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ブリュッセル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
曖昧さ回避この項目では、ブリュッセル首都圏地域について説明しています。ブリュッセル首都圏地域内の基礎自治体については「ブリュッセル市」をご覧ください。
ブリュッセル首都圏地域
:Région de Bruxelles-Capitale
:Brussels Hoofdstedelijk Gewest
ブリュッセル首都圏地域の市旗ブリュッセル首都圏地域の市章
地域地域
愛称 : 欧州の首都
位置
ブリュッセルの位置の位置図
ブリュッセルの位置
位置
ブリュッセルの位置(ブリュッセル内)
ブリュッセル
ブリュッセル
ブリュッセル (ブリュッセル)
ブリュッセルの地図を表示
ブリュッセルの位置(ベルギー内)
ブリュッセル
ブリュッセル
ブリュッセル (ベルギー)
ベルギーの地図を表示
ブリュッセルの位置(ベネルクス内)
ブリュッセル
ブリュッセル
ブリュッセル (ベネルクス)
ベネルクスの地図を表示
地図
座標 :北緯50度50分37秒東経4度21分27秒 / 北緯50.84361度 東経4.35750度 /50.84361; 4.35750
歴史
定住580年
創設979年
地域成立1989年6月18日
行政
ベルギーの旗ベルギー
 地域ブリュッセル首都圏地域
首相ルディ・ヴェルヴォールト
社会党
地理
面積 
  地域161.38km2
標高13m
人口
人口2023年1月1日現在)
  地域1,241,175[1]
    人口密度  7,691人/km2
その他
等時帯中央ヨーロッパ時間 (UTC+1)
夏時間中央ヨーロッパ夏時間 (UTC+2)
ISO 3166-2BE-BRU
公式ウェブサイト :be.brussels
ブリュッセル市庁舎

ブリュッセル首都圏地域フランス語:Région de Bruxelles-Capitaleオランダ語:Brussels Hoofdstedelijk Gewest英語:Brussels-Capital Region)、通称ブリュッセルフランス語:Bruxelles[bʁysɛl] (音声ファイル)オランダ語:Brussel[ˈbrʏsəɫ] (音声ファイル)ドイツ語:Brüssel[ˈbʀʏsl]英語:Brussels[ˈbɹʌs(ə)ɫ̩z]、ブラッセル)は、ベルギー首都。域内に憲法上の首都であるブリュッセル市があるが、実際にはブリュッセル首都圏地域全体で首都機能を果たしている。名称は「湿地(bruoc、bruc、broek)」、「(sella、zele)」という単語から来ている。

人口124万人(2023年[1]。面積は161km2と比較的狭く、約30km2の森林地域を除いて、その領域のほとんどが市街化されている。

概要

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ベルギーの連邦構成主体の一つであるブリュッセルは19の基礎自治体から構成され、その一つが憲法上の首都であるブリュッセル市:Ville de Bruxelles:Stad Brussel)である。フランスパリの20の行政区と比較されることもあり「小パリ」とも呼ばれている。しかし、パリとは違い全体を統括する「市長」がいないのが特徴である(ブリュッセル全体を統括する人物は「ブリュッセル首都圏地域政府首相フランス語版オランダ語版英語版」である)。

2013年に行われたアメリカのダウ・ジョーンズらによる調査は、ブリュッセルを世界24位の金融センターと評価している[2]。2019年、アメリカのシンクタンクが公表したビジネス人材文化政治などを対象とした総合的な世界都市ランキングにおいて、世界第12位の都市と評価されており、特に政治的評価が高かった[3]

ブリュッセルはフランス語オランダ語の公式な2言語地域であり、市民は多数のフランス語話者(85%から90%を占める)と少数のフラマン語話者(10%から15%を占める)に分かれるため、街中にある看板、標識、駅名などは、フランス語、オランダ語の二ヶ国語表示が義務付けられている。市民は話す言語によって通う学校などが異なり、フランス語、オランダ語話者に対する文教、言語政策についてはそれぞれフランス語共同体政府とフランデレン政府が担当する。ブリュッセルはベルギーを南北に分割する言語境界線の北側にあり[4]、フランデレン地域の首都でもあり、フランデレン地域の政府と議会が置かれている。

