当ブログでは、主にFDM式3Dプリンタ-ELEGOO Neptune4に関する記事や自作品の紹介を行っていますが、最近は3Dプリンタのみならず、関連しそうな分野にも興味を惹かれ、「錯視」や「電子工作」にもはまっています。
前記事では、「Arduinoスタータキット」を始めたことを紹介しましたが、その後も次から次へと目新しい電子パーツに興味を惹かれ、買い込んできました。殆どaliexpressなので、格安で買い揃えられます。近い将来用にと半田付け環境や配線パーツ類なども入れると何十種類買ったのか、数え切れません。
今回買った中で、特に面白いのがESP32-C3 Super miniというミニマイコンやOled表示器、ジャイロセンサーなどで、この辺を簡単に紹介します。その他にも、超音波センサーの活用やリモコン操作の活用など「出来るやん!」と感動の毎日を送っています。
前記事で紹介したELEGOOのUNOスタータキットを一通りレッスン終えたことの総まとめとして、次のようなものを作ってみました。
ぐちゃぐちゃですが、ほとんどのパーツを使って、更にArduino Nano(互換)という小型版ボードも追加して、入出力パーツを組み合わせた総合動作確認ユニットを作ってみました。
100均のバインダーに3Dプリンターで作った各パーツの取付台を貼り付けました。付属の乾電池(9V)では容量が足りず、ハードオフで調達した9V電源アダプター(300円)を繋いで、全てを動かすことに成功しました。当然のことながら、組み込むプログラムも各レッスンの動作方法を集約しますので、コーディングの習得にもなります。
新たなボード(ESP32-C3 Super mini)を試す
これまでArduinoという環境で、Arduino UNO R3というマイコンボードから始めましたが、他にもMega(大型)、Nano(小型)、Pro mini(小型)、更には最近ではArduino UNO R4などの選択肢が増えています。いづれも、ArduinoIDEというプログラム作成・デバッグツール(無料)で扱えるので用途に応じて使い分け出来そうです。
こんな知恵がついてくると、他にもArduino環境で動くマイコンボードはないものか?と興味を持ってきます。
そんな中で、気になったのがESP32-C3 Super miniでした。アリエクでは200円台で買えますし、WiFiやBluetooth機能もある(?)という記載もあり試してみました。とにかく小さく(約□20x25mm)USBもtype-Cで、ArduinoIDEの環境で容易に動作しました。WiFi機能については、下記のサイトを参考にPCへのデータ送信も成功しました。
このサイトのexampleから温湿度計のデータをwebserverに送るサンプルがあり、解説通りに設定し実行すると、見事PC上のブラウザからIPアドレスを打ち込むことで温湿度値が表示されました。
実は、スタータキット付属の温湿度センサー(DHT-11)を図解通りに接続したら、+-(5V,GND)が逆になってしまい、センサーを潰してしまいました。なので、ちょっと高級なDHT-22(↑写真)に変えて再チャレンジしていました。
サンプルコードで変更する箇所は、DHT-22に変えたことと、我が家のルータのSSID、パスワードを追記するだけです。
実行すると、先にArduinoIDEのシリアルモニターにIPアドレスが表示されるので、それをブラウザーに打ち込みます。
Bluetoothについては、まだ情報も見つからず未確認です。
このシンプルで小さなボードでWiFiまで使えるとは・・・、凄くないですか?
私は、WiFiとか、PC上でのコントロールとかサッパリ分かりませんが、詳しい方なら参考になるんじゃないでしょうか?
更に、面白い活用法も見つけたので紹介します。
このESP32-C3 Super miniを使って他に何か面白い活用方法がないものかと調べていたところ、次のサイトがありました。
色々買い足していたパーツの中に、Oled表示器(SSD1306)とジャイロセンサー(MPU6050)もあります。(いずれも300円台)これらを有効活用するのにぴったりの内容でした。ボードはArduino Nanoで紹介されているのですが、ESP32-C3 Super miniでも使えるはず。
配線も至って簡単!I2C通信ってご存じですか?2つの端子(SDA,SCL)だけで、複数の機器との通信が可能で、今回のSSD1306もMPU6050も対応しており、配線が非常に簡単になります。各機器はアドレスを持っていて、そのアドレスを使って機器毎へのデータ送受信を行う通信方式のようです。ミニマイコンにはぴったりですね。
ジャイロセンサー面白いです。ジョイスティックの代わりにもなりそうですし、Z軸や加速度もあるので色んな使い方があるんでしょう。スマホや市販ゲーム機にも当たり前のように入っていると思います。
このミニゲーム面白そうなので、ユニバーサル基板での実配線にして、3Dプリンターで箱を作ってみようと思います。
どのパーツも安いので、1,000円くらいでミニゲーム機になりそうです。ま、1,000円が安いかどうかというと、市販品でこんなゲーム機が売られていても誰も買いませんよねぇ。要は、「電子工作」の教材として、結構使えるんじゃないかなと感じたのです。単純な配線とセンサーや表示器の仕組み、I2C通信やプログラミングの手法などなど、そして完成後も遊べる成果物。
「電子工作」の入口って、なにもいろんな素子の仕組みや使い方の学習から始めると決めなくてもいいんじゃないでしょうか?
