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2014年6月7日 18:05
[映画.com ニュース]昨年の東京国際映画祭でコンペティション部門に出品された「捨てがたき人々」の榊英雄監督、主演の大森南朋、三輪ひとみ、美保純が6月7日、初日を迎えた東京・テアトル新宿で舞台挨拶を行った。故郷の長崎・五島でのロケから約2年、榊監督は待望の一般公開に「あえて自分の原点に戻れて最高。大変な映画だったけれど、どんなことを言われようと愛すべき僕の代表作ができたと思っている」と自信のほどをうかがわせた。
人生をあきらめ欲望のままに生きる主人公を演じた大森は、R18+(18歳未満観賞不可)指定作品でもあるだけに「朝からこんな重い映画を見ていただいてありがたい」と感謝。演じるうえでは当然、自身と重なる部分は「ないです。あくまでお芝居」ときっぱり否定し、「困惑したが、俳優としては面白い仕事で全身全霊を注いだ。でも、随分前から僕を見ても僕じゃない、変な俳優が出ているなと思っている」と話し笑いを誘った。
過激な濡れ場も体当たりで挑んだヒロインの三輪は、「極悪非道の監督の下、血を吐く思いで作った映画」と恨み節も。本作と同じジョージ秋山氏原作の「ピンクのカーテン」(1982)で女優として注目された美保は、「この作品で締まった感じ。女優をやってきて良かったと思えた」と笑顔を見せた。
また、榊監督が五島の観光大使を務めていることもあって、この日はご当地のゆるキャラ「つばきねこ」も登場したが、大森が「この映画で五島のPRってどうなのよ」と厳しいツッコミ。さらに、つばきねこが「十六茶」のCMに出演していることを知ると「売れてんじゃん。ギャラいくらだったの?」としっと交じりにけん制した。
それでも、榊監督は20年近い親交があるだけに「監督のイキな計らいです」としっかりフォロー。そして、「問題作なので、見た後でいろいろ思うところはあると思うけれど、宣伝していただけると助かります。見ない方がいい、というのもありです」と独特の言い回しでPRに努めていた。
「捨てがたき人々」は、生きることに飽きて生まれ故郷の島に戻ってきた男が、顔にアザがあり愛に飢えていた女と強引に関係を持ったことをきっかけに、互いの幸せを追い求めもがく姿を描く。
(C)2012「捨てがたき人々」製作委員会
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