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2021年1月30日 10:00
名脚本家・坂元裕二が書き下ろし、菅田将暉と有村架純が共演したラブストーリー「花束みたいな恋をした」(土井裕泰監督)が、1月29日から全国350館で公開中だ。今作は2015~20年、山根麦と八谷絹という、どこにでもいる大学生の21歳から26歳までを描いている。劇中、主人公ふたりが距離を縮める瞬間が幾つか描かれるが、その中のひとつとして本棚を挙げることができる。
東京・井の頭線の明大前駅で終電を逃して偶然出会った麦と絹が意気投合し、“ある映像”を見るために麦の家を訪れたところで本棚が登場する。それまでの描写から、ふたりが映画や音楽といったカルチャーシーンに大きな関心を寄せていることがうかがえるが、麦の本棚を見た絹が「ほぼ、うちの本棚じゃん」と驚くほど趣味が酷似していることが明らかになる。
坂元作品の特徴ともいえる固有名詞の数々はこれまでの作品以上に登場するが、それにも増して、今作ではお気に入りの漫画の巻数までセリフに盛り込まれるほど、こだわり抜かれている。今作のパンフレットでも麦と絹が偏愛する作品と作家を特集しているが、映画.comでも一覧にして紹介する。
ふたりの会話のなかで、とりわけ強い意味合いを持つのが今村夏子の「ピクニック」、野田サトルの「ゴールデンカムイ」、市川春子の「宝石の国」、滝口悠生の「茄子の輝き」の4作品。どういったシチュエーションで登場するかは伏せるが、交際期間が長くなるにつれ、ふたりの趣向にも変化の兆しが見えてくる点も見逃すことができない。
(C)2021「花束みたいな恋をした」製作委員会
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