モジュール化されたパーツの組み合わせで、面白い成果物が出来る!こんな感動から「より中身を知りたい」と興味を持てば、パーツを追加してみたり、各素子の仕組みの理解も早いのではないかなと感じました。
「電子工作」を始めてまだ間もないのですが、Z80世代の私が時を超えて今の進化した機器を目の当たりにし、感動の連続に浸れることは、本当に幸せなことです。細かい回路構成や複雑なプログラミングの理解は無理ですが、色んなセンサーの機能を知り表示器やモータなどへの出力との組み合わせでどんな成果物が出来るのか、年寄りなりの目線から見た新たなアイデアが出るかもしれません。しばらくは「電子工作」、続きそうです。
当ブログでは、主にFDM式3Dプリンタ-ELEGOO Neptune4に関する記事や自作品の紹介を行っていますが、最近は3Dプリンタに関連しそうな分野にも興味を惹かれています。
これまでの自作品の多くは「おもちゃ」で、手動で動かしたり、モータで単純に動かしてみたりと、素朴な動きばかりでした。幼稚園以下の孫たちにとっては、これでも結構遊んでくれたんですが、小生以上なってくると、TVゲームや複雑な動きのおもちゃに興味を持ってくるので、私としても何とか孫の成長に合わせたおもちゃ作りへとシフトしたいなと思う今日この頃だったんです。
そして取り組み始めたのが、「電子工作」です。各種センサーやモーター、表示器などを組み込んでプログラムで動くおもちゃ作りと得意とする3Dプリンタでの製作品を組み合わせて、何か面白い作品が出来ないかなあという漠然とした思いでした。
近年、「STEAM教育」が注目され、またプログラミング授業が小学校から必須化されていますが、楽しんで学べるプログラミング教材になるようなものを作ってみたいなと思うようになりました。
そんな中で、今回物凄く簡単に激安(0円も可)で「電子工作」やプログラム学習を始められる方法があったんですね。「電子工作」超初心者で、お金を掛けたくないという私にとっては目から鱗のスタートとなりました。
尚、今回の方法は、簡単な機器を動作させるという程度なので、Arduino(アルデュイーノ)スタータキットでの内容になります。
漠然と「電子工作」始めようと思っても、肝心なのは自分が何をどのようにやりたいのか、という選定条件が重要だと思います。
私の場合は、次の通りです。
1.プログラミングで動くおもちゃレベルの作品作り。
2.とにかく、お金を掛けたくない。(数千円程度 最重要!)
3.じじぃなので、初心者レベルで始めたい。
これらに見合うマイコンボードの選定から始めるんですが、今現在汎用的にあるのが、Raspberry Pi(ラズパイ)、M5Stack、Arduino、micro:bitなのかな・・??。
この中で、私も聞いたことあるラズパイについては価格も1万円以上は掛かるし、Webやモニターを操作するわけでもないので候補から外しました。
そして色々調べましたが、一番低価格で組み込みパーツや情報も多く学習環境が整ってるなと感じたのが、Arduinoスタータキットだったのです。
私も昔はZ80CPUで動かす制御機器などのプログラミングをアセンブラーで開発した経験もあったので、肌感的にはArduinoが合いそうでした。Arduinoでも色々種類がありますが、学習用にArduino UNOの安いスタータキットから始めることにしました。
スタータキットを物色する中で一番手頃かつ付属機器も多くて詳細な解説(チュートリアル)やライブラリなども充実していそうなELEGOOのArduino Uno R3互換キットを購入することにしました。Amazonのセールで4000円程でした。
ELEGOOのキット
付属のCD内に各種ライブラリーのほか初心者向けのチュートリアルやサンプルコードなどが入っているので、これを基に学習することが出来ます。
尚、後で分かったんですが、このCDの内容がELEGOOの公式ページからダウンロードすることが出来るので、正直このキットを購入することなくある程度学習することも出来るんですねぇ。(後述のTinkerCadというものと合わせて現物を使わず、PC操作のみでArduinoでの電子工作が体験できます)
Youtubeなどでもたくさんの参考動画があり、色々な電気・電子部品の入ったスタータキットは、小さな箱の中にぎっしりパーツが詰まっていて、一度出すと、もう元に収納できません。
100均などで手頃な収納ケースを買って分けて使う方が作業性がいいかもしれません。
同梱されている説明書(pdfファイル)を順追って作業を進めていけば、問題なくArduino UNO基板との接続も出来ると思いますが、予めPC上にArduinoコード作成環境を作る必要があります。
Arduino公式ホームページにフリーでArduinoIDE 2.3.4(現在バージョン)がありますので、インストールしておきます。
こちらのソフトの操作に関しては、ネット上に山ほどの解説がなされていますので、ここでは割愛します。
サンプルプログラム最初のLED点滅動作(「Lチカ」というそうです)が基板上で実現できれば、プログラミングの第1歩がクリアで出来たと思います。
後は、ブレッドボードや各種パーツとの配線をチュートリアルのレッスンに沿って進めていけば、一歩一歩学習できると思います。
なのですが、ここでズボラな私は、ちまちま配線を挿していくのも面倒そうだし、老眼で近いものが見辛くて配線間違って壊しては元も子もないと・・・、いい方法がないものかと思案していました。
そしたら、何といい方法があるではないですか!
