GOURMET
2024.02.29
三國シェフ、秋元康らがハマる、最高のB級グルメ8選。餃子、ナポリタン…【まとめ】
その偏愛はラーメンとカレーに止まらない。仕事人たちの胃袋と心を摑んで離さない最上級のB級グルメの番外編をお届けする。 ※GOETHE2024年2月号掲載記事を再編。【特集 最上級のB級グルメ】

1.麺処 NAKAJIMA「盛りそば」
推薦人 ▶︎三國清三シェフ
札幌グランドホテルから帝国ホテルを経て、20歳にして駐スイス日本大使館料理長に就任、その後は「ジラルデ」「トロワグロ」「アラン・シャペル」など数々の世界最高峰の三つ星レストランで腕を磨く。
30歳の時にオープンした「オテル・ドゥ・ミクニ」は、日本国内はもちろんのこと、世界各地からトップシェフやグルマンが押し寄せる日本を代表するフランス料理店となった。
そんな日本フランス料理界を牽引してきたフレンチの巨匠、三國清三氏にとってB級グルメは、「日常の味」。ふだん非日常の料理を手がけているからこそ、食べたくなるという。
三國氏がラーメンと並んでよく食すのが蕎麦。
駅の立ち食いそば屋にも足を運ぶほどだが、なかでも全幅の信頼を置いているのが、ホテルニューオータニ(東京)のガーデンタワー ロビィ階の奥にひっそりと佇む「麺処 NAKAJIMA」。
「知る人ぞ知る名店で、そばもつまみも、ケーキもおいしい。それに、店員さんのサービスがていねいで、気持ちよく過ごせます。B級グルメといえども、接客は大切。流行っている店は、味だけでなく、雰囲気も接客にも気を配っていますよ」

住所:東京都千代田区紀尾井町4-1 ホテルニューオータニ ガーデンタワーロビィ階(6F)
TEL:03-3221-2789
営業時間:11:30~14:00、17:00~L.O.19:30/日曜・祝日11:30〜L.O.15:00
定休日:日曜夜
席数:29席
2.鴨の助「親子丼」
推薦人 ▶︎三國清三シェフ
長年通う店がある一方で、ニューフェイスのチェックも欠かさない。2022年3月に蕎麦居酒屋としてオープンした「鴨の助」が、2023年2月にリニューアル。その名物、親子丼がフレンチの巨匠の度肝を抜いた。
「入口ののれんに『親子丼は飲み物です』と書いてあるのが気になって入ってみたら大正解! 卵がつるっつる、とろっとろで、まさに飲み物。肉にもこだわっていて、抜群においしい」
料理に対する探求心か、はたまた純粋な好奇心からか、いろいろな店に足を運ぶがゆえにリピーターになる店は多くはない。そう語る三國氏だが、オフィスが近いこともあって、この店にはスタッフといっしょに何度も通っているという。
「僕ももう70歳、残りの人生考えたら、何回食事ができるかわからないからね。おいしいものしか口にしたくないんですよ」

住所:東京都新宿区四谷1-10 第二上野ビル1F
TEL:03-3358-5800
営業時間:11:30〜L.O.14:00、17:30〜L.O.21:00(土曜〜L.O.20:00)
定休日:日曜・祝日の夜
席数:16席
3.中国菜室 壹番「餃子」
推薦人 ▶︎ 作詞家・秋元康氏
秋元氏が長年通い続ける“本能が求める味”は、静岡県・熱海に。
「お昼どきは行列ができる『中国菜室 壹番』には、ときおり無性に恋しくなる餃子があります。食べることが好きなメンバーで新幹線にのって餃子の旅に出かけたことも。僕はそういう“大人の遠足”がとても好きなのですが、みんなでちょっとだけ足を伸ばして美味しさを共有する体験はどれも思い出深いです」
水ではなく、スープでパリッと焼きつけた薄皮とジューシーな餡のコンビネーションが考え抜かれた餃子は秋元氏も、世界一と太鼓判を押す。「予定調和ではなく、そこにしかない味があること」。秋元氏の心を夢中にさせるのは、きっとそういう店なのだろう。

住所:静岡県熱海市咲見町7-48 咲見ハイツ1F
TEL:0557-83-4075
営業時間:11:30~14:00/17:00~L.O.20:00
定休日:木曜
席数:30席
4.ターボー80「ナポリタン」
推薦人 ▶︎ トランジットジェネラルオフィス代表取締役社長・中村貞裕氏
国内外を飛び回り、現地で人気のレストランの東京進出をバックアップしている中村貞裕氏。スクランブルエッグやリコッタパンケーキが有名な『bills』やハワイ好きなら知らないひとはいない『THE PIG & THE LADY』など、日本に新たな食文化を広めてきた中村氏が、東京の滞在時にほっとひと息つく店とは?
「何十回食べても飽きない。気がつくと足が自然に向いちゃうんです」という中村氏が最近、出合って感動したというのが恵比寿と渋谷の中間に店を構える『ターボー80』。3人の“ター坊”が始めた洋食店で人気なのは、昔ながらのナポリタン。売り切れになることもめずらしくなく、中村さんが初めて訪れたときもすでに“完売”だったそう。
「ちょっとしょんぼりしていたら(笑)、翌日のために用意してあった材料で作ってくださったんです。そういうサービス精神も含めて、ホームの飲食店の温かさを感じます。ナポリタンはチーズをたっぷりとかけて食べるのですが、これがもう、素晴らしく理想的な味。この頃は洋食店めぐりがブームなのですが、長く愛されてきた洋食店というのは心がほっとなごむような味と空気感があって大好きです」

