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2022年6月8日 10:00
「今もこうして笑いながら取材を受けていますが、水谷組は本当に笑顔が絶えないんです」。そう話すのは、水谷豊監督作品「太陽とボレロ」(公開中)で主演を務めた檀れい。初参加となった水谷組の印象を語るその表情を見れば、撮影がいかに充実していたのか伝わってくる。檀、そして水谷に本作の話を聞いた。(取材・文/編集部 撮影/堀弥生 ヘアメイク/山北真佐美、黒田啓蔵 スタイリスト/高橋正史(OTL)※高は、はしごだかが正式表記)
本作は、「TAP THE LAST SHOW」「轢き逃げ 最高の最悪な日」に続き水谷が長編映画のメガホンをとり、自ら脚本を執筆したオリジナル作品。ある地方都市のアマチュア交響楽団「弥生交響楽団」の主宰者である花村理子(檀)は、18年間、音楽を愛する個性豊かなメンバーたちとともに活動してきた。しかし経営は苦しく、ついに楽団の歴史に幕を閉じることに。楽団最後の解散コンサートが開催されることになるが、個性的なメンバーたちは一筋縄ではいかず、それぞれの思いを抱え動き回り、衝突する。
その後キャスティングに入ったとき、檀さんの名前が出ました。でも、檀さんの顔が浮かんでいたことはプロデューサーにも言わなかったんです。オファーすることはできますが、檀さんには断る権利もあります。「顔が浮かんだ」って言ってむなしいことになるかもしれないので(笑)。こうして話せるようにもなったので、引き受けてくださって本当に良かったです。
私自身、主演だからということは関係なく水谷組の現場が好きでしたし、また皆さんが撮影の合間に楽器を練習する姿を見て、頑張ったキャストたちに対して、檀れいとしてもオーナーの花村理子としても弥生交響楽団に愛着がわいていって。片時も現場を離れたくない、見守っていたいと思っていました。
誰も信じられない、何に頼ったらいいかわからないと考えてしまっていたのですが、たまたまテレビで盲目のオペラ歌手のアンドレア・ボチェッリさんを見かけました。目が見えないというのは何が起こるか予測できない暗闇の世界にいるのに、彼は心を開いて歌っていて。その姿に感動して、それからすぐにチケットを買って彼のコンサートに行った覚えがあります。彼はとても強くて、いろんなことを受け止めてネガティブなことさえも包み込んでいるんだ、私もそういう人間になりたいなと彼の音楽を通して感じました。
(C)2022「太陽とボレロ」製作委員会
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