ThinkerCadってご存じですか?AutoDesk社の出しているWeb上で操作する無料の簡易CADなんですが、これが非常に分かり易くて実体配線が容易にできて、シミュレーション動作が出来るというものなんです。正に電子工作、プログラミング超初心者に最適なツールだと思います。
この使い方は、ググればすぐにYouTubeなどでも紹介されていますので、覗いてみてください。
驚くべきことにこのThinkerCadで使えるパーツが、上記で説明しましたELEGOOのArduinoスタータキットに付属する機器にもたくさん適用しており、現物を使わずにチュートリアルのLessonを画面上である程度進めることが出来るんです。
PC画面上での配線とシミュレーション動作確認が非常に簡単に行えました。
例えば、Lesson内のサンプルプログラムのコードをTinkerCadにコピペして実行すれば、画面上で動きが確認できるのです。
しかも、もっと凄いのがプログラムコードの任意の行でブレークポイントが設定できるので、プログラムデバッグが出来るではありませんか!現物で動かすより、遥かに安全で、プログラム検証効率が上がります。
一例ですが、Lesson4での作成の様子を簡単に説明していきます。
Lesson4は、RGB-LED多色表示の学習で、TinkerCad上で動かす様子を簡単に説明します。
1.実体配線図を描く
操作は直感的で分かり易く、他の方のYouTube動画などが分かり易いです。
説明書の配線図とは異なりますが、同様の繋ぎ方で次のように描きました。
2.プログラムコードを参照
付属またはダウンロードしたドキュメントの中にLesson 4 RGB LEDというフォルダーがあって、その中にRGB_LED.inoというコードファイルがあるので、Wクリックで開くとArduinoIDEのコード画面が開きます。
3.コード編集モードにする
一方、TinkerCadのコードボタンから編集モードを「文字」にして、既存のコード削除しておきます。
4.プログラムコードを移す
ここへ、RGB_LED.inoのコード内容すべてをコピペします。
5.プログラムを実行
「シミュレーション開始」ボタンで、プログラムを実行します。
6.動作状態
プログラムが実行されると、LEDの色が、薄くなったり色が変わったりし始め、正常に動作しているのが分かります。
7.デバッグ
更に、凄いのが行番号を押すと、ブレイクポイントが設定でき、変数の値を表示させることも出来るので、デバッガーとしての機能もあります。
電子工作超初心者にとっては、現物での配線は非常にドキドキするものです。配線を誤って機器を壊してしまったらアウトですし、精神も折れて中々復活も出来ません。でも、このTinkerCadなら警告も出してくれますし、安心して配線できて、プログラムコードの検証も出来ます。
ちょっと複雑になって8個のLEDを点灯するサンプル(Lesson16)を作ってみました。
そして、TinkerCadでの動きが確認できれば、実際の配線に移っていきます。
こんな感じで、実際の配線にも慣れてきます。ただ、次第にTinkerCadで扱えないパーツも出てきますのでの、後は自力で現物を使ってレッスンを進めていきます。
電子工作の第一歩、Arduinoスタータキットの全レッスンを試してみました。結構な忍耐と集中が必要です。
でも、やり終えて「本当に良かった!」と思います。色々な電子パーツの動かし方やArduinoの世界、周辺パーツへの興味などなど、一気に電子工作にはまってしまいました。
とにかく、情報量が多くて、例えプログラミングの詳細が分からなくても公開コードを参照して動かすことで、新たな感動が次々とわいてきます。
興味が広がっていくと、次々と新しいパーツ、購入したいパーツが出てきます。そんな時でも、電子パーツ店やAmazonなどでも安く買えますし、使い方はネット情報に溢れています。私も、最近色々なパーツを買いました。
殆どがAliExpressです。とにかく安い!品質や精度の保証を求めない電子工作なら、品数も豊富ですし4~7日で届きますし、Paypal決済が出来ます。
極端な例ですが、153円でArduinoUNO互換スタータキットを試し買いしました。ゴミかと思ったら、意外とちゃんと動いています。今では、最初のELEGOO UNOを温存して、これで色々テストしてます。
ArduinoNANO互換ボードも400円程で買いました。増々広がりそうです。
電子工作を始めてみましたが、今、どはまり中です。昔のZ80プログラミングの頃の素朴な感動が蘇ってきます。また、中学生、高校生ぐらいから始める電子工作の教材としても、非常に面白いツールだと思います。
何より、投資費用が安くて、情報も豊富ですし、様々な応用が出来そうです。
ThinkerCadも本当によくできている簡易シミュレーターです。これなら、細々したテスト回路など、実物で組まずにこの画面上だけで組んで評価した後に実配線するというやり方から電子工作を始めるという手もあります。これが無料で使えるのが凄い。
まだ、電子工作の入口なので、今後はこれらの応用作品でも紹介できるようなれればなと思っています。
