
衝撃のニュースだった。「スタンド・バイ・ミー」「ミザリー」などの作品で知られる映画監督のロブ・ライナーと妻が亡くなった。ライナー監督は78歳だった。
複数のメディアによると、息子のニック・ライナー容疑者が地元警察に殺人容疑で逮捕されたと報じた。容疑者は薬物依存症で苦しんでいたという。

ライナーさんらは14日、米西部カリフォルニア州ロサンゼルスの自宅で死亡した状態で発見された。何者かが外部から押し入った痕跡はなく、遺体に刃物による刺し傷があった。警察は殺人事件とみて捜査していた。
ロブ・ライナー監督というとラブ・コメの王道作品ともいえるメグ・ライアン主演の「恋人たちの予感」や、観客を恐怖に叩き込んだ「ミザリー」などの作品が印象に残る監督だった。残念。

<主な監督作品>
スパイナル・タップ This Is Spinal Tap(1984)
シュア・シング The Sure Thing(1985)
スタンド・バイ・ミー Stand by Me(1986)☆☆☆☆
プリンセス・ブライド・ストーリー ThePrincess Bride(1987)
恋人たちの予感 When Harry Met Sally...(1989)☆☆☆☆
ミザリー Misery(1990)☆☆☆☆
ア・フュー・グッドメン A Few Good Men(1992)☆☆☆
ノース小さな旅人 North(1994)
アメリカン・プレジデント The American President(1995)★★
ゴースト・オブ・ミシシッピー Ghosts of Mississippi(1996)
ストーリー・オブ・ラブ The Story of Us(1999)
あなたにも書ける恋愛小説 Alex & Emma(2003)
迷い婚 -全ての迷える女性たちへ- Rumor Has It...(2005)
最高の人生の見つけ方 TheBucket List(2007)☆☆☆
Flipped(2010)
最高の人生のはじめ方 The Magic of Belle Isle(2012)☆☆☆
最高の人生のつくり方 And So It Goes(2014)☆☆☆
ビーイング・チャーリー Being Charlie(2015)
LBJケネディの意志を継いだ男LBJ(2016)
記者たち 衝撃と畏怖の真実 Shock and Awe(2017)
アルバート・ブルックス /ディフェンディング・マイ・ライフ Albert Brooks: Defending My Life(2023)
スパイナル・タップII: ジ・エンド・コンティニューズSpinal Tap II: The End Continues(2025)
ご冥福をお祈りいたします。
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「ナイブズ・アウト: ウェイク・アップ・デッドマン」(原題:Wake Up Dead Man: A Knives Out Mystery、2025)はライアン・ジョンソン監督、ダニエル・クレイグ主演の「ナイブズ・アウト」シリーズの第3作。
007ボンド役を卒業したダニエル・クレイグの007に続く当たり役となっている名探偵ブノワ・ブラン・シリーズ。ダニエル・クレイグが50代も後半(57歳)を迎え、アクションを一切封印して、演技派に転向したようだ。今回、やや長髪にしているのが気になる。
気になるおかっぱ、長髪
名探偵ブノワ・ブランが、ある田舎町の教会で起きた犯罪に若く実直な神父ジャドと手を組んで真相究明に挑む謎解きミステリー。殺人トリックなど、かなり手が込んでいて、飽きさせない展開だった。
・・・
<ストーリー>
教会でのミサの最中、登壇脇の小部屋に入ったウィックス司祭(ジョシュ・ブローリン)が背中を刺されて死亡する。凶器は、赤く塗られた悪魔の頭の飾りがついた鋭利な刃物。
そのとき被害者以外に壇上にいたのはジャド司祭(ジョシュ・オコナー)だけだったため、ジャドが犯人と疑われる。
警察署長のジェラルディン(ミラ・クニス)は不可能殺人の謎を解き明かすため、探偵のブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)を呼んだ。
ウィックス司祭は教会内の祖父プレンティス・ウィックス(ジェームズ・フォークナー)と同じ墓に収められた。しかし激しい嵐が町を襲った夜、墓の扉が内側から開かれ、司祭の死体が消失する。
・・・
グレン・クローズが変にヒステリックな役とか風変わりな老女役などではなく久しぶりに大物演技派女優「らしさ」を出していてよかった。
ジョシュ・ブローリンは「トゥルー・グリット」「ブッシュ」などで脇役が多いが「ナイブズ・アウト」では、主役級で威厳があった。