フラマン系とワロン系の2大民族のほかにも、欧州委員会など多くの国際機関があるため、欧州連合加盟国出身者が多く住んでいる。近年は旧ベルギー植民地(コンゴ民主共和国ルワンダブルンジ)だけでなくマグリブ(特にモロッコ)、トルコイランパキスタン南アメリカなどからの労働者が増えており、国際色豊かで多民族的な地域となっている。移民は一般にフラマン語ではなくフランス語を学ぶ傾向がある。言語政策のあおりを受け、1969年には、1834年創立のブリュッセル自由大学はフランス語系のUniversité libre de Bruxelles(ULB)とオランダ語系のVrije Universiteit Brussel(VUB)に分離した。

歴史

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都市名は、オランダ語で「の村」を意味するブルークゼーレに由来するといわれ、新石器時代紀元前2250年ごろから農耕民族が住んでいた。やがてローマ文化を受け入れたガリア人が、センヌ渓谷の沼沢地に定住してローマ帝国属領とし、紀元前1世紀から2世紀にかけて荘園を増やしていった。

12世紀には、地理的な利点を最大限に活かし、交易交通の中継点として商業手工業で栄え、職人や貿易商たちは事業を確立していき、貴族たちは要塞を築いて土地の所有権を宣言した。1312年1356年にはブラバント公特許状を得ることで、ブリュッセルの交易や産業はさらに発展した。やがてブリュッセルは、現在のベルギーのフランデレン地域ワロン地域の一部、オランダ北ブラバント州を包括していたブラバント公国の最も重要な都市となっていった。

1383年ブラバント公国の宮廷がルーヴァンからこの地に移され、その後4世紀間にわたって変転するヨーロッパの政治の中心地として繁栄した。1430年ブルゴーニュ公国の支配下に置かれ、シャルル豪胆公の死後の1477年からは、フランシュ=コンテネーデルラント諸州と共に、シャルル豪胆公の娘マリーと結婚したハプスブルク家マクシミリアン1世の領土となった。ブリュッセルとブラバント公国は、ラテン語文化圏とゲルマン語文化圏の境界であったが、ハプスブルク家の支配はスペイン領ネーデルラントにおいて、ロマンス語の衰退をもたらした。

1555年にハプスブルク家の神聖ローマ皇帝スペインカール5世が退位し、息子のフェリペ2世に統治を譲る。ブリュッセルの市民は、スペインに住むこの新しい君主に、宗教、文化、階級の違いからことごとく反発し、暴動を起こした。次第に信奉者が増えていくプロテスタントに対して、カトリックを信奉するスペイン・ハプスブルク家は厳しい弾圧をもってのぞんだ。この宗教的対立は、聖像破壊運動を経てついにプロテスタントの反乱、宗教改革となった。1567年この地域へ派遣されたスペインのネーデルラント総督アルバ公フェルナンド・アルバレス・デ・トレドは、ブリュッセルに司令部をおいて反乱を鎮圧した。彼の恐怖政治によって、エフモント伯ラモラールホールネ伯らがここで処刑された。

1576年、ブリュッセルはスペインの支配を脱し、勝利をおさめたネーデルラント連邦共和国に入ったが、1585年にはアレッサンドロ・ファルネーゼが指揮するスペイン軍に攻略され、再びスペイン領ネーデルラントに加えられる。1792年にはフランス革命軍によって占拠され、ナポレオン戦争が終結する1815年までフランスの支配下にあった。1815年ウィーン議定書によって、現在のベルギーとオランダを含むネーデルラント連合王国の都市となった。

1830年、ブリュッセルの王立モネ劇場オペラの上演中に興奮した観客が暴動を起こし、ベルギー独立革命の引き金を引いた。革命に際しては、ブリュッセルはその中心地となり、1831年ベルギー王国の首都となった。

1940年5月10日ナチス・ドイツはベルギーに侵攻を開始、同月5月17日にはドイツ軍はブリュッセル郊外に達した。連合国側は兵をブリュッセル西方に引き、ブリュッセルはさして抵抗のないまま陥落した[5]

かつてブリュッセルは市街地の南北に鉄道のターミナル駅をもち、市の中心部は鉄道網から疎外されていた。1860年代、この間隔に線路を敷設しようという計画がもちあがった。しかし用地の買収は困難を極めた。戦後の1952年に漸く完成し、ブリュッセル中央駅が誕生した。翌年、ブラッセル・コンベンションが誕生した。1958年万国博覧会を開催し、北大西洋条約機構欧州委員会の本部をブリュッセルへと誘致した。

