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2019年2月20日 21:40
[映画.com ニュース] 阿部純子が主演する日露合作映画「ソローキンの見た桜」の完成披露試写会が2月20日、東京・飯田橋の神楽座で行われ、阿部をはじめ、共演のイッセー尾形、メガホンをとった井上雅貴監督、プロデューサーの井上イリーナ氏、ミハイル・ガルージン駐日ロシア連邦特命全権大使が上映前の舞台挨拶に出席した。
ラジオドラマ「松山ロシア人捕虜収容所外伝 ソローキンの見た桜」を映画化。日露戦争時代、日本にはロシア兵捕虜収容所が数多く設置され、なかでも愛媛県松山市には国内初の収容所が設けられた。本作は同所で運命的に出会ってしまった日本人看護師ゆい(阿部)とロシア将校・ソローキン(ロデオン・ガリュチェンコ)の2人を軸にした“日露戦争時代のロミオとジュリエット”とも言える物語が展開する。
ヒロインのゆい、駆け出しTVディレクターとして現代を生きる桜子の2役に挑戦した阿部は、劇中で流暢な英語を披露。「(英語は)必死で勉強しました。ロシアの俳優の方々が付き添ってくださったので、大変勉強になりましたし、助かりました」と感謝を述べると、少人数体制でゲリラ的に行ったロシアでの撮影を述懐。「スタッフの皆さんが流動的に動いていただいたおかげで、ものすごく綺麗なシーンに仕上がっていると思います!」と作品の出来に自信をにじませていた。
収容所の所長・河野役の尾形は、ロシア人俳優との撮影を「怖かった」とぽつり。実在の人物ボイスマン大佐役を演じたアレクサンドル・ドモガロフとの共演を振り返り「こちらにやってくる姿が貫禄100%。ちょっとした冗談で仲良くしようという雰囲気がまるでなく……『あ、役に入っているんだな』と思って、いっぱい頑張りました。すごかったんですよ、僕の小物感が(笑)」というエピソードに、阿部は思わず破顔。一方で「ドモガロフさんは台本を深く読み込んで理解していた。一緒に芝居をしていると、舞台の上に立っているような気がしました。映画だけど舞台でもあった感じ」(尾形)と思い出深い撮影となったようだ。
さらに阿部の笑顔を引き出したエピソードが、イリーナ氏の口から語られた。ロシア人俳優には「(撮影に)一切遅れてはいけない」「待機中だったとしても、撮影現場からあまり離れてはいけない」と説明していたようだが、美しい松山の風景を見たいという好奇心が勝ってしまった者もいた。「1時間ほど休憩があったので、衣装のまま散歩に行った方がいたんです。芝生の広がる公園だと思って入ったら、どうやら田んぼだったみたいで……膝まで沈んじゃったみたいです。あまりに汚れすぎて、衣装さんは困っていました(笑)」と語り、場内の笑いを誘っていた。
なお、この日はスケジュールの都合で登壇が叶わなかったキャストの斎藤工からのビデオメッセージも披露された。「ソローキンの見た桜」は、3月16日から愛媛県で先行公開され、3月22日から東京・角川シネマ有楽町ほか全国公開。
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