Netflix映画だが、セリフの中で「(この事件が)Netflixによってクソ映画化されなければいいが」という自虐的なセリフが笑わせる。日本の猫カフェに言及するシーンもある。ジャド司祭(ジョシュ・オコナー)が、外見、雰囲気などが野間口徹に見えた(fpdだけ?笑)。
<主な登場人物>
■ブノワ・ブラン:ダニエル・クレイグ…世界一の名探偵。
■ジャド・デュプレンティシー:ジョシュ・オコナー…元ボクサーの司祭。過去ボクシングの試合中に対戦相手を殴り殺してしまい、その罪悪感から信仰の道へ進んだ。
■ジェファーソン・ウィックス:ジョシュ・ブローリン…「永遠なる勇気の聖母教会」の司祭。教会の中心的存在で横暴だがカリスマ性がある。周囲には自身のことを「モンシニョール」と呼ばせている。
■ナット・シャープ:ジェレミー・レナー…町医者で「永遠なる勇気の聖母教会」の信者。妻が娘を連れて出て行ったことで、現在はアルコール中毒に陥っている。
■ヴェラ・ドレイヴン:ケリー・ワシントン…弁護士。「永遠なる勇気の聖母教会」の信者。亡き父も弁護士でウィックスの友人だった。
■リー・ロス:アンドリュー・スコット…SF作家。「永遠なる勇気の聖母教会」の信者。過去にベストセラーを出した人気作家だったが、現在は陰謀論に傾倒し徐々に人気が落ちている。
■シモーヌ・ヴィヴァーヌ:ケイリー・スピーニー…元世界的チェロ奏者。「永遠なる勇気の聖母教会」の信者。原因不明の慢性疼痛により5年前に引退。病が治る「神の奇跡」を信じて教会に多額の寄付をしている。
■サイ・ドレイヴン:ダリル・マコーミック…ヴェラの養子。政治家志望だが挫折して実家に戻ってきた。現在も政治家への道は諦めておらず、ウィックスや教会を利用して国民の支持を得ようと企んでいる。
■マーサ・ドラクロワ:グレン・クローズ…「永遠なる勇気の聖母教会」に勤める敬虔なクリスチャン。子供の頃から教会で働き、現在は教会の運営から雑務までほとんどのことを仕切っている。ウィックスの右腕的存在。
■サムソン・ホルト:トーマス・ヘイデン・チャーチ…「永遠なる勇気の聖母教会」の庭師。マーサの恋人。アルコール中毒だったが、ウィックスの教えで酒を断っている。
■グレイス・ウィックス:アニー・ハミルトン…ウィックスの亡き母。信仰心がなく奔放な性格だったことから、ウィックスや地域住民からは「あばずれ娼婦」と呼ばれている。
■プレンティス・ウィックス:ジェームズ・フォークナー…ウィックスの亡き祖父で「永遠なる勇気の聖母教会」の創設者。
■ジェラルディン・スコット:ミラ・クニス…地元の警察署長。
■ラングストローム:ジェフリー・ライト…ジャドを「永遠なる勇気の聖母教会」に派遣した司祭。
■ルイーズ:ブリジット・エヴァレット…建設会社の事務員。
■ニコライ:ノア・セガン…バーのオーナー。
■アナウンサー:ジョセフ・ゴードン=レヴィット(カメオ出演)…テレビで野球中継を実況するアナウンサー。
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映画「第10客室の女」(原題:The Woman in Cabin 10、2025)はキーラ・ナイトレイ主演のサスペンス・ミステリー。監督は「時の面影」のサイモン・ストーン。原作はイギリスの作家ルース・ウェアの同名ミステリー小説。Netflixで配信中。

豪華クルーザーで起きた不可解な事件をめぐり、主人公のジャーナリスト(キーラ・ナイトレー)が真相に迫ろうとする姿が描かれる。
・・・
ジャーナリストのローラ・ブラックロック(愛称ロー/キーラ・ナイトレイ)は、富豪夫妻が主催するチャリティ航海の取材のために豪華ヨットに乗った。
白血病で死が間近の富豪アン(リサ・ローヴェン・コングスリ)が医療研究のための財団を設立。夫・リチャード(ガイ・ピアース)がチャリティ航海を計画。参加者たちは寄付者だった。
ローは、アンに呼ばれて財団の記事を書くために乗船することになった。
ローは隣室で無人のはずの“第10客室”で金髪の女性を見つける。その日の夜、ローは第10客室から誰かが海へ突き落とされる光景を目撃。
ローは慌ててスタッフに報告するが、乗客名簿にもクルーの報告にも「該当する乗客」はいない。
“見間違い”“ローの妄想”として片づけられていく中、ローは独自調査を開始する。
船主のビリオネアのリチャード夫妻(ガイ・ピアース、リサ・ローヴェン・コングスリ)、謎の女性。そして元カレで写真家のベン(デヴィッド・アヤラ)らが交錯し、豪華客船という閉鎖空間の中で、海に消えた死体の正体と仕組まれた真実が少しずつ浮かび上がる——。





