が炸裂する事が期待されたのも束の間、チューブ伸ばしの術は案の定キャストオフによりさっくり破られると、カブトとサソードは互いに武器を打ち合わせ、火花散る攻防の末、角笛を響かせて姿を見せたじいやが、サソードの敗北を宣言。
確かにカブトを切り捨てたと思っていたサソードだが、その剣はカブトのライダー忍法・部分キャストオフの術により、左腕に残された装甲によって防がれていたのであった!
勝負の判定に納得がいかない神代は、じいやの解雇を宣告し、じいの心ぼっちゃま知らず、視野の狭い神代の暴走が続きます。
初登場時は、“天道に匹敵する能力を持った超人貴族”だった神代ですが、前回今回の扱いは“空回りし続けるライバル未満の突っかかり系坊ちゃま”となっており、神代剣に関しても、井上脚本と米村脚本で、ちょっと捉え方が違ったのかなとは思うところ(まあ、出たてなので、どうにでもなりうるキャラではありますが)。
……しかし本当に、風間、出てこない(笑)
両親殺害とベルトの少年……真実を確かめる為、渋谷廃墟へ入り込もうとするひよりを加賀美は止め、都心のど真ん中でどういう事になっているかと思われた封鎖区域、フェンスの反対側(渋谷側視点)から見ると、すぐそこは平凡な都市部の光景が広がっている事が判明し、一種の開き直りとともに、この空間の異常さを際立たせます。
「おまえに、僕の気持ちわからない」
ひよりは立ち去り、天道は後方腕組みムーヴでそれを見つめ……OP映像で示されていた三角にようやく本編で辿り着いたといえますが、つまるところ、ガタック待ちだった模様。
一つの起点といえる7年前の悲劇が天道らの関係をかき乱す中、全ての頂点に立つはずが、気がつくと盤の反対側で浮いている神代は、金の力で天道にラーメン勝負を挑み、天道は手袋リフティングを披露(役者さん個人技?)。
「お婆ちゃんが言っていた。美味しい料理とは粋なもの。さりげなく、気が利いていなければならない」
一方、エリアX内部では加賀美陸がフェンシングのサーベルを無闇に振り回しながら久々に動物たとえ話を始め、
思わず「は?」って言っちゃった!
「あの……ご子息の件は」
ちょっとイラッと来てる!!(笑)
「……未来は、光り輝いている。どうせ地獄へ堕ちるなら、せめてそんな希望をいだいて…………ほしいものだ」
陸・三島・エリアXが、思わせぶりソナタを奏でる一方、天道に謝罪するじいやと、そんなじいやに敬意を払い、屋台の売り上げをそっくり渡す天道、神代そっちのけで二人の好感度が上がり続けます(笑)
7年前の記憶を懸命に辿るひよりは、ベルトの少年の顔に天道のそれを重ね……ひよりの憂いを晴らす為に渋谷に入ろうとする加賀美を頑なに止める天道。
「どうしても行くというなら! …………俺はおまえを倒すしかない」
「この俺をそう簡単に倒せると思っていのか?」
「ひよりに幸せになってほしいと思うなら、俺の言う事を聞け」
果たして天道は7年前の何を知るのか……加賀美がガタックの力を得た事で二人の対峙が成立すると、劇中で初めて天道が“自分から他のライダーに喧嘩を売る”(常に大抵の人類にナチュラルに喧嘩を売っているのはまあさておき)のが特別な重みを持つのは効果的となり、天道の言葉をどう受け止めたのか、ビストロへ向かう加賀美だが、ひよりは不在。
加賀美はひよりが落とした家族写真を見つけるが、ひよりの母らしき人物の身につけた指輪には、問題の緑の石がはまっており……
「でも、渋谷隕石が落ちる前になんでこの石がある……」
新たな謎が浮上する中、物語のメインストリームから遠ざかる一方の神代は、いやむしろ、料理対決ドラマにしてしまえば再び俺が世界の頂点だ! とラ・メーン道を邁進していたが、じいやのラーメンに心打たれると天道への敗北を認め、『仮面ラーメン剣』へのタイトル変更は回避。
「俺は勝負に負けたんじゃない。おまえの、ノブレス・オブリージュに負けたんだ」
自らの足りない部分を知る、坊ちゃまの成長がちょっぴり描かれると共に、貴族の矜持を持つ男の台詞により、天道が貴族的人物である事が補強され、脱線スレスレから今作のヒーロー観が描かれたような、そうでもないような……(笑)
組み立てとしては、神代パートそのものが「緩急」の「緩」を担当して主に加賀美パートとの起伏になっているのですが、加賀美がガタックになると共に、「復讐者」とセットで「コメディリリーフ」がついてきて神代に託されるとは思いもよりませんでした(笑)
渋谷地区に入り込んだひよりは加賀美の制止を振り切って孤独の道を選ぼうとするが、加賀美はあくまでひよりの側に居る事を選び、エリアXに近づく二人を待ち受けていたのは、今日もポケットに両手を突っ込んでいる影山瞬。
「……この先に何があるんですか」
「知らないね。……知る必要も無い」
組織の歯車に徹する影山はザビーとなると、加賀美もガタック変身。
挿入歌も流れ出し、もはや今回の主役扱いのガタックだが、シャドウ部隊がひよりの身柄を確保しようとすると無数のカブトファンネルが群がってそれを妨害し、これまでカブト1回・ドレイク1回しか使われていなかった微妙な武器が、陽の目を!!
挿入歌が途切れると、粉塵の中に姿を現したカブトはひよりの手を引いてエリアXへと入っていき、丁度良い防波堤として置き去りにされるガタック、だいぶ可哀想(笑)
天道が敢えてひよりの前で変身を解くと、同じく変身を解いた加賀美も追いつき、ザビーは画面外で頭から地面に埋められてしまったのでしょうか。
「ここまで来たら、気の済むようにすればいい。この奥に何があるとしてもな」
まるで天道の声に呼ばれたかのように、ムカデワームと幼虫ワームがわらわら出現すると、軽い生身アクションを挟んで天道と加賀美が同時変身を決めて甲虫王者の共闘となり、キャストオフそしてクロックアップ。
同時ライダーキックでムカデワームを撃破するが、そこに画面外キャストオフで乱入したのは、存在の消えていたザビー。
「貴様たち! これ以上は行かせない!」
と思ったら、その行く手をフェンシングのサーベルが阻み……
「じいやが言っていた。高貴な振る舞いには、高貴な振る舞いで返せ。それが俺の……ノブレス・オブリージュ」
蚊帳の外でギャグ担当していた神代が、 は、参りました(笑)
現状に関してはさっぱり全く理解していないと思われるのですが、
〔思わせぶりな言行を繰り返す加賀美陸 → みっしーにストレスが溜まる → 下請け(サソード)が嫌がらせを受ける → 影山がとばっちりを受ける〕
のZECT負の構造が窺えます。
敗北を知り一回り大きくなったサソードまさかの《俺に任せて先に行け》が発動すると、天道・加賀美・ひよりはエリアXの奥へと向かい、謎の扉の先で目にしたものは……
一発芸の為に待機していた加賀美陸、だったかどうかは不明のまま、つづく。
次回――
・黒衣の女たち
・露骨に胡散臭い研究施設
・古びたマスクドライダー計画の資料
・三島に刃を向けるガタック
・加賀美陸に接触する天道@背広
・岬と樹花
・帰ってきたドレイク
・そして、お好み焼き
と、具沢山!
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