[icon]
この節の加筆が望まれています。

1971年8月15日の週末、グラン=プラスで、初めてのフラワーカーペットが開催される。その後フラワーカーペットは不定期に催され、現在は2年に1回、西暦が偶数年の時に開催されている[6]

2014年11月6日に、緊縮財政政策に反対する12万人規模のデモが行われ、警察が放水車や催涙ガスで応酬した[7]

2016年3月22日には、ブリュッセル空港と地下鉄駅において、ISIL(イラク・レバントのイスラム国)による連続爆破テロ事件が起きた。

気候

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ケッペンの気候区分によると、ブリュッセルの気候西岸海洋性気候(Cfb)に属する。過去100年平均で、年間で200日は降雨がある。

北緯50度に位置するにもかかわらず、北大西洋海流の影響により、冬季の気温が高い。低緯度である北緯35度から北緯40度に位置する飛騨地方長野県東北地方よりも冬季の日平均気温と平均最低気温が高く、降雪量も少ない。

ブリュッセルの気候
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
平均最高気温°C°F5.7
(42.3)
6.6
(43.9)
10.4
(50.7)
14.2
(57.6)
18.1
(64.6)
20.6
(69.1)
23.0
(73.4)
22.6
(72.7)
19.0
(66.2)
14.7
(58.5)
9.5
(49.1)
6.1
(43)
14.2
(57.6)
日平均気温°C°F3.3
(37.9)
3.7
(38.7)
6.8
(44.2)
9.8
(49.6)
13.6
(56.5)
16.2
(61.2)
18.4
(65.1)
18.0
(64.4)
14.9
(58.8)
11.1
(52)
6.8
(44.2)
3.9
(39)
10.54
(50.97)
平均最低気温°C°F0.7
(33.3)
0.6
(33.1)
2.9
(37.2)
4.8
(40.6)
8.9
(48)
11.5
(52.7)
13.6
(56.5)
13.4
(56.1)
10.8
(51.4)
7.6
(45.7)
3.7
(38.7)
1.9
(35.4)
6.7
(44.1)
降水量 mm (inch)76.1
(2.996)
63.1
(2.484)
70.0
(2.756)
51.3
(2.02)
66.5
(2.618)
71.8
(2.827)
73.5
(2.894)
79.3
(3.122)
68.9
(2.713)
74.9
(2.949)
76.4
(3.008)
81.0
(3.189)
852.4
(33.559)
平均降水日数19.216.317.815.916.215.014.314.515.716.618.819.3199
湿度86.682.578.572.573.274.174.375.580.984.688.288.880
平均月間日照時間597711415919118820119014311366451,546
出典:KMI/IRM[8]

行政

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ブリュッセルは地理的にはベルギーの言語境界の北側、フランデレン地域に位置するものの、住民の8割はフランス系であり、この地の扱いがフラマン・ワロン両民族の対立の焦点となっていた。1932年の言語法によってベルギーはフラマン語地域とフランス語地域に分けられたが、ブリュッセルは特別地域として両言語併用の2言語地域とされた。1963年にはブリュッセルに属する19自治体が2言語地域とされた。1970年にはベルギーはフラマン、ワロン、ブリュッセルの3地域に分けられることとなったが、ブリュッセルの扱いにおいて両民族間に対立が生じた。ブリュッセルはフランス語系住民が多く、ブリュッセルをほかの地域と対等とすると、総人口で劣勢なフランス語系がベルギー3地域のうち2地域で優勢を占めることとなる。それを避けたいフラマン系と、影響力を残したいワロン系の論争となったのである。結局、東部のドイツ語共同体にも行政府と議会を設け、「地域」(地理区分)と「共同体」(言語区分)の2本立ての政府を作ることで両勢力に妥協が成立し、1989年には19自治体を領域とするブリュッセル首都地域行政府、ならびに議会が開設された。そして1993年には3つの言語共同体と3つの地域政府からなる国家としてベルギーは完全に連邦化された[9]

現在、ブリュッセルにはベルギー連邦政府(中央政府)とブリュッセル首都地域政府が置かれているほか、フランデレン地域共同体政府(フランデレンでは言語共同体政府と地域政府は統合している)の政府および議会もおかれている。また、フランス語共同体政府の政府・議会もブリュッセルにあるが、ワロン地域政府は南のナミュールにおかれている[10]

