彼岸 の俳句
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彼岸 補遺
あか~と彼岸微塵の佛かな 川端茅舎
あがなひぬ彼岸の市の黒椿 星野麥丘人
あしたより降り驚かす彼岸雪 森澄雄
いづこにもわれ居らずして彼岸寺 野澤節子 八朶集以後
いや白く雪嶺媚びぬ彼岸前 相馬遷子 山河
いらうては腹ざら~と彼岸ふぐ 岡井省二 鯨と犀
うき人よ彼岸参りの薄化粧 政岡子規 彼岸
おくればせに蓬摘む也彼岸過 政岡子規 彼岸
おろがみて斎藤茂吉先生の彼岸なり 百合山羽公 故園
お彼岸が晴れてうれしや南婆さ 日野草城
お彼岸の五百羅漢は供華もなし 清崎敏郎
お彼岸の巣から啼き居る鴉かな 原石鼎 花影
お彼岸の朱の全円の夕日かな 福田蓼汀 秋風挽歌
お彼岸の花提げしその人に逢ふ 清崎敏郎
お彼岸の鐘きゝとむる樵夫かな 飯田蛇笏 霊芝
お彼岸や心の丈に土筆摘み 森澄雄
お彼岸や末寺の尼ぜ本山へ 星野立子
お彼岸や池をめぐりて詣で人 後藤夜半 翠黛
お彼岸を食ひもて行きて女かな 石橋秀野
くにはらの水縦横に彼岸鐘 飯田蛇笏 春蘭
ざくざくと彼岸浅蜊や浅蜊掻 百合山羽公 樂土以後
しがらみに水輝ける彼岸過 岡本眸
すぐろ野の日に尼つるる彼岸かな 飯田蛇笏 山廬集
ぜんまいをねんごろに煮て彼岸入 細見綾子
そそくさと彼岸婆とし出で行けり 石塚友二 磊[カイ]集
なか空に蝶舞ひあがる彼岸かな 村山故郷
ほろほろと椿こぼるゝ彼岸哉 政岡子規 彼岸
ゆつくりと山懐の彼岸鐘 阿波野青畝
よべばこたへありて彼岸へ渡し舟 富安風生
わがことの多し彼岸の鐘が鳴る 山口青邨
ナスダック急落彼岸入りの雨 星野麥丘人
一*ちゅうの香焼く彼岸故人ひしめき 山口青邨
一つ二つ蜻蛉とべり彼岸過 山口青邨
世の中を笑ふてくらす彼岸哉 政岡子規 彼岸
乞食の子も孫もある彼岸かな 内藤鳴雪
二の池に水廻しやる入彼岸 上田五千石『琥珀』補遺
五寺六寺駈けづり参る末彼岸 山口青邨
人ごみに蝶の生るる彼岸かな 永田耕衣
人について行くや彼岸の無量寺へ 政岡子規 彼岸
人の和を希へる樹下の彼岸過 下村槐太 天涯
人容れて林いろめく彼岸かな 岸田稚魚
仏達を笑ふてくらす彼岸哉 政岡子規 彼岸
会釈して影の縮まる彼岸婆 岸田稚魚
僧代りあひつつ彼岸法話かな 阿波野青畝
兄妹の相睦みけり彼岸過 石田波郷
入彼岸恋のこゑするかいつむり 森澄雄
入院や本降りとなりし彼岸の雨 村山故郷
八重葎露こぞりたる彼岸かな 石田波郷
円く厚く平ら彼岸の焼饅頭 中村草田男
卒寿われ母に彼岸の燭ともす 山口青邨
受診即刻の入院となりぬ彼岸前 村山故郷
吉野葛溶くや冷えこむ彼岸過 水原秋櫻子 緑雲
吾が前に瞼を閉ぢず彼岸河豚 岡井省二 鯛の鯛
