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2013年10月25日 14:30
[映画.com ニュース] 東京・六本木ヒルズで開催中の第26回東京国際映画祭コンペティション部門出品作「ラヴ・イズ・パーフェクト・クライム」主演のマチュー・アマルリックが来日した。俳優として国際的に活躍し、カンヌ映画祭監督賞受賞の「さすらいの女神(ディーバ)たち」など、監督業にも力を入れるアマルリックに話を聞いた。
「ラヴ・イズ・パーフェクト・クライム」のアルノー&ジャン=マリー・ラリユー兄弟監督とは、長い付き合いだそうで「彼らと映画を作ることが私の人生の一部になっているんです。彼らは僕を人形のように扱うのを楽しんでいるんだ」と話す。「ベティ・ブルー 愛と激情の日々」の原作で知られるフィリップ・ジアンの小説「incidences」を忠実に映像化したそうで、「これまでジアンは批評家やインテリの間では評判が良くなく、こき下ろされていました。しかし最近はしっかりした作家だと評価が変わってきて、自分の好きなものを書いています。非道徳的なものを自然な形で正面から表現し、人間の衝動もそのまま描くのがラリュー兄弟との共通点です」と作風を解説する。
仏映画はもとより、「007 慰めの報酬」をはじめデビッド・クローネンバーグ監督の「コズモポリス」、ウェス・アンダーソン監督の最新作に出演と国際的にも活躍しているが、出演作を選ぶ基準を問うと「それはプレゼントのようなものなのです。私は自分の俳優のキャリアを築いていくことは全く考えていなくて、自分の監督作を撮りたくて映画界に入ったのです。今はすごく俳優業に時間を取られているので、いつか自分の為に作品が撮れるといいのですが」と監督業への強い意欲を語る。
現在、監督としてメグレ警部シリーズで知られる作家ジョルジュ・シムノンの「青の寝室」を映画化した作品を撮影中だが、19世紀フランス文学の金字塔「赤と黒」を映画化する構想もあるそうだ。「ここ3年ぐらいスタンダールが好きなのですが、スタンダールは映画には恵まれていなくて、いい作品がありません。フランスでは聖域に触れるようなものです。ですから、まずは写本したんです。(映画化することが)悪いアイデアだと理解するためにね(笑)。彼の文体は映画化にあたって興奮を与えてくれました。対話が少なく、登場人物の内面を描いていきます。それとともに頭に浮かんだことを書き加えたら、600ページになって、それを書き直して470ページにしました。今はシムノンに取り掛かっているから、(実現は)だいぶ先になりそうですね」
国際的に活躍のマチュー・アマルリック「監督業に専念したい」と意欲語る
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