



親愛なる読者の皆さまへ。ご存じの通り価格高騰などの悪影響でサーバー運営がとても苦しい状態です。回線や台数を整理し見直せる部分は全て見直しましたが、やはりまだ危険水域です。このままだと1ページを10分割ぐらいして無理矢理PVを増やさざるを得なくなってしまいます。そこで、GIGAZINEの物理的なサーバーたちを、たった1円でも良いので親愛なる読者の皆さまに支援してもらえればとっても助かります!今すぐ寄付は上のボタンから!
・これまでGIGAZINEを支援してくれたメンバーのリスト

2024年にイギリスのサウサンプトン大学の研究からスピンアウトして設立されたスタートアップ・SPhotonixが、溶融石英ガラスを用いた「5次元メモリクリスタル」技術をデータセンターに投入する準備を進めています。この5次元メモリクリスタルは、5インチ(約12.7cm)のガラスディスク1枚に最大360TBのデータを保存可能で、その寿命は138億年に達すると見積もられており、190℃の高温環境下でもデータが保持されます。
5D glass storage 'memory crystals' promise up to 13.8 billion years of data storage resilience, which is roughly the age of the universe — crams 360 terabytes into 5-inch glass disc with femtosecond laser | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/pc-components/storage/sphotonix-pushes-5d-glass-storage-toward-data-center-pilots
SPhotonix 5D memory crystal: cold storage lasts 14B years • The Register
https://www.theregister.com/2025/12/14/sphotonix_moves_5d_memory_crystal/
SPhotonixは、2024年にイギリスのサウサンプトン大学から独立して設立された企業で、「5次元メモリクリスタル」という新しいデータ保存技術を開発しています。この技術は、フェムト秒レーザーを使って溶融石英ガラスの中にナノレベルの微細な構造を作ることでデータを記録します。
寿命のない永久に使えるデータストレージ「5次元データストレージ」が登場 - GIGAZINE

5次元メモリクリスタルでは、フェムト秒レーザーを使用してガラス内にナノスケールの構造体(ボクセル)を形成し、3つの空間座標(x、y、z)に構造の配向と強度を加えた情報をエンコードします。つまり、縦・横・高さの3次元に加え、光の「強さ」と「向き」という要素を組み合わせた計5つの次元を利用するというわけです。
5次元メモリクリスタルの最大の特徴は、圧倒的な耐久性と容量にあります。5インチのガラスディスク1枚につき最大360TBものデータを保存でき、その寿命は宇宙の年齢に相当する約138億年と見積もられています。190度の高温環境下でもデータが消えず、保存に電力を必要としないため、従来のハードディスクやSSDに比べて環境への負荷が低く、長期保存に適しています。

5次元メモリクリスタルは、アクセス頻度が低くデータの取り出しに10秒以上の時間が許容される「コールドデータ」の保存に焦点を当てています。また、データを保持するために電力を必要としないため、環境負荷やコストの面でも既存のHDDなどより優れているとされます。すでにヒトゲノムやゲームソフトなどの保存実証が行われており、Microsoftが進めるProject Silicaの研究者を採用するなど開発体制を強化しています。
SPhotonixは、実用化に向けて450万ドル(約6億7500万円)の資金を調達しており、技術の実証段階をプロトタイプ実証段階に進めようとしています。同時に巨大データセンター事業者と協議を行っており、数年以内には実際のデータセンターでの試験運用が始まる予定だとのこと。記事作成時点でプロトタイプの転送速度は書き込みが毎秒4MB、読み取りが毎秒30MBと既存のアーカイブシステムと比較して低速ですが、3~4年後には磁気テープなどの既存の保存技術と競合できるレベルまで高速化することを目指しています。

具体的なコスト面については、初期システムの書き込み装置が約3万ドル(約450万円)、読み取り装置が約6000ドル(約90万円)になると見積もられており、約18ヶ月以内に現場展開可能な読み取り装置も登場する予定だそうです。SPhotonixは製造業を目指すのではなく、ArmやNVIDIAのように技術をライセンス供与するビジネスモデルを採用し、コンソーシアムを通じて市場展開を図る方針を示しています。
・関連記事
「デジタルデータのアーカイブに対する誤解」について熟練デジタルアーキビストが語る - GIGAZINE
ガラス板にデータを保存するMicrosoftの「Project Silica」がストレージ容量100倍超の7TB・保存期間10倍の1万年に成長 - GIGAZINE
Seagateの30TB HDDがついに一般発売開始、価格は9万円弱 - GIGAZINE
AIデータセンターのHDD不足で2年間バックオーダー状態、遅延によりQLC SSDへの急速な移行を余儀なくされる事態に - GIGAZINE
Micronが消費者向けメモリ・ストレージ事業から撤退、CrucialブランドのメモリやSSDは2026年2月で出荷停止 - GIGAZINE
SSDの耐久性を示す「DWPD」はメーカーごとに基準が異なって比較しにくいとの指摘 - GIGAZINE
・関連コンテンツ
inハードウェア, Posted by log1i_yk
You can read the machine translated English articleGlass storage technology '5-dimensional ….
直近24時間(1時間ごとに更新。5分ごとはこちら)