土手の上の人の大きく彼岸過ぐ 岡本眸
堂畳海のやうなる彼岸かな 阿波野青畝
墓の間に彼岸の猫のやつれけり 石田波郷
墓地につづく浜の砂ふむ彼岸人 橋閒石 雪
夕焼の 遥か 彼岸について語れ 富澤赤黄男
大寺の彼岸の明くる御経かな 高野素十
大寺の松風寒き彼岸かな 鈴木真砂女 居待月
大揺れの樹の谷深き彼岸かな 廣瀬直人
大根の種子の売るるも彼岸まで 高野素十
大法話いまつづきゐる彼岸かな 阿波野青畝
子規のこと訊かれてゐたる彼岸かな 燕雀 星野麥丘人
子規の言ふ彼岸に背く開花なり 百合山羽公 樂土以後
子規庵の彼岸の雪となりにけり 燕雀 星野麥丘人
安房なれや彼岸の供華も金盞花 清崎敏郎
家ぬちまで潮のひかり彼岸鐘 鷲谷七菜子 游影
尼の数珠を犬もくはへし彼岸かな 飯田蛇笏 山廬集
山の端に宝珠のまるき彼岸かな 阿波野青畝
山寺の扉に雲あそぶ彼岸かな 飯田蛇笏 霊芝
山街道彼岸詣を通すのみ 大野林火 飛花集 昭和四十八年
山門に鼠のはしる彼岸かな 政岡子規 彼岸
川舟の舳先の揃ふ彼岸寒 桂信子 花影
師を仰ぎ春の彼岸の入盈ちぬ 石田波郷
彼岸くる目刺来たりし海辺より 百合山羽公 故園
彼岸とて誰に手向けん蕗の花 政岡子規 彼岸
彼岸には死れける往生疑ひなし 政岡子規 彼岸
彼岸の墓どれも親しや夕蝶花 角川源義
彼岸の日朴の幹にも傷多し 石田波郷
彼岸の雀よ他界想はで他界せしは 中村草田男
彼岸へと橋の八曲 梅日和 伊丹三樹彦
彼岸までの暑さにおろす簾かな 鈴木真砂女
彼岸中日は昨日となりしを雪が降る 細見綾子
彼岸中日子が来る日とす約はせねど 安住敦
彼岸値は源五郎並子スッポン 百合山羽公 樂土以後
彼岸入り四国の白い曼珠沙華 細見綾子
彼岸入子規にならひて寒がらむ 百合山羽公 樂土以後
彼岸団子作らずじまひ一人悔ゆ 細見綾子
彼岸団子買ひ来墓参は欠礼せり 安住敦
彼岸婆々阿難の嶮を越えゆけり 飯田蛇笏 山響集
彼岸婆笑うてばかりゐたりけり 星野麥丘人
彼岸寒智照尼こもりゐるとのみ 阿波野青畝
彼岸寒雨しみ~と降りにけり 星野立子
彼岸寺松の根こぶに腰おろし 細見綾子
彼岸御堂四隅朽ちつゝ微風吹く 百合山羽公 故園
彼岸御堂百年寄進瓦乞ふ 百合山羽公 寒雁
彼岸果つる月夜鴉ぞ明るけれ 渡邊水巴 白日
彼岸波踏んで潜水服沈む 秋元不死男
彼岸荒れ帽子がとんできたりけり 百合山羽公 樂土以後
彼岸観世音来給ふ村の悪路より 百合山羽公 寒雁
彼岸過ぎたり久久に和服著て 下村槐太 天涯
彼岸過ぎて草花の種貰ひけり 政岡子規 彼岸
彼岸過ぎの大雪ふるさと人嘆く(丹波) 細見綾子
彼岸過人のコートのレモンいろ 山口青邨
彼岸過大洲の泥がまのあたり 松村蒼石 雪
彼岸過子の一家来てわが家占む 安住敦
