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2017年11月18日 06:00
[映画.com ニュース]入江悠監督作「ビジランテ」の完成披露試写会が11月17日、東京・テアトル新宿で行われ、入江監督をはじめ、トリプル主演を務めた大森南朋、鈴木浩介、桐谷健太が、上映前の舞台挨拶に登壇した。
本作は、入江監督の地元である埼玉・深谷を舞台に紡ぐオリジナル作品。高校時代に失踪した長男・一郎(大森)、市議会議員で町の自警団団長でもある次男・二郎(鈴木)、デリヘル業雇われ店長の三男・三郎(桐谷)が、憎んでいた父親の死をきっかけに再会する姿を通じ、地方都市の暗部を浮き彫りにする。「限界への挑戦のような日々。今だから笑って話せますけど、今日お三方にお会いするのが怖かった。当時の恨みを晴らされるじゃないかって(笑)」と極寒の撮影を振り返った入江監督。「スタッフ、キャストがひとりでも欠けたら成立しなかった。オリジナルの脚本でここまでできるんだということを示せた」と作品の完成度に自信をにじませていた。
「ライアーゲーム 再生(リボーン)」以来の映画出演になった鈴木は、久々の舞台挨拶に興奮しっぱなし。「三兄弟で一郎、二郎、三郎、皆さん、どう思います? 何か他に案はなかったのか」と思わず口を滑らせると、桐谷はすかさず「え? ディスってんの?」とツッコみ。2人の仲睦まじい掛け合いに大森がほほ笑むなか、入江監督は「三兄弟の父親を菅田俊さんが演じられていて、その名前を呼んでほしかった。ひねらない方がいいと思った」と意図を告白していた。
「法や正義が及ばない世界、大切なものを自ら守り抜く集団」という意味が込められたタイトルにちなみ「守りたいものは?」と問われた鈴木が「切実な問題なんですけど、老後の安定です。お金に困りたくない」と冗談交じりに話す一方、大森は「『ビジランテ』のような映画がなくならないように、微力ながら力になれる俳優でありたい」と切り返した。映画業界の未来を見据えた大森の答えに、場内は拍手喝さい。「格好いい」とため息を漏らした桐谷は「センチメンタルな気持ちを大切にしたい。夕焼けを見て『いいなぁ』と思えるような気持ちがなくなっていくことが嫌なんです。全力で生きていけばそういう気持ちが…」と言葉を紡いだが、考えがまとまらず「楽しみながら生きたいです!(笑)」と宣言していた。
この日は過酷な撮影を乗り切った大森らに、入江監督が花束を贈呈することになったが、その中身はなんと深谷の名産「深谷ネギ」。大笑いの桐谷から「花束ちゃうやん!」と指摘されながらも、入江監督は連続ドラマW「ふたがしら2」からの付き合いである大森に「どんどん僕の現場きつくなっていると思いますけど、懲りずにまたよろしくお願いします。お世話になりました!」とねぎらいの言葉を投げかけていた。
「ビジランテ」は、12月9日から東京・テアトル新宿ほか全国で公開。R15+指定。
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