言語・移民

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行政上では公用語はフランス語とオランダ語(フラマン語)の二言語併用都市となっているが、市内の人口統計によると88%の市民がフランス語を母語とするフランス語圏となっている。一方、オランダ語を家庭で話すブリュッセル首都圏地域の住民はわずか5%に過ぎない。さらに、市内でオランダ語が流暢に理解できる市民の割合も低下しており2000年の33%から2013年の22%にまで減少している。移民はたいていオランダ語ではなくフランス語を習得するので二言語国家のベルギーの首都でありながらオランダ語の通用度が十分ではないとされる。このことはより一層オランダ語系住民の郊外への流出を促しているともいえる。しかし、歴史的にはフランデレン地域に位置するフラマン語(オランダ語)地域であったが、フランス語化が進みフラマン語圏に囲まれたフランス語圏の孤島となっている。したがって中心部がフランス語圏であってもフランデレン地域に位置する郊外となるとオランダ語圏へと変わる。フラマン系住民はブリュッセル近郊のオランダ語圏のフランデレン地域自治体に住みながら、ブリュッセル中心部へ通勤しそこでは業務や会話ではフランス語を使用するという人が多い。

また、欧州各地、中近東やアフリカからの移民も非常に多く外国に出自を持つ市民の割合は市内人口の74.3%にも達っし、純粋なベルギー人はわずか23.4%に過ぎない。欧州域内だとフランス、ルーマニア、イタリア、スペイン、ポーランド、ポルトガル出身者が多い。欧州域外からの移民も多く特にモロッコシリアからの移民が多いことからアラビア語も広く話されており、家庭で話される言語がフランス語とオランダ語以外の言語の割合は17%に及ぶ。非欧州圏からだと前述のモロッコ、シリアに加えてトルコインドギニアブラジル、さらに旧ベルギー植民地のコンゴ民主共和国ルワンダブルンジからの移民が多く、ブリュッセル市民の4割強が非欧州からの移民で構成されている。

基礎自治体

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1
2
3
4
4
5
6
7
8
9
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19

ブリュッセルは以下の19の基礎自治体から構成されている。

番号市旗市章日本語表記フランス語オランダ語郵便番号[11]人口[12]
(2014年)
面積
(km2)
人口密度
(人/km2)
1アンデルレヒトAnderlechtAnderlecht1070115,17817.76,507[13]
2オーデルゲムAuderghemOudergem116032,5609.03,618[14]
3シント=アガタ=ベルヒェムBerchem-Sainte-AgatheSint-Agatha-Berchem108223,6902.98,169[15]
4ブリュッセル市Ville de BruxellesStad Brussel1000  1020
1040  1050
1120  1130
170,40732.65,227[16]
5エテルベークEtterbeekEtterbeek104046,4273.114,976[17]
6エーヴェレEvereEvere114037,9575.07,591[18]
7フォレForestVorst119054,5246.28,794[19]
8ガンショランGanshorenGanshoren108323,8362.59,534[20]
9イクセルIxellesElsene105083,3326.313,227[21]
10ジェットJetteJette109050,2375.010,047[22]
11ククルベルクKoekelbergKoekelberg108121,3171.217,764[23]
12シント=ヤンス=モーレンベークMolenbeek-Saint-JeanSint-Jans-Molenbeek108094,8545.916,077[24]
13サン=ジルSaint-GillesSint-Gillis106050,4602.520,184[25]
14サン=ジョス=テン=ノードSaint-Josse-ten-NoodeSint-Joost-ten-Node121027,4471.124,952[26]
15スカールベークSchaerbeekSchaarbeek1030131,6048.116,247[27]
16ユクルUccleUkkel118081,08922.93,541[28]
17ワーテルマール=ボワフォールWatermael-BoitsfortWatermaal-Bosvoorde117024,40812.91,892[29]
18ウォリュウェ=サン=ランベールWoluwe-Saint-LambertSint-Lambrechts-Woluwe120053,3187.27,405[30]
19ウォリュウェ=サン=ピエールWoluwe-Saint-PierreSint-Pieters-Woluwe115040,8418.94,589[31]

