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映画「パスト ライブス／再会」（セリーヌ・ソン、原題：Past Lives、2023）24年ぶりに初恋の相手に再会。
映画「パストライブス／再会」（原題：Past Lives、2023）は海外移住のため離れ離れになった幼なじみの2人が、24年の時を経てニューヨークで再会する7日間を描いた、アメリカ・韓国合作の大人のラブストーリー。日本での劇場公開は2024年4月5日。
登場人物はほぼ3人だけで、幼馴染の2人の主人公を演じるのは「ロシアン・ドール: 謎のタイムループ」のグレタ・リー（ノラ役）と「LETO -レト-」「めまい 窓越しの想い」のユ・テオ（ヘソン役）。
お互い12歳のころの淡い初恋が忘れられずに、12年後、男が兵役のときにふと思い出しネットで検索して、探し当てた相手とオンラインで再会。
さらに12年後にリアルにニューヨークで再会するという話。
キーワードは「イニョン」（韓国語で摂理、運命、縁）で、何度もこの言葉が登場する。仏教の概念で、映画では「8000回の前世を重ねて結ばれる」という壮大な縁の概念が描かれ「イニョン」が単なる「縁」以上の、運命的で深い人間関係のつながりを表す言葉として使われている。
簡単に言えば、24年ぶりに再会した幼なじみの男女の7日間を描いたラブストーリー。「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」のA24と「パラサイト 半地下の家族」のCJ ENMが初の共同製作。
監督はこれがデビュー作となったセリーヌ・ソンで、12歳のときに家族とともに海外へ移住した自身の体験をもとにオリジナル脚本を執筆し、メガホンをとった。
ストーリーとしては「恋人までの距離（ディスタンス）」（その後の再会を描き3部作となる）の「ビフォア」シリーズ3部作にも似ている。
冒頭のシーンでは、韓国人の男女2人とアメリカ人の男1人の３人がバーのカウンターで会話している。ナレーションで、この3人はどういう関係なのだろうと幾通りかの推理の言葉が語られ、場面は24年前に遡るというオープニング。
そしてラストシーンが同じシーンとなる。そのあたりは「逢びき」（1945）と同じ。監督が意識したかどうかはわからないが、同じシーンでも、すべてのいきさつを知ってから見ると、見方が大きく変わる。
アメリカ人の夫が、韓国人同士の会話に入り込めず、取り残されてしまっているという疎外感。妻の幼馴染の男が24年ぶりに会いに来るというのを、自宅にまで招くという人の好さ。嫉妬深い男だったら妻が初恋の男に会いに行くなんてと拒絶しただろう。
韓国から訪ねてくる男が妻とともに駆け落ちして自分の元を離れてしまうのではないかと不安が頭をよぎり落ち込み、本気とも冗談とも取れない発言をする。
幼馴染をウーバー（タクシー）に乗るまで見送り、タクシーに乗るまでの1，2分間、距離を置いて立ち尽くしていたが、今世では縁がなかったが「来世では（今世の）縁によりまた会える」と確かめ合って、最後にハグをして別れた二人。
見送った後、アパートに戻ると、入り口の階段で待っていた夫に抱えられて号泣するノラ。
ラストは切なさが残る「エン（＝縁）ディング」だった。
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韓国・ソウルに暮らす12歳の少女ノラと少年ヘソンは、互いに恋心を抱いていたが、ノラの海外移住により離れ離れになってしまう。
12年後、24歳になり、ニューヨークとソウルでそれぞれの人生を歩んでいた2人は、オンラインで再会を果たすが、互いを思い合っていながらも再びすれ違ってしまう。
そして、さらに12年後の36歳、ノラ（グレタ・リー）は作家のアーサーと結婚していた。ヘソン（ユ・テオ）はそのことを知りながらも、ノラに会うためにニューヨークを訪れ、2人はやっとめぐり合うのだが…。
12歳の時 24歳の時 36歳
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2023年・第73回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門出品。第96回アカデミー賞では作品賞、脚本賞にノミネートされた（受賞はならず）。映画館で見逃し、一時ビデオレンタルまで探したが、きのう再加入した（笑）配信（Netflix）でようやく見ることができた。余韻の残る映画ではあった。
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