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無情の世界

劇場公開日:

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無情の世界

解説・あらすじ

「教誨師」の佐向大、「東京無国籍少女」の山岸謙太郎、「POP!」の小村昌士の3人の映画作家が、「現代の憂鬱、日常生活の冒険」をテーマに撮りあげたオムニバス映画。

唐田えりかを主演に迎え、重罪を犯した女性と彼女を取り巻く男たちが織りなす一夜の冒険をサスペンスフルに描いた佐向監督作「真夜中のキッス」、俳優の渡部龍平が自らを主人公に脚本を執筆し、雑居ビルのオーディション会場で些細なすれ違いから起こるトラブルをコミカルにつづった山岸監督作「イミテーション・ヤクザ」、白石優愛が主演を務め、恋愛術講座と護身術講座という正反対の市民講座が開かれているレンタルスペースで始まる恋の行方をエキセントリックな展開で描いた小村監督作「あなたと私の二人だけの世界」の3作品で構成。

俳優・小林且弥が立ちあげた映像プロジェクト「STUDIO NAYURA」の第1回製作作品。

2022年製作/115分/PG12/日本
配給:G-STAR.PRO
劇場公開日:2023年6月23日

スタッフ・キャスト

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(C)2023「無情の世界」G-STAR.PRO

映画レビュー

3.0すれ違いコントーアンジャッシュ

2023年9月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

知的

ネタバレ!クリックして本文を読む

互いの認識がすれ違ったまま会話をしてしまい、とんでもない勘違いをしてしまうといったネタを、明確な笑いに落とすことなく、映画の体裁を担保するといったコンセプトで共通したオムニバスである こちらのほうが『THEATERS』よりも明らかにレベルの高さは段違いだと感じた

1作目はとりもなおさず唐田えりかの独壇場であろう あれだけの不貞不貞しさと、危機を乗り越える悪運の体現、魔性の姿態と屈託無い笑顔は、多分他の俳優には追随を許さない特殊な才能だと認めてしまう それはスキャンダラスに塗れたプライベートが良い意味で補完したイメージ戦略かも知れないが、中々それを狙って作り得るモノではない 多くのキャスティング責任者がオファーの思いに駆られるという噂も、ステークホルダーのストップで涙を呑む状態では本当に残念な限りだ ラストシーンのベンツの車内から外を覧る表情は、不安と自信を同時に表わした何とも言えない顔であった

2作目はビルの階数を間違えて本物の組事務所にカチコミに乗り込んだ、オーディション参加の俳優の話 ヤクザの無茶振りに、何故だかビニール袋を被りガムテで首を縛って窒息する"覚悟"?を示すという、それが答なのかよく分らない、でもフィクションではよくあるシチュエーションをやってしまう俳優としての"性"を演じるメタ視点が面白い作品である

3作目は問題作 観賞後の各監督トークショーでの話だが、3作目のみ時間オーバーで50分以上だったらしい
そのシレっとした不敵な姿勢も面白いが、作品も又凝った造りになっている 同じレンタルスペースを利用している、護身術教室と恋愛指南教室 お互いの教室の生徒がそれぞれ意識のベクトルがまるで正反対に作劇されている喜劇として秀逸なアイデアであろう 方や男は敵、方や女はパートナー そんな現在にも通じる敵対心の中で、不運なのか触れ合ったところが男の本能という悲喜劇なのもオチとして卓越である その後の後日談の件はまぁ、強烈なオマケといった感じで、直接テーマ性は結びついてはいないが、男同士の幼稚な交遊内容を馬鹿馬鹿しくも演出してみせた作劇は大変面白かった 夢とは言え、いきなりの拳銃自殺は心の準備が出来ていなかったので衝撃だったが、あれも監督の計算だったのだろう 前触れもフリもなく、伏線も用意されていない中での唐突さがどれだけ観客に影響を与えるかの実験だったかもしれないという野心さも垣間見えたシナリオである

どれを取っても秀逸な短編で、長編には膨らましづらい、しかしアイデア勝負という点では才能を遺憾なく発揮した良作であった

いぱねま

3.02/3はアンジャッシュ

2023年7月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

萌える

ネタバレ!クリックして本文を読む

テーマのみ共有した、別監督による独立した3篇の短篇集。

『真夜中のキッス』
画面と雰囲気はとても好き。
反面、ユイの殺人(初犯じゃない?)の相手や動機、竹山がなぜ琢磨の家に来られたかなど謎も多い。
理屈は求めず、雰囲気と空白を楽しむ作品かな。
アンジャッシュ風にすれ違う会話など、ダークな中のコミカルさも光る。
ニュースでよく見てた頃は興味なかったけど、『死体の人』に続き唐田えりかが良い。

『イミテーション・ヤクザ』
こちらもアンジャッシュのコントのように始まり、沈黙使って緊迫感を差し込むなど緩急が上手い。
些細なきっかけでまた役者を続けようとする主人公を、非情にさり気なく描いているところも好印象。
「監督、僕です」の不意打ち感、絶妙にヘタな芝居の演技、マネージャーのツッコみと青空の〆なども好き。

『あなたと私の二人だけの世界』
ピュアさが生み出すシュールな笑い(鳩尾の流れは笑った)がツボで、途中までは凄くよかった。
男女の主人公はどちらも空気が読めず、発言の意図が見えず、次の行動が分からない。
そんな二人がどう絡むのかと期待していたところ、男としては遣る瀬ない生理現象でアッサリ崩壊。
そこから先は蛇足だし、櫻井側のその後も見たかった。
華奢で小柄ながら、「もっと強く」の時は謎の強キャラ感が滲むなど、新川優愛が魅力的。

特に最初と最後の2本は、脚本を練って90分くらいの作品にしたら面白そう。
本作では、一本としても各章としても星3〜3.5といったところかな。

uz

1.5自主制作映画なのかな

2023年7月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

三本とも工夫のある脚本なの。でも、この路線でいくなら、もう二捻り、三捻り欲しいかな。
三本目は「脚本は仕上がってないけど〆切きちゃった」って感じだったな。「あとは撮りながら編集しながら考えよう」というところだけど、無理だよね。

一本目は画がキレイだった。ファミレス周りはウィリアム・エグルストンみたいだった。いまみんな、ファミレスはこんな感じで撮れるのかな。
脚本は捻りが足りなかったから、この監督は脚本は別の人に任せて、監督専任で画をつくって欲しいと思ったな。

唐田えりかはいいね。やはりいい。
小野莉奈もさすが。作詞作曲もやったみたいでお疲れさまでした。

Scott

3.0舞台挨拶鑑賞

2023年6月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

イミテーションヤクザの監督、主演の方のトークショーでした。
3つの短編作品。1と2はキレイな方がたくさん出演されていました。

かん

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