EUの首都

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欧州議会

ヨーロッパの中央部にあり、各大国から近く交通の要衝にある上に小国の首都であるブリュッセルには、ヨーロッパ全域にまたがる国際機関の本部が多く置かれている。中でも最も重要なものは、欧州連合の諸機関である。欧州委員会はブリュッセルにあるベルレモン庁舎その他の市内の庁舎に、欧州連合理事会事務局は同じくブリュッセル、ベルレモンの向かいにあるユストゥス・リプシウス庁舎に置かれている。欧州議会の本会議は本部のあるストラスブールで開かれるが、ブリュッセルにも1989年エスパース・レオポルド会議場が建設され、欧州連合諸機関との連携がとりやすいことから現在では欧州議会の会議の4分の3がブリュッセルで開かれている。欧州連合に明示的な本部の指定はないが、こうしたことからブリュッセルは事実上の欧州連合本部所在地とされている。ブリュッセルで働く欧州連合職員の数は、30,520人に上る[32]

ブリュッセルに欧州連合の施設が多く立地するのは、その前身である欧州原子力共同体の本部や欧州経済共同体の多くの施設がブリュッセルに置かれていたからである。これに欧州石炭鉄鋼共同体を加えた3機構が1967年7月1日にブリュッセル条約によって統合され、欧州諸共同体体制が発足。このときに各委員会の部局がブリュッセルに置かれることとなり、1969年にはそれを収容するためにベルレモンビルも建設された。

北大西洋条約機構 (NATO) の本部もブリュッセルにある。これは、1966年にフランスのシャルル・ド・ゴール大統領がNATOからの脱退を宣言し、それまで本部のあったパリからの移転を余儀なくされたNATOをベルギー政府が誘致したものである。現在、本部はブリュッセルの北部にあるエヴェレ地区におかれている。また、ベネルクス経済連合コインブラ・グループ (Coimbra Group)(ヨーロッパの大学連盟)の本部もブリュッセルに存在する。

日本は欧州連合にもNATOにも加盟していないが、政府代表部をブリュッセルに置いている。またアメリカ合衆国通商代表部の事務所が置かれている。

ユーロクリア国際銀行間通信協会に加え、ロスチャイルドグループ・ブリュッセル・ランバート本部とソフィナ英語版フランス語版[注釈 1]本部まで抱える[注釈 2]

16世紀より欧州郵便網(帝国郵便)の起点であった歴史を持つ。1893年、フレンチ・コロニアル・ユニオンジョゼフ・シェレが国際植民地学院[注釈 3]の設立を提唱し、翌年に議会の承認を得た。学院は、植民地の行政・法制を比較研究する目的でブリュッセルにおかれた[注釈 4]

食文化

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ブリュッセルは世界有数の美食の都として知られ、特にグラン=プラスの北側にあるイロ・サクレ地区には多数のレストランが集まり、地元住民や観光客が多く訪れる。

また、ブリュッセルはベルギー・チョコレートの中心でもあり、ノイハウスゴディバピエールマルコリーニ、ヴィタメール、レオニダス、ガレといった有名店が軒並みブリュッセルに本店を構えている。また、ベルギー・ワッフルでも知られている。ワッフルには四角でやわらかくて大きく、上にソースやアイスクリームを乗せるブリュッセル・ワッフルと、丸くて焼いて食べるリエージュ・ワッフルがあるが、ブリュッセルではレストランでブリュッセル・ワッフルを、スタンドでリエージュ・ワッフルを、どちらも食べることができる。

見所

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グラン=プラス
フラワーカーペット(夜景)
  • サン・ミッシェル大聖堂
    サン・ミッシェル大聖堂
  • ギャルリー・サン・チュベール
    ギャルリー・サン・チュベール
  • 小便小僧

交通

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鉄道

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市内中心部には三つの鉄道ターミナル駅がありそれぞれ北南接続線で結ばれている。

空港

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市内交通

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ブリュッセル首都圏交通 (STIB/MIVB) によってブリュッセル地下鉄プレメトロ (premetro)ブリュッセル市電やバス路線が一体となって運行されている。市内では、2003年にはカーシェアのサービスが、2006年には自転車シェア(自転車レンタル)のシステムが導入された。

スポーツ

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ブリュッセル出身の人物

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→詳細は「Category:ブリュッセル出身の人物」を参照

