冬になると、外に出かけるだけで頭痛がしてすぐカゼをひくという人が多くなります。
そこでこの漢方薬。
症例1👩今日から急にカゼ症状が出たと駆け込んできた50代女性
朝起きたら頭痛がして、咳と鼻水ズルズルですっかりカゼ声。
聞けば前日の夜出かけて冷たい風に当たったのだそう。ちょっと寒気もしている。
「頂調顆粒」をお湯割りで飲んでいただくことに。
「漢方1回飲んだらすっかり頭痛もカゼもよくなりましたー」
症例2👩朝から頭痛がして葛根湯を飲んでもイマイチという30代女性が来局され、
「前にいただいた漢方薬がいいかなと思いついて来てみました。その時ずーっと頭痛に悩まされていたのによく効いたんです。」(「前」というは一年前だそうで、カルテをみたら「頂調顆粒」だった)
症例3👩高齢の女性に風邪薬として「頂調顆粒」はよく気に入っていただける。
🐼で、このシーズン活躍する「頂調顆粒」とはいったいどんな漢方薬かというと。
寒風にじかにさらされるのは頭部。頭部の血流を促す漢方が川キュウ茶調散(販売名「頂調顆粒」)熱いお湯に溶かしてもすっきりした味で飲みやすく、頭部から首、肩の痛みやこわばり、寒気がすーっと遠のきます。
📝川キュウ茶調散の主治:頭風(ずふう)
頭痛、片頭痛が反復して長期間治癒せず、感冒や情緒変動などによって誘発される。
初期には外感風邪として発症するが、風は肝気と同気相通で、風邪は肝に侵入しやすいため、厥陰肝に深入して伏在するようになり、慢性化し反復して治癒しがたくなる(中医臨床のための方剤学より)
🐼肝の疏泄作用があるこの処方、どうりで女性に好まれるわけだ。 肝は蔵血の臓なので血虚を補うことも必要だなあ。
👩これまで何度か初期流産を繰り返し、不妊クリニックに通っても同様という30代女性。基礎体温は不安定でばらつき、高温期はしばしば体温が下がってしまう。
🌙補血補腎対策も加えて3,4周期後
焦る気持ちもあってか、クリニックでホルモン治療を受けすぐに妊娠反応が出てしまった。しかしやはり生長が止まってしまう。
大きな落胆と苛立ちに包まれたが、なんとか再起。
焦らず、良い卵子と良い精子を作り出せるように漢方対策しようと、ご主人も漢方を飲んでくださるようになり、女性は補気薬を加えて周期調整。
🌙しだいに低温期と高温期のメリハリがでて、弱々しかった高温期がしっかり維持できるようになってきた。
と思ったら、まもなく自然妊娠。その後安定期に入りました。
🐼結果を振り返れば、漢方薬を始めてから1年くらいで自然妊娠ということですが、流産を繰り返すことでこれまでに受けた心のダメージは大変なものだったでしょう。
心の中で問題をどんどん難しくそしてなぜ私じゃダメなの?と悲観的に考えてしまう。
🐼実は流産はとても多い出来事。
もう一度原点に戻って、漢方的な見方で対策すべきことをクリアにし、落ち着いて着々と養生を重ねることが結局は近道かもしれません。

おおらかに飛ぶ冬鳥ハイイロチュウヒです。
👨皮膚科でも原因は解らずステロイドやかゆみ止めを塗って数年たつという60代男性。
淡紅~暗淡紅~皮膚色の丘疹や紅斑がたくさん散らばり、かさついて粉が吹きかゆみがある。見た目が良くないので夏でも長そでで隠してきたそう。
清熱去湿、補気補血活血対策で漢方服用開始。
その後、来局されても「いいみたい」という感想だけで、飲みきった漢方薬を足早に買って帰られていたが、
🌙約2か月後
「調子いいですよー」と患部(腕)を見せてくださる。
本当に、丘疹や紅斑が少なくなり、赤味も引いて、なによりかゆみがだいぶおさまったので皮膚を傷つけることがなくなったそう。
長年の疾患なので、回復が目に見えるまで年月がかかるかなあと思っていたのですが、
こんなに早く回復するとは、漢方すごい。
慢性化していたので、炎症を抑えるだけでなく体質改善の補気補血の漢方対策も同時に行っていただいたので効果が早く現れたのだと思います。
🐼基礎づくりはやっぱり大切ですね。
目を酷使している人多いですね。
眼の体操(目のツボ押し)してみてはいかがでしょう。

