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2010年6月25日 16:46
[映画.com ニュース] ラッパーを目指す田舎の若者の奮闘を描いた青春映画「サイタマノラッパー」で脚光を浴びた入江悠監督。舞台を群馬の山奥に移して女子ラッパーたちの苦悩と成長を描いた「SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム」の公開を6月26日に控えた入江監督に話を聞いた。
仕事や結婚などの現実的な問題に追い詰められるアラサー女5人が、高校時代に夢中だったラップで人生の再起をはかろうと奔走する。入江監督は、「女の子のラッパーって日本にほとんどいないから、もっと出てきてくれないかなという思いで作った。だけど僕は男兄弟で育ったし男子校出身だから、実は女の人ってよく分からない。だからこそ中途半端にわかったつもりにならずに、どこまでも追求してやろうと思った」と話す。
タイトルは「サイタマノラッパー」と前作を継承しているが、「群馬は埼玉の次になじみがある。浪人しているときに高崎の予備校に通っていたけど、途中から予備校には行かずに映画館に入り浸っていた。そのときの鬱屈(うっくつ)した思いが、群馬にそのまま残されていた」と振り返る。
自主映画ながら、前作でスマッシュヒットを記録し「今は業界全体が苦しい顔をしているけど、僕はもう少し明るい顔をしながら映画を作りたい。ヒット作が全て良い作品とは言えないけど、良い作品を作ればそれなりに届くって気はする。面白いものを作れば、そんなひどいことにはならない」と手応えを感じていた。そして、「中学生のころは20代にはジェームズ・キャメロンみたいになると思っていたので、『あれ、もう30歳になっちゃうや』って焦っていた。僕は『第9地区』の監督(ニール・ブロムカンプ)と同い年だけど、彼と比べてもまだまだ現状には満足できない」と野心を燃やした。
早くも更なる続編が期待されているが、「ラップってまだマイノリティなジャンルだけど、量が質を生むってこともあるし、できればずっとやり続けたい。次もやっぱり閉塞感のある “海なし県”で、栃木かな」と期待を膨らませた。
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