3DプリンターELEGOO Neptune4に関わる記事や、作品の紹介など気まぐれに投稿しています。
前回と前々回の記事では、「立体錯視」で著名な杉原厚吉先生(明治大学 研究特別教授)の作品の一例をFusionで作図し成形してみた内容を紹介させて頂きました。
この2種類の形状の作り方を応用すれば、色々な錯視立体を作図することが出来るようになります。今回、新たに製作した3種類の作図・造形品を紹介したいと思います。
1.矢印の方向が逆転する錯視(杉原先生発案と同様な形状)
2.窓を通り抜ける棒の錯視(杉原先生発案と同様な形状)
3.つづら折りを上るボールの錯視(自作品)
尚、出来上がった製作品を動画にも上げました。これまではYouTube動画で動作する様子を紹介していましたが、今回はX(旧ツイッター)に初めてポストしてみました。
https://x.com/GgblogKobe/status/1877165845756903545
今後、Xでは動画やブログで紹介するほどでもない小物製作品の紹介なども気軽に出来るかなと思っています。
杉原先生の作品と同じようなものをと思って作ってみました。作成方法は、前々回の記事「円形の筒を鏡で見ると四角形の筒になる」と同等の作成方法で簡単にできました。
作図は簡単なのですが、矢印の形状でエッジがたっていると、エッジが目立ってしまうので曲線にする工夫が必要なようです。
硬い棒が2つの窓を不自然に通り抜けるという錯視で、これも杉原先生の作品を真似てみたものです。これは前回記事「上り?下り?(坂道が逆転する錯視)」で作図した方法と同様の考え方で製作したものです。
中央部の突出したように見える角も実は凹んでいるので、硬い棒を通すことがきます。突出形状という思い込みと硬い棒で混乱が生じて「ありえない!?」と感じてしまうのです。
これは坂道の勾配が逆転する錯視の応用編で自作品です。つまり逆勾配の坂道を繋ぎ合わせることで、より面白いボールの転がり方になるのではと思って作ってみました。
作図方法は、前回記事「上り?下り?(坂道が逆転する錯視)」と全く同様ですが、形状が複雑になったことで作図も面倒になりましたけど、理屈さえ押さえておけば容易に作ることが出来ます。
つづら折りとは幾重にも曲がりくねった坂道のことで、矢印方向に坂が下ってるような道です。
この坂道にボールを置いてみます。
実際の形状はどうなっているのでしょう?他の角度から見ると次のような形状のつづら折りとなっていまして、勾配が逆方向になっているのでボールが昇るように見えるのです。
3回の記事に渡って「錯視立体の作り方」と作品の紹介をしてきましたが、錯視の世界はまだまだ奥が深く、これからも「あっ!?」と驚くような作品が登場すると思います。
当ブログでは、「こんな形状どうやったら作れるのだろう?」そして「自分の3Dプリンターでも作ってみたい。」と思われる方へ、3DCADを使えば数値計算の必要もなく簡単に作ることが出来るということの一例を紹介させて頂きました。
ご興味を持たれた方への一助にでもなれば幸いです。
そして、立体錯視の発見・発展に貢献されています杉原厚吉先生に改めて感謝申し上げると共に、今後の新たな発見にも期待しています。
3DプリンターELEGOO Neptune4に関わる記事や、作品の紹介など気まぐれに投稿しています。
前回記事では、世にも不思議な立体「立体錯視の世界」で著名な杉原厚吉先生(明治大学 研究特別教授)の作品の一例を紹介させて頂きました。もし、ご覧頂いていなければ、是非合わせて見て頂ければ幸いです。
今回も杉原先生の作品で、これも衝撃を受けました。もう随分前の動画なのでご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、「ビー玉が上り坂を上る?」という不思議な作品で、まずコチラの動画をご覧下さい。
ありえない現象が実際に起きている、という不思議なスロープですが、別角度から見ると「なるほど」と納得できる形状だったったのです。
このような作品を発案されること自体凄いことなのですが、一体どのようにして立体形状を決めているのか不思議でなりません。恐らく膨大な計算結果から生まれる形状なのだろうなという想像は出来ます。
しかし、私としては何とか3DCADの中でこの形状を作ることはできないものかと思案していました。
今回の記事では、この作品を参考に3DCAD(Fusion個人利用)でスロープの勾配が逆転する形状に挑戦してみました。
杉原先生の作品では、スロープを支える柱やボールが逸れないようなガードなども作り込まれていて、作図がより複雑な構造を実現されています。今回、私が設定しようと考えたのは、最も単純にスロープ部分のみとしました。
要となるスロープの勾配が逆転するような形状に絞ることで、より作図が容易になり作図手順が分かり易く説明できるためです。
イメージとして、下図のように中央部が高くて、スロープが4方向に下がっているという形状にしました。
以下に作図手順の詳細を説明していきますが、モデルの底面形状と中央の四角形状、位置は変更しないものとして進めます。
よって、変化する形状はスロープ部のみとなることをご容赦ください。