彼岸鐘目高輪になり輪の光り 大野林火 月魄集 昭和五十六年
彼岸鐘草木聞けり鳥聞けり 大野林火 月魄集 昭和五十六年
彼岸雨詣でし墓を傘の内 飯田蛇笏 家郷の霧
彼岸香具師一嚢嗄れし声も入れ 百合山羽公 寒雁
懈りの文書く彼岸ばらひかな 上田五千石『天路』補遺
手に握る彼岸の小銭こぼしけり 政岡子規 彼岸
折柄の晴雨半ばし彼岸寒 高浜年尾
旅人のついでに参る彼岸哉 政岡子規 彼岸
旅舟に安房は彼岸の花畑 富安風生
日の暮れて山重なりぬ入彼岸 岸田稚魚 紅葉山
春彼岸酢蓮のコツに母泛ぶ 能村登四郎
昼の湯に四肢伸ばすこと彼岸前 下村槐太 天涯
昼中の彼岸の月や杉木立 政岡子規 彼岸
月日過ぎただ何となく彼岸過ぎ 富安風生
月明く彼岸のみちのつめたかり 上田五千石『天路』補遺
東京に彼岸の雪の憚らず 山田みづえ 草譜
桃も花菜も昨日に遠し彼岸雪 臼田亜浪 旅人 抄
椎茸の菌を打つ下彼岸川 岡井省二 鹿野
榧を見て椨の古木も彼岸かな 燕雀 星野麥丘人
横顔の母老い給ふ彼岸かな 相馬遷子 山国
毎年よ彼岸の入に寒いのは 政岡子規 彼岸
水一杯飲みて彼岸の香具師あはれ 百合山羽公 故園
水子塚彼岸詣に猫抱きて 平畑静塔
水揚げのひとり働き彼岸寒 石田勝彦 秋興
水煙の上まぶしき彼岸かな 下村槐太 天涯
汐入に何か泳げる彼岸かな 橋閒石
沼に沿ひ杖を漕ぎゆく彼岸婆 秋元不死男
泥膾肥え根芹こはゞる彼岸かな 政岡子規 彼岸
浅草に朝蝶とべる彼岸かな 村山故郷
浮葉みえてさゞ波ひろき彼岸かな 渡邊水巴 白日
海の上に日の大いなる彼岸かな 村山故郷
涅槃会の終りしばかり彼岸寺 右城暮石 句集外 昭和四十八年
消えし火のあと確かむる彼岸寺 廣瀬直人
潮入に何か泳げる彼岸かな 橋閒石 卯
灯れる坂の鳴海や彼岸海豚 岡井省二 山色
父老いし街の彼岸にかへりくる 三橋敏雄
爺婆の蠢き出づる彼岸かな 内藤鳴雪
牡丹餅の昼夜を分つ彼岸哉 政岡子規 彼岸
牡丹餅ノ使行キ逢フ彼岸カナ 政岡子規 彼岸
狐火の傳くならば彼岸まで 藤田湘子 てんてん
珊瑚樹のうちに鳥ごゑさき彼岸 岸田稚魚
珠数さげて彼岸参りにまかられぬ 政岡子規 彼岸
珠数ひろふ人や彼岸の天王寺 政岡子規 彼岸
町なかに鴎のあそぶ彼岸かな 安住敦
疱瘡の神へ彼岸詣のついで哉 政岡子規 彼岸
病床に日毎餅食ふ彼岸かな 政岡子規 彼岸
瞬けば小豆こぼるる彼岸かな 橋閒石 和栲
石垣の塵掃き落す彼岸かな 廣瀬直人
砂山の砂の崩るゝ彼岸かな 鈴木真砂女 生簀籠
磯墓の彼岸の供華は金盞花 清崎敏郎
種売に彼岸の御堂峨々とたつ 百合山羽公 寒雁
粥食べしまなこのうるみ彼岸寒 鷹羽狩行
紅梅に中日過し彼岸哉 政岡子規 彼岸
紐固き信玄袋彼岸婆 鷹羽狩行
紙漉いて彼岸の雨に仕へゐる 岡井省二 明野
