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2017年5月12日 17:00
[映画.com ニュース] オリビエ・アサイヤス監督が、「アクトレス 女たちの舞台」に続きクリステン・スチュワートを起用し、第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で監督賞を受賞した「パーソナル・ショッパー」が公開された。来日したアサイヤス監督が受賞の喜びと作品について語った。
忙しいセレブのために服やアクセサリーの買い物を代行する「パーソナル・ショッパー」としてパリで働くモウリーン。私生活では数カ月前に双子の兄を亡くし、悲しみから立ち直れない一方で、仕事で他人の家に出入りし、時にはプライベートをのぞき見ることに欲望をふくらませていた。そんな彼女の隠された欲望が不可解な出来事を引き寄せ、彼女に謎のメールが届き始める。
ファッション業界と言う華やかな世界の中の雑用係として働く一方で、モーリーンは霊媒師としての能力を持ち、謎のメッセージを受け取る。物質的な世界と精神的な世界を描くにあたり、スリラー的な要素を作品に取り入れた。
「幽霊もの、スリラーの要素を使っているけれど、僕にとって、この作品はスリラーではなく、一人の女性が大人になる成長物語だと思っている。兄という大きな存在を亡くし、人生の大きな瞬間を迎えている。自分のアイデンティティを再び見つけるまでのその道のりを描いているんだ。サスペンス要素を持ち込んだ理由は、彼女の苦しみや不安や、暴力的な感情を表現し、観客にそれを体感させるため。表層的ではなく、彼女が感じているものを、抽象的ではなく物理的に、ぐっと肉体的に感じてもらうために、ジャンルものの手法はとても役に立つんだ。言いかえれば、画家の色彩の一つとして、その要素を使っただけなんだ」
スマホに謎のメッセージが届くなど、デジタルガジェットを巧みに用いている。「今の時代を描くために意図的につかっている。僕の好みではなくね。良くも悪くもスマホは我々のコミュニケーションの一部に、なっていることは間違いないし、人がITとどういう風に関係しているか見ると、人間の延長線にある、記憶装置のように使っていると思うんだ。それを、インテグレートして作品に落としこまなきゃと思ったんだ。個人的にはテクノロジーには興味はないけれど、それが人間に与える影響には触れないといけないと作家として思う」
前作「アクトレス 女たちの舞台」に続き、起用したスチュワートを「彼女はアメリカ人ではあるけれど、ヨーロッパ的な感性を持った役者だと思う。アメリカの映画づくりのパターンにフィットするタイプではないのかもね。それは彼女の複雑で豊かで、独特の才能のせいかもしれない」と評価する。
「アメリカ映画はとてもコントロールされているので、役者もアドリブを自然発生的にすることができないし、そういう余地があまりないんだ。役者が自分らしくいられない。アメリカ映画の多くは、キャラクターはフィクションを演じるけれど、ヨーロッパの映画は役者の持つ資質を、うまくストーリーテリングの中に巻き込んでいくので、彼女にはそういう監督が必要だったのかもしれない。僕は2本彼女と映画を作って、その境界線を見極められていないので、もしかしたらもう1作撮らなければいけないかもね」
カンヌの常連として知られるが、今作で初の監督賞を受賞した。「すごくうれしかったよ。カンヌはすべてを経験させてもらった場所。若きシネフィルとして短編を持っていき、ジャーナリストとして参加し、脚本家として参加し、ある視点部門、そして最近ではコンペティションの常連にさせてもらって、映画作りの自分の人生の本質的な部分に全部かかわっているんだ。カンヌは誇張された側面がありながらも、やはり作品を見せる場所としては最高だ。世界中の映画ファンが集まっているから、他の映画祭で一部の人に会えなくてもカンヌではみんなに会えるんだ」
(C)2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR
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