・・・
<主な登場人物>
■ローラ “ロー”・ブラックロック:キーラ・ナイトレイ…好奇心が強いフリーのジャーナリスト。事件の目撃者であり語り手。
■リチャード・ブルマー:ガイ・ピアース…大富豪の船主で、クルーズ船の船長で主催者。
■アン・リュングスタッド:リサ・ローヴェン・コングスリ…リチャードの妻。ノルウェーのオイル資産家令嬢。闘病中。
■ローワン:ググ・バサ=ロー…ローの同僚ジャーナリスト。ローの良き理解者。
■ベン:デヴィッド・アヤラ…ローの元恋人で写真家。船上でローに再会する。
■キャリー:ギッテ・ヴィット…謎の女。ローが“第10客室”で遭遇した女性。
■ハイジ:ハンナ・ワディンガム…乗客。社交の中心にいる。
■トーマス:デヴィッド・モリッシー…船上のVIPゲスト。
■グレース:カヤ・スコデラリオ…インフルエンサーの女性。
■シグリッド:アマンダ・コリン…ヨットのセキュリティ責任者。
■アダム・サザーランド:ダニエル・イングス…社会的地位の高い乗客。
■ロバート・メータ:アート・マリック…医師。
・・・
取材のため豪華ヨットに乗船したジャーナリスト、ローラは、ある乗客が海に落ちるところを目撃する。誰にも信じてもらえないなか、ローラは自分の命を危険にさらしながら一人で真相を突き止めようとする。
「フライトプラン」のように「人物がいた」と主張するが、まわりはまるで申し合わせたように「いない」といい、妄想だと取り合ってもらえない状況を描くが、最後に、犯人が判明(予想はついた)し、すっきりとした結末を迎える。トラウマを抱えたキーラ・ナイトレイの演技は見どころ。


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映画「出来ごころ」(1933)を、江東シネマフェスティバルの会場ホールで見る(当日券一律1,000円)。松竹キネマ製作・配給。監督は小津安二郎。モノクロ、スタンダード、サイレント(弁士・音楽伴奏付き)、100分。
映画が音のない「活動写真」と言われた時代の映画を活弁士がスクリーンの横で登場人物のセリフを使いわけて声に出し、場面や状況を解説する語りが圧巻。
弁士がサイレント映画のセリフや情景描写を観客に伝える上映が少なくなっており、機会があれば見ることにしている。昨年は同じ企画でエルンスト・ルビッチ監督の無声映画「結婚哲学」(1929)を見た。
「出来ごころ」は、坂本武演じる喜八を主人公とした「喜八もの」の第1作。第10回キネマ旬報ベスト・テン第1位。のちの「寅さん」(男はつらいよ)シリーズの元祖ともいえる下町の人情喜劇。小津安二郎は「生まれてはみたけれど」(1932)「浮草物語」(1934)と3年連続「キネマ旬報」ベストテン1位を受賞。
東京の下町の長屋に住む気のいい親子を物語の軸に、彼らを取り巻く人々が織り成す人間模様を小津監督が人情味たっぷりに活写。