① まず、上記形状は1方向(前右面45°)から見た形状であり、前右面45° スケッチ面にスロープ部のみの形状を投影します。
② この投影図の押し出した延長線上に求めたい頂点があるはずなので、この延長線を作図します。
③ 当初のモデルの中央四角形の頂点位置と②で作図した延長線のどこかに点を設けて、その線分が逆勾配になるように設定します。
④ ③で得られる新たなスロープ面と当初の底面とで、ソリッド化して逆勾配の立体形状が得られます。
言葉の羅列では、分かり難いですよね。下記にて順追って説明していきます。
1.モデル図形を描く
まず、設定モデル図形のためのスケッチを上面図に描きます。(スケッチ1)
2.設定モデルを作成する
スケッチ1から、設定モデル形状の図形を先に作成しておきます。
(押出しと面取りで作成)
3.傾斜平面を作成する
スケッチ1の45°傾けた線分を軸とした傾斜平面を45°傾けて作成します。
この平面が最終的に図形を見る方向になります。
4.傾斜平面上に設定モデルを投影する
傾斜平面上にスケッチを作成し、設定モデルからスロープ部の各辺を投影します。
5.投影した図形を押し出す
傾斜平面上に投影した図形を適当に押し出します。
(ここでは対称50mmとしています)
6.新たな上面図にスロープの延長線を取り込む
新たなスケッチ(上面図)を作成して、5.で延長したスロープの先端部頂点の延長線(今回は8か所)の3Dジオメトリを取り込みます。
更に、設定モデルの中央四角形3Dジオメトリも取り込んでおきます。
7.新たなスロープを作成
① スロープ頂点の延長線と中央四角形の頂点を結ぶ線を適当に作成し、新たな四角形を作ります。矢印部の2線は平行にします。
② 水平方向から見て、作成したスロープ面の傾きを矢印部頂点移動で調整します。
(ここでは、厳密な傾斜角ではなく、適当な逆勾配にしています)
③ ②と同様の操作を他の3か所のスロープにも行って、全ての新たなスロープ面を作成します。
8.立体形状の作成
最初のスケッチ1も表示して、ロフトを使ってスロープを立体化します。
全てのスロープ部と中央の四角形もロフトを使って立体化・結合して一つの立体にします。
以上で完成です。
右前45°から見た立体は次のように見えるはずです。
また、反対側(鏡像)から見た立体は次のように見えるはずです。
両方の立体を3Dプリンターで造形し、後ろに鏡を置いて比較してみました。
今回は、スロープの錯視が発生する簡易図形を作ってみました。数学的には複雑な計算が必要な錯視立体ですが、3DCADを使うことで、比較的簡単に図形化することができます。また、理屈を理解すると様々な応用図形を作成できるので3Dプリンター愛好家にとっては興味深い分野だと思います。
「錯視の世界」を切り開かれた杉原先生の作品にまだまだ驚くべき作品がありますので、少しづつでも自分なりに吸収できるよう挑戦していきたいと思っています。
3DプリンターELEGOO Neptune4に関わる記事や、作品の紹介など気まぐれに投稿しています。
前回投稿から半年以上経ち、その間にも細々と小作品を作っていましたが紹介するほどのものでもなく、久々の投稿となりました。家庭用3Dプリンターも高機能化、低価格化が進み、「Bambu Lab A1 miniが2万円台」という驚きのニュースも耳にし、増々初心者の方にも高性能な3Dプリンターが身近な存在になったのではないでしょうか。
私もNeptune4に幾つか手を加えていますが、自分の用途では十分な機能、性能、仕上がりなので、あまりよそ見せずに使い込んでいます。これまで、3Dプリンターの使い方の改善やメカ機構を使ったおもちゃ作りをメインに紹介していましたが、新しい分野での応用も模索していました。
そして、最近になり「これだ!」と目に留まったのが、「立体錯視」だったのです。
皆さんもよく目にしたことがあると思いますが、「錯覚画像」とか「だまし絵」とか「不可能立体」とか不思議な画像がたくさん紹介されています。一例として、
これらは錯視(目の錯覚)によって起こる誤認識や脳の混乱を招くもので、例えば「ペンローズの三角形」などのように頭の中で立体として認識しようとすると辻褄が合わず混乱してしまいます。
また、一方で目の錯覚現象を有効活用することで社会生活にもたくさん応用(道路の安全対策など)されています。多くは、平面上に描かれた2次元画像から得られる錯視で、今更特に驚くほどの感動はありません。
ところがコチラの動画を是非ご覧下さい。
最初に見た時の驚きは「何じゃこりゃ!?」ですよ。
この動画は、杉原厚吉先生(明治大学 研究特別教授)が開発された実在する不思議な立体です。杉原先生は他にもたくさんの作品を発表され、その全てが分かり易く、一瞬見ただけで感動を与えてくれる不思議な作品ばかりなのです。
国際ベスト錯視コンテストに何度も優勝されるなど、著名な研究者であるにもかかわらず、皆を驚かせる様々な動画をたくさん発表されています。とにかく興味のある方は関連動画を是非ご覧下さい。そして「立体錯視の世界」に浸ってください。
上記の不思議な立体を自分も作ってみたい!3Dプリンター持ってる人なら、誰でもそう思いますよね。こんなシンプルかつ面白い造形品は、3Dプリンターの最も得意とするところであり、一部はThingiverseで3Dデータを取得することもできます。
