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2023年6月2日 19:00
フランソワ・オゾン監督の最新作で、第72回ベルリン国際映画祭のオープニングを飾った「苦い涙」の本編映像の一部が披露された。フランスの人気俳優ドゥニ・メノーシェ扮する主人公ピーターが、美青年アミールに一目で恋に落ちる瞬間が切り取られている。
世界三大映画祭の常連で、「Summer of 85」「すべてうまくいきますように」などで知られるオゾン監督。本作は、ニュー・ジャーマン・シネマの伝説的な映画作家ライナー・ベルナー・ファスビンダーの名作「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」(1972)を現代風にアレンジした。
物語の舞台は、70年代ドイツのアパルトマン。著名な映画監督ピーター・フォン・カントは、恋人と別れて激しく落ち込んでいた。ピーターは助手のカールをしもべのように扱いながら、事務所も兼ねたアパルトマンで暮らしている。ある日、3年ぶりに親友で大女優のシドニーが青年アミールを連れてやって来る。艶やかな美しさのアミールに、一目で恋に落ちるピーター。彼はアミールに才能を見出し、自分のアパルトマンに住まわせ、映画の世界で活躍できるように手助けするが……。
主人公の映画監督ピーターをメノーシェ、彼の親友で大女優のシドニーを名優イザベル・アジャーニが演じ、新鋭ハリル・ガルビアがピーターを翻弄するアミール役で長編映画初出演。ピーターの助手・カール役のステファン・クレポンは、23年セザール賞の有望若手新人賞にノミネートされた。ファスビンダーのミューズで、オリジナル版で準主役を務めたハンナ・シグラも顔を揃える。
映像は、恋人と別れて落ち込むピーターが、スター女優のシドニーに「人間は他者を求めるが一緒には生きられない」と言い放つ場面で始まる。程なく、シドニーに呼び寄せられた美青年アミールが、ピーターのアパルトマンに到着。シドニーからアミールを紹介されたピーターは、一瞬で彼に釘付けになってしまう。ピーターはアミールに熱い視線を送り、久しぶりに会った友人のシドニーには目もくれず、次作にアミールを熱心に誘う。ピーターの変わり様と、アミール役のガルビア、シドニー役のアジャーニの美さに目を奪われるシーンとなっている。
ピーター役のメノーシェは、第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で審査員を務め、映画「PERFECT DAYS(原題)」で最優秀男優賞を受賞した役所広司の発表を担った。
「苦い涙」は、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかで公開中。
(C)2022 FOZ - France 2 CINEMA - PLAYTIME PRODUCTION (C)Carole BETHUEL_Foz
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