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2021年7月10日 12:00
第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に日本映画として唯一出品された「ドライブ・マイ・カー」の90秒予告編が、このほどお披露目された。
「ハッピーアワー」「寝ても覚めても」の濱口竜介監督が、村上春樹氏の短編小説集「女のいない男たち」(文春文庫刊)に所収された作品を映画化。西島秀俊が主演を務め、三浦透子、岡田将生、霧島れいかが共演している。
舞台俳優であり演出家の家福悠介(西島)は、脚本家の妻・音(霧島)と満ち足りた日々を送っていた。しかし、音はある秘密を残し、突然この世を去る。2年後、広島の演劇祭で演出を任されることになり、真っ赤なサーブで向かった家福は、ある過去を胸に秘める寡黙な専属ドライバー・みさき(三浦)と出会う。行き場のない喪失感に苛まれる家福は、みさきと過ごすなかで、これまで目を背けていたあることに気付かされていく。
予告では、愛車のサーブを走らせる家福、その助手席に乗る妻・音(霧島れいか)の一見穏やかなシーンからスタート。音が「今晩帰ったら少し話せる?」と秘めた想いを打ち明けようとしている様子が映し出される一方で、「奥様にはいつもお世話になっています」と音と親密そうな気配を漂わせる俳優の高槻(岡田)を家福が笑顔で迎え入れる光景が続く。やがて、幸せそうな日々から一転、音は突然この世を去ってしまう。
その後、広島の演劇祭で演出を手掛けることになった家福。「すごくいいドライバーです」と紹介されるみさきとの出会や、演劇のオーディションで再会する高槻の姿を活写。彼らとの時間を経て、音から聞くことができなかった秘密、喪失と向き合うことになる家福。「ごまかさないでください」と言い放つ高槻、「嘘を言っているようには聞こえませんでした。それが真実かどうかは分からないけど」と語るみさきなど、印象的な言葉が響き、重厚な人間ドラマが見え隠れしている。
「舞台上での銃声」「カセットテープ」「ミラー越しのみさき」などの印象的なショットが連なり、家福が辿る葛藤と波乱の運命を予期させ、「この運命から、目を逸らさない――」というテロップも印象深い。豊かな映画的表現で、人間の多面性や複雑な感情をあぶりだしてきた濱口監督。その一端が垣間見える映像となり、カンヌでの反応にも期待が高まる。
「ドライブ・マイ・カー」は、8月20日に東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。
(C)2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会
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