ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻
劇場公開日:2025年2月14日
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解説・あらすじ
ジュード・ロウとアリシア・ビカンダーが共演し、暴君として恐れられた16世紀のイギリス国王ヘンリー8世と、その6番目にして最後の妻キャサリン・パーの生き残りをかけた争いの行方を描く宮廷サバイバル劇。
16世紀の英国、テューダー朝。君主ヘンリー8世は、これまで5人の妻を処刑や追放、出産による死亡などで容赦なく切り捨ててきた。そんな彼と望まぬ結婚をした6番目の妻キャサリン・パーは、イングランド国教会を設立したヘンリーに反して、プロテスタントの信念に基づいて英国を光ある未来へ導きたいと願う。しかし、国王と対立する立場であることを告発されてしまった彼女は、前妻たちのように首をはねられるのか、それと病に蝕まれた国王が先に死ぬか、自らの生存をかけて複雑にからみあう宮廷の政治的陰謀に立ち向かっていく。
共演は「コントロール」のサム・ライリー、「おみおくりの作法」のエディ・マーサン。「見えざる人生」でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門を受賞したブラジルのカリン・アイヌーズ監督がメガホンをとった。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。
2023年製作/120分/R15+/イギリス
原題または英題:Firebrand
配給:ロングライド
劇場公開日:2025年2月14日
スタッフ・キャスト
受賞歴
第76回 カンヌ国際映画祭(2023年)
出品
コンペティション部門 | |
---|---|
出品作品 | カリム・アイノズ |
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フォトギャラリー
映画レビュー
3.0王様と私
ヘンリー八世については、シェイクスピアの戯曲もあるが、この劇作家が生まれたのは王の死から17年後で、現代の我々からするとコスチューム・プレイだが、シェイクスピアにとってはほぼ同時代で、随分とらえ方も違っていただろう。ただしシェイクスピアの作が扱っているのは、6人の妻のうち2番目のアン・ブーリンまでということ。映画「1000日のアン」や「ブーリン家の姉妹」もアン・ブーリンが中心の話で、キャサリン・パーが題材になるのはおそらく初めてと思われる。男女の愛憎というよりは宗教の問題が根深く、当時の苛烈な宗教弾圧が全編に暗い影を落としている。そもそも中世のイギリス王室は血塗られた歴史の連続で、ロンドン塔で露と消えた王族の数たるや…。
ラストの王殺しのくだりはフィクションらしい。あの状況で死んでいたら犯人は王妃しかあり得ないはずで、何のおとがめもなかったのは不思議な気がする。
暴君の近辺にいる人々は四六時中ピリピリしていなければならないので大変そうだ。自らを王様になぞらえているらしいトランプ大統領の取り巻きも、推して知るべし。
3.0心の炎
これまで5人の前妻に酷い仕打ちをしたヘンリ8世の6人目の妻キャサリン。夫とは宗教感が異なることが知られその身に危険が迫り…といった物語。
英史に詳しいわけではないですが、とにかくこのヘンリ8世、非道な国王ですね。脚の病気に罹り、余命幾ばくも…と言われてからまぁしぶといしぶとい。
そしてこうなると出てくるのが跡継ぎ問題。言葉の節々からあいつもこいつも権力を狙っているようで…。
そして何より自身と異なる信念を持つものを"異端"として処してしまう国王と、危険と隣り合わせになりながらも自身を貫こうとするキャサリンとその側近達。彼女らの強かさと悲壮感がこれでもかと伝わってくる。片腕前腕ギロチンチョークとは恐れ入った!!
そして…"計画通り"とでも言わんばかりのその笑みの意味は…!?まさかこれが狙いだったのか?
権力や信念に纏わりつく人間の愚かさや汚さがよく感じられるし、登場人物達が織りなすその場面場面の心情を考察したり、やや難しくも見応えのある作品だった。
3.0historyではなくて“ herstory”
歴史は政治や戦争などの男性目線の物語(history)で、この点については数多の文献が遺されているが、その時代に共に生きたであろう女性目線の物語(herstory)は想像するしかない、という文言と共に始まる映像
この時代の西洋史はあまり詳しくなくて、ひと通りの勉強と「ブーリン家の姉妹」を観たくらい
(ナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンの競演、お気に入り映画のひとつ)
映像の色味とか宮廷の重々しさ、作劇の演出は「ブーリン家の…」と地続きで良い。六番目の妻キャサリン・パー(アリシア・ビカンダー)が知的な煌めきと共に、自立した女性として描かれていて、女性が差別される時代の中で魅力を放っている
この映画のポスターがヘンリー八世(ジュード・ロウ、太ってる!)と顔を寄せ合う、いい雰囲気に見える二人のアップなので、題材がヘンリー八世でまさか普通の恋愛ものな訳無いし…と疑問に思っていたら、やはり普通の恋愛ものではなかった(笑)
ここからは私個人の事情だが、午前中の人間ドッグ終了後にこの映画を観たせいか、途中から睡魔が………
もう一回縁があったら、きちんと見よう
お伝えしたい点は「ブーリン家の姉妹」の、その後のストーリーなので、この映画が好きな方は、「ファイアーブランド」も楽しめると思います
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