<あらすじ>
昭和初期の東京の下町。男やもめの喜八(坂本武)は、小学3年の息子・富夫(青木富夫)を育てつつ工場で働く冴えない中年男。
弟分の次郎(大日方傳)は元・戦友で、長屋の隣同士に住み職場も同じ長年の相棒だった。ある夜、仕事先をクビになり行き場のない若い娘・春江(伏見信子)に一目惚れして宿を世話する喜八。
”かあやん”ことおとめ(飯田蝶子)が営む一膳飯屋で働き始める春江。春江に熱を上げた喜八は飯屋に通いつめて酒を呑み、工場も欠勤する有様だった。
喜八には感謝しつつも、若く美男な次郎に気がある春江。しかし次郎のほうは冷たく彼女を拒む。
春江から相談を受けて、次郎との仲の取り持ちを喜八に依頼する“かあやん”。失恋の痛みを隠した喜八は次郎を説得するが、次郎は頑なに断り続けた。
息子の富夫が急病で入院した。無事に退院したが入院費が払えない喜八。
恩返しのために金を作ると言い出した春江が夜の商売に墜ちることを案じた次郎は、春江を想っていると打ち明けて引き止めた。次郎は、喜八の恋心を思い遣って春江を遠ざけていたのだ。
金を工面するために、北海道の漁師の募集に応じる次郎。
それを知った喜八は、春江に別れを告げる次郎を殴って気絶させ、代わりに北海道行きの船に乗った。しかし、船が千葉の銚子に差し掛かる前に息子が恋しくなった喜八は、海に飛び降り、泳いで戻り始めた。
・・・
映画では、教養も学も無く、息子・富夫の小学校の同級生の悪ガキどもからは「お前のとっつあん(父親、劇中では「ちゃん」)は仕事にも行かず、酒ばかり飲んで大バカだ」とバカにされる。
喜八も、富夫から教えられることも多い。「人の指はなぜ5本か?」「5本指の手袋が使えないからだ」や「海の水がしょっぱいのはシャケがいるからだ」など他愛のないものだった。
ヤケ酒に浸って仕事にも行かない喜八を、息子は父の顔を何度も両手で叩いてなじるシーンが延々が続く。富夫はある程度の額の小遣いをもらったが、それをすべて食べたいものに使ってしまい腹を壊して入院。訪問に来た担任からは「富夫は習字も一番の優秀な子だ。元気になる」と励まして帰る。
病気は回復したものの医者代が工面できない。その窮状を知った次郎が、北海道に行って「蟹工船」に乗り込み金を工面しようと考えるが、そのことを知った喜八は次郎を殴り倒して、代わりに自分が北海道行きの船に乗り込むといって船に向かう。
喜八は、銚子沖の当たりで、なんと「引き返す」と言って海に飛び込んでしまう。これまで、息子に対して、何もしてやれない自分に気付き反省して気持ちを入れ替えるのだった。
・・・
映画の技術が発達して音声が入るトーキーが普及し、さらに1931年以降の洋画に日本語字幕が入るようになると、次第に活動弁士は不要となり大半の活動弁士が廃業に追いこまれた。
現在では、活動弁士は数名と言われている。中でも中心的に活動しているのが澤登翠(さわとみどり)とその弟子たち。
現在でもサイレント映画を上映する映画館は少なからず存在し、その上映のために活動弁士も上映会場に駆け付ける。貴重なプロフェッショナルの存在だ。
「江東シネマフェスティバル」は13日、14日の2日間、江東区の古石場文化センターで開催中。ぴくちゃあさんが、会場の一角で、映画パンフを無料配布している。

fpdは「マラソンマン」「ロバート・デ・ニーロのミストレス」「身代金」のパンフを持ち帰った。
<小津安二郎・常設展示会場>


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「クライマーズ・ハイ」や「検察側の罪人」などで知られる映画監督・原田眞人が8日午前0時39分、多臓器不全のため都内の病院で死去した。76歳だった。

