◆
野田佳彦内閣がスタートして、様々な論評を受けている。その主たるものが、「
自民党とあまり変わらなくなってきた」という言い方だ。政策や政治手法が似てきた以上、
与野党の区別がつきにくくなり、ならば、思い切って大同団結して「大連立政権」を樹立すべきだという意見が出てくるのは自然の成り行きだ、
だが、一旦、立ち止まって、政権のあり方や政党のあるべき姿を考えてみなくてはならない。
◆その大前提として、
民主党政権の2年を振り返って、何が間違っていたのかを整理しておく必要がある。以下のように集約できるだろう。
鳩山由紀夫内閣と
菅直人内閣の根本的な間違いは、
自民党・
公明党の連立政権との違いを鮮明に出そうとして、失政したということである。単純に言えば「大失政」である。
鳩山由紀夫内閣は、「友愛主義」に基づき、「
東アジア共同体」という理念を軽々に打ち出したのが、失政を招いた。具体性に欠き、同盟国の米国から大きな誤解を受けてしまったのである。EUの東アジア版が「
東アジア共同体」であるのだが、EUの真似ができるほど、東アジアは成熟していないからである。ヨーロッパ統合の父といわれるクーデンフォフ・カレルギー伯が提唱した「汎ヨーロッパ構想」が実現するまでには、
ルール地方の石炭共同管理からスタートして、ECに発展、さらに経済統合から政治統合に向かうのに、半世紀以上を要した。
その真似をしようとして打ち出された「
東アジア共同体」について何の相談も受けなかった米国が驚いたのは当然である。そのうえ、沖縄
普天間飛行場の移設問題で「
海外移転、少なくとも県外へ」と言い始めたことに対して、米国が「日米同盟を破壊するものだ」と反発したのは、これもまた当り前であった。このため
鳩山由紀夫政権は当初からつまずいてしまったのである。
菅直人内閣の失敗は、
菅直人首相の思い違いと思い上がりにあった。国家の運営は「政財菅学」の緊密な連携なくしては行えないにもかかわらず、「
脱官僚」「反財界」「嫌東大」加えて「脱小沢」とムキになって敵を作ってしまった。この結果、党内運営も国家の運営も不可能になり、かつ、独善的な政治手法が加わり、完全に行き詰ってしまったのである。しかも、全く無責任な首相だった。
さらに
菅直人首相は、その左翼的思想から、国民の知らないところで
北朝鮮との秘密ルートを築き、
拉致被害者の救出に力を入れることなく、むしろ逆に資金援助するなど、日本国民に大きな不安と不信感を与えてしまった。
日本国民のための政治ではなく
朝鮮半島のための政治に力を入れてきたのではないかとの懸念を残し、政治不信を招いた。その罪は大きい。
◆結局、
鳩山由紀夫首相も
菅直人首相も、「
政権交代」の真の目的と意味を十分に理解していなかったために、
民主党政権に対する国民の信頼を失ったとも言える。
与野党の政策や政治手法が似ていることが悪いのではない。同じような政党が政策面でも類似していても構わないのである。
「
政権交代」は政権の腐敗を防止し国民の政治への気持ちを一新させることが大目的であり、真の意味がそこに存在すると考えれば、時々交代するのは必要である。
権力は十年も経れば腐敗するという「権腐十年」という言葉が
朝鮮半島にある。
細川護煕元首相が著書「権不十年」という表題に使っている。 書籍の表題に「腐」は似つかわしくないとして「不」に入れ替えたという。
与野党の政策や政治手法が似ても大いに結構。「腐敗」したとみれば国民は国政選挙によって交代させ、浄化を図ればよいのである。
◆〔特別情報①〕
8月31日付け
板垣英憲情報局で、「
小沢一郎元代表は、
オバマ政権の意向を受けて、「
前原誠司前外相切り」と「
野田佳彦首相を誕生」作戦を巧妙に実施した」という見出しをつけて、「
細川護熙元首相が代表選挙直前の8月下旬、東京都内のホテルで
野田佳彦候補を
小沢一郎元代表に会わせた」という情報を配信した。この情報は、読売新聞が9月3日付け朝刊1面に「『野田・小沢氏と3者会談した』細川元首相明かす」という見出しをつけて詳細を報じ、見事に裏付けられた。
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『自・社連合が小沢一郎への逆襲をはじめた』1994年7月30日刊
もくじ3章 社会党が"野合連合"をした裏にあった台所事情
―官房機密費の蜜の味を求めた社会党―
政治力の源泉となる官房機密費の実態
官房機密費の使途のなかで、重要なものの一つが、「国会対策」である。重要法案を国会で通過させるための力の源泉となる。
これがうまくできないと、重要法案を一本も通すことができなくなる。その意味で国会対策こそ、政治の役割とされてきた。官僚にできる芸当ではない。官僚は、法案づくりや行政の面で威力を発揮しているが、法案は、国会で通してもらわなければただの画に描いたモチも同然である。法案審議・成立の過程で、国対族のプロたちと誼を通じていなくては、どうしようもない。
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前回からの続き
前記の佛國大使パレオローグ氏はユダヤ問題に就ては其手記三巻を通じて、是々非々主義で行つて居る様であるが、自分の駐在國であるロシアの波蘭方面ユダヤの惨状に蹴ては千九百十五年三月三十日の手記に次の様に書いてゐる。
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