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2024年4月17日 06:00
今作は、「ダラダラ」(2022)で長編映画の初メガホンをとった山城達郎監督にとって、劇場公開作2本目となる。2014年の福島を舞台に、立ち入りを制限された町に足を踏み入れた主人公の心平と、その家族の葛藤を描いた人間ドラマだ。
脚本作りの段階から今作に参加したという奥野が、主人公の心平に扮する。軽度の知的障害がある心平は、好きな人の喜ぶ顔が見たい。その優しさからくる行動が、少し人とはズレているという役どころ。
「碁盤斬り」や「湖の女たち」などの公開を控える奥野は、「東日本大震災から13年。 撮影場所は福島県の内陸部から海岸部にまで及ぶものでした。未だに色濃く残す傷跡と、震災後に生まれたであろう景色に、その場に佇むことさえ僕には困難でした。撮影期間中、僕自身、心平の目を通してそれらを眺めることでなんとか福島に居させてくれたような気がしてます。何気なく映る2023年撮影当時の景色を、心に留めていただけたら幸いです」とコメントを寄せている。
兄のことをいつも気にかけている妹のいちご役には、ドラマ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」などで知られる芦原優愛が挑む。父の一平を下元史朗が演じるほか、川瀬陽太、影山祐子、河屋秀俊、小林リュージュらが脇を固めている。
メガホンをとった山城監督は、「限りある人生で、大切な人と過ごす時間はあとどのくらいなのかは分かりません。だからこそ、今まで出会った人や、これから出会う人、映画に出てくる心平たちのことをできるだけ知りたいと思い、この映画をつくっていきました。そして、不器用な家族がお互いのことや、自分自身に向き合う瞬間を描く物語になったのではと思っています」と語り、手ごたえをにじませている。
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