姉妹都市

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その他

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2005年8月26日、エチオピアのケネニサ・ベケレが同地に位置するボードゥアン国王競技場にて行われたメモリアルヴァンダムの男子10000m走で26分17秒53の世界新記録を打ち立てた。

脚注

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[脚注の使い方]

注釈

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  1. ^ベルギー資本とAEGが1898年に設立し、後にゼネラル・エレクトリックも参加した、金融と電気事業のコングロマリットまたは独占体である。フランスのトムソン・ハウストンおよびSOCIÉTÉ CENTRALE POUR L’INDUSTRIE ÉLECTRIQUE、それからドイツのGesellschaft für elektrische Unternehmungen と資本関係があった。節税のためカナダに子会社を展開したことをきっかけに、現地の政治経済から影響を受けるようになった。子会社と呼ぶには大きすぎる多国籍企業を二つ抱えている。一つはアルフレッド・ルーヴェンスタインがつくったSIDRO、そしてマドリードCHADE(AEGが設立、シーメンスも参加)である。
  2. ^多国籍企業の多くが本店・支店を構える一方で、Cantillon Brewery のような地場産業もある。
  3. ^仏語 l'Institut colonial international 英語 International colonial institute
  4. ^パリを主体に植民地の行政官、学者、政治家が集い、そこにはジャン=バティスト・デカンも含まれた。:MS IIIC, D.IV. 89: note '20e session, à Bruxelles sous la présidence du Prince Léopold' (1929).

出典

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  1. ^abStructuur van de bevolking”. ベルギー統計局. 2024年5月22日閲覧。
  2. ^Xinhua-Dow Jones International Financial Centers Development Index(2013) 2013年9月15日閲覧。
  3. ^Read @Kearney: A question of talent: how human capital will determine the next global leaders” (英語). www.kearney.com. 2020年2月15日閲覧。
  4. ^「ビジュアルシリーズ世界再発見4 イギリス・中央ヨーロッパ」p75 ベルテルスマン社、ミッチェル・ビーズリー社編 同朋舎出版 1992年5月20日第1版第1刷発行
  5. ^ベルギーの首都ブリュッセル陥落(『東京日日新聞』昭和15年5月19日夕刊)『昭和ニュース辞典第7巻 昭和14年-昭和16年』p368 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
  6. ^ベルギー・ブリュッセルのフラワーカーペットの歩み”. 株式会社ユーレックス (2018年7月16日). 2024年9月24日閲覧。
  7. ^WSJブリュッセルで緊縮財政に抗議する大規模デモ―数十人負傷、催涙ガスも 2014年11月7日 13:37 JST
  8. ^Monthly normals for Uccle, Brussels”. KMI/IRM. 2012年6月11日閲覧。
  9. ^「世界民族問題事典」(新訂増補)p1030 平凡社 2002年11月25日新訂増補第1刷
  10. ^「ベルギーを知るための52章」pp112-114 小川秀樹編著 明石書店
  11. ^Belgium - postal codes”. Geonames (2007年). 2008年8月4日閲覧。
  12. ^Évolution annuelle de la population par sexe” (XLS). Institut Bruxellois de Statistique et d'Analyse (2014年7月9日). 2014年12月5日閲覧。
  13. ^Anderlecht”. Région bruxelloise - Brussels Gewest. 2014年12月5日閲覧。
  14. ^Auderghem”. Région bruxelloise - Brussels Gewest. 2014年12月5日閲覧。
  15. ^Berchem-Sainte-Agathe”. Région bruxelloise - Brussels Gewest. 2014年12月5日閲覧。
  16. ^City of Brussels”. Région bruxelloise - Brussels Gewest. 2014年12月5日閲覧。
  17. ^Etterbeek”. Région bruxelloise - Brussels Gewest. 2014年12月5日閲覧。
  18. ^Evere”. Région bruxelloise - Brussels Gewest. 2014年12月5日閲覧。
  19. ^Forest”. Région bruxelloise - Brussels Gewest. 2014年12月5日閲覧。
  20. ^Ganshoren”. Région bruxelloise - Brussels Gewest. 2014年12月5日閲覧。
  21. ^Ixelles”. Région bruxelloise - Brussels Gewest. 2014年12月5日閲覧。
  22. ^Jette”. Région bruxelloise - Brussels Gewest. 2014年12月5日閲覧。
  23. ^Koekelberg”. Région bruxelloise - Brussels Gewest. 2014年12月5日閲覧。
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