ただ、私の場合、作りたいというのは3DCAD(私の場合、Fusion個人利用)を使って3D形状を作成したいということです。
数学的理論に基づいて立体形状を計算算出しようとすると、計算が膨大で頭がごちゃごちゃになり、正直私にゃ無理です。
そこで何とかFusionの中で作れないかと思考を始めました。
今回のテーマは、杉原先生の作品の中から「円形の筒を鏡で見ると四角の筒になる」という不思議立体をモデルにしました。
web上で、この丸と四角の不思議な立体を作る手順を探してみましたが見つかりません。そりゃ簡単に解説できるわけないかぁ、とあきらめることにし、仕方なく感覚的なイメージをFusionに描くことで、3D形状を導き出せないか試行してみました。
何と意外と簡単に作れてしまったんです。ただし、遠近補正の要素を無くした単純形状になりますが・・・
理屈は簡単です。
① 目的の立体物を前面45°から見た時に丸く、背面45°から見た時に四角に見える形状なので、それぞれ45°に傾けた傾斜面にそれぞれ丸と四角を別に描きます。
② それぞれのスケッチを押し出して、図形の重なる境界線が目的の立体物の外形になるのです。
③ この境界線を柱状にしてソリッド化すれば出来上がり。
この理屈を理解して頂ければ、以下に説明する詳細手順がお解り頂けると思いますし、様々な応用にも使えます。
以下、Fusionを使って、具体的な作図手順を説明します。
1.仮想図形を描く
まず、前面45°から見た時と背面45°から見た時の形状イメージをそれぞれ想定します。 この両方のイメージの元になる図形(丸と四角)を上面図に描きます。(スケッチ1)
2.傾斜平面上に投影図を描く
① X軸を中心軸とする45°および-45°の傾斜面を作ります。
② この傾斜面上にそれぞれ新たなスケッチを作成し、スケッチ1からの投影図を写します。
3.投影図を押出し
傾斜面に投影したスケッチをそれぞれ押出し、結合して1つの固体を作ります。
(押出し量は適当で、ここでは対称20mmにしています)
4.求めたい図形の抽出
次に実際に作成したい図形のための平面(上面図)上に得たい図形を抽出します。(スケッチ2)
具体的には、3.で作成した図形から重なり合ったところの境界線を3Dジオメトリとして取り込みます。
5.線画を面ボディにする
スケッチ2で取り込んだ図形は、3Dの線画になっています。
よって、この図形を押出すためにサーフェスモードの押出しで面ボディを作ります。
6.面ボディをソリッド化
面に厚みを付けてソリッド化します。これで、ほぼ目的の形状が得られます。
7. 4個連結
設置上の安定化のために、4個連結したものを作成します。
以上で最終目的の形状が完成です。
前面と背面からから見た状態を確認すると、下図のような見え方となるはずです。
(Fusion内での正投影図なので、実際には若干ズレが生じますが・・・。)
3Dプリンターにて印刷した結果が次の通りです。1m程の距離から撮影しました。
ほぼ予定通りの形状になったのではないでしょうか。
杉原厚吉先生の作品を手持ちの3DCAD(Fusion)で、簡易的ですが楽しむことができ「錯視の世界」に第1歩入り込むことが出来ました。私個人は3Dプリンターの愛好家で数学的理論にはついていけない凡人なのですが、3DCADと感覚的思考だけで高度な図形制作にも近づけるという大きな自信になりました。
そして、3Dプリンターの活用事例としても非常に得意とする造形なので、様々な用途に応用できることが期待されます。
今後更に杉原先生の作品を基に私でも簡易的な作品を作ることが出来るのか、チャレンジを続けていきたいと思っています。
最近は3DプリンターELEGOO Neptune4に関わる記事や、作品の紹介など気まぐれに投稿しています。
3Dプリンターで1層目の印刷というと、通常思い浮かぶのは「ベッド面への定着を良くするために」だと思います。これについてはネット情報も溢れており、今更ここで取り上げるつもりはありません。
私の場合は、PEIシートを使用して、ベッド面をクリーンにして、オートレベリング、Z-Offset調整が適正に行われていれば、大抵の場合安定した定着が出来ています。
今回取り上げたいことは、定着の問題ではなく、1層目の印刷状態が安定した層を形成しているか?ってことです。
1層目が定着してやれやれと思うだけでなく、綺麗な印刷面となっているか観察してみてください。特に左右で違いはないでしょうか? 品質上、結構重要な内容と思っていますので、是非最後までお付き合いください。
まず、Neptune4を使われている方で、次のような不具合にあったことはありませんか?一例です。
広い面の印刷で、2層目印刷途中で止めたところです。
第1層目の印刷ですが、左側の方に酷いムラがあります。または、印刷ののりに偏りがあったり、剥がれ掛けたりと、左右で品質が変わるという現象です。もちろん、レベリング調整もやってますし、思い当たる原因がわからなかったんです。
綺麗に印刷できるときもあれば、このようになってしまうこともあると、神出鬼没でつかみどころがありません。
