主人公である少女の失われた記憶をたどるアドベンチャーゲーム。少⼥には触ったモノの記憶を読み取る⼒があり、それを頼りに謎を解き、⾃⾝の記憶を取り戻していく。作者は、ほぼ一人で4年かけて本作を制作した。グラフィックスタイルとして用いられているピクセルアートは、2000年代半ば以降インターネット上で再評価、およびネット世代のクリエイターによる制作が活発化しており、本作はそうした同時代性も感じさせる。幻想的な世界観をつくるグラフィック上の大きな特徴を持つ一方で、誰にでも謎解きできるようヒントがつくり込まれ、ユーザーインターフェースもわかりやすく設計されるなど、多くの人が楽しめるゲームバランスにも配慮されている。