原田 眞人(1949年7月3日 - 2025年12月8日):日本の映画評論家、映画監督、脚本家。
「さらば映画の友よ インディアン・サマー」(1979)で監督デビュー。
「KAMIKAZE TAXI」(1995)では役所広司が毎日映画コンクール男優主演賞に輝いた。
日航機墜落事故を扱った「クライマーズ・ハイ」(2008)、太平洋戦争終戦の日を描いた「日本のいちばん長い日」(2015)などで日本アカデミー賞で優秀監督賞、同脚本賞を受賞した。
また、トム・クルーズ主演の「ラストサムライ」(2003)では俳優としてハリウッドデビューを飾った。
骨太の作品が多かった。「金融腐蝕列島 呪縛」「突入せよ!『あさま山荘』事件」などで注目を集めた。他の代表作に、モントリオール世界映画祭で審査員特別グランプリを受賞した「わが母の記」、近年は時代劇「燃えよ剣」やアクション映画「ヘルドッグス」など幅広い作品を手がけてきた。
<映画(監督作品)>
さらば映画の友よ インディアンサマー(197) - 監督・脚本
ウインディー(1984) - 監督・共同脚本
PARIS-DAKAR 15000 栄光への挑戦(1986) - 監督・脚本
おニャン子ザ・ムービー 危機イッパツ!(1986) - 監督・脚本
さらば愛しき人よ(1987) - 監督・共同脚本
ガンヘッド(1989) - 監督・共同脚本
ペインテッド・デザート(1994) - 監督・共同脚本
KAMIKAZE TAXI(1995) - 監督・脚本
トラブルシューター(1995) - 監督・脚本
栄光と狂気(1996) - 監督・共同脚本
バウンス ko GALS(1997) - 監督・脚本
金融腐蝕列島〔呪縛〕(1999)
狗神 INUGAMI(2001) - 監督・脚本
突入せよ!あさま山荘事件(2002) - 監督・脚本
伝染歌(2007) - 監督・脚本
魍魎の匣(2007) - 監督・脚本
クライマーズ・ハイ(2008) - 監督・共同脚本
わが母の記(2012) - 監督・脚本
RETURNハードバージョン(2013) - 監督・脚本・原作
駆込み女と駆出し男(2015) - 監督・脚本
日本のいちばん長い日(2015) - 監督・脚本
関ヶ原(2017) - 監督・脚本
検察側の罪人(2018) - 監督・脚本
燃えよ剣(2021) - 監督・脚本
ヘルドッグス(2022) - 監督・脚本
BAD LANDS バッド・ランズ(2023)- 監督・脚本・プロデュース
ご冥福をお祈りいたします。
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映画「フランケンシュタイン」(原題:Frankenstein、2025)は、ギレルモ・デル・トロ監督・脚本により新しい視点でメアリー・シェリーの同名のゴシック小説を映画化。劇場公開されたほか、現在Netflixで配信中。2時間32分。
ギレルモ・デル・トロ監督にとっては「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」(2022)以来、3年ぶりの作品となる。
デル・トロ監督は2017年に「シェイプ・オブ・ウォーター」で第74回ヴェネツィア国際映画祭で最高賞にあたる金獅子賞を受賞。第75回ゴールデングローブ賞では監督賞、第90回アカデミー賞では作品賞と監督賞を受賞した。
第83回ゴールデングローブ賞(2026)では、ドラマ部門の最優秀作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、作曲賞など主要部門にノミネートされている。アカデミー賞でも話題作の1本になりそうだ。
デル・トロ監督は、Netflixの別の配信動画『徹底解剖!「フランケンシュタインのすべて」』で「映画製作の限界を試したかった」と、この映画に対する意気込みを語っている。
この動画では、主人公のヴィクター・フランケンシュタインの衣装もミック・ジャガー風の現代的なコスチュームにしたという。
怪物は、多くの死体の山からパーツを寄せ集め、パッチワークのように継ぎはぎして、メイクで美しく見せているといい、縫い目など、継ぎはぎなどの全身のパーツの数は42に及ぶという。
映画は、ヴィクター・フランケンシュタインの視点から見たPart 1と、怪物の視点から見たPart 2の二部構成。

・・・
1857年、北極を目指していたデンマーク海軍の探検船ホリソント号が氷に閉じ込められてしまう。重傷を負ったヴィクター・フランケンシュタイン男爵(オスカー・アイザック)を乗せた乗組員は、ヴィクターの降伏を要求する怪物に襲われる。
ヴィクターはホリソント号の船長アンデルセン(ラース・ミケルセン)に、自分が怪物の創造主であることを明かし、その誕生に至った経緯を語る。
パート1:「勝利者の物語」ヴィクターの母は弟ウィリアム(フェリックス・カマラー)を出産中に亡くなくなる。そんなウィリアムは、高名な医師であった貴族の父レオポルド(チャールズ・ダンス)の寵愛を受け、一方ヴィクターは虐待的な父に幻滅し、母を深く悲しみ、死を乗り越えることを決意し、輝かしくも傲慢な外科医へと成長する。
1855年、懲戒裁判所で死体の蘇生に関する研究を披露した後、エディンバラ王立外科医師会からは追放されてしまう。
そんなヴィクターに武器商人ハインリヒ・ハーランダー(クリストフ・ヴァルツ)は、無制限の資金と、実験を行うための廃墟となった塔を提供する。
ヴィクターは弟ウィリアムに実験室建設の協力を仰ぎ、ハーランダーの姪でウィリアムと婚約中のエリザベス(ミア・ゴス)に心を奪われる。
ヴィクターはエリザベスの知性に魅了される。エリザベスは戦争への率直な批判、横暴な男への反抗、優れた観察力、そして昆虫への情熱を語る。
しかし、エリザベスはヴィクターに軽い口説き文句を言うものの、彼の誘いを断ってしまう。