神出鬼没なのでリンギングなどの振動・共振に関わるものとも思えず、症状は常に左右で違いがあることに注目しました。左右での違いとなると、Z軸の左右のバランスということになります。X軸ガントリーを支えて駆動制御するのは、左右2つのZ軸ステッピングモーターです。駆動時にはガッチリと励磁されて2個同時に同じ動きをするので、駆動中にバランスがずれることは、余程の過負荷が掛からない限りないと考えられます。それでは待機中や電源OFF時などは無励磁となり、手回しでZ軸をそれぞれ回すことが出来ます。
但し、必ず左右2個のZ軸動作が同期する必要がありますので、タイミングベルトで2つのZ軸が連結されています。このベルトがギンギンに張られているとモーター駆動と干渉して過負荷が掛かりますので、緩いテンションとなっています。
ただこのテンションが緩すぎると、左右でZ軸の高さが変わってしまうことになり、絶妙な状態でのセッティングになっていると思います。
今回問題視したのは、実はこのテンションで、緩すぎではないかと感じており、ここに注目しました。
私の装置でのベルトの張り具合は、ゆるゆるです。購入当初からこんなに緩くていいのかなあとずっと疑問には感じていました。
このベルトについては、テンション調整できる機構はありません。
軽く指で押してみます。張というより、弛(たる)んでいるという状態です。
この弛み具合がどれだけ影響するのかということを追求することにしました。
ベルトに弛みがあると、遊びが出て左右Z軸での高さ変化が出るはずです。ただ、これを計測器も使わずに数値化することは至難の業です。思案の末、思い付いたのが下の写真の様に左右Z軸のねじの先端に指針を付けて、角度ずれを測ることで数値化することにしました。角度は円盤に2°刻みの目盛りを付けており、弛み分の角度を読みます。
左右のZ軸は無励磁状態で、モーター上のカップリングを手回しして、それぞれの角度を見ます。
円盤を付けると、なかなか格好いいんですよ。2週間程このまま楽しんでました。
それはさて置き、通常運転でもこのまま使用していましたが、角度差は1~2目盛りぐらいの差がよく出ていました。
ただ運転中なので、頻繁に動くため詳細な差はなかなか読めません。
そして目的の無励磁状態の角度のギャップは、1~1.5目盛り(2~3°)程度と判断しました。
Z軸ねじのピッチは、8mm/1回転なので、2~3°は高さの0.04~0.06mmに相当します。
左右のZ軸の間隔が300mmで、ヘッド部が左右に動く範囲を200mmとすると、約2/3の変化となり、実質高さの差は0.04mm以下となります。つまり、印刷する度にZ軸の左右の高さがこの程度ズレた状態で印刷される可能性があるということです。
ベルト緩みの影響で、0.04mm以下の左右高さの差が生じる可能性があると判断していましたが、果たしてこの程度の影響で印刷に変化が現れるのでしょうか?
これは確かめるしかない。とは言っても、どうやって確かめるか?・・・
結局思い付いた方法は、ベルト緩みを無くすことで症状が無くなるかを確かめることにしました。
一般のタイミングベルトを使った装置では、弛み取りやテンション調整のために別途ローラーをベルトに押し当てることがあります。
このローラーをアイドラーといいます。今回の対策にもアイドラーを使って弛みを取る方法にしました。強いテンションを掛けて過負荷にすることはできないので、弱いバネを使ってローラーをベルトに軽く押し当てます。
製作したアイドラーは次のもので、バネは線径0.6mmのトーションバネ(キックバネ)です。
取付状態は次のようになります。
アイドラーの有る無しで比較テストすることにしました。テストモデルは、幅200mm、縦50mm、高さ0.2mmとして1層のみの横幅の広いシートにしました。
それぞれオートレベリング、Z-Offset調整後に実施します。材料はPLA黒、印刷速度120mm/sで各5回、Z軸モータ上のカップリングを手回しでグリグリいじった後に印刷しました。
1. 通常状態(アイドラーなし)
全体的には綺麗に印刷できているのですが、赤○印のところに印刷乱れが出ていますので拡大します。
5回中、2回の乱れが出ています。これも、2層目が乗ってくるとほとんど見えなくなるレベルです。
② アイドラーを取り付けた状態
いずれも乱れらしきものもなく、綺麗な仕上がりです。
明確な違いではなかったので、アイドラーの効果を過大評価することはできないのですが、感触としてアイドラーを付けると1層目の乗りの安定感が増したと思います。回数は少ないですが、印刷面での左右の違いは出なくなりました。
まだまだ、回数を重ねて不具合が出ないことを確認すべきなのですが、今後もアイドラー取付状態で継続観察していきます。
今回は、1層目の印刷安定性向上を目的として、Z軸連結ベルトへのアイドラーの取り付けを提案しました。
通常印刷で不具合に遭遇する機会も少ないと思いますが、もし同様の不具合でお困りの方のご参考になればと思います。
多分、市販品もなく、自作できる方に限られる点は申し訳ございません。
今回の記事とは直接関係ありませんが、PEIシートを使っていて、レベリング調整も適正、シート面を洗剤やアルコールで清浄にしても部分的なベッド剥がれが起きてしまう、こんな経験ございませんか?
