[市場動向]
2025年12月18日(木)神 幸葉(IT Leaders編集部)
業種・規模を問わず、生成AIへの投資が進む一方で、具体的なビジネス成果に結びつかない「AIの実行力不足」の課題が顕在化している──。UiPathは2025年12月10日に開いた説明会でそう訴え、以前より掲げる「エージェンティックオートメーション」を加速して「AIを実務へと昇華させる」ための最新戦略と機能強化を説明した。
多くの組織が生成AIに投資を続けるも、見合うビジネス成果をまだ十分には得られていない──。そんな実態が複数のレポートから明らかになってきている。UiPathで会長CEOを務める長谷川康一氏(写真1)は、「エージェントAIが思考をし、アクションに対する指示を出したとき、実際にビジネスの現場が動けるか、さまざまな環境下に置かれたツールやシステムをどうするか。その課題に対し、当社はオートメーションで答えを出していきたい」と述べた。
写真1:UiPath 会長CEOの長谷川康一氏そして、「日本はUiPathのRPA機能、拡張性やセキュリティを構築するうえできわめて重要な拠点。当社は日本市場での成功を基盤に成長した世界でも稀有なグローバル企業と言える」と話すのは、来日した米UiPathの創業者兼CEO、ダニエル・ディネス(Daniel Dines)氏(写真2)だ。
同氏は「日本の顧客と再び協力し、大規模かつセキュアな開発の設計図を構築していく」とし、これを推進するため、日本リージョンを世界3大拠点の1つに格上げし、同社のエンジニアリングチームやグローバル幹部が、日本の顧客に専念できる体制を構築する考えを示した。
写真2:UiPath米国本社 創業者兼CEOのダニエル・ディネス氏日本の経済的な成功にとって、オートメーションとAIの組み合わせははかりしれない機会を生み出すとディネス氏。「日本は高齢化社会という課題に直面しているが、この技術の組み合わせは、歴史上初めて、ほとんどのプロセスにおいて人間の働き方を模倣することを可能にするだろう」と展望を語った。
長谷川氏は、2025年6月に国内リリースした自動化プラットフォーム「UiPath Platform for Agentic Automation」が、約半年間で多くの日本企業で成果を生み出したことをアピール。今後さらに、経済的な効果と、同社が以前から掲げる「エージェンティックオートメーション」を加速するための協業を進めていく構えだ。
エージェンティックオートメーションとは、信頼できるRPAやAIモデル、そして人間の専門知識を統合したワークフローにおいて、人、ロボット、AIエージェントが相乗的に連携してプロセスを最適化し、業務効率を高めていくことを指す(図1)。
図1:エージェンティックオートメーションのイメージ(出典:UiPath)それを具現化し、普及させていく施策の1つに、同日に発表したNTTデータ・ウィズとの戦略的パートナーシップがある。日本市場でのエージェンティックオートメーションおよびBPO展開の加速に向けた基本合意を締結し、企業の生産性向上と業務変革を支援していく(図2)。
図2:戦略的パートナーシップの取り組み(出典:UiPath、NTTデータ・ウィズ)両社共同のビジネスプラン推進において、NTTデータ・ウィズは自社のBPO事業の現場で先行導入し、業務効率化を図りつつ、顧客へのサービス提供のためのノウハウを蓄積する。合わせて、共同でAI人材を育成し、生成AIを活用した次世代BPOサービスの創出にも取り組む方針だ。
●Next:Microsoftプラットフォームとの連携強化でエンドツーエンドの自動化を実現する
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