イチ、ニ、サン、シ・・・とゆっくりおまじないを唱えるように数えながら押してみてください。
眼の辺りは細い血管がたくさん通っていて、これを酷使すると肝血を消耗するといわれています。とくに夜更かししながら読書やパソコンなんて最悪です。
そんなときは陰血を補う漢方対策がいいですね。
私事ですが、夜が長いので寝ながら本を読みふけっていたら、朝、目がかすんでしまいあわてて杞菊顆粒を飲んでみたら、1服で、照明が明るくなったのかと思うほど視野がスッキリしました。
こんなに杞菊顆粒が効いたのは、つまり、夜更かししながらの読書によって陰血が消耗してしまった証で、みなさま、くれぐれも目の酷使と夜更かしはやめましょうね
👩妊娠中の女性のこと。つわりがやっと落ち着いたと思ったら、今度はたびたびひどい頭痛が起こるようになったそう。
🐼「どんな時ですか?」
👩「この前は、久しぶりに食欲があるので 油っこいものもたくさん食べたら、翌日すごくだるくてとても激しい頭痛でした。」
🐼「天気の悪い日はどうですか?」
👩「雨が降ったり雲ってたりしても頭痛になりやすいです。」
ということで2種類の漢方薬で頭痛が現れそうになったら早めに飲むよう指示。
2度目の来局。
👩「とてもよく効きました💛」
👩「食後しばらくしてから漢方を飲むほうが効きが一段といいみたい」
👩「食べすぎないようにしなくちゃ」
🐼この女性は頭痛になる原因をしっかり観察して把握されていました。
「自分の体に耳を傾ける」習慣を持つことは大切なことですね。
原因がクリアであれば対策もおのずと明白です。
痰濁を除去しお血を改善することにしました。
もちろん食べ過ぎに注意することも。
安産で元気な子が生まれますように。

楽しそうな声で鳴くシジュウカラです。
眠たくなると手足がぼーっと温かくなるのは手足から体温を放出しているからです。
寝ているとき温かいと感じるのも熱を放散しているからで、実は体温は下がっています。脳や体を休めるために冬眠みたいに体温を下げているのです。(逆に寒気がするのは体温を下げまいとする反応)
散熱する部分は手背(手の甲)、足背(足の甲)、太腿の内側で、血管が拡して散熱します。同時に同じ部分から寝汗もかきます。昼間に汗をかく場所と異なりますね。
🐼冷え性の人は、体の熱を逃がすまいと手足の末梢血管が収縮していて体温が下がりにくく、寝つきが悪く眠りが浅くなりがちです。
そこで
(体の休息態勢を導くヒント)
・手足を温かく
・寝室を適温に保つ
・入浴はぬるめにし就寝直前に入浴しない
・就寝前2~3時間はリラックス
・夜食をしない
・女性の場合高温期には脇の下を少し冷やしてみる
🐼寝汗で目が覚める人(ほてる人)は
成人なら一晩にコップ一杯くらいの寝汗をかくといわれますが、入眠後1~2時間そして最も睡眠が深くなるときにたくさんの汗をかくそうです。この時体温がぐっと下がります。健康な状態なら寝汗をかいても目を覚ますことはありません。
しかし中医学でいう「陰虚」では寝汗を頻繁にかきます。陰虚つまり潤い分(ここではラジエーターの水というべきか)が不足していると夜になっても陽気(日中の活動エネルギー)が裏に入りきれず寝ている最中も動いてしまう状況で、体はほてりやすく眠りも浅いので、寝入るたびに寝汗をかいてはまた目が覚めるということになります。
漢方対策は、ほてりをさましたり潤いを補う生薬が配合されたものを用います。
(たとえば六味地黄丸、八仙丸、瀉火補腎丸、二至丹など)
陰虚タイプの人は「休眠態勢を導くヒント(上記)」に加えて
・激辛や熱過ぎる食べ物を避ける
・すっぽん、豚肉、なまこ、牡蠣、あわび、牛乳、豆腐などは潤いを補い余分な熱を冷ます働きのものを食べる。
・夜更かしするほど陰分は消耗するので、早めに寝る
などを実行してみてください。(水を飲んでも陰虚は解消されません)

柿を食べるツグミです。鳥は木の実をよく食べます。
👩授乳中のお母さんの話です。
おっぱいが張って乳腺炎になりそうになり、それでその原因を考えたらチョコレートを食べすぎたのが原因と思い至ったのだそうです。
その後、食べ物とおっぱいの調子を注意していると、甘いものや脂っこいものを食べると、おっぱいが堅く張るのがわかったそうです。乳汁がドロドロするようです。
(たまたま今日来局された別の授乳中のお母さんは、そんな状態のおっぱいのときは、赤ちゃんがまずそうな顔をするとおっしゃっていました)
で、野菜を多くして脂っこいものや甘いものを減らしたら、おっぱいの張りはすっきりした。心もち、赤ちゃんの肌もきれいになったみたい。
彼女は乳児湿疹も母乳の影響を受けるのでは?と考えました。
🐼小児科医にはそんな関連性はないと言われる方もいますが、おっぱいだけを頼りに成長する最愛のわが子。お母さんの体調によって、わが子のお腹の調子やお肌の状態も影響を受けるはず。
🐼実際、乳児の漢方治療をする場合は、お母さんに漢方薬を飲んでもらう方法をとることもあります。
🐼つくづく、食べ物って体を作ってくれてるんだなあと感じます。
だからお母さんの食事は大切。そして、赤ちゃんのためにいいおっぱいが出てほしいと思う。

シナガチョウの前で箱に入って遊ぶオシドリです。
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