そこで、一度試してほしいのが、これです。
台所でお馴染みの油汚れ洗剤です。これをシート面にシュシュっとかけて、スポンジたわしでやさしく丁寧に洗うだけです。
しつこい油脂の影響で剥がれる場合に効果絶大です。不用意に手指が触れてしまった時など試してみてください。アルコールはよく紹介されいますが、油膜を広げるだけで取れるとは言い難いです。
最近は3DプリンターELEGOO Neptune4に関わる記事や、作品の紹介など気まぐれに投稿しています。
フィラメント交換時に、次のフィラメントをエクストルーダに挿入しようとしたところ、押出しも抜き取りも出来なくなってお手上げ状態になった、という経験はございませんか?
Neptune4のエクストルーダ内部の分解清掃については情報も少なく、また見るからにガッチリと作られており普通は分解してみようとは思いません。私もNeptune4を購入して10ヶ月半ほどになりますが、エクストルーダを分解した経験はありません。
しかし、ついにその時がやってきてしまいました。今回の記事では発生したトラブルの状況と対処した内容を紹介します。
エクストルーダ内部の分解清掃は意外と簡単で、定期的に行った方が良いと思いましたので参考になれば幸いです。
ノズル交換を経験した方であれば、ノズル交換作業よりも容易だと思います。
今回は、TPUフィラメントに交換しようとした時でした。TPUフィラメントはご存じの通り、ふにゃふにゃで見るからにこんなの通るのかなぁ、と不安になります。これまでも何十回と通してきたのですが、今回はエクストルーダ内部でガッチリとロックされてしまい押出しも抜き取りも出来ないという状態になってしまいました。
恐らく、本来通るべき送り出すギヤの間に入らずに逸れてしまって、引っかかったと思われます。
これはもう分解するしかない。
まず、電源OFFとして、ヘッド部(X軸ガントリー)は出来るだけ下に下げておきます。交換作業ではないのでこの方がやり易いです。
ベッド面は養生のため紙などで保護しておきます。分解に必要な工具は対辺2mmの六角レンチと小さい+ドライバーだけです。
では早速分解を開始していきます。
① まず、表カバーの固定ビス(左右2か所)を外し、カバーを手前に引き出して外します。
② 内部のファンユニットを外します。
下画像の場所(左右同じところ)に計4個の+ビスでファンユニットが取り付けられていますので、ビスを取り外します。
③ ユニットはズリ下ろしてベッドの上に置くのですが、左側のケーブルが短いのでコネクタを外します。
④ ステッピングモータを取り外します。
2か所のビスを外してモータを抜き出します。
⑤ いよいよエクストルーダ部のカバーを外します。
残り1個のビスを外します。
このカバーを手前に引き出します。
下画像は内部の状態が見えるようになったところです。
(写真は清掃後なので綺麗になっています)
詰まり云々よりも、フィラメントの削れカスがいっぱいで驚きました。10ヶ月半でこうなってしまうとは・・・。
とりあえず清掃します。
清掃には100均で買ったこんなブラシを掃除機に付けて、削れカスを一気に吸い取ります。清掃は数秒で終わってしまいます。
清掃後、奥をのぞき込んでみると、青矢印部が本来の通り道なのですが、①のところに逸れて入り、しかも②のところへ入り込んでいるではありませんか。
ピンセットで引っ張り出すと、こんなに入っていました。
対処といっても、この状態でフィラメントを上から引っ張ると簡単に抜けました。清掃、詰まり対処はこれで終わりです。後は元通りに取り付けて完了です。レベル調整などの再調整の必要もなく、印刷を再開することが出来ます。
復旧後、同じTPUフィラメントを通してみましたが、何の問題もなくロードできました。
っていうか、清掃したことでレバー動作や通し易さが良くなったような・・(気のせいかもしれませんが・・)
今回は、初めてエクストルーダ部を分解清掃してみましたが、トラブル対処よりも削れカス清掃の必要性を感じました。
Neptune4のダイレクトエクストルーダ部は、一見分解し難そうですが要領さえ分かってしまえば簡単です。
注意すべきは、ケーブルを引っ張ったり挟み込んだりしないことです。今回は、清掃だけなのでヘッド部を下げることで、内部ファンユニットを下に下ろしてベッドに乗せられるので、作業が非常にやり易くなります。分解清掃の参考になれば幸いです。
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