緋座布団たまはる彼岸の鐘の中 山口青邨
緑の羽根さして彼岸の餅黄なり 百合山羽公 寒雁
老のせて彼岸過ぎなる船荒るる 原裕 葦牙
老ゆるまで彼岸の香具師の目のひかり 百合山羽公 寒雁
自転車に吾子乗せて行く彼岸寺 高田風人子
花ちらほら鳥も獣も彼岸かな 日野草城
花買うて彼岸と言へば妻遠し 森澄雄
茫としてまた恍として彼岸寺 廣瀬直人
茶を点てて彼岸団子を喜ばす 後藤比奈夫
草臥はせぬか彼岸の鉦叩き 政岡子規 彼岸
草餅を売り尽したる彼岸かな 政岡子規 草餅
荒びたる彼岸の雪を虔みぬ 岸田稚魚 紅葉山
萩城趾へ鶴翼の陣彼岸波 松崎鉄之介
薹立ちし菜のほろ苦し彼岸すぎ 村山故郷
藪の秀に夕日とどまる彼岸寺 細見綾子
虎渓山の僧まゐりたる彼岸かな 村上鬼城
蛇の衣見つけしといふ彼岸過ぎ 細見綾子
蝌蚪生れて未だ覚めざる彼岸かな 松本たかし
行人裡ゆきて彼岸だなとおもふ 下村槐太 天涯
親展の文のふくらみ彼岸寒 鷹羽狩行
角力フアン瓜人追善彼岸場所 百合山羽公 樂土以後
誘ひあひ彼岸詣りの老姉妹 星野立子
貫きて黒し壮者の彼岸道 斎藤玄 狩眼
賽銭の椽にこぼるゝ彼岸哉 政岡子規 彼岸
赤坊のひとりごちせる彼岸寺 岸田稚魚
連翹は雪に明るき彼岸かな 渡邊水巴 白日
道中の香煙に会ふ春彼岸 飯田蛇笏 旅ゆく諷詠
野の道に彼岸の人のつゞきけり 政岡子規 彼岸
野住ひや雨華やぎて彼岸過ぎ 村山故郷
銚子電鉄彼岸の客を乗せて混む 安住敦
錐揉みしばかりに彼岸寒の失せ 鷹羽狩行
長流に対ひをりたる彼岸かな 石田勝彦 秋興
雪かかる彼岸の花をひと抱へ 岸田稚魚 紅葉山
雲に古る扉の花鳥彼岸寺 飯田蛇笏 春蘭
雲はあれど彼岸の入日赤かりし 政岡子規 彼岸
雲海の彼岸の富士や今日あけつつ 中村草田男
青竹の新花筒や彼岸寺 細見綾子
韓愈推し買島は敲く彼岸哉 政岡子規 彼岸
順礼と泊り合せる彼岸哉 政岡子規 彼岸
頬白の田面らに降りて彼岸前 岡井省二 鹿野
顔も忘れ彼岸の母を香煙に 山口青邨
風の日は魚もこもりて春彼岸 鷹羽狩行
風強き彼岸詣となりしかな 鈴木真砂女 夏帯
風花や池の彼岸に弥陀の顔 村山故郷
風雪となりける彼岸ならばままよ 岸田稚魚 紅葉山
飼ひ鳩を連れ来て放つ彼岸寺 右城暮石 句集外 昭和四十八年
香煙に高さは要らず彼岸の墓 平畑静塔
高度一萬米空を航く彼岸かな 三橋敏雄
魚影の国のぞく 彼岸の膝ついて 伊丹三樹彦
鳥たちに午も過ぎたる入彼岸 岸田稚魚 紅葉山
鳩尾長総出の日なり彼岸前 石田波郷
鳰見つつ肩ぬくもりぬ彼岸過 石田波郷
鳰黒く彼岸の沼に侍りけり 岡本眸
鴉仲悪く彼岸の空乱す 百合山羽公 樂土
鶏鳴を寝床にきくや入彼岸 鈴木真砂女 紫木蓮
黄にヘりどり彼岸の雲と思はるる 山口青邨
以上