七員環
2環
3環
4環
5環
6環以上
国立図書館
その他
スタブアイコン

この項目は、化学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めていますプロジェクト:化学Portal:化学)。

https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=アントラセン&oldid=107093687」から取得
カテゴリ:
隠しカテゴリ:

[8]ページ先頭

©2009-2026 Movatter.jp