住所:東京都渋谷区東2-14-15
TEL:03-5466-9684
営業時間:11:30~L.O.15:30(14:00~セットメニューのみ)
定休日:土・日曜、祝日
席数:30席
5.麻布永坂 更科本店「カレー南ばん」
推薦人 ▶︎ ダイニングイノベーショングループ Founder・西山知義氏
“飲食業界の神様”として同業者からも、その動向につねに注目が集まる西山知義氏。類まれなる先見の明を持ち「炭火焼肉酒家 牛角」や「しゃぶしゃぶ温野菜」「焼肉ライク」「イタリアンキッチンVANSAN」「やきとり家 すみれ」など、ヒットさせた飲食ブランドは数しれず。常識にとらわれない店づくりで日本の外食文化に新たな価値をもたらしてきた。
麻布十番の老舗蕎麦店にもお気に入りが。
「麻布永坂 更科本店のカレー南ばんです。丼からあふれそうなとろみのある濃厚スープは、体が定期的に欲する味。カレー南ばんが食べたくなったら、必ず更科本店に行きます!」
“飲食業界の神様”を夢中にさせているのは、世間の評価や老舗の暖簾にあぐらをかかず、つねに進化をしている店。
「心を打たれた飲食店とのご縁は宝物。だから、僕は1度惚れ込んだお店には何度でも足を運びたくなるのだと思います」

住所:東京都港区麻布十番1-2-7
TEL:03-3584-9410
営業時間:11:00~L.O.20:30
定休日:無休
席数:88席
6.スパゲッティーのパンチョ「ナポリタン」
推薦人 ▶︎フリーアナウンサー・高橋真麻さん
最上級のB級グルメとして教えてくれたのが、さまざまな大盛りスパゲッティをクイックに楽しめる「スパゲッティーのパンチョ」の看板メニュー「ナポリタン」。
「麺がモチモ チしていて、甘さと酸味のバランスがよく濃厚な味わい」と高橋さんが称賛する味は、茹でた後に半日寝かせてモチモチ感を出した極太スパゲッティを、手づくりのトマトソースと一緒に強火で炒めることで生みだされている。

住所:東京都渋谷区道玄坂2-6-2 藤山恒産道玄坂ビルB1
TEL:03-5489-2522
営業時間:11:00〜L.O.22:30
定休日:無休
席数:22席
7.宇宙軒食堂「とんバラ定食」
推薦人 ▶︎稲本健一氏
飲食業界のカリスマ、稲本健一氏が今回挙げてくれた3店のうち2店は、自身が30年、40年と通い続ける“歴史のある”店。
故郷・石川県金沢にある「宇宙軒食堂」。店内中央にすえられた鉄板で、薄切りにした豚バラ肉をカリっと焼き上げ、キャベツの千切りの上に豪快にのせた「とんバラ定食」は、稲本氏にとって「中学生の頃から食べ続けているマイB級グルメの王道」。
「帰省するたびに食べていますが、秘伝のタレは40年前からまったく変わっていませんね。ご飯が何杯でも食べられる魔法の味です」

住所:石川県金沢市片町1-5-29 ニュー銀座会館1F
TEL:076-261-8700
営業時間:11:00~15:00、17:00~21:00
定休日:火曜
席数:22席
8.三貴苑「五目やきそば」
推薦人 ▶︎慶應義塾大学大学院教授・岸博幸氏
ウィットに富んだトークと飾らない性格でテレビのコメンテーターなど、多方面で活躍中の岸博之氏。
岸氏が家族とともに足繁く通う“元気の源”が、東京・半蔵門の老舗町中華『三貴苑』。メニューを開けば、一品料理から麺飯類までずらりと並び、週一で通うという岸氏のような常連客が多いのも納得。
「焼きそばだけでも8種くらいあるのですが、僕はたいてい『五目やきそば』で妻は『ふかひれあんかけ炒飯』を注文することが多いです。どの料理も具材がたっぷりで、家族と一緒においしいね、と言いながら食べるのが本当にしあわせな時間なんです」
どんなときも心にパワーをもたらしてくれる“最上級のB級グルメ”は、岸氏にとってしあわせな時間を象徴するものでもあるようだ。

住所:東京都千代田区麹町1-8-8
TEL:03-3234-1247
営業時間:11:00~21:30
定休日:無休
席数:18席
TEXT=ゲーテ編集部

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