パート2:「生き物の物語」怪物(ジェイコブ・エロルディ)は爆発のさなかに自由になり、森の中へとさまよい出る。
ハンターたちから逃げるため、農場の小屋に身を寄せると、そこで盲目の老人(デイビッド・ブラッドリー)が孫娘に読み方を教えているのを目撃する。
怪物は密かに老人とその家族を助け、彼らは「森の精霊」として、目に見えない恩人に感謝の意を表す。
現在、怪物の話は、怪物は人間と同様に知性を持ち、言葉を交わし、ヴィクターは自身の過ちを悟り、怪物への虐待を謝罪し、ついに怪物を「息子」と呼び、生きるよう告げるのだった。
怪物はヴィクターを許し、ヴィクターを「父」と呼びながら傷に屈する。怪物は船から降り、氷から船を押し出して海へと向かう。
アンデルセンは無謀な追跡を諦め、乗組員たちに故郷へ帰ると告げる。怪物は夕日に向かって航行する船を見守り、かつてヴィクターに教えられたように、太陽の光に手を伸ばして抱きしめる。



・・・
怪物は銃で撃たれても、火に囲まれても再生し、生き返ってしまう力を備え、巨大な船を倒したり、氷の中から船を押し出す力がある。向かってくる人間を、軽く突き飛ばすと十数メートル先まで吹き飛ばしてしまう人造超人。
全体的にグロイシーンが多く、大量のネズミや死体の山や残忍な絞首刑のシーンや、人体の皮をはがしたり、足を切ったりといったシーン、狼の群れが人間を襲い食いちぎるシーンなどが多いので、好みが分かれそう(新解釈のフランケンシュタインということでは見ごたえがあった)。苦手の人には厳しいかもしれない。映画製作への熱量は半端ないが…。
<主な登場人物>
■ヴィクター・フランケンシュタイン:オスカー・アイザック(若き日のヴィクター・フランケンシュタイン: クリスチャン・コンヴェリー…主人公の科学者。新しい生命を作り出すことに執着する。ウィリアムの兄。エリザベスに想いを寄せるが、彼女は兄のフィアンセ。自分の作った「怪物」に対して期待と失望を繰り返し、支配しようとする。
■怪物:ジェイコブ・エロルディ…ヴィクターによって死体のパーツから生み出された存在。豊かな感情と知性を持つが、世間やヴィクターに理解されず、孤独を抱える存在。エリザベスから唯一やさしさや共感を受ける。
■ハインリヒ・ハーランダー:クリストフ・ヴァルツ…エリザベスの叔父で産業資本家。研究の資金提供者として関わるが、終盤で対立を生む。
■エリザベス・ハーランダー/クレール・フランケンシュタイン(2役):ミア・ゴス…ウィリアムのフィアンセ。と婚約中。知性的で思慮深く、怪物に共感を示し、人間としての尊厳を理解しようとする。
■ウィリアム・フランケンシュタイン:フェリックス・カマラー…ヴィクターの弟。エリザベスの婚約者。兄・ヴィクターとの間に微妙な兄弟関係の軋轢がある。
■レオポルド・フランケンシュタイン:チャールズ・ダンス…ヴィクターとウィリアムの父親。
■盲目の老人:デイビッド・ブラッドリー…怪物に対して最初に思いやりを示す人の一人。人間としての理解や慈悲を示す。
■アンデルセン船長:ラース・ミケルセン
■クレンペ教授:ラルフ・アイネソン
■ストケルド教授:ピーター・ミラード
■マウルス教授:ピーター・マクニール
■死刑執行人:バーン・ゴーマン
■紅い天使:ロベルト・カンパネラ
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「ブログ開設20周年プレゼント企画」は7月から12月まで半年間のロング・マラソンでしたが、先日総合順位が決まり、1位が断トツでギドラさん、2位が最終12月で逆転したおよやんさん、3位はジーナさんという結果でした。
<上位3位を四丁目町民が独占!>
トップ3は四丁目の主と「四丁目町民」が独占の快挙でした。四丁目からは猫姫さんも参戦、ありがとうございます。
それぞれ3人が記事を紹介しています。ギドラさん、およやんさん、ジーナさんありがとうございます。記事紹介されると、クイズ出題も励みになります(アップしてくれることを期待していました。笑)。
<1位:ギドラさん>
1日1杯、3日で3杯、100日分?(笑)
<2位:およやんさん>
食通のおよやんさんはドライカレー?
<3位:ジーナさん>
2026年もなにがしかのクイズを